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腕組みしてもしょうがない
地球を救うビジネスは
楽しく真剣に

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

なんのために働くのか?

そんな問いに向き合うタイミングが、誰しもあると思います。

大切な人のため、いい暮らしをするため、社会の課題を解決するため。いろんな答え方が考えられるなかで、とてもシンプルな答えを打ち出している企業があります。

“私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。”

この言葉を掲げているのは、アウトドアブランドのパタゴニア。サーファーやクライマーに愛用されるウェアのみならず、創業者イヴォン・シュイナードさんの著書「社員をサーフィンに行かせよう」や、最近では参院選の投票日に全国22の直営店をすべて臨時休業としたことなど、さまざまな形で発信されるメッセージを通じてその存在を知っている人も多いと思います。

今回、東京都内の8店舗と広島ストアで働く販売スタッフを募集します。

“地球を救う”という大きなテーマに、まっすぐ向き合っているみなさん。

かといって、腕組みしながら考えようというのではなく、日常会話のなかで何気なく環境問題のことを語ったり、ゴミを出さないように身の回りのことから少しずつ変えていったり。ごく当たり前の感覚で地球のことを考え、行動している。そんな軽やかな印象も受けました。

経験やスキルは問いません。それぞれ異なる経緯でパタゴニアに入社し、活躍している3名のスタッフに出会ってきました。

 

まず訪れたのは、渋谷店。キャットストリートを歩いていくと、日の光がたっぷりと差し込むガラス張りのお店が見えてきた。

広々とした店内には、本格的な冬の寒さに備えたダウンやフリースのほか、登山用のアクセサリーや書籍、オーガニックな食品などが並んでいる。

話を聞いたのは、販売スタッフの相良(さがら)さん。海外に長く住んでいた経験があり、スタッフや親しくなったお客さんの間ではイングリッシュネームで「カイル」と呼ばれている。

ロサンゼルスの大学に通っていた相良さん。当時の家から車で2時間ほど離れた人気のサーフスポット・ベンチュラに、パタゴニアの本社と直営店があった。

「ショップスタッフのフランクさとか、会話のノリが心地よくて。従業員のことをよく考えている会社だなってことも肌身に感じたし、個人的にも海をきれいにしたいっていう気持ちが強かった。いつかパタゴニアで働きたいなと、当時から思っていました」

帰国後は4年間ホテルに勤め、プロの接客を学んだ相良さん。満を持して、昨年の2月からパタゴニアで働いている。

店頭スタッフの主な仕事は接客。お店を訪れるお客さんに対し、製品の背景を伝えることも含めて関わっていく。

「タグの部分に、『このシャツはペットボトル何本分からできています』というようなリサイクル表示があるので、そこから話を広げたり。あとは最近の環境問題とか政治のトピックについても、ぼくは結構話しますね」

各店に環境社会担当がいて、渋谷店には相良さんを含め3人の担当者がいる。

たとえば、近隣のお店と合同でキャットストリートを掃除したり、月に1回、直近の環境問題や政治などのトピックスを共有する環境ミーティングを店舗スタッフ向けに開いたり。今年の4月からはパタゴニアの全直営店でレジ袋を廃止することが決まっていて、そこに向けた取り組みもある。

パタゴニアは、毎年売り上げの1%以上を環境保護団体に寄付している。店頭でも、さまざまな取り組みを紹介したり、署名を通じてその活動に参加できたりと、環境問題にあまり触れてこなかった人でもアプローチできるような工夫が散りばめられている。

「今でしたら、長野県の白馬村で自然エネルギーを使ったスキーリゾートを運営しようとしているPOW(Protect Our Winters)JAPANという団体を応援していて。おおよそ月がわりのペースで、いろんな取り組みを紹介しています」

私生活においても、家の排水溝からは洗剤やマイクロプラスチックを出さないし、ゴミになるものはなるべく買わない。相良さんのスタンスは、一貫していてすごいなあ。

「自分の考えを人に強要するつもりはなくて。ただ、ぼくはお酒の席でも当たり前にこういう話をするので、身近な人たちも勝手に何かを思って変わっていくというか」

「それこそぼくの周りの友だちは、見た目はいかつい感じなんですけど、コンビニでレジ袋とか使わないですし。あ、大丈夫ですって言って、おにぎりポッケにボーン!って突っ込んで」

ああ、いいですね(笑)。

「東京のど真ん中で、政治のこと、環境のことを当たり前に話してる。そのほうがかっこいいとぼくは思うので。『渋谷のヒゲの濃い店員がなんか言ってたな』とか、そういう印象をちょっとでも残せたらなと思っています」

遠方から、東京に来るたびに足を運んでくれるお客さんもいる。渋谷という立地上、外国人観光客も多いので、海外経験豊富な相良さんは頼りにされる機会も多いという。

「土日は3000〜4000人のお客さんが来る日もあるので、一人ひとりに100%向き合うことが難しくて。ああ、もっと話したいなと思うことはあります。でも仕事上でつらいことはとくにないですね。体力的にも、精神的にも」

企業としての明確なフィロソフィーがあるからこそ、お客さんに対しても、スタッフ間でも、まっすぐな会話ができる。

思ったことを素直に口にしやすい環境が、働きやすさにつながっているのかもしれない。

 

続いて訪ねた吉祥寺店は、吉祥寺駅から歩いて5分ほどの距離にある。

すぐそばに井の頭公園があることもあって、散歩中の親子や高齢の方がよく来るみたい。スタッフにも、子育て中のお母さんが多いそうだ。

店先で、販売スタッフの由井さんが迎えてくれた。

「奥多摩とか西東京に一番アクセスがいいので、クライミング関連がとくに充実しているお店ですね。スタッフもお客さんも、山をやる人が多いです」

自身もコアなクライマーである由井さん。実は、入社するまでパタゴニアのことはよく知らなかったという。

「わたし、ファッションには疎くて…(笑)」

企業としてのフィロソフィーや活動を知っていて入社する人ばかりなのかなと思っていたので、意外でした。

「環境への取り組みとか、製品のこととかは、入ってからも学べるので。それより、一緒に遊びにいけることが大切かも」

一緒に遊びにいけること。

「結構みんなで遊びにいくんです。月に2回とか。一緒に外で遊ぶと仲良くなるんですよね。わたしは全部乗っかるタイプなので、今年になってサーフィンもはじめました」

ウェアの機能や使い勝手も、自分で身につけるとよくわかる。それに、普段から自然と触れ合っていてこそ、その魅力や環境保護活動について自分の言葉で語れる、という側面もあると思う。

環境や社会に対してのメッセージを、製品を通して伝えていく。それはパタゴニアで働く面白さであり、難しさでもあるような気がします。

「そうですね。お客さんへの伝え方は難しいなと思います。買いものに来て、いきなりそんな話をされても…という方もいると思うので」

「ただ、最近は台風とか大雨とか、わかりやすい形で気候変動の影響が現れていて、2、3年前よりいろんな話を受け入れてもらいやすくなったなと思います」

吉祥寺は今まさに、フェアトレードタウンを目指して取り組んでいるところ。プロモーションやお店づくりの担当でもある由井さんは、そんなまちの動きに合わせて、パタゴニアの取り組みをより広く知ってもらえないかと試行錯誤している。

「何も買わないけどよく来てくれる常連さんとか、お菓子をくれるおじいちゃんもいて。スタッフと話すのを楽しみに、ふらっと来てくれる人がもっと増えたらいいなって思うんです。環境のこととかも、そういう何気ない会話から広がっていくんじゃないかなって」

 

最後にもう一箇所、訪ねたお店がある。千葉県の一宮町にあるサーフ千葉店だ。

東京オリンピックの競技場になるような、絶好のサーフスポットまで歩いていける立地。今回の販売スタッフ募集の対象ではないものの、パタゴニアのフィロソフィーを感じられるお店ということで、訪ねることに。

店の前には広々とした庭があって、一匹の犬が駆け回っている。「うちの子なんです」と話すのは、アシスタントマネージャーの松宮さん。

大阪でアパレルの会社に長く勤めたあと、自宅から自転車で通える距離にあったパタゴニアのお店で働くことに。サーフ千葉店には、研修で1ヶ月ほど滞在したことがあった。

「こういう田舎というか、発展しすぎていない場所に住みたい気持ちがずっとあって。サステナブルな暮らしを、自分はどこまで無理なく続けられるのか、試したかったのもあったと思います」

2ヶ月前に移り住んできて、地産地消やゼロ・ウェイストを意識しながら生活を送っている。

大阪のまちなかのお店と、外房の海から歩いてすぐのお店。異なる環境を両方経験してみて、感じることってありますか。

「今は葛藤タイムなんです。目の前に海があって、サーフカルチャーが根付いたようなこの土地だから得られる目線もある一方、どうしても視野が狭くなりがち。そこをどう切り拓いて、調和していくかだなあって」

売り上げをただ求めても仕方ないけれど、ビジネスとして成り立たせなければどんなにいい取り組みも続かない。都市部と地方とでは、そのバランス感覚にばらつきがあることも、サーフ千葉店にやってきてわかったという。

マニュアルやノルマはないので、どの店舗で働くにしても自分から学ぶ姿勢が大切になってくる。

加えて、パタゴニアの各店舗には「地域のギフトになる」という共通の課題があるという松宮さん。

まずは足元の地域をよくしていくことが、結果的に地球のためにもなる。

「大阪の店舗に勤めていたときに、オーガニックコットンを育てている人、河内木綿を復活させている人、有機で野菜をつくってる人とか。実は地域でいろんな活動をしているお客さんやパタゴニアのOBがいることを知って」

「その人たちの発信の場をつくりたいと思って、『BURIKI MARKET』というイベントを立ち上げて。先日、第6回を大阪でやってきました」

出店者は20を超え、1日で3000人以上が参加するイベントへと成長しているそう。

今後はサーフ千葉やほかの地域でも、同じような取り組みができるかもしれない。

みなさんの話を聞いていたら、あるフリースの製品がほしくなってしまって、取材後に購入。「大事に着てあげてくださいね」と言葉をかけられた。

30年以上前からの定番製品で、20年近く着古しているスタッフもいるのだとか。パタゴニアでは修理も受け付けているから、子の代まで引き継いで着ることもできる。

環境にかける負荷を最低限にとどめながら、質の高い製品をつくり、ビジネスを手段として地球を救う。シンプルに見えて、それを実現するのは本当に大変なことだと思います。

だからと言って、腕組みしていてもしょうがない。楽しく真剣に、できることからはじめる。

その選択肢のひとつとして、パタゴニアで働くことも考えてみてください。

(2019/12/12 取材 中川晃輔)

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