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日常を便利に面白く
サイネージから
まちの未来を描きだす

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電車の運行状況のお知らせや商品広告、天気予報に観光情報など。まちなかでは、至るところでさまざまな情報が流れています。

こうした情報を掲示するのが、「デジタルサイネージ」と呼ばれるディスプレイです。



駅やショッピングセンター、病院、観光地など、どこに行っても見かけるようになったデジタルサイネージ。その内部のシステムをつくり、さまざまな場所に設置しているのが株式会社ファン・ファクトリーです。

今回は、受注から設置までの工程を管理する営業兼ディレクターと、クライアントのニーズに合わせてシステムを構築するエンジニアを募集します。

単に看板として存在するのではなく、日常のなかで、わたしたちの生活を支えてくれるものになりつつあるデジタルサイネージ。そういえばあそこにあったかもな…と思い浮かべながら、ぜひ読んでみてください。


向かったのは、JR八王子駅から5分ほど歩いた場所にあるビル。

到着するまでにも、駅の柱やアパレルショップの店先など、至るところでデジタルサイネージを見つけた。意識して探すと想像以上にたくさんあって、少しおどろく。

エレベーターでファン・ファクトリーの事務所のある8階までいくと、代表の大平さんが迎えてくれた。



「ファン・ファクトリーは、イベントの企画運営会社として1992年に創業しました。たまたま映像演出の得意なスタッフがいたので、映像を使ったイベントを多く手がけていたんです」

当時は大規模な採用イベントを各企業が積極的に行なっていた時代。映像を使った華やかな演出は人気を集め、依頼も多かったそう。

そのなかで、得意な映像演出をさらに伸ばそうとスタートしたのが、デジタルサイネージ事業だった。

「デジタルサイネージっていうのは、いわゆる電子看板のことです。たとえば商業施設でセールの情報を流していたり、駅で沿線の観光情報や遅延情報を流していたり。普段あまり意識することはないかもしれませんが、目にする機会は多いと思いますよ」



決められた情報を規則的に映すサイネージ。どのコンテンツを、どんな順番でどれだけの時間表示させるのか、専用のシステムによって調整されているそう。

「私たちはサイネージ専用のソフトとして、スウェーデンでつくられたDISE(ダイス)というクラウドサービスを採用しています。DISEの強みは拡張性が高いことで、特に外部システムとの連携が、従来よりも容易に、しかも低コストでできることなんですよ」

外部システムと連携…。どういうことでしょう?

「たとえば、ショッピングモールに設置されたサイネージに、飲食店の情報が流れているとします。普通はお店の情報が変わったときに、サイネージに表示するコンテンツ自体をその都度修正する必要があるんです」

「でもDISEの場合、ホームページと連携できるので、ホームページが変更されれば自動的にサイネージの表示も変わる。運用の手間もかからないし、情報も即時に変わるので、お店にとってもお客さんにとってもいいことづくめなんですよ」



駅に設置されているサイネージであれば、各鉄道会社が出している遅延情報の外部コンテンツと連携して、自動的に遅延情報を表示することができる。

仕組みだけ聞くと簡単そうに思えるけれど、外部の情報を自動的に取得して、必要なタイミングで適切に表示するというのは、かなり複雑な処理だそう。



さらに最近では、サイネージそのものの技術も進歩している。

たとえばタッチパネルを通して、利用者自身で知りたい情報にアクセスできたり、ディスプレイの高画質化によってアートや空間演出の分野で使用されたり。

この先AIなどの技術が発達するなかで、サイネージで表現できることの幅はもっと広がっていくかもしれない。

「これまでサイネージの仕事をしていたっていう人は、なかなかいないと思うんですよ。だから経験よりも、新しい技術とか日常で目にするテクノロジーに対して、面白そうって思えることが大事だと思っていて」

「特に東京だと、モニターのないお店のほうが少なくなってきているじゃないですか。病院や学校や観光地、いろんな場所に形として残る仕事だし、うちは設置も自分たちで行うことができる。そういうことをやりがいに感じて楽しんでくれる人だったら、すごく合っているんじゃないかな」


続いて話を聞いた山本さんは、ディレクターとしてサイネージの受注から設置まで関わっている方。5年前に新卒で入社したそう。



「もともとサイネージの仕事に就きたかったわけじゃないんです。なんとなく、ウェブや映像に関わることがしたいなと思っていたときに、大学でファン・ファクトリーの社員さんがサイネージの講義をしてくれたことがあって」

「いろいろなコンテンツが、実物のモニターに流れる。どんな仕組みなんだろう、面白そうだなって興味を持って。授業を受けていた縁もあって声をかけていただいたので、入社しました」

山本さんは現在、仕事を受注するところから、現場でサイネージを組み立てて設置するところまで、すべての工程をディレクションしている。

営業に出向くことはほとんどなく、基本的には問い合わせや依頼から案件がスタートするそう。

「受注の段階で大事なのは、お客さまの要望をしっかり聞くことですね。どんな場所に設置して、どんなことをやりたいのか。それらを把握した上で、システムの構成や機器の種類を判断して、プランと見積もりを出していきます」



たとえば、ウェブ上の情報と同期できるようにしたいのであれば、そのための仕組みを構築する必要がある。一方で、頻繁に情報を更新する必要がないのであれば、外部との連携機能はなくてもいいかもしれない。

お客さんと話すなかでニーズを把握し、社内のエンジニアと相談してプランを詰めていく。

「設置場所によっても、いろんなことを考えないといけなくて。屋外だったら熱や埃、雨風にも耐える筐体にする必要があるし、場所によってはアンカーを打って倒れないようにしないといけない」

「屋内の場合でも、筐体に通気口をつくって熱がこもらないようにするとか、気をつけることはたくさんあって。システムの部分だけじゃなく、ハードの部分をどうするかということも検証する必要があるので、それは大変な部分かもしれないですね」

デリケートな機器を扱う上に、一つひとつの案件ごとに状況がちがう。これまで積み重ねてきたノウハウで補えることもあれば、メーカーに直接問い合わせて確認することもあるそう。

無事に受注が決まったら、機材を発注し、エンジニアに引き継いでシステムをセッティング。その後現場に納品する。



受注から納品までは、短いもので約2ヶ月。規模が大きくなると1年ほどかけて納品することもあるそう。

お客さんはもちろん、社内のエンジニアや機材メーカー、現場でインターネット回線をつなぐための回線業者や工事業者など、関わる人も多い。

ディレクターは納品までのスケジュールを考えて、さまざまな人の間に入って調整することが求められる。

「最近だと、渋谷のPARCOに設置するデジタルサイネージの基幹システムに採用していただいて。地方の観光施設にある案内板とか、町の病院の待合室に設置するモニターとか、いろいろな業種の方々と一緒に仕事ができるのは、すごく面白いですね」

依頼があれば沖縄から北海道まで、全国どこでも出向くそう。

「つくり上げたものが形としてまちに残るので、将来自分の子どもに『これつくったんだよ』って言えるのはいいなって思います。お客さまに引き渡して、実際に使ってもらっている様子が見えるとよかったなって思うし、それがやりがいかもしれないですね」


山本さんを含めて現在4人のディレクターをエンジニアとして支えているのが、赤間さん。

入社して15年ほどになる方で、DISEのシステム調整を担っている。



「入社当時はイベント企画が会社の主な事業だったので、デザイナーとしてイベント用のポスターやバナーをつくっていました。サイネージの事業を進めていくときに、ウェブのことを少し勉強していたのもあって、僕がDISEのシステム担当になったんです」

赤間さんが担当しているのは、お客さんの要望に合わせてDISEのシステムを調整する仕事。

ディレクターがヒアリングしてきた内容をもとに、どのような形でシステムに落とし込むかを考えていく。

「外部のシステムから情報を仕入れて表示する場合、DISEで表示できるようにするための変換処理が必要になるんです。その処理の仕方が、取ってくる情報の種類やサイネージでの表示方法によってちがうので、案件ごとに一つひとつ調整しないといけなくて」



それに、お客さんによって求める機能は異なる。たとえばウェブと同期する機能のほかにも、通常では残らない表示時間などの細かいログが残るようにしてほしいという希望を受けることもあるそう。その時々で、どう対応していくか考える必要がありそうだ。

ただ、基本的にはDISEのソフトを使ってセッティングしていくため、一からプログラミングをするわけではない。

基本を習得すれば自然とできることも広がっていくし、今回募集する人もプログラミングの経験はなくても大丈夫とのこと。

「まずは一緒に案件を担当するなかで使い方を覚えていってもらえたらと思います。システムの構築には、主にJavaScriptを使っています。PHPでも構築はできるので、そういった知識や経験のある人だといいかもしれないですね」
コンテンツのデザインも、基本的にはクライアントが準備したものをDISEで表示できるように変換したり、外部委託してつくってもらったりしている。

専門的な知識よりは、システムの構造やコンテンツの裏側に関心のある人がいいかもしれない。



「わからないことが出てきたときに、調べたり考えたりして進む方向を決めていく。その姿勢が大事だと思っていて。サイネージの仕事って、答えが決まっていないんですよ」

答えが決まっていない。

「お客さんごとに要望がちがうし、解決の仕方もひとつじゃない。今までのやり方がそのまま通用すれば簡単なんですけど、どこかしら合わない部分があるんですよね。それをどう解決するかを毎回考えて、わからないことは調べて…その繰り返し」

「もちろん社内で相談はできますけど、誰かが答えを知っているとは限らないので、最後は自分の力で解決策を考えていくしかないんですよね。むずかしいですけど、それが面白いなって思います」


あらかじめセッティングされた情報を流すものから、リアルタイムな情報を提供するものへ。サイネージの技術進歩とともに、表現できることの幅も広がっているようです。

サイネージで、もっとどんなことができるだろう?

そんなふうに興味を持って楽しめる人にとっては、やりがいのある仕事だと思います。

(2020/2/10 取材 稲本琢仙)
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