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ひと昔前のドラマを見ていると、スマホがあれば簡単に解決するようなすれ違いで、人の運命が変わってしまうことがよくある。小中学校のオンライン授業も、20年前には考えられなかったこと。SFや物語に描かれるほどの発展ではなくとも、少し過去を振り返ってみると、技術の進歩は私たちの生活の“当たり前”を大きく変えてきたんだなあと実感します。
一方で、日々働く現場を見てみると、本当はITで解決できる不便さがまだまだ放置されていることも。ITに苦手意識があると、やり方を調べることすら億劫になって、多少不便でも慣れた手順で進めよう、という発想になってしまいがち。
せっかく進歩した技術、誰でも手軽にその便利さを享受できるように。ユーザーに寄り添いながらサービスを届けているのが、株式会社ラクスです。

SaaSといって、手元の機器にソフトウェアをインストールすることなく、インターネット経由で情報処理を行えるシステムなので、誰でも簡単に導入でき、中小企業を中心にユーザーを広げています。
今回募集するのは、ユーザーが自分にあった形でシステムを導入できるようにサポートする仕事。カスタマーサクセスという職種です。
その名前の通り、顧客が目標を達成するまで伴走していく役割で、ユーザーの困りごとに根気強く耳を傾けながら、一緒に解決の道を探ります。
またラクスには開発部も社内にあるので、既存のサービスで難しい部分は一緒に新しい機能を考えていくこともできます。
不便だなあ、を諦めない。その姿勢で、いろんな人の仕事を応援する仕事です。
新宿駅の南口から代々木方面へ7分ほど歩くと、ラクスのオフィスが入るビルに到着。
エレベーターで2階に向かうと、ミーティング用の個室が並ぶ空間に。
そのうちの一室で、まず話を聞いたのは楽楽販売事業部カスタマーサクセス部の部長を務める三嶋さん。
「緊急事態宣言の間はリモートワークをしていたんですが、最近みんなオフィスに戻ってきて『久しぶり〜』なんて言っています。やっぱり同じ空間で働くからこそ共有できるものもある。もう少ししたら、お客さまと顔を合わせる機会も増やしていきたいですね」

楽楽販売はパッケージ化された商品ではなく、業態に合わせてシステムをカスタマイズできるもの。
そんなサービスを提供していくなかで、今回募集するカスタマーサクセスというのは、どんなポジションになるのでしょうか。
「カスタマーサクセスって、あまり聞き慣れない言葉ですよね。たとえば会社で新しいITシステムを導入するとき、大企業だとコンサルが入ったりするので、負荷が少ないんですけど、中小企業はそれがなかなか難しい。そこで担当者とコミュニケーションをとりながら、導入のお手伝いをするのが我々の仕事です」
「ユーザーがきちんとシステムを使いこなして、価値を感じ、長く使っていただけるように伴走していくような役割ですね」

ラクスに転職した一番の理由は、中小企業の課題に一緒に向き合える仕事をしたいと思ったからだという。
「前職では数年単位の大きなプロジェクトに関わることが多かったんですが、ここでは同時に何社も担当していく。あとは、クライアントの業種も小売りや製造業、メディア、交通運輸、芸能事務所やアニメの製作会社など、多岐にわたります」
ITリテラシーも会社によってさまざま。何を課題としているのか、ユーザー自身がうまく言語化できない場合もある。
「たとえば、書類にハンコを押すためだけに会社に行くっていう慣習も、それが当たり前になっていたらどう改善していいかイメージしにくいですよね」

まずは現状の課題を引き出しながら、システムを使ってみる。ひとつ課題が解決すると、じゃあこれもできる?と次のテーマが見つかることもある。
そのコミュニケーションを繰り返しながら、それぞれの業務でITの価値を発揮できるようにするのがカスタマーサクセスの仕事。
「日本は90%以上が中小企業だと言われていますし、そこにITインフラを届けていくのは意義のある仕事だと思います。どんな課題に対しても、もっと良い方法はないかって考えていく粘り強さは大事にしていきたいですね」
「我々のサービスは技術の進歩とともに向上していきますが、おそらく人が働く限り、何らかの困りごとは出てくる。それを何とかしたいっていう情熱は、ずっと変わらない部分なんじゃないかと思います」
事業のひとつである「楽楽販売」のカスタマーサクセス担当として働く髙橋さんにも、話を聞かせてもらった。

ユーザー自ら機能を組み合わせながら、システムを構築していく仕組みで、髙橋さんはそれを「レゴブロックのようなもの」だと教えてくれた。
「たとえばレゴで車をつくりたいと思ったとき、パーツの選び方、完成形、いろんな選択肢がありますよね。それと同じように、楽楽販売も答えが一つじゃなくて。お客さまがつくりたいシステムを一緒にイメージしながら手を動かすんですが、これがなかなか難しいんですよ」
「というのも、見積もりひとつとっても、会社によって全然形が違うんです。取引先という言葉は仕入先なのか販売先なのか、ときには真逆の意味になることもある。だから最初は『御社の見積もりってなんですか?』って、ひとつずつ認識をすり合わせながら話を聞いていきます」

「紙の帳簿が限界だ」「入力ルールがバラバラで困っている」など、困りごとを洗い出しアプローチを考えていく。
その後もコミュニケーションをとりながら、システム構築を進める。ユーザーが一人で使いこなせるようになったら、プロジェクト完了という流れだ。
「思い通りのスケジュールで進むことのほうが少なくて、何度もやり直しながら進めます。毎月2〜3件くらいずつ、お客さまの受け入れと完了が入れ替わって、常時10件くらいを受け持つのが理想なんですが、スケジュールをオーバーすると案件が重なって、ちょっと大変。私が今、その状態です(笑)」
「年単位でのお付き合いになる方もいれば、ほとんどサポートが必要ない方もいて。窓口になる方も、経理や総務、システム部門の担当者、営業さん、外部SE、社長のご家族、ご高齢の会長みずからなど…。本当にケースバイケースですね」

家族の歴史を紐解くように、社内の事情に立ち入っていくので、この人なら話してみようと思ってもらえるような信頼関係を築いていくことも必要。
「最初は、知識がないと信用してもらえないって気負っていたんですけど、わからないときはお客さまに素直に聞くことも大切だって今は思います。実際、簿記の仕組みは、この会社に入ってお客さまから教わりました」
「質問してみると『そうだよね、うちの業界特殊だからさ』って、親切に教えてくださることが多いです。3年働いても、同じような事例は1件もなくて、毎日勉強です」
知識を詰め込まなくても、どこがわからないのか自分でわかっていれば、コミュニケーションで解決できる。
「たしかに『今言われたのは、こういうことですか?』って、一度自分の言葉で確認してみるのは大切ですよね。そうすると、お客さまのほうから詳しい話をしてもらえることが多い気がします」
言葉を継いだのは、もうすぐ入社して丸1年になるという水林さん。以前は、地方の電力会社で営業を担当していて、ITに関わる仕事は未経験だったという。

「研修担当の先輩とは別に、メンターの先輩もいるので心強いですし、今はほぼ同期入社のメンバーも多いので、近い視点で共感しあえる仲間もいて。両方のよさがありますね」

人と話す時間が長い仕事なので、夕方には声がカラカラになることも。
水林さんが前職で担当していた営業の仕事は、定型の提案がメインだったため、ユーザー一人ひとりに合わせてカスタマイズする仕事の難しさも感じるという。
経験を積むことで引き出しは増えていくものの、最初は先輩からヒントをもらいながら乗り越えていくことも多い。
「前職でもアプリなどのサービスをご提供していたんですが、会社の都合でお客さまからの要望に応えられない場面も多くて。ラクスの場合は開発部が社内にあるので、『お客さまの立場になって考えたら不便だよね』っていう部分をおざなりにせず考えていけるのがいいところだなあと思います」

ユーザーの悩みに寄り添うだけでなく、見つけた課題を諦めず最後まで一緒に解決していける。
その達成感が、次の仕事のモチベーションに繋がっていくのだと思います。
事業部によって、サービスや研修、ユーザーとの関わりは少しずつ異なりますが、困りごとに最後まで伴走するという姿勢は共通のもの。ラクスにはカジュアル面談の仕組みもあるので、まずは気軽に話をしてみてください。
(2021/10/6 取材 高橋佑香子)
※撮影時はマスクを外していただきました。