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100年後も、残したくなる
愛され続ける家づくりとは?

「建てては壊しを繰り返すのではなく、100年後200年後も残り続けていくような素敵な家をつくりたい。そのために重要なのは、構造やデザイン、素材の力はもちろん、暮らす人がその家を大事に思い、健康に末長く生きていってくれることだと思うんです」

100年後も残り続ける家をつくりたい。

取材中、何度もその言葉を口にしていたのは、株式会社スカイグラウンドの代表・後藤雅仁さん。

スカイグラウンドは、愛知県岡崎市にある、オーダーメイドの家づくりを行う会社です。

実は後藤さん、お客さんへのヒアリングから、設計、積算、現場監督まで、家づくりに必要な役割をすべて一人で手がけています。

なぜなら、お客さんには、自由度が高くわくわくするような家づくりをしてほしいから。

今回は、後藤さんの右腕となる人を募集します。

 
東京から新幹線ひかり号に乗って、愛知・豊橋へ。

名鉄鉄道に乗り換え、20分ほどで本宿駅に到着。駅からは車で向かう。

田舎らしい風景の中に、別荘のような外観をした木造建築が見えてきた。

2017年にオープンした、スカイグラウンドのモデルハウスだ。

扉を開けると、木のいい香りがする。

モデルハウス内を案内してくれたのは、パートタイマーとして働く蜂須賀さん。

現在は出産・子育てのため、ブログ担当として自宅から会社をバックアップしている。実は蜂須賀さんもスカイグラウンドで家を建てたお客さんの一人だ。

「モデルハウスの中は、スペースごとに異なるテイストにしています。お客さんに、自分好みの空間を具体的にイメージしてもらいたいんです」

たとえばリビングは、石張りの壁や腰板を用いてクラシックに。キッチンは、おうちカフェをイメージした明るい空間に。

玄関から2階まで11種類の異なる雰囲気に仕上げている。

さらに、暮らしが楽しくなるような仕掛けも。

「キッチン横の壁面はキッズスペースで、ボルダリングができるようになっています。登りきったところには小さな入り口もあり、トンネルのように2階へ上がる階段へとつながっているんです」

見学に来たご家族の中には、遊ぶのに夢中になって帰りたくなくなるお子さんもいるんだとか。きっと秘密基地みたいで、楽しいだろうな。

 
「お客さんには、わくわくしながらお家づくりをしてもらいたいんです。『こんなお家をつくりたいな』という気持ちを伝えてもらうと、僕も刺激を受けてスイッチが入る。想像を上回る提案をいつも目指しています」

そう話すのは、代表の後藤さん。

「家づくりが趣味」と表現するほど、住宅建築が大好きなんだそう。話していると、その熱が伝わってくる方。

後藤さんはなぜ家づくりに関わるようになったのか。これまでの経緯を伺っていく。

「最初のきっかけは、小学生のときにまでさかのぼって。隣町に、お城みたいな素敵な洋館があったんです。そこを通るたび、どんな人が住んでいるんだろう?と想像しながら、わくわくしとったんですよね」

いつかこんな家を設計して、住んでみたい。

夢はずっと心の中にあったものの、いつしか影をひそめていったそう。

大学卒業後は、大手アルミ建材メーカーに就職し、2年目からビルの外装設計に携わるようになる。

そのときに学んだのは、細部まで徹底的にこだわって図面を書くという姿勢。

「全体の設計図だけでなく、具体的な納まり方まで考えて施工図というものも書いていました。配慮の行き届いた美しい図面を描けるかどうかが、建築の良し悪しを決める。それは、今でも常に意識していることです」

20代後半にさしかかるころ、自分の家づくりをしたいと考えるように。

「そのとき、子どものころの想いがフラッシュバックしてきたんです。『僕は自分で家を設計して建てたかったんだ』と」

住宅建築に意識を向けていくうち、ニュースで「コンストラクションマネジメント」という言葉を耳にする。

コンストラクションマネジメントとは、お客さんへのヒアリングから設計、インテリアコーディネート、現場監督まで、家づくりの過程に必要な役割を一貫して担うもの。

日本ではあまり聞きなれない言葉だけど、欧米では家づくりに欠かせない資格として確立されている。

実際にどんな家づくりがなされているのか。自ら確かめるべく、後藤さんは会社を辞め、単身アメリカに留学。

現地へ行くと、家づくりに対する考え方の違いに衝撃を受けた。

「日本では、家を建てたら20〜30年で建て替えるのが当たり前ですが、アメリカでは中古住宅の住み替えがスタンダードで。一度建築された家はリフォームを繰り返し、壊されることなく残り続けていたんです」

住宅ローンの仕組みにも違いがあり、アメリカでは、施主に対してではなく家に対してお金を貸し、その金額も家の価値をもとに決まる。

つまり、将来も価値が下がらない家ならば、たとえ古くなっても銀行はお金を貸してくれるということ。

そのなかで、コンストラクションマネジメントによる家づくりがどんなメリットをもたらすのか。

一つには、経費が抑えられるという点が挙げられる。というのも、一人が家づくりに関わる何役分も引き受け、さらに工務店を介さず、屋根や水道工事など各工事の専門業者ごとに分離発注をするから。

費用が抑えられる分、自分たちのこだわりたいところに予算を回せるため、個性豊かな理想の家をつくることができる。

「自分が大好きだと思う空間に身を置くことができたら、きっと大事にしたくなる。そんな家は、人から人へと受け継がれていくと思うんです」

コンストラクションマネジメントは、各プロセスで求められる知識やスキルを身につけることはもちろん、さまざまな専門業者の仕事も理解し、工事の指揮をとっていくことが求められる。

簡単なことではないものの、その仕組みを取り入れれば、日本でも自由度の高い家づくりが可能になるはず。

やりたいことを明確にした後藤さんは、日本に帰国後、輸入住宅を手がける会社に就職。営業から現場監督まで、さまざまな仕事を分け隔てなく経験した。

8年間経験を積んだのち、独立を決める。

「コンストラクションマネジメントによる家づくりが可能かどうかを実証したかったので、まずは自宅をつくることにしました。自分で設計し、大工さんや屋根屋さん、外壁屋さんなど業者もすべて分離発注で手配して」

「そして実現できた。そのとき、『今の自分ならできる』と確信したんです」

2008年にスカイグラウンドを創業。

以来、洋風・和風・北欧・モダンなど、さまざまなスタイルの住宅建築を手がけてきた。

お客さんの思い描く家を、できるかぎり叶えてあげたい。そんなふうに気持ちに応えていくうち、自然とデザインの幅も広がっていったそう。

具体的に、どんなふうに家をつくっていくのだろう。

「たとえば、最初に依頼してくれたお客さんは、素敵な和風のお家をつくりたいということで。それまで手掛けたことのなかったジャンルだったので、明治や大正、昭和時代をコンセプトにしたテーマパークやお城をとにかく巡りました」

「建物を見ては、ひさしや瓦、屋根の形がかっこいいのか、全体のバランスがそう見せているのかと、考えを巡らせてね」

実際に自分の目で見て、「かっこいい」という感覚をつかんでいくんですね。

「そうです。それをいかに自分のものにできるか」

「資料を見るときも、窓枠の縦と横の比率は、何がいちばんちょうどいいのか測り比べてみたり、窓と窓との間隔が等間隔になっていない理由を考えたり。違いを意識しながら見ていくことで、いいバランスがわかってくるんです」

自分の中に蓄えたイメージと、お客さんの理想とを重ね合わせながら、アイデアを提案していく。

オーダーメイドの家づくりというと高額なイメージを持つかもしれないけれど、一人が職域を超えて役割を担っているからこそ、費用をかけずに具現化する方法を考えられる。

たとえば、玄関扉は蔵で使用されていたものを参考に、手づくり。その結果、通常なら80万円ほどの費用がかかるところを、15万円ほどにおさめられた。

後藤さんの話を聞いていると、一つひとつ、自分でものごとの感触を確かめていくという姿勢を感じる。

「自分でやってみるのがいちばんいいと思っているんです。施工のときも、職人たちの仕事について事前に勉強したうえで、できる限り自分もやらせてもらうようにしていました」

「そうすることでやっと、細部の形や質感まで、的確な指示が出せると思うんです。手間はかかるけれど、いいものをつくりたい!と思うと、やりたくなっちゃうよね」

いろんなことを自分で理解していくと、仕事も人とのコミュニケーションも一層深めていけると思う。そうすればきっと、お客さんの不安や悩みを解消したり、選択肢の幅を広げることにもつながる。

「やっぱりお家づくりって、人生のなかでものすごく大事なこと。だからこそ、いろんなことを知ったうえでお客さん自身に選択していってほしい」

スカイグラウンドでは、自然素材の木を家づくりに取り入れている。これも、健康で居心地よく暮らしてもらうにはどんな選択肢を用意できるかと、考え続けた結果たどり着いたもの。

後藤さんの想いに共感し、同じ方向を向いていけるなら、これから加わる人は未経験でも構わないという。

はじめは後藤さんについて、家づくりの流れをつかんでいくことになる。

「現場を知らないと家づくりはできないので、まずは現場監督の仕事を2〜3年やりながら、営業の手伝いを並行してやっていく。その次は、デザイン集を読むとか自分なりの方法で設計のセンスを磨いていく…という感じかな」

「どの過程でも押さえるべきポイントは伝えるので、そこからは自分で意識しながら、日々勉強です」

一人前になるには、どれくらいかかりそうでしょう。

「僕が20年かけて学んできたことは、すべて教えます。自分で学ぶ精神のある人だったら、5年である程度まで育つんじゃないかな」

「どこへ行っても通用できる人間に育ってもらえたらと思っていつつ、この会社を受け継いでいってもらいたい。そんな人と出会えたらうれしいです」

 
最後に、後藤さんの言葉を紹介します。

「つくっては壊しの繰り返しではない家づくりは、環境にもやさしいはずです。そこを掘り下げて考えていけば、素敵な街並みをつくっていけると思うし、日本の建築産業も変わっていくと思っていて」

「だからこそ本当の意味で、人が健康で豊かに暮らしていける家とはどういうものかを、僕もまだまだ本気で、勉強したいなと思っています」

何か心に留まることがあれば、一度後藤さんと話してみてほしいです。

家づくりという領域を超えて、視野を広げていける。そんな気がします。

(2018/08/30取材 後藤響子)

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