求人 NEW

小さく、程よく、はじめよう
人口1,300人のまちで
新しい旗を立てる

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

これまで当たり前だったことが覆されたり、本当にそれでいいんだっけ?と問われたり。

まっさらな状態から考えられる今だからこそ、何か新しいことをはじめたい、という人もいると思う。

今回募集するのは、自分で仕事をつくる人です。

舞台となるのは七ヶ宿町(しちかしゅくまち)。宮城県の南西端に位置する、人口およそ1,300人のちいさな町です。

自分で仕事をつくる人。そう聞くと、「自分には経験もノウハウもないし…」と感じるかもしれません。たしかに、よく知らない土地で、ひとりの力で事業や暮らしを1から築き上げていくのはむずかしい。

そこで今回は、2011年の東日本大震災以降、東北の起業家たちを支えてきた株式会社MAKOTO WILLが事業の立ち上げをサポートしてくれます。

また、地域おこし協力隊の制度を活用して、3年間はベーシックインカムを得ながら準備を進められるとのこと。地域の資源と自分のやってきたことを組み合わせたり、廃業しそうな仕事をよりよい形で承継したり。「起業」というとハードルが高そうですが、この町に暮らし、いろんな人と出会うなかで、仕事の立ち上げ方も見えてくるように思います。

どんな事業にしていこうか、という検討段階から、MAKOTO WILLのみなさんが相談に乗ってくれるそう。明確なプランはなくても、挑戦したいという想いのある人を求めています。

(取材はオンラインで行いました。現地の写真は提供いただいたものを使用しています)

 

宮城県の南西端、福島と山形との県境に位置する七ヶ宿町。

地図上で見ると、山間の奥まった場所にあるように見えるものの、アクセスは案外いい。東北新幹線の白石蔵王駅から町内へ直通のバスが出ており、乗り換えがうまくいけば、東京から3時間弱でたどりつけるという。

人口はおよそ1,300人で、県内最少。かなりの豪雪地帯で、背丈を超えるほど積もることも。県内最大のダムがあり、町の中心をきれいな川が流れる水の町でもある。

今回はそんな七ヶ宿町で事業を立ち上げる人を募集する。地域の資源をなんらかの形で活用できるなら、テーマは問わないそうだ。

ただ、自由にどうぞと言われても、はじめてのことばかりで戸惑うと思う。そこで今回サポートしてくれるのが、MAKOTO WILLという会社。

担当の島さんに話を聞いた。

2011年の東日本大震災を機に立ち上がったMAKOTO WILL。宮城県内を中心に、東北地方のさまざまな自治体と組んで、起業する人たちを支援してきた。

たとえば宮城・丸森町では、5年前からサテライトオフィスの誘致や地域拠点の設立などを実施。2017年には、起業家を誘致し、その活動を応援する「まるまるまるもりプロジェクト」をスタートした。

「募集の戦略を考えるところから、実際に来ていただいた方の壁打ち相手にもなって。月に1、2回打ち合わせをしながら、一緒に事業をつくっていきました」

ある人は日本酒の製造を目指しながら、その過程で出る酒粕をケーキにしようと取り組んでいる。またある人は、蜜蝋と布を組み合わせ、環境にも身体にもやさしいラップをつくった

このミツロウラップは、2019年度のふるさと名品オブザイヤーの地方創生賞にも輝いた。

ほかにも農業にITを取り入れる人がいたり、宿を営む人がいたり。10名の個性豊かな起業家が丸森町で活躍しているという。

「ミツロウラップの方も、最初は明確な事業プランはなくて。やりたいことを聞いていくと、『自然やアウトドアが好きで、丁寧な暮らしを丸森から発信していきたいんです』と。一方町内では、蜂蜜を絞った副産物として蜜蝋が余ってるという話も聞いていたので、そこをうまくマッチングして事業化に至ったという経緯ですね」

MAKOTO WILLには、金融やマーケティング、採用など、さまざまなバックグラウンドをもった専門家がいる。そのため、起業する人の悩みに合わせたアドバイスができているのだとか。

島さん自身、これまでに60件以上のクラウドファンディングの成立に携わってきたほか、まるまるまるもりプロジェクトのプロデューサーとして積み重ねてきた経験もある。事業のことを考えるにあたっては、心強い支えになってくれると思う。

「やわらかいアイデアの段階から、我々が相談に乗りますので。とはいえ、起業には当然リスクもありますし、地方に移住したいという気持ちだけではむずかしいと思います。今回募集する人も、なにかしら実現したいアイデアを持っている人がいいのかなと」

 

事業面からサポートしてくれるのが、島さんはじめMAKOTO WILLのみなさんだとして、生活面や日々の困りごとなど、気軽に相談できる身近な存在になるのが七ヶ宿町役場の塩入さん。

じっと話を聞いていて、さりげなくフォローしてくれる。地域おこし協力隊の担当として、これまでも裏方から支える役割が多かったそう。

お隣の白石市出身の塩入さん。今も車で通っているという。

縁あって役場で働く前までは、七ヶ宿町のことはよく知らなかった。

「以前は正直、山形に向かう通り道という感じで。道の駅があるので、買いものに寄るくらいで、あとは単純に山深い地域という印象でした」

何年か過ごすうちに、その印象は変わってきましたか。

「そうですね。白石からこっちに来てまず驚いたのが、近所とか地域の付き合いがかなり深いんです。たとえば『あのあたりの人』って言えば、どこどこの誰々さんっていうのがすぐわかりますし、不在のときでもご近所さんが『あそこに行ってるよ』って教えてくれる。地域の人同士の見守りがあるのは、こういう小さな町ならではだと思います」

隣町とはいえ、白石市の人口は3万3千人以上。面積はほぼ変わらないため、人口密度で考えると25倍ほどの違いがある。

となると、地域コミュニティのあり方もだいぶ異なるんだろうな。都市部から来る人は、なおさらギャップを感じるかもしれない。

今年はコロナ禍の影響で軒並み中止だけど、例年は地域行事も多いとのこと。草刈りや雪かきなど、地域のみんなで取り組む仕事もある。

「面倒見のいい人は多いと思います。今回の募集にあたっても、住宅のことなどで区長さんがよく相談に乗ってくれて。そういう距離感の近さはあります」

役場の近くに町営住宅があり、移住してくる人はそこに住むこともできる。協力隊としてすでに活動している人たちも身近なので、生活上の困りごとも気軽に相談しやすいと思う。

町の資源としては、どうでしょう。何か起業のきっかけになりそうなものはありますか?

「何より自然ですよね。水がきれいですし、その水を使ってお米とか果樹をつくっている方も多いです。桜のきれいな名所もありますし、豪雪地帯なので、ウィンタースポーツも盛んです」

そばやリンゴもおいしい。つくり手が高齢になっていることも多いので、事業をうまく引き継ぎつつ、よりよい売り方や伝え方を考えていくこともできるかもしれない。

七ヶ宿では、7年前から協力隊を募集してきた。当初は集落支援や農林業がメインだったものの、ここ1、2年は地域のまちづくり会社と一緒にカフェや宿を運営したり、陶芸の窯元で制作しながら産地のことを発信したり。活動も少しずつ多様化してきているという。

小さな町だからこそ、ほかの協力隊や地域の人とも身近に関わりながら、一緒に新しいことをはじめやすい面もきっとあるはず。

 

最後に、この地で事業をはじめた先輩にも話を聞いた。地域おこし協力隊として、奥さんとともに5年前に移住してきた井上さんだ。隣にいるのは、息子のさとしくん。

もともと東京でエンジニアをしていたという井上さん。どうして七ヶ宿に?

「わたしも妻も、当時の仕事がものすごい激務で。自宅には寝に帰るような生活をしてたんですね。そのなかで子どもを育てていくっていうことに、実感がわかなかったんです」

家族の時間をとれるような仕事と環境を。

暑いところよりは、寒いところがいい。食べるものはなるべく自分たちでつくりたい。そうやって全国を探していくなかで、たどり着いたのが七ヶ宿だったという。

はじめは農業担当として、地域の農家さんの仕事を手伝って回った。半年ほど経ったころ、人づてに紹介されたのが、今の師匠。

「七ヶ宿のことをよく知ってる人だから、話を聞いてみなよっていうことで、伺って。当時84歳の、炭焼き職人さんだったんですけど」

「ちょうど作業をされているところだったので、横で見させてもらって。そのときに、炭焼きの美しさにすごく惹かれて。これを仕事にしようって決意したんですね」

2011年の震災前まで、炭焼きはとくに丸森町で盛んだった。ところが、震災後にやめてしまった人も多い。この火を途絶えさせてはいけないと、井上さん自らその技術を引き継ぐことにした。

焼いた炭は現在、3軒のキャンプ場と1件の飲食店に卸している。そして奥さんは、ドライフラワーを制作している。ほかにも細々とした副業もしながら、生計を立てているそうだ。

求めていた生活は、実現できていますか。

「夫婦揃って個人事業主だと、完全に休める日って少なくて、なんだかんだ仕事の話になっちゃう。会社員のときは、家に帰れば自由な時間という感じだったので。そのあたりのプライベートと仕事のバランスについては、どうしていこうかって妻と話しているところです」

たしかに、雇用されて働くのと自分で仕事をつくるのとでは、感覚が根本的に違うのかも。全部思い通りにはいかないから、少しずつ自分のスタイルをつくっていくしかない。

「町の制度でいうと、子育て支援はものすごく手厚いなと思います。保育所が無料だったり、給食も無料だったりとか。そのおかげもあって、子育て世代の移住者は多いですね」

現状、小中学校よりも保育所の子どもの数のほうが多く、30〜40名が通っているという。自然のなかで、のびのび遊べるスポットもたくさんある。

「まあ、何をするにしても、一度来てみないとわからないと思います。人と出会って、町の空気に触れて、自分なりに価値を感じることがあれば、それが仕事になっていくのかなと」

応募を検討している人に向けて、オンライン説明会や現地でのツアーも開催予定とのこと。

人口1,300人の小さな町。そんなところで暮らしていけるんだろうかとか、果たして自分に事業を立ち上げられるだろうかとか、頭だけで考えていると、不安ばかりが募っていきやすい。

ふんわりとしたアイデアでも、まず話してみてほしいです。何気ない会話から、起業の糸口が見えてくるかもしれないし、もっと町のことを知りたいと思えば、ツアーに参加してもいい。

小さく、程よく、新しい旗を立てるには、ぴったりの町だと思います。

(2020/7/29 オンライン取材 中川晃輔)

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