求人 NEW

未来志向の小さなチーム
投資家と一緒に
コミュニティをつくる

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コミュニティづくりに関わる仕事がしたい。

そう思ったときにどんな選択肢があるでしょう。

今回紹介する仕事は、「コミュニティづくり」という切り口で探しているとなかなか見つかりにくい業種かもしれません。

株式会社フープパートナーズは、不動産投資を手掛ける会社。商業施設やオフィスなど、取得した不動産の価値を高める企画を立案し、投資家向けにリリースしています。

今回募集するのは、ここで働くアセットマネージャー。会計や建築などいろんな専門家をまとめながら、プロジェクトを遂行する人です。

コミュニティスペースの発想を取り入れた場づくりを進めていくために、業界の外から挑戦してくれる人を探しています。

ひとつのコミュニティに入り込んで現場のマネジメントに携わるというよりはその場所ごとにあったコミュニティのかたちを提案するプランナーに近い立場かもしれません。

今の時点で応募者に求められているのは、「人と人をつなぐ場をつくりたい」という思いです。

投資の仕事って、なんだか難しそう。そう感じる方もまずは読んでみてください。素人の私が、基本のキから聞いてきました。


地下鉄・九段下駅から靖国神社のほうへ歩いて5分ほど。

フープパートナーズの事務所は小さなビルの二階にある。迎えてくれたのは、代表の平山さん。

「新卒で大手不動産会社に入ったのは、もう30年以上前。マンション分譲に強い会社だったんですが、僕はなぜかホテルとか商業施設とか、ちょっと変わった新規事業を立ち上げる仕事ばかりやっていて。10年以上会社にいたのに一度もマンションには携わらなかったんです」

「社内で、僕はちょっと変わり者だと思われていたのかもしれない(笑)。学生時代は建築学科だったんですけど、R&Bバンドでベーシストをやっていたりしてね」

会社のなかでのメインストリームではなかった商業施設の案件。

自分のつくった場で、みんなが集まって楽しんでいるところを見られる。商業施設のやりがいは、学生時代のバンド活動ともちょっと似ていて、楽しかったという。

在職中は、東京郊外にシネコンを核としたモールをつくるなど、ユニークな案件を多く手がけてきた。一方で、商業施設を得意とするデベロッパーにはかなわないという思いもあったそう。

「新しいものを山ほどつくることはできないけど、既存のものを変えていくことでアプローチできないか。今の仕事に通じる新しい道を見つけられたのも、そのころだった気がしますね」

その後外資系不動産ファンドの日本代表を経て、2012年にそのファンドの仲間と一緒に立ち上げたのが、フープパートナーズ。

自分たちの強みとして意識してきたのは、不動産のバリューアップ。取得した不動産を自分たちで企画し直して、投資家たちにリリースしている。

具体的には、どういうことなのでしょう。

「たとえば、数年前に手掛けたのは埼玉県北部にあるショッピングセンター。そこはごく一般的な総合スーパーで、駅からも遠いし、食料品以外はあまり売れていない。物件を売却しようにも、なかなか買い手がつかないという状況でした」

その施設を取得した平山さんたちが取り組んだのは、店舗MDの見直し。

メインの食料品部門だけを残してもっと生活に密着した商品を提供できるお店にテナントとして入ってもらう。

消費者のニーズに合うようにソフトを変えるだけで、ハードや立地は変わらなくても投資価値が高まる。

結果的に、その物件はかなりの付加価値を付けて売却することができたのだそう。

商業施設のニーズは、時代とともにめまぐるしく変わってきた。

「ちょっと前までは、地方のファッションモールってすごく需要が高かったんですよ。今はそれも飽和状態だし、便利なECサイトもたくさんある。だから商業施設には、わざわざそこに行きたくなる理由が必要なんです」

何を買いに行くかではなく、誰とどんな時間を過ごしに行くか。

カフェで仕事をしたり、コインランドリーでコーヒーを楽しんだり。公共の場のあり方は多様化している。

一見利益を生まないように見えても、人が集まりやすいコミュニティスペースをつくることで、その場所の価値が高まることもある。

それって、まちづくりにも近い発想ですよね。

「そうなんです。投資家たちも今そういうソーシャルな価値に関心が高まっているんですが、不動産ファンドの業界ではまだ本格的にコミュニティの領域に手をつけているところは多くなくて。だからこそ、今我々がやりたいんです」

不動産投資というと、一般的には金融業界に分類される仕事なのだけど、今回はむしろほかの業界から、コミュニティづくりに関心の高い人を採用したいと考えている。

スタート時は未経験でもいいので、将来は「コミュニティづくりのできるアセットマネージャー」に成長してくれるような人を求めているのだそう。

「今ちょうど、コミュニティスペースを取り入れたいと思っている案件があって。ただ、それはかなり大きなプロジェクトなので、まずはほかの担当者とチームを組んで参加してもらう形になると思います」

「これからは、どんな施設にも少なからず“コミュニティづくり”の発想は欠かせなくなる。ただ、これまで業界内にも事例があまりないので、まずは直感で進める部分も出てくるかもしれない。これって、新しいことをはじめるときには結構大事なんですよ」

平山さん曰く、投資家たちはみんな未来志向。

事例に沿った確実な道だけでなく、「こうなるといい」という未来に賭ける。投資家たちにアプローチするには、今はない形を想像する力も必要なのかもしれない。

「基本的には、アセットマネジメントの仕事なので、数字とか契約書を読むとかそういうことが苦手だと難しいんですけど、やっぱり一番大事なのは好きってことじゃないですか。人が好きで、人が集まるコミュニティをつくりたいっていうこと」


そんな平山さんとは、かれこれ20年近くの付き合いになるというのが、顧問の大倉さん。商業施設の開発を得意とする大手デベロッパーで長くキャリアを積んできた方だ。

「私は、楽しいことをやりたくてここへ入ったんですよ。大きな会社で守られている安心感みたいなものはないかもしれないけど、多様性は大事にしています。新しく入る人も、業界に染まらずに、個性やキャラクターを持ち続けてほしい」

業界での経験が長い大倉さん。商業施設のコンセプトづくりからテナントリーシングまで、幅広く手掛けてきた。

一方で、コミュニティづくりに対する思いはあっても形にできていないという。

新しく入る人の視点と、ベテランの先輩たちの経験。お互いを活かし合いながら形にしていけると良さそう。

大倉さんから見て、たとえば今どんなところに可能性があると思いますか。

「商業施設に行くとベンチがあるでしょう。もちろんただ座って休むのもいいんだけど、隣の人同士が知り合えたら面白いかもしれない。もっとお互いに会話ができる仕掛けというか、何かできるきっかけがあるといいのになと思うんです」

「定年退職した人は暇を持て余しているのに、同じまちのなかには働き手が足りない職場がたくさんある。そういう矛盾みたいなのがうまく解消できる場づくりに関わりたいなと思うんです」

なるほど。たしかに、間をつなぐコンテンツがあるといいかもしれないですね。

たとえば、おじいちゃんおばあちゃんと放課後の子どもたちが遊ぶ場とか。普段交わらない層に接点ができて、コミュニティが施設の外にも広がっていきそう。

具体的に、そのアイデアを実現するにはどうすればいいだろう。

今回募集するアセットマネージャーは、空間づくりや、施設の運営を担う団体やテナントなどいろんな人たちをまとめながら、不動産企画を実現に向けて進めていく役割。

自分自身がプレイヤーとして一個のコミュニティに入り込むというよりは、適切なメンバーを揃えて動かしていく、ディレクターのような仕事なのかもしれない。

10人足らずの小さい会社だからこそ、柔軟に動ける環境もある。


最後に紹介するのは、アセットマネージャーの中嶋さん。今回入る人と、同じ視点で話ができる同僚になると思う。

「物件の取得と投資、営業にはそれぞれ別の担当者がいます。ほかにも会計担当や建築担当など社内外のさまざまな担当者が案件ごとに関わるので、私はその全体像を俯瞰しながらプロジェクトをマネジメントしていくような役割ですね」

仕入れた物件の価値を高めるための運用プランを立てて、実現に向けて必要な要素を揃えていく。

中嶋さんはこの会社に入る前、銀行で融資などを担当していたのだそう。フープパートナーズは、いわば元顧客という関係。

立場が変わったことで、感じる変化はありましたか?

「めちゃめちゃありましたよ。銀行にいたときって、お金が返ってくるかどうかという視点しかなかったんですが、逆の立場になってみたら、みんながいかに『不動産をちょっとでも良くしたい』っていう思いで仕事をしているかがわかって」

もっと駐車場を増やしたほうが、お客さんが喜ぶ。そのために、どう予算の折り合いをつけようか、など、常にみんなで議論しながらプロジェクトを進めていくのだそう。

3年前に入社した中嶋さん。もっと早く転職を決断してもよかったかもしれない、という。

「大きい組織にいると、何かアイデアを実現するのに数年かかることもあるけど、ここだとみんなが『いいよ』って言えば、明日には実現できる。そこのスピード感とか裁量の大きさは違うなと思いますね」

一方で、働く時間と仕事量のバランスを、自分で責任を持って管理することが求められる環境でもある。

休日の昼間は家族と過ごしながら、夜ちょっと空いた時間で仕事をするなど工夫しながら仕事と向き合っている。

「仕事だからっていうよりは、僕にとっては、好きなことがいつまででもできちゃうっていう自由さのほうが大きい気がします」

「この会社の人たちは、一緒に働いていても『みんなこの仕事が好きなんだな』ってわかるんですよね。それぞれ一癖ある人たちだと思いますけど、逆に今はこれがなければ寂しいかな(笑)」

たしかにベテランのおふたりからも「楽しいことをやりたい」という言葉が繰り返し出てきた気がする。

きっと、世代やキャリアを超えて一緒に未来のことを話せるチームだと思います。

いいコミュニティをつくっていきたいという思いがあるなら、臆せず飛び込んでみてください。

(2019/12/9 取材 高橋佑香子)
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