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「今までは、時間や場所の制約によってもたらされる機会損失が結構あったんじゃないかなって。組織をもっと自由な発想で考えていくべきだし、今はそのチャンスをもらったと感じてます」
依頼元と直接やりとりすることを大切にしていて、ときにはサービス自体の提案をすることもあるそう。
今回募集するのはブリッジシステムエンジニア。噛み砕いて言うと、システムやアプリの設計を担当しつつ、営業と開発メンバーを橋渡しするような役割です。
完全リモートで、働く場所は自由。たとえば現在エンジニアとして働いており、地方移住を検討中でどこからでも働ける環境を探していたり、結婚や引っ越しを機にエンジニアの職から遠ざかっていたり、といった人も歓迎だそう。
自由な発想で働くみなさんに話を聞きました。
(新型コロナウィルスの感染拡大を受け、オンラインにて取材を行いました。なお、現地の写真は提供いただいたものを使用しています)
「今日はダナンにいる仲間も一緒につなぎますね!」
取材の直前、小僧com代表の平松さんからこんなメッセージが届いた。
ダナン…? 気になって調べてみると、ベトナム中部にある都市で、リゾート地としても有名な街だそう。
「今年になってダナンに開発の拠点をつくったので、開発メンバーはみんなダナンにいるんですよ。めちゃくちゃいいところなんで、俺も早く行きたいなと思ってます」
平松さんは今のところ、東京の自宅で働いているという。

「小僧comっていう社名も、『人生100年時代になるなかで、50代や60代なんてまだまだ鼻垂れ小僧だ』っていう思いを込めてつけたらしいんです。立ち上げて2年ほどがんばっていたんですが、だんだんと経営がむずかしくなってしまって」
そのころ平松さんは、別の会社でマーケティングの仕事に携わっていた。いよいよ小僧comがあぶないというタイミングで、お父さんから「社長を引き受けてくれないか」と相談があった。
「大学もアメリカに行かせてもらって、仕事も自由にさせてもらえて。親父には感謝しかないんですよ。ある意味、生まれてはじめて親からお願いごとをされた感覚があって」
「二つ返事で『わかった』って言って、前の会社を辞めて小僧comに来たんです。わるく言えば負け戦を引き受けるようなことなんですけど、頼まれちゃったら行くしかないなって。もう男気ですよね」
代表として小僧comに来たけれど、会社は火の車状態。小僧SNSも停止せざるを得なかった。
そんな状況でも、まずはできることからはじめようと、平松さんは前職でつながりのあったSEO対策専門の会社と組み、代理店業務を開始。数えきれないほどの会社に営業に行き、当初は赤字だった経営状況も、2年後には通期黒字を出せるまでに回復した。
その後入社したスタッフのスキルを活かしてHP制作を引き受けたり、より見やすくなるように改善提案をしたりなど、次第に事業の幅を広げてきた。

「基本的には僕ら日本にいるメンバーが、お客さんとのコミュニケーションを担当します。今回募集する人はそのコミュニケーションに加わってもらいつつ、設計をし、ベトナムにいる開発メンバーへの橋渡しまでを担当してもらいたくて」
「たとえば、以前エンジニアをしていて地方移住に興味がある人とか、結婚をきっかけに地方や海外に移住して辞めてしまった、みたいな人がいいなって思ってるんですよ。時間と場所については、これからかなり自由にしていくつもりです」
定期的に集まる機会はつくるものの、社員は基本的に完全リモートで、今あるオフィスも解約する予定だそう。勤務場所を自由にし、たとえば子どもの送り迎えで少し抜けたぶんを後の時間で調整するなど、個々の事情に配慮していきたいと話す平松さん。
「俺はね、性善説にもとづいてみんなと働きたいと思っているんです」
性善説にもとづいて?
「わるいことができないように細かくルールをつくるとか、勤務時間をきっちり管理してコントロールするとか。性悪説を前提にすると、コストもかかるし働く人も楽しくないと思うんですよね。相応のキャリアがある人になら、本人の裁量に任せていいんじゃないかなと」
「だからできるだけの自由を持ってもらって、その代わり責任や自己管理も求めていく。みんなにはよくfreedom and responsibilityって話してるんですけど、この考え方をこれからさらに大事にしていきたいと思っているんです」
自由な働き方が許される一方で、納期やスケジュールなど、自分できっちり管理しないと他人に迷惑をかけてしまう。一人ひとりがしっかりと考えて行動することが求められる。
「最近は単体のアプリとかだけではなく、業務システムの構築など規模の大きい仕事もいただいているので、できることの幅も広がっていくと思うんです。まだまだ若い会社だけど、チャンスはいっぱいあると思いますよ」

「いますごく暑いですよ。街は都会すぎず、いいところですね」
平松さんにつづいて話してくれたのは、ダナンからつないでくれている津田さん。小僧comの開発責任者で、今年のはじめからダナンに常駐し、新オフィスの立ち上げに奔走している。

そう言って、パソコンを持ったまま建物のなかを案内してくれる津田さん。
まず見せてくれたのは、1階の作業スペース。ベトナム人のスタッフが日々ここで開発業務に取り組んでいる。
現在は津田さん含め2人の日本人がダナンに常駐しているそう。平松さんがおーい!と画面越しに手を振ると、ダナンのみなさんが笑顔で応えてくれる。

「ここからの眺めがいいんですよ」と、屋上からの景色も見せてくれた。

「遠くに見えるのはドラゴンブリッジっていう有名な橋で。夜になるとライトアップされて、ドラゴンが口から火を噴くんですよ」
楽しそうに案内してくれる異国の地は、画面越しでもとても魅力的。海外の開発拠点としてベトナムが優れているということに加え、ホーチミンなどの大都市と比べて日本企業が進出していないことも、ダナンを選んだ理由のひとつだったそう。
「今回募集する人も含め、日本のメンバーも定期的に訪れる場所になると思います。開発のメンバーとも直接会って話してほしいし、なにより気持ちのいい場所ですから」
津田さんが小僧comに入社したのは、2014年のこと。それまでは、工場のシステム担当としてパソコンのメンテナンスをしたり、ソーシャルネットワーク系のIT企業で開発に携わったりしていた。
「小僧comを知ったのは、前職のIT企業から小僧comに移った同僚が、手伝ってくれないかって声をかけてくれたのがきっかけで。働いている人がおもしろかったし、仕事も開発の上流工程から関わることができるのがいいなと思いました」
小僧comでは、依頼元のお客さんとの直接のやりとりを通じて、サービス全体の改善や新しい提案まで行っている。
たとえば、と話してくれたのは、短期派遣の会社の開発案件。最初は、業務全体を効率化するにはどうしたらいいだろう?という相談から始まった。
「派遣先と働きたい人のマッチングや、勤務に応じた賃金の計算、受け渡し。今まで人力で処理していたものをすべてシステム化することができれば、業務も簡略化できるし経費の削減にもつながるんじゃないかっていう提案を平松さんからしてもらって」
「まずはスマジョブっていうアプリをつくって、スマートフォンで簡単に派遣の仕事を探せる仕組みをつくりました。勤務の開始・終了をアプリに入力すれば、自動的に給与が計算される機能もつくったので、業務の効率化につながったとお客さんからも好評で」

今後は人と仕事のマッチングにAIを導入することで、さらにシステムの強みを生かしていきたいと話す津田さん。
言われたものをつくるのというよりは、自分から提案していく仕事が多いんですね。
「そうなんです。先方の担当者とも、つくっていくなかでだんだんと率直な意見交換ができるようになってきて。たとえば、仕事を依頼する側から見ると、インターフェースをもっとこうしたほうがわかりやすいとか、逆にアプリで仕事を探す側の目線だと、こういう項目があったほうが安心できるとか」
「お互い成長しながら、開発したサービス自体もよりよくなっていくのが、すごく心地いいんですよね。なので言われたものだけをつくることに違和感を持っている人とかだったら、やりがいのある仕事だと思いますよ」

「設計や開発って、単純にお客さんから言われた通りのものつくるっていうことがやっぱり多いんです。でもここはそうではなくて。自分で考えて、もっとこうしたほうがいいっていうことを、お客さんにも社内の開発にも伝えることができる」
「お客さんと開発を橋渡しする役割でありつつ、開発のリーダーのような役割もできるっていうイメージでしょうか。歯車になるんじゃなくて、自分で動かしていきたいっていう人と一緒に働きたいなって思ってます」
きびしい状況からも、さまざまなチャレンジを通して道を切り拓いてきた小僧com。
時代に合わせた新しい働き方や、主体的に関わる仕事のあり方。どれも、さらにここから先の道を進む、大きな一歩なのだと思います。
ともにその一歩を踏み出してみたいと思う人は、ぜひ応募してみてください。
(2020/5/29 オンライン取材 稲本琢仙)