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ものづくりは命への恩返し
ロゴがなくても
伝わるブランドをつくる

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「革という素材は、もともと命のあったものです。その命をいただくことへの恩返しのような感覚で、ものづくりをしています」

そう話すのは、ユハク代表の仲垣さん。

ユハクは12年前に仲垣さんが立ち上げた革製品のブランドです。絵を描くように、複数の色を手作業で重ねていく独自の染色技術を開発。革の素材感を活かした美しいグラデーションを生み出すとともに、染色液に浸す一般的な方法と比べて廃液が出ないため、環境への負荷も最小限にとどめることができるといいます。

今回募集するのは、12月に銀座にオープンした直営店の販売スタッフ。予約優先制のお店で、ユハクの世界観を丁寧に伝えていくことが求められます。

少し場所は離れますが、横浜の工房で染色技術を学びながら、銀座のお店の運営に携わることもできるとのこと。商品企画やライター、カメラマンといったそのほかの職種でも、一緒に働く人を募集中です。

ものをつくって、届ける。その根源にある喜びを感じながら働ける環境だと思います。

 

訪ねたのは、横浜本社。ショールーム兼ショップに工房が併設されていて、ユハクのものづくりへの想いをもっとも感じられる場所だという。

横浜駅から歩いて10分弱。静かな通り沿いに佇む店内で、代表の仲垣さんが迎えてくれた。

ユハクを立ち上げるまでには、建築を学んだり、絵描きを目指したり、さまざまな経験を重ねてきた仲垣さん。革に触れたのは、あるシューズブランドで働いたのがきっかけだった。

当時、自身のデザインした靴が流行を生み出したことがあるという。

「つま先のとがった靴が一時期ブームになりましたよね…? 10年ぐらい流行って、いまだに履いている方もいると思うんですが。あれを流行らせたのが自分で」

おおっ、そうだったんですね! よく覚えています。

「その後もヒット作をだいぶ生んだんですよ。ただ、小さなブランドだったので、有名ブランドに模倣された結果、逆にどこどこのパクリだと言われ続けて」

「だから自分が独立するときには、絶対に真似されないブランドをつくろうと思ったんです」

仲垣さんが着目したのは、色。

もともと絵描きになりたかったこと。革製品の業界では、誰も攻めていないところ。そんな観点の掛け合わせから、染色に特化して技術を開発し、ユハクを立ち上げた。

店内には財布や靴、カバンなど、さまざまな商品が並んでいる。いずれも目を引くのがグラデーションだ。

欧州から取り寄せた最高品質の革に、職人が手作業で、円を描くように色を塗り重ねていく。

そうすることで、絶妙なグラデーションを生み出すだけでなく、染料の廃棄を最小限にとどめることができるという。

「手染めの雰囲気や革の表情が有機的なので、デザインはなるべく直線で構成しています。有機・無機のバランスはよく考えますね」

刻印のサイズや打つ位置をミリ以下の単位で調整したり、ステッチと切り端のあいだに細い線を入れたり。単に“中心”や“等間隔”をとるのではなく、目の錯覚を加味してもっとも美しいバランスを追究している。

シンプルなデザインだからこそ、細部にまでこだわることが大切だという。

「ロゴを見ないとどこのものだかわからないブランドって、結構多いと思うんです。うちはパッと見ただけで『ユハクのだよね?』っていう反応が返ってくるようなものをつくりたい。そこに一番関わってくるのが、職人の技術なんですよね」

自身もひとりの職人として腕を磨いてきた仲垣さん。

特徴的な色やグラデーションは、自然界からインスピレーションを受けて生まれたものなのだとか。

そんな仲垣さんにとっての、自然の原風景ってどんなものだろう?

「特定の場所があるわけではなくて、どこでも見れるもの。空なんです。とくに夕焼けが好きで」

ああ、綺麗ですよね。一番身近なグラデーションかもしれません。

「小さいころは外に布団を出して、一日中空を見上げてるような子どもでした。それぐらい、今でも空は好きですね。あとは湖とか池も好きで」

それはまた、なぜ?

「日本にある90%以上の池や湖が、実は人工だってご存知でした? もともとは人の手でつくられているんですよ。そこに自然が覆い被さって一体化している。そんなふうに、人と自然の共存を感じるものが好きで」

「革も同じなんですよね。血管の痕やシワなどは、人の手では表現できない。自然からいただいた命を、もう一度吹き込むような感覚でものをつくっているんです」

最近は、革と別のものを組み合わせたアート作品も手がけている。

たとえば、ドライ盆栽。一度枯れてしまった盆栽を甦らせるもので、革にも通じるところがある。

銀座のお店にはギャラリーの機能も持たせていて、こうした作品の展示も今後もっと行っていきたいという。

今回募集する方が、その企画に携わることもあり得ますか?

「もちろんあり得ます。各店舗ごとにSNSを運用しているので、文章を書くのが好きな人だとなおいいですね。単に接客・販売するというよりは、理念や想いを伝えるストーリーテラーであってほしいと思います」

革製品に関する知識や、販売の経験は問わないとのこと。専門的なことはお客さんのほうが詳しいこともあるので、むしろ素直に教わりながら、細部に込められたユハクのこだわりを楽しく伝えられる人がいい。

 

銀座店のスタッフとして一緒に働くことになる田中さんは、ものづくりも販売も、まったく未経験の状態で10月に入社した方。

だからこそ、工房を訪ねるたびに新鮮な驚きがあるという。

「入社してまず驚いたのは、縫い目の部分に、つまようじや綿棒で色を入れていたことですね。そこに色が入っていなくても、お財布の機能としてはまったく問題ないですし、気づかない方も多いと思うんです。でもユハクを愛用してくださっている方は、きっとそういう微細な違いを感じとって選ばれているんだろうなと思って」

「毎回説明するかどうかは別として、販売員自身が気づいたうえで接客するのか、知らずにお渡しするのかでは、大きな違いがあります。新しく入る人も、職人の細かな手仕事に気づいて、すごいなあと思える人がいいんじゃないかなと思います」

販売の仕事の魅力は、お客さんからの声を聞けること。

あるときは、靴やベルト、カバンや特注のオーダー品まで、全身ユハクでコーディネートしたお客さんがやってきた。その方は大病を患ったときにユハクの商品を知り、これをいつか買いたい…!という気持ちで乗り越えられたんです、と話してくれたそう。

20代以下のお客さんも多い。自分の月給分だと言ってカバンを買ってくれた人。高校生のとき、バイト代をためて買ったユハクの財布を修理に出す人も。その財布は、ほとんど修理がいらないほどピカピカで、大切に使ってくれていることが伝わってきた。

「自分もときどき販売の現場に立つと、お客さんの声が励みになるんです」と仲垣さん。

「熱い気持ちに触れると、もっといいものをつくりたくなる。だから今回入る人も、販売をやりながら職人として腕を磨くのもありだと思っていて。職場は横浜と銀座を行ったり来たりすることになるけれど、いい経験になるはずです。自分が若かったら応募したいくらい(笑)」

現在は、職人一人ひとりのアイデアを活かした商品づくりやセミオーダー品の開発、工房見学など、さまざまな形で職人とお客さんとの接点を増やすプロジェクト「ARTOCU-アルトカ」も進行中。つくり手としての感性と、届け手としての納得感を同時に味わえる環境は、たしかに珍しいかもしれない。

スタッフの田中さんは以前、写真スタジオに勤めていた。

仕事として妥協したくない部分と、組織として優先させること。そのバランスがとれなくなり、転職を考えるようになったという。

「心の感情と、数字の勘定のバランスを考えたときに、数字を優先する場面が増えたんですよね。それから転職活動を進めるなかで、ユハクの求人に出会って。ここならバランスよく働けるんじゃないかと思ったんです」

当時募集していたのは職人だったものの、直感的に応募。選考が進むなかで、新しくオープンする銀座店で働いてみないか?と打診されて入社することに。

とはいえ、当時はお店の図面も完成していない状態。横浜の本店はショールームとしての役割が大きいし、大阪のお店も百貨店に入っているため、銀座のお店がユハクにとって実質はじめての路面店だった。

「わたし自身が異業種から入ってきたことに加えて、ユハクとしてもはじめての取り組みで、何が正解かわからないまま立ち上げから関わることになって。オペレーション含め、1からつくっていくような感じでした」

ユハクには、“想像し、創造する” という社訓がある。

職人も販売スタッフも、一人ひとりが自分の頭で考え、行動することを大事にしていて、変化のスピードも早い。地道な作業ももちろんあるのだけど、決まったルーティンワークだけやりたいという人には向かないかもしれない。

「なんというか、ものを売ることに疑問を持っていたような方がいいと思っていて」

ものを売ることへの疑問…どういうことでしょう?

「ものが売れたらそこで終了っていう考え方は、違うと思うんです。お客さまの手に渡ったあとのことまで考えたい。なので、お客さまの求めているものが違うと思ったら、売らないという選択肢もあっていいと思います」

たくさんのものがつくられては、捨てられていく。そのことに疑問を持つ人も多いはず。

ものをつくって届ける過程には、喜びもあれば、責任も伴う。答えはないものの、ユハクはそのことに真摯に向き合っているブランドなのだと、一連の話を聞いていて思った。

最後に何か、あらためて伝えたいことや、途中で伝えそびれたことはありますか?

そう尋ねると、「あっ、一個思い出しました」と田中さん。

「応募の段階で、こうじゃなきゃいけないのかなとか、これは無理かなってことは一旦考えずに、自我全開で来てほしくて。銀座の土地柄とか、ユハクの世界観って強く感じると思うんですけど、そこにはまろうとしないでいい。意外と守備範囲は広い会社なので」

たしかに、Webサイトに並ぶ言葉やつくっているものにはシュッとした印象もありつつ、どこか温かみも感じるし、お会いして話してみるとフランクな方々だなと感じました。

自然界にいろんなグラデーションがあるように、人にもそれぞれのグラデーションがある。仲垣さんや田中さんの言葉にピンとくるものがあれば、きっとそれはどこかで、あなたにもつながっているのだと思います。

(2020/12/14 取材 中川晃輔)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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