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何かに打ちこんでいる人や頑張っている人を「応援したい」という気持ちは、多くの人が持っているもの。「応援したい人」と「応援される人」を、もっと気軽につなげることができたら。
ドキュメンタリーメディア「ソダテタ」は、そんな想いから誕生しました。

記事を読んで応援したいと思ったら、お金や物資、人手や場所などの提供を通じて応援できる。一度きりの応援ではなく、双方が持続的につながっていけるようなサービスを目指しています。
今回は、ソダテタで記事を制作するディレクターを募集します。文章や動画、写真やイラストといったスキルを持つ人はもちろん、未経験の方も歓迎です。歩合制の業務委託のため、年に1本からでも構いません。
取材に訪れたのは、ソダテタのサイトオーナーである株式会社エンジョイワークス。
鎌倉を拠点に、不動産や建築、まちづくりや空き家再生などに取り組む会社で、オフィスは鎌倉駅から歩いて10分ほどの場所にある。
オフィスに向かう途中、下校中の小学生と度々すれ違った。鎌倉駅周辺は観光地のイメージが強いけれど、意外と住宅も多いのかもしれない。
オフィスに着き、案内された2階へ向かうと、代表の福田さんが出迎えてくれた。

「そもそもこのメディアは、フリープランナーの森岡さんから企画書をもらったことが始まりで。その内容にすごく共感したので、一緒にやりましょうとなりました」
立案者である森岡さんも、住まいのある香川からリモートでつないでもらうことに。
準備の間、ソダテタのサイトを見せてもらう。

その人はどんな人物で、どんな挑戦をしているのか、どうして始めようと思ったのか。丁寧に紹介されていて面白い。
いいなと思ったら、サイトを通じてお金や物資のサポートもできるみたい。
クラウドファンディングとも似ているような気がするけど、どうして新しいメディアをつくろうと思ったんだろう。
森岡さんと画面がつながったので、あらためてソダテタの経緯について聞いてみる。

「その周辺で暮らす若者は、やりたいことがないって言うんです。それは、挑戦を応援してくれる人や、何かにチャレンジしている人を身近に見つけられていないからで。もっと広い世界で、人と出会える環境が必要だと思ったんです」
何かに打ち込んでいる人との出会いは、刺激になる。応援してくれる人がいるから、背中を押されて挑戦できる。
そうやってチャレンジがあふれ前向きにサポートしあえる社会になれば、どんどん挑戦もしやすくなるはず。そんな世の中にするためには、新しいメディアが必要なんじゃないか。
「そんなことを考えていたときに、クラウドファンディングが広まってきたんです。最初は『あ、これでよかったな』って思ってたんですが、次第にモヤモヤしてきて」
どうしてですか?
「私がやりたかったのは、つながりたい人同士がつながれる環境をつくること。たとえば、あるサッカー選手を10年間応援していたとして。その人が引退するときに、サポーターが集合して記念写真を撮る光景って、すごく幸せだなって思うんですよ」
「それは、その人の人生に応援という形で関わり続けた時間軸があるからこそ。だから、一時的な応援になってしまうのは、私のなかではすごくもったいないんですよ」
お金じゃなくても、物資を送ったり、経験やスキルで貢献したり。「応援」には、本当はさまざまな形がある。
そうして応援する人・される人の間に生まれたつながりが、長く続いていくような仕組みをつくりたい。
想いをこめた企画書を、色々な会社に持っていくなかで、「一緒にやりましょう」と言ってくれたのがエンジョイワークスだった。

「色々な人がつながりあって生きていく社会っていいなと思うんです。僕たちもお店を始める人のサポートなんかをしてきて。DIYやワークショップの手伝いをしたり、知り合いをその店へ連れていったりすることを、これまで当たり前にやってきていて」
「それは全部、応援したいっていう気持ちなんですよ。人生かけてお店始めるわけだから、うまくいってほしい。そこが人気になったらすごくうれしいし、そのお店がきっかけでうちのことを知ってくれて、また新しいつながりが生まれたりもする」

「だから森岡さんから話を聞いたとき、根っこにある想いは同じだなと。ソダテタができたら、もっと色々な分野で応援できるようになるから、可能性が広がるなって思ったんですよね」
森岡さんの想いから始まったソダテタは、2020年の11月にサイトがオープンしたばかりで、これから記事を増やしていく段階。
その編集長を務めるのが、百瀬さん。森岡さんと百瀬さんを中心とした編集部のほか、今は50人のメンバーが業務委託で記事制作に関わっている。

ソダテタでは、記事で紹介する人を“主人公”と呼んでいる。
主人公に取材をして記事を作成するのが、今回募集する“応援ディレクター”と呼ばれる人たち。
文章に限らず、写真や映像、イラストや漫画など、表現方法はなんでもいい。ディレクターが得意とするアプローチをしていってほしいという。
「サイトを見た外部の人や編集部から、ディレクターに取材を依頼する流れも今後多くなっていくと思うのですが、現段階ではディレクター自身に主人公を見つけてきてもらうことがほとんどですね」
主人公の年齢やチャレンジ内容は問わず、ディレクターの主観で選んでもらって大丈夫とのこと。
「ただ、切り口やストーリーが面白いかどうかはきちんと判断したいので、まずは企画シートを書いてもらって、編集部でOKを出してから取材してもらっています」

分かりやすさ。
「どんなにいいストーリーでも、読みづらかったり専門用語が多かったりしたら、読者には伝わらないですよね。編集部でその点をしっかりチェックした上で、掲載しています」
メディアとしての決まりごとはあるんでしょうか?
「いえ、特にルールはつくっていなくて。ディレクターさんごとに色を出してほしいと思っています。らしさがあったほうが面白いかなって。そのうち、人気ディレクターさんとかが出てきたらいいですよね。“ディレクターさんが育ってサイトも育つ”みたいなのが理想です」
今後は、主人公の「その後」を定期的に紹介したり、応援してくれた人に贈り物やお返しができる仕組みをつくったりすることで、長く続く関係性を築いていきたい。
「支援に対して、どんなお返しをするか。ディレクターさんには、いわゆるリターンの内容も主人公と一緒に考えてもらいます。そこがソダテタの肝かなと思っていて」
たとえば喫茶店なら、自分専用の席やカップがあって、行くたびに使うことができる権利とか。サッカー選手による出張指導、ミュージシャンのMV出演などもリターンになるかもしれない。
「根本的に、最大のリターンは『その人の挑戦の先にある未来』だと思っています。極端な話、いわゆるリターンは“おまけ”なんですよね。だからこそ、ソダテタで用意するリターンは、ものよりも交流や思い出として残るものにしたいんです」

ソダテタは、まずはディレクター自身が編集費として6,000円負担した上で記事を作成する仕組みになっている。集まった応援の一部を収入として得られるものの、ときには収支がマイナスになることだってある。
自分だけでなく他の人も応援したくなる人だという確信をもって主人公を選び、記事にしていってほしい。
「今回はライター未経験の人も募集しています。構成の段階で一度チェックするとか、場合によっては編集部で複数回校正することで、フォローしていく予定です。経験よりも、応援したい気持ちがある方と出会いたいと思っています」
「たとえばスポーツチームの広報の人が、チームのことをうちで紹介してくれてもいいし、地域おこし協力隊の人が自分の地域に限定して記事を書いてもいい。副業として、うまくこのメディアを使ってほしいですね」
「誰かを応援したい」
そんな想いを熱く語ってくれたのは、応援ディレクターのあやこさん。

2年前に始めたブログは、月に1本ほどのペースで更新し続けているそう。
「ただ、どんなに頑張って書いても、自分一人では発信力に限界があって。だから、ソダテタでディレクターとして経験を積めばスキルアップにもなるし、集まって応援すれば活動をより多くの人に広めることができると思いました」
「ソダテタのディレクターは、その人自身も何かに挑戦している人や面白い人がたくさんいて。ディレクター同士、ソダテタで応援しあっていきたいし、みんなでソダテタをよくしていきたい。そんな想いをもてる人と一緒に、いい循環をつくっていきたいですね」
まだまだ始まったばかりのソダテタ。
正直、この仕事だけで生計立てていくのは、しばらくは難しいかもしれません。
だからこそ「ソダテタに共感してくれるディレクターさんと出会い、ソダテタもみなさんと共に育てていきたい」と、森岡さんは言っていました。
「応援したい、もっと知ってほしい」と思う人がいるのなら、ソダテタはその想いを形にしていける場所だと思います。
(2020/11/6 取材 鈴木花菜)
※撮影時にはマスクを外していただいております。