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生活にアートを
つくり手とともに
豊かな暮らしを提案する

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「アート」という言葉を聞いて、思い浮かぶものはなんだろう。

美術館に飾られているような、絵画や彫刻作品など。少し敷居が高いイメージもあるものの、本当はもっと身近なところにも、アートはあるのかもしれません。

日々の生活にもアートは取り入れられる。スパイラルマーケットはそんなことを教えてくれるお店です。

今回は表参道にあるスパイラルマーケットをはじめ、二子玉川と丸の内の店舗で働くアルバイトと日給契約社員のスタッフを募集します。

広い店内には、2週間ごとに切り替わる作家さんの展示スペースがあって、店頭に作家さん本人が立つことも。

作品に込められた思いに触れたり、伝えたり。そんな思いのやりとりを大切にする仕事だと思います。



表参道駅のB1出口を出ると、すぐ目の前に「Spiral(スパイラル)」と書かれた建物がたっている。
ここは、展覧会やダンス公演などさまざまなイベントを開催している複合文化施設。「生活とアートの融合」がテーマで、館内にはネイルサロンやカフェなどもある。

スパイラルマーケットがあるのは、このビルの2階。エレベーターで上がると、開放的な空間が広がっていた。

ここには生活用品や文房具、洋服からアクセサリーまで、約6万点ものアイテムが揃っている。間仕切りが少ないおかげで、広々としていて気持ちいい。

一日中いても飽きなさそうな空間だなあ。

まずはお店のことについて、スタッフの田島さんにお話を伺う。店頭にも立ちながら、今は商品企画や広報活動の仕事をしているとのこと。

1985年、この施設のオープンとともに、スパイラルマーケットは誕生した。

「スパイラルでは、展覧会やダンス公演などの芸術を気軽に楽しむことができます。その一部であるスパイラルマーケットは、手にとりやすい作品や生活雑貨などを通して、暮らしにアートを取り入れてもらうことを提案しているお店なんです」

お客さんのなかには、スパイラルのイベント帰りにお店へ立ち寄るような、アートに関心のある人も多いそう。

鑑賞体験だけではなく、暮らしの中でも気軽にアートを楽しめることを知ってほしい。

スパイラルマーケットで扱うものには、どれもそんな思いが込められている。

「たとえば、クリスマスに向けた店内のディスプレイも、作家さんと一緒につくったもの。天井に吊り下げられている布は、色とりどりの陶タイルをグラフィックに落とし込んで印刷してあるんですよ」

手がけたのは、陶芸作家ユニットの〈Satoko Sai + Tomoko Kurahara〉。陶を素材にした作品をつくっており、日本やフィンランドで展覧会を開いている。

今回のコラボレーションでは、あたたかな冬をイメージした陶器のタイルを制作。それを元につくられた、ハンカチやカレンダーなどの限定アイテムも販売している。

店内には、作家さんが一つずつこだわってつくった、一点ものの商品も数多く置かれているそう。

「普段、自分が使っているものに、つくり手の存在を感じることは少ないかもしれません。量産されているものも、デザインされている方や職人さんなど、必ず人の手を経てつくられているんです。スパイラルマーケットが、つくり手を感じるきっかけになってくれたら嬉しいですね」

もともとはアパレルの販売をしていたという田島さん。

チームで売り上げを増やしていく仕事にはやりがいを感じる一方で、覚えた情報をただお客さんに伝えるだけの販売方法にジレンマを感じていたという。

「どんな人がどんな思いでつくった商品なのか。つくり手の熱量をわたし自身がまず知った上で、販売をしたいと思っていたんです」

「このお店では、作家さんやメーカの方々と関わる機会がもてる。作家さんが店頭に立つこともあるし、ポップアップイベントなどで直接お話をすることも多いです」

入社して間もない頃、作家の鈴木仁子(きみこ)さんのフェアを担当することに。鈴木さんが制作していたのは、白磁をつかったジュエリー。

「これ、遠くからみるとレースみたいですけど、実は焼き物なんですよ」

「ペースト状にした土を少しずつ絞り出して、絵を描くようにつくっているそうです。話を聞くと、白磁という素材をすごく大切にされていて。このネックレスも、白磁の可能性に挑戦した作品なんです」

通常は器に使われることが多い磁土。ジュエリーとして完成度の高い作品にするのはとても難しい。

焼く温度や時間についても試行錯誤を重ね、やっと強度を保てるようになった。

「すごい手間がかけられているんだなって。お客様にも、見た目だけではわからない、この作品にかけられた思いを伝えたい。作家さんと話をすると、一つひとつが大切な作品なんだって実感します」

作品や商品に込められたつくり手の思いを知ると、丁寧に扱おうという意識が生まれてくる。

「このお店は、実は裏の音が店内にも聞こえてしまうくらいバックヤードが近いんです。重たいダンボールを雑に置いたり、走ったりすると、それだけで音が響く。でも、大きな音がしたことはなくて」

「みんなが丁寧に扱っているからだと思います。ここで働いていると、自然と丁寧な所作が身について。周りを見ても、大きな声を出すような人はいないような気がします」



つくり手の存在をとくに感じられるのが、「spiral market selection」という展示スペース。2週間ごとに様々な作家さんを紹介しつつ、販売も行っているそう。
運営を担当しているのが佐々木さん。

「これまでたくさんの作家さんに出会いました。人によって、作風や売り場も変わってくる。それぞれの個性に触れられて面白いです」

この日展示されていたのは、フクシマミキさんのブランド「mi’ndy(ミンディ)」。レジンでできたジュエリーや革小物、バッグなどが置いてある。

フクシマさんは、制作以外に展示空間のアートディレクションなども行なっているそう。空間が人に与える印象を大切にしており、今回もディスプレイからこだわった。

「特に時間をかけたのが、上から吊るしている丸いモビール。試してみてイメージが違ったら、位置や吊るすものを変えてみる、ということを何度も繰り返しました」

「できるだけ作家さんのイメージに寄り添いたい。こちらから提案することもありますが、まずは作家さんの中にあるものを大切にしています」

配置替えを手伝ったり、どんなイメージを持っているのか話を聞いたりすることで、表現の助けになっていく。

商品はもちろん、ディスプレイもアート。一つの作品ができていくまでを、一緒に体験しているよう。

今回募集する人も、フェアなど定期的に開催しているイベントを担当する機会があるそう。佐々木さんのように、作家さんともコミュニケーションをとっていける人がいいのかもしれない。

入社したら、まずはどんな仕事からはじめるんだろう。

「最初は納品作業をしながら、商品を覚えていきます」

スタッフそれぞれに担当しているカテゴリーがあり、まずは担当分野について理解を深めていく。定期的に担当カテゴリーは入れ替わるので、少しずつ知識の幅を増やしていくことができる。

新しい商品が入ったら、不具合や汚れがないかなど、一つずつ細かくチェックしていく。

「ガラスにちょっと傷がついていたり、カードに少しシミがついていたりとか。よく見ないと気がつかないようなものでも、お店に出すことはできないんです。最初はこんなに細かいものでも駄目なんだって驚きました」

この程度ならいいや、という妥協はしない。心からいい商品だと思っているからこそ、自信を持ってお客さんに勧めることができる。

そのためには、自分が扱っている商品について、きちんと理解をしておくことも大切。

作家さんやメーカーから、全スタッフ対象に説明会を開いてもらうこともある。食器であれば電子レンジに対応しているのか、食洗機を使っていいのかなど、お客さんが知りたいと思うような情報が不足していたら、納得のいくまで確認する。

細かい情報や、作家さんと接するなかで聞いた話は、ファイリングをしてスタッフ間で共有しているそう。

シーズンが変われば、新商品も多く入ってくる。そのたびに商品について覚えるのは、なかなか大変ですよね。

「スパイラルマーケットで扱っている商品が好きなので、覚えなきゃっていう義務感はなくて。商品について知るうちに自分でも使ってみたくなって、購入することもよくあります」

閉店後にお店の商品を見てまわり、買って帰るスタッフも多いんだとか。



「やっぱり、スパイラルマーケットの商品が好きな人と働きたいですね」

そう話してくれたのは、久世さん。

久世さん自身も、もともとお店のことが好きで入社した方。

「青山のお店に来たら、洗練された雰囲気があってスタッフもすごく素敵で。一目惚れして、すぐに応募しました。ほかに就職活動もしなかったんですよ」

まずは、日給契約社員からスタート。働いて3年が経ったころ、店長から「正社員にならないか」と声をかけてもらったそう。

「責任も仕事も増える。社会人としてもっと成長したいなと思って。面接試験などを受けて、正社員になりました」

これから入る人も、経験を積んだ後は、久世さんのように正社員を目指すこともできる。商品企画や店内で行っているイベントの企画など、ステップアップしていくチャンスもあるようだ。

久世さんは最近バイヤーの仕事をやり始めたんだとか。

買い付けでは、店頭に並ぶ商品を選ぶため、たくさんの商品に触れることになる。以前より多くの作家さんやメーカーと知り合い、作品や商品に込められた思いを聞く機会も増えたそうだ。

「買い付けを担当しているスタッフもみんな、いつもは店頭に立っているんです。バイヤー専任になることはありません」

「作家さんから買い付けのときに聞いたことも、お客様に直接伝えることができる。それに、常にお客様の近くにいるからこそ、求められている商品がわかるんじゃないかなと思います」

こういうテイストの服があったらいいな。

日々の接客で耳にする何気ない会話が、買い付けの際の助けになる。店頭でお客さんと接することは、どんな業務においても大切になってくるそう。

「初めて買い付けをした商品がもうすぐ売り場に並ぶんです。お客様の反応も直接みることができるので、楽しみですね」



心を込めてつくられた作品を取り入れて、毎日の生活をちょっと豊かに。

そんなふうに日々を過ごしている人たちだと思いました。


(2019/10/31 取材 鈴木花菜)

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