求人 NEW

都会と田舎
まんなかの村で
“ちょうどよく”働く

ゆったり伸びる、山の裾野。遮るもののない、青い空。

都会で生活するなかで、ふとしたときに地方へのあこがれのような気持ちが浮かんでくることがあります。

とはいえ、いきなり移住するのってすごく勇気がいる。今の暮らしや仕事にも軸足を残しつつ、新しい一歩を踏み出せたらいいのにな。

そんなふうに思っている人にとって、今回紹介する仕事はちょうどいいかもしれません。

福島県大玉村。

豊かな自然のなかで育てられる農産物はまんべんなくおいしく、なかでもお米の味はピカイチ。それでいて、東京から電車で2時間、福島市や郡山市にも車で20分ほどと、都市部へのアクセスもよいまちです。

今回は、地域おこし協力隊として大玉村の魅力をPRする人を募集します。

地域のイベントやお祭り、移住者向けの暮らしに関する情報など。村のホームページやSNSをはじめ、さまざまな方法で伝えたり、実際に足を運んでもらえるよう仕掛けたりする仕事です。



東京から郡山へは、新幹線で1時間半ほど。そこから在来線に乗り換えて、10分もすれば本宮駅に到着する。福島と聞くと少し遠いイメージがあったけど、来てみれば意外とあっという間だった。

電車を降りると、安達太良山(あだたらやま)の姿が見える。

大玉村は安達太良山のゆるやかな裾野に位置する村。この日は曇りがちだったけれど、晴れていたらもっときれいに見えるんだろうな。

駅まで迎えに来てくれたのが、大玉村役場に勤める鈴木さん。今回募集する地域おこし協力隊の担当になる方だ。

「毎日見てますが、やっぱりこの景色はいいなあって思いますね。大玉村は景観もいいし、食も豊かなんです」

安達太良山の広大な扇状地を生かした稲作や農業が、古くから盛んな大玉村。いわゆる田舎ではあるけれど、スーパーやコンビニも揃っていて、不便さはないそう。

ミネラルをたっぷり含んだ安達太良の伏流水で育てられたお米や野菜は、県外でも評価が高い。

ただ、PRが足りていない。村のホームページやSNSを通じて情報を発信しているものの、その中身はホームページのリンクを貼り付けるのみ、ということも。

このままでは、いくらおいしいものをつくっても、より多くの人に知ってもらうことができない。

「村内の人間だけでは限界があるので、外から来てくれた人の視点を生かしていくのが、これからはいいんじゃないかと思っていて。今回、PRを担ってくれる協力隊を募集することにしたんです」

それに大玉村には、農産物以外にもまだ知られていない魅力があるという。

たとえば、五穀豊穣を願う火渡りの行といった地域のお祭りや、十二神楽などの伝統芸能など。

村に根付いた文化を発信していくのも、面白いかもしれない。

「基本的には村のホームページやSNSでの発信を考えているんですが、それも絶対ではなくて。新しくホームページをつくってもいいし、イベントの企画も歓迎です。来てくれる人の経験やスキルを活かせるようにサポートしていきたいので、働き方は、柔軟に相談に乗りたいですね」

副業として大玉村のPRに関わる、という道もある。

「実はいま活動してくれている協力隊も、東京と大玉村を行ったり来たりしていて。今の仕事に軸足を残しつつ、新しいチャレンジをしたいという方でもいいなと思っています」



大玉村の魅力をもう少し知りたいです。

そう伝えると、「大玉のおいしいものが集まる場所があるので、そこに行ってみましょう」と鈴木さん。『あだたらの里直売所』へと案内してくれた。

店内には、村の農家さんがつくった新鮮な野菜や、さまざまな加工品がずらっと並んでいる。直売所の隣には、大玉産の食材を使った料理を味わえる食堂もあり、村外からも多くの人が訪れているそう。

事務所スペースで話を聞かせてもらったのは、直売所の店長を務める矢吹さん。

矢吹さんは大玉村の出身。以前は20年ほど郡山市のスーパーで働いていたそう。3年前のリニューアルと同時に、店長として働き始めることになった。

「実は、もともと大玉村がきらいだったんですよ(笑)。今でこそスーパーやコンビニもありますが、昔はすごく不便で。早く出たいって思ってました」

「でも離れてみると、やっぱりさみしいんですよね。大玉の人って、あったかいんです。世話好きっていうのかな。『おはよう』って、ちょっとした挨拶をしてくれるとか、野菜をくれるとか。ほかの場所にはない安心感があるなってことを、一度外に出てみて感じて」

直売所を訪れるお客さんにも、村の雰囲気を感じてもらえるように工夫を重ねている。

たとえば、壁一面にずらっと並べられた農家さんの写真。どんな人がどういった想いでつくった野菜なのか、一目でわかるような見せ方を心がけている。

「大玉の野菜って、新鮮でピカピカなんです。最初見たときは衝撃を受けて。農家さん一人ひとりが心を込めてつくっている野菜たちなので、その魅力ごと伝えていきたいなと思ってます」

毎月一回開催している振る舞い豚汁や、サツマイモの詰め放題イベントなど。訪れた人がワクワクできるような場所にするため、さまざまな取り組みをしている矢吹さん。

東京など都市部のイベントへの出展も行なっているため、今回募集する人も、まずは矢吹さんと一緒に農産物のPRの仕方を考えるところからはじめてみてもいいかもしれない。

「せっかく大玉村に来てくれるんだから、地元の人と一緒にたのしくできたらいいなと思うんです。僕はもちろん、協力隊の先輩もいるので、まずは安心して来てほしいなと。一緒に村のいいところを伝えていけたらいいですね」



「次はその先輩に聞いてやってください」と紹介してもらったのが、佐藤さん。地域おこし協力隊として2年前から活動している。

地元の小中学生向けに、大玉村の歴史や文化を学ぶ教材をつくるなど、教育関係の仕事に携わっているそう。

「もともとは、東京の大学で設計の勉強をしていました。東日本大震災がきっかけで、東北は今どうなっているんだろうっていうことがずっと気がかりで。原発があった福島のことは、特に気になっていたんです」

そんなとき、友人が大玉村で放射能の研究を始めた。その友人に誘われたのがきっかけで、月に一度のペースで大玉村に通うようになったという。

「同じように集まってきた人で話しているうちに、空いている畑でなにかやってみようかって話になって。たまたま友人が徳島からもらってきた藍の種があったので、藍の栽培を始めたんですよ。染物もやってみようって、藍染も始めたりして。そんなふうに、どんどんやることが増えていったんです」

そうして立ち上がったのが、歓藍社(かんらんしゃ)という団体。農業や服飾、工芸など、さまざまな興味関心を持つ人が集まって、月に一回のペースで活動を続けているそう。

「東京と福島を行ったり来たりする生活だったんですが、だんだんと大玉村に軸足を移していきたいなって思うようになって。設計の仕事もずっと東京にいる必要はないし、今はSNSもあるから、人とのつながりも切れづらいじゃないですか」

「歓藍社で農作業とか染物をしたり、村の歴史を伝えたり。東京にいたらできないことが、大玉村ではできると思ったんです。それで地域おこし協力隊に応募しました」

現在も歓藍社の活動に携わり、また建築設計を生業にしながら協力隊の仕事をしているという佐藤さん。染め場の建設をセルフビルドで仲間と行い、最近では東京で大玉村の産品を扱う喫茶店をオープンさせたそう。

自らのスキルや経験を生かしながら暮らしている。

「大玉村って、いい意味で中途半端なんですよ」

中途半端?

「田舎ではあるんですけど、ど田舎じゃないんですよね。郡山市や福島市が近いし、東京までも行きやすい。その中途半端さって、実は魅力なんじゃないかと思っていて」

「最近、鋳造をやってみたいと思って始めたんです。そんなこと東京じゃできないじゃないですか(笑)。温泉にもすぐ行けるし、暮らすなかで見つかるいいところはたくさんあって。村のPRでも、そういう居心地のよさとか、生活の余白を伝えていけたらいいんじゃないかな」



そんな佐藤さんと共に歓藍社で活動し、昨年から地域おこし協力隊としても働きはじめたのが渡辺さん。佐藤さんとは大学の同級生だそう。

「村長からは、就農者を増やすための取り組みをしてくれって言われていて。目指す方向だけがあって、方法は指定されていないので、自分で考えて動いている感じですね」

就農者を増やすためには、どうしたらいいか。渡辺さんはまず、移住者のための住環境を整えるところから始めようと、この一年で空き家調査を進めてきた。

今後は農業に携わりつつ、移住者の相談窓口にもなっていきたいそう。

「僕自身も空き家を借りて、改修しながら住んでます。今年からは空いている田んぼを借りて米づくりを始める予定なんですよ。自分ができたら、ほかの人にも紹介できるじゃないですか。農業用の土地と空き家をセットにして、やってみない?って言えたらおもしろいなって」

「村の人も、いろいろ協力してくれる人が多いです。農業をやりたいって言ったら教えてくれる人がいたり、土地を貸してくれたり。任期中だけじゃなく、その後も付き合っていけるような関係性がつくれているので、居心地はいいですね」

するとここで、佐藤さん。

「大玉村の協力隊は、僕と渡辺が最初なんです。役場も僕らも、協力隊ってこうだよねっていう固定観念がないのがいいなって思っていて」

「これをしたらいいかなって、自分で考えて動けるほうが、居心地がいいと思うんですよね。僕らがそうなんですけど、勤務時間でも勝手に散歩行っちゃうみたいな人がいいかもしれない(笑)。自分で考えて動けるような」

渡辺さんもそのあとに続く。

「協力隊の仕事って、最終的に地域に貢献できればなんでもいいと思うんです。地域のためにっていう義務感が先行してしまって、自分のことが置いてけぼりになってしまうと本人も楽しくない。地域で暮らす自分が楽しくないって、地域おこしとして不健全じゃないですか」

「まずは大玉村で暮らすことを、自分自身が一番に楽しんでくれる人がいいですね。やりたいことを自分でかたちにしていく気持ちがある人だったら、すごくおもしろい環境だと思いますよ」

二拠点生活や、二枚目の名刺。いろいろな働き方を選ぶことができる今、大玉村には一歩踏み出してみたい人がチャレンジできる土壌があるように感じました。

今の自分にちょうどいいかも。そんなふうに感じた人には、合っている場所だと思います。

(2020/1/27 取材 稲本琢仙)

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