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遊びも仕事も妥協せず
ものづくりを楽しむ
建築の多能工集団

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

たとえば、ほかにはないこんな料理をつくりたいとイメージが浮かんだとき。

まずは素材を選び、切り方を工夫して、味を整える。

完成イメージに合わせて、器を選ぶ作業も欠かせない。もし、ぴったりの器がないならいっそ、自分で土をこねてお皿をつくってみるのも楽しそう。

そんなふうに、ものづくりの過程を分けず、最初から最後まで関わることができたら、ほかにはない特別なものを妥協しないでつくることができると思います。

今回紹介するのは、そんなプロセスを建築で実現している人たちです。

千葉の房総半島を拠点に、お客さんの理想のライフスタイルを、空間という形に翻訳しているのが、建築空間創作集団colours。

設計から大工、土木、塗装、左官、造園、ときには配置する家具の選定まで、空間創作に必要なすべてを自分たちでつくりあげる“多能工”の集まりです。

今回はcoloursの一員として、やがて多能工として活躍する仲間を募集します。

大工や土木など、これまでになにかひとつ現場仕事を経験した人であれば、仕事をしながら空間創作に必要なすべての技術を身につけられる環境です。

同時に、拠点であるBOSO C BASE内のカフェを使って、不動産部門を一緒にやってくれるパートナーも募集します。



千葉駅から外房線に乗って上総一ノ宮駅へ。

駅から海のほうへ5分ほど車を走らせ、coloursの創作現場に到着。

ここは写真スタジオになる予定の場所だそう。

「ようこそ!」と迎えてくれたのは、coloursの母体である株式会社ビームスファクトリーの奥野さん。

奥野さんは経営者でありながら、現場仕事にも携わっている。

「coloursは全員が建築の作業ぜんぶに関わっています。僕は設計が得意なので図面を描いたりすることが多いんですが、現場作業も一通りできるんですよ」

「社長をしているのも、僕が経営とか数字を見るのが得意だからってだけなんです。メンバーとは上下関係もなくフラットだし、みんなcoloursの仲間として一緒にものづくりをしている感覚ですね。空間創作の細かなこだわりについて話し合っているときも、僕が言い返されることもしょっちゅうあります」

新築の住宅やガレージ、庭などのほかに、リノベーションを手がけることもある。

つくる建物は、アメリカ西海岸のリゾートや海をイメージさせるような、本格的カリフォルニアスタイルのものが多い。ときには施工前にアメリカまで出張して、現地の建物がどんな仕上げになっているのか確認しに行くほど、細部までこだわり抜いている。

そのクオリティの高さから、本物志向の建築を求めるお客さんに支持され、仕事は絶えないそう。

もともとは、奥野さんの先代がはじめた事業。6年前に奥野さんが事業を引き継ぎ、coloursのメンバーと一緒に育ててきた。

多能工としてそれぞれの技術も深まり、仕事のクオリティも高まってきた今、colours全員が大切にしていくことはなんだろうと、あらためて考えるようになった。

「先代のときから一緒にやってきた仲間ばかりだから、かっこよくてワクワクする、ほかにはない建物をつくりたいっていう大きな部分は共有していたんです。でもそれをちゃんとみんなが確認できる言葉にしてこなかったねって、最近気づいて」

「それで会社のミッションを決めるためのワークショップを外部のパートナーさんにお願いして、coloursって何を大事にしているのか、みんなで話し合ったんですよ」

それぞれが仕事で大事にしていること、会社に対する思い、これからやりたいこと…。ワークショップを通して、普段は口にしないような思いや目標を話し合うことができた。

そして完成したミッションが、“明日をもっとcolourfulに”。

「みんな共通して言っていたのが、ものづくりを楽しみたいこと、『まあいっか』って妥協した仕事はしたくないってことだったんです。それはなんのためかっていうと、つくり手もお客さんも幸せになってほしいから」

「いやなことがあったときって、世の中が曇って白黒に見えるって表現するじゃないですか。逆にハッピーな状態だと彩り豊かに見える。自分たちもお客さんもハッピーにするためにぼくらはものづくりをしてるっていうことを、はっきりとみんなの目的にできたなと思ってます」

たとえば施工中、手間と時間はかかるけど見栄えが良くなる仕上げと、簡単で見た目も無難な仕上げ、どちらがいいか迷ったとき。

どちらを選択したほうが、明日をもっとcolorfulにできるだろう。そんな問いが、あらゆることを判断するための指針になった。

だれかが決めたものではなく、みんなで決めたからこそ、納得して仕事ができる環境に近づいたと、奥野さんも手応えを感じているそう。

「別に建築じゃなくても、“明日をもっとcolourfulにする”っていうミッションに合っていれば、飲食店を始める、みたいなことをしてもいいと思っていて。縛るものではなく、できることを広げていくためのいいミッションができたなって思ってます」

「空間の力の可能性を信じていて、ぼくらと一緒に面白いことをしてみたいっていう人がいいなと思っていて。これからさらに会社を成長させていく段階なので、単純に雇われに来るっていう感覚じゃなく、このチームを一緒に育てていくぞっていう気持ちをもった人に来てもらえたらうれしいですね」



次に話を聞いたのは、先代のときからのメンバーである郷古(ごうこ)さん。

もともとは、車などの精密模型を製造する会社で働いていたそう。別のものづくりをしてみたいと、15年前に建築の世界に飛び込んだ。

「最初は建築のことを何も知らなかったので、現場を見せてもらっても何してるのか全然わからないんですよ。でもみんなが手を動かして、ひとつのものをつくっているのが面白そうだなって」

「どの作業も初めての経験だし、大工も左官もいろんな仕事ができるので。はじめてやるから面白く感じられることがたくさんありました」

15年間、現場でさまざまな仕事を経験し、一通りの知識と技術は習得したという郷古さん。

とはいえ、つくる建物は毎回設計もデザインも異なり、ひとつとして同じものはない。こだわり抜いた建築をかたちにするため、現場で試行錯誤しながら考え続ける日々だそう。

「たとえばこの写真スタジオだと、屋根の瓦を施工したんです。普通は構造材の上に合板を貼って、そこに防水加工を施して瓦を置くんです。けれど今回は合板も防水紙も使わず、室内で天井を見上げると直接瓦が見えるようなつくりにしていて」

えっ、雨漏りとかはしないんですか?

「瓦の組み方を工夫すると、水が漏れないんです。瓦を組むのは何回かやったことがあるんですけど、ここは屋根の継ぎ目に瓦をどう入れるかが複雑で、すごく考えましたね」

つくり方が決まっているわけではないぶん、自分の頭で考えて手を動かすのは、大変なことも多い。

けれども、創意工夫を重ねてつくられたものは、つくり手にとっても自信になるし、お客さんにとっても満足できるものになるんだろうな。

「coloursの仲間たちは、休みの日も道具を持って帰って、家でものをつくってるような人たちなんです。だからものづくりが好きで、つくることを楽しみに来てくれる人がいいのかなって」

「どんな建築が好きかとか、そういう部分はそれぞれ好みがあっていいと思います。それぞれの個性を大事にしながら、妥協せず仕事をする。そのなかでお互いに成長していける人だったらいいんじゃないかな」



今回は、建築の現場で働いた経験のある人を募集したいそう。大工や土木、なにかしらの経験があれば、そこから自分の仕事の幅を広げていくことになる。

最後に話を聞いた上田さんは、大工として働いていた経験がある方。coloursに加わるために、なんと山口県から引っ越してきたんだそう。

「山口県の工務店で働いていたんですが、そのときにここの先代の親方が手がける現場を手伝う機会があって。趣味の小屋っていうのかな…。アメリカ風で、釣り具が並べてあって、仲間でお酒を飲む場所みたいな。そこがすごくかっこよかったんですよ」

「それまでは毎回同じような家を建てることが多くて、なんか退屈だなって感じてたんです。自分もかっこいい建築をやってみたいって言ったら、俺はもう引退してるからって、奥野さんを紹介してくれて。すぐ千葉の現場を見せてもらったら、やっぱりかっこいいし、自分でつくってみたくなりました」

現在は、奥さんと子どもを山口県に残しつつ、単身千葉で暮らしている。coloursの拠点である「BOSO C BASE」は居住スペースもあるため、最初はそこで住み込みで働き、今は近くのアパートを借りているそう。

大工の経験はあったものの、coloursでは大工以外の作業も多いため、メンバーに教えてもらいつつ現場で実戦しているところだ。

そんな上田さんが、入ってすぐのころに施工を手がけたキッチンの写真を見せてくれた。

「これ実はシステムキッチンで、扉を開くと食洗機とかが内蔵されているんですよ」

通常システムキッチンをしつらえる場合は、既製品を空間に取り付けて完了することが多いなか、このシステムキッチンは材料を組み立てて一からつくっている。

収納しやすい構造を考えたり、食洗機がぴったりと納まるよう、正確に棚の寸法を仕上げたり。見た目以上に手間がかかっている。

「それまでは、できているものを取り付けたことしかなかったので、キッチンを手づくりするっていうことにまずびっくりしたんですよ(笑)」

「食洗機をセットするスペースは、機材ぴったりの寸法にしないといけないんですが、あれ?入らないじゃんって。一回間違えてしまったんです。なんとか調整して、最終的にはちゃんと納めることができたので、自分でやりきったうれしさはすごく大きかったですね」

初めての仕事も面白がってチャレンジして、妥協せずに仕上げていくのがcolours流。

上田さんは、どんな人と働きたいですか?

「一緒に楽しくやれる人がいいなと思うんです。ぼくはこっちに来てから、奥野さんに勧められてサーフィンを始めたんですけど、めちゃくちゃはまっちゃって。朝、海に行ってから仕事して、終わってから海に行って帰る、みたいな(笑)」

「仕事も趣味も妥協せずに楽しんでやるっていうのが、ぼくにとって明日をもっとcolourfulにすることなので。そういう環境がいいなって思える人だったら楽しいはずですよ」

枠にとらわれず、建築というフィールドを楽しく、自由に。

coloursだからこそできるものづくり。このメンバーとなら、まずやってみよう、という気持ちで取り組める気がします。

(2020/9/7 取材 稲本琢仙)
※撮影時にはマスクを外していただいております。

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