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書いて、つくって、伝えたい
サステイナブルな
暮らしと社会のこと

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

仕事でも私生活でも、環境や社会にとってよいものを選びたい。

さまざまな経験を重ねるうちに視野が広がり、そう考えるようになってきたという人もいるかもしれません。

今回紹介する株式会社創土社(そうどしゃ)は、そんな自分の気持ちに正直に働ける会社だと思います。

カタログやチラシ、Webコンテンツなどの企画制作を行う創土社。「生活クラブ」という生協から請け負う仕事が、事業の中心となっています。

いくつか種類のある生協のなかでも、生活クラブはサステイナブルな生活を推奨していることが特徴。

国産や無添加にこだわった食べものを提供したり、容器包装のリサイクルを推進したり。そのほか福祉事業や自然エネルギー推進にも取り組むなど、あらゆる面から持続可能な社会づくりに取り組んでいます。

そんな生活クラブのクリエイティブ案件を担う、ライターとアートディレクター(グラフィックデザイナー)、Webデザイナーをそれぞれ募集します。



東京・三軒茶屋。駅前の商店街や静かな緑道を抜けて15分ほど歩くと、住宅街にある創土社のビルに到着した。

オフィスには部署ごとに机が並べられ、スタッフのみなさんが集中した様子で各々の仕事に向き合っている。

生活クラブのカタログや食に関する本が並ぶ打ち合わせスペースで、最初に話を聞いたのはクリエイティブディレクターの木村さん。

今回募集する人たちが加わる、ディレクション部の部長を務めている。

今年でちょうど創立50周年を迎える創土社。

もともとは、当時の政治や社会のあり方に対して、自分たちの考えを表明していきたいとはじまった印刷会社だった。

食の分野で同じような想いを持って活動していた生活クラブとの付き合いは創業初期から。

生活クラブの組合員が食材や生活用品を注文するためのカタログやチラシづくりを中心に、全体の8割以上を生活クラブの案件が占めるほど、今でも重要なパートナーだ。

要望に応えるなかで、創土社の事業内容もコンテンツの企画制作へと範囲を広げてきた。

「ここ最近は、案件がさらに多様になってきたと感じています。特に増えたのがWeb関係。今でも紙媒体が主軸ではありますが、ECコンテンツのデザインや、生産者のストーリーを伝える動画制作のプランニングまで対応するようになりました」

そのほかにも人材募集のためのパンフレット作成や、公式ホームページの記事執筆など。生活クラブのクリエイティブ部門をまるっと任されているようなイメージなのかもしれない。

どのような案件でも、基本的に進め方は同じ。

営業、ライター、アートディレクターを中心にチームを組み、社内外のデザイナーやカメラマンなど、案件ごとに必要なメンバーを集める。生活クラブの担当者と打ち合わせを重ね、ときには生産者や消費者への取材も行いながら、一つひとつのコンテンツをつくり上げていく。

過去2回の日本仕事百貨での募集時も、良い出会いがあったと話してくれた木村さん。

今回は、どのような人に来てほしいですか?

「制作業務の拡大に伴う募集なので、どの職種もある程度の経験のある方がいいなと思っています。特にプロモーション的な企画編集やWeb案件へのニーズがどんどん増えているので、即戦力になってくれるとありがたいですね」

「生活クラブは、食材の安全性にこだわることはもちろん、食糧自給率の課題や再生可能エネルギーなどのテーマにも積極的に取り組んでいます。そういったソーシャルグッドなトピックに関心が持てることも大切ですし、さらに、それを消費者である組合員にどのように伝えて、利用してもらうか。一歩先まで考えを巡らすことができるとよりよいですね」

社会や環境にとっても、よいものを扱う。

想いをしっかり伝えて、組合員の行動につなげるために、創土社は文章やデザインの質を日々追求していく。

「品質やおいしさを表現することも大切ですが、消費者が生活クラブを利用することで、食の安全や社会課題に対する理解が深まったり、食べることでつくり手を支えていると感じたりできるものをつくっていく。そこが自分たちの目指すゴールなのかなと思っています」



実際にコンテンツをつくっている人たちは、どんな想いで働いているのだろう。

続いて話を聞いたのは、ライターとして働く高橋さん。日本仕事百貨の記事をきっかけに、約1年前に入社した方。

沖縄で長年ライターとして働いていた高橋さん。雑誌やWebの記事を書く傍ら、中小企業のブランディングの仕事もしていて、食品や工芸などのつくり手と関わる機会が多かったという。

「ある精肉会社さんでは、パンフレット制作から新商品のネーミングまで、幅広く関わらせてもらって。売れ行きが良くなったり、ありがとうって言葉をもらえたり、自分の仕事が役に立っているんだという手応えがすごくありました」

地元である東京に帰ろうと思って転職先を探していたときに見つけたのが、創土社だった。

「沖縄での仕事に手応えを感じていたので、東京でも食やものづくりの分野で、同じような仕事ができたらいいなと思っていました。だから創土社の記事を読んで『ここで働きたい!』と思ったんです」

入社してからも、自ら生産者のもとを訪ねて取材するなど、想像通りの仕事ができているという。

高橋さんが例として見せてくれたのは、山形県のりんご農家と、北海道のかぼちゃ農家を紹介しているチラシ。どちらも自分で取材から執筆まで行ったもの。

「販促の時期や特集を組むスケジュールは、農家さんの状況や生産量などを踏まえて生活クラブさんが決めています。依頼を受けたら創土社が企画を提案して、どのような内容にするかを一緒に詰めていきます」

たとえばこのりんごのチラシでは、昨年6月に産地で降った雹(ひょう)の被害を受けて、りんごの多くにキズがついてしまったことが綴られている。

生活クラブの提携農家は、食料廃棄を減らすために、見込み消費量とほぼ同じ量の作物を計画的に生産している。キズを理由に買い控えられてしまったら、注文を見込んで生産している農家さんの生活は苦しくなってしまうし、大量に廃棄が出てしまう。

「それにりんごは、実をすべてもいでしまうと翌年から実らなくなるそうなんです。この生産者さんは、おじいさんの代から生活クラブのりんごをつくってきた方。大切な木を守るためにキズがついた実も残して成熟させる必要がありました」

「チラシでは、キズがあっても味は変わらずおいしいことや、食べることで産地やりんごの木を次の代まで守ることにつながると伝えられるよう、一から丁寧に経緯を伝えていきました」

このようなチラシやカタログのほかに、生活クラブの理念や活動を伝えるための冊子や公式ホームページの記事執筆を創土社のライターは手がけている。

以前からライターとして働いてきた高橋さん。ここならではの編集方針とか、前職と比べてギャップを感じることってありましたか?

「最初は、文章の主語をどこに定めればいいのか、少し戸惑いました。私たちが書く文章は、生活クラブの主張でもなければ、第三者の語りでもないので。『生活クラブは組合員が主役だから、組合員同士が話をするように書いてみたらどうか』とアドバイスをもらったのがヒントになりました」

ライティング以外にも、コンテンツ企画やほかのライターの原稿校正なども担う。何をどのように伝えれば読者に響くものになるのか、俯瞰して考えられる編集的な視点も必要になるなるそう。

「実は私も、入社後に生活クラブに加入したんです。客観的な視点はもちろん必要なんですが、実際に利用してみた実感も大切にしながら、共感してもらえる記事にできるよう心がけています」



最後に話を聞いたのは、アートディレクターの中村さん。創土社で働いて16年になるベテランだ。

もともとグラフィックデザイナーとして働いていたものの、最近は役割の変化があり、アートディレクションの仕事中心になってきたという。

仕事内容にはどのような違いがあるんでしょう。

「デザイナーは、依頼を受けて形にするのが主な仕事だったんですけど、アートディレクターは全体を把握する必要があります。一つのものを仕上げるための司令塔のような役割かもしれません」

クライアントとの打ち合わせで要望やイメージを引き出し、ラフを作成しながら、担当営業やライターと共に企画内容を詰めていく。デザインや写真の撮影を外部に依頼したときは、その調整を担うことも。

制作物の責任者として、クライアントの求めるものを形にしていくのがアートディレクターの仕事だ。

新しく入る人は、経験に応じてすぐにこの仕事を任される場合もあるし、まずはデザイナーからはじめ、仕事の流れを順を追って学んでいく場合もある。

セミナーや資格取得などの支援制度もあるので、入社後にスキルアップをはかることもできるそう。

中村さんたちが手がけたチラシを見せてもらう。ターゲットとなる共働きの子育て世代の女性を意識した“インスタ映え”がテーマのお弁当特集だそう。

「“映える”のような流行を取り入れることは、今まではあまりなかったのですが、新たなテイストが結果的には好評だったので、よかったです」

「メインで打ち出したいアイテムがあったので、それに合わせる食品もみんなで考えて。右のラフは私が手描きでつくりました。撮影がある場合はデザイン修正と違って撮り直しが簡単にできないので、色や大きさのミスが起きないように、ラフにしっかり情報を書き込んで提案しています」

そんなふうに気を配っていても、現場では予想外のことも起きる。

イメージ通りのお皿を想定していた角度から撮影したとしても、写真で見たときの印象が大きく異なることもあるという。

「そういうときは、代わりのお皿があったらその場で変えてみたり、アングルを工夫したり、臨機応変に判断します。最初の提案から変わったとしても、よりいいものができたと言えるなら、それはいい仕事だと思うんですよね」

どんな人が向いていると思いますか?

「何かをつくることが好きな人。あとは、食べることに興味や関心がある人ですね。私も食べることが好きなので、試食できる機会があるのはうれしいです(笑)」

入社当初は、生協についてほとんど知らなかったという中村さん。食べることは好きだけど、食品の安全性や生産者のことまで深く考えことはなかった。

「でも仕事をするうちに知識が深まっていくし、何より実際に食べてみると、味が全然違うんです」

「なんでこんなにおいしいんだろう?って興味を持って調べていくと、生産者の方の想いもわかってきて。本当にいいものをつくっている生産者を支えるためにも、消費者の方にその魅力がきちんと伝わる企画をつくっていきたい、という気持ちが今はとても強いです」



生産者と消費者。クリエイティブの力で、その間をつないでいくのが創土社の仕事です。

どちらの顔も見えているからこそ、「伝えたい」という想いも強くなる。正直に、真剣に、仕事と向き合いたいという人に、ぜひ仲間になってほしいと思います。

(2019/12/16取材 増田早紀)

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