求人 NEW

海辺の小さな
温泉街でつくる
カルチャースクール

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

たとえば、思いがけず入ったお店がすごく好みだったとき。その気持ちを自分だけで味わうのがもったいないと感じることってないでしょうか。

自分が心動かされたことを、ほかの人にも味わってほしい。そしてなにより、その人に喜んでほしい。

そんなふうに行動するのが好きな人は、今回紹介する仕事がぴったりかもしれません。

熱川(あたがわ)は、熱海から電車で1時間ほど。東伊豆にある海辺の小さな温泉街。

温泉のはじまりは、江戸城築城で知られる武将の太田道灌(どうかん)が、猿が湯に浸かって傷を癒しているのを見つけたことでした。

今回の舞台である熱川プリンスホテルは、1959年にこの街で創業。個性豊かな湯船と開放感のある屋上露天風呂が人気で、長年旅行者に愛されてきました。

そして今、長年続く伝統を受け継ぎつつ、新たなプロジェクトも動き始めています。

それが、いろんな人が出会い、お互いに学び合うような場として、宿泊者はもちろん、地域の人も参加できるようなカルチャースクール。

今回募集するのは、その立ち上げメンバーです。

経験は求めません。自分の興味や関心を活かして、誰かに喜んでもらう、そんな仕事だと思います。



横浜から特急踊り子に乗って2時間ほど、伊豆熱川駅で降りる。

あたりを見渡すと温泉櫓がたくさん。湯けむりが上がる街並みは、なんだか時代をタイムスリップしたような感じだ。

駅から続く緩やかな坂を登っていくと、熱川プリンスホテルに着いた。

なかに入ると、茶色を基調とした落ち着いた和の空間が広がっている。

ロビーで待っていると、代表の嶋田さんが迎えてくれた。

温和な表情が印象的な方だ。

嶋田さんが先代からホテルを引き継いだのは、14年前。小さいころから熱川で生まれ育ち、ゆくゆくは自分がこのホテルを継ぐんだと、半ば宿命のように感じていたそう。

「大学のとき、ホテルを継ぐために何が必要か、具体的に考えるようになりまして。ホテルや旅館にアメニティを販売する旅行系の商社に就職したんですね」

「その会社はアメニティだけじゃなく、インテリアや全体の空間デザインなども提案する事業をしていて。いろいろな旅館に入るうちに、お客さんに満足してもらえる場所をどうやってつくるか、自分でも考えるようになりました」

さまざまな旅館を見て学んだあと、伊香保にある旅館に就職してフロントや接客などの実務を経験。28歳のとき、熱川に帰ってきた。

当時社長だった父親とは、意見の違いからよく揉めたそう。

「昔は、ここも白地に赤のアクセントがあるような外装で。目立ちはするんですけど、なんだか落ち着かないというか。コンセプトもはっきり決まっていなくて、どんなホテルなのかわかりづらかったと思うんです」

「ホテルの前には国道も通っていて、車通りは多い。ここならリラックスできそうと思ってもらえるように、落ち着いた茶色で統一しようって提案をして。最初は反対されたんですけど、自分の思いを伝えてなんとか実現させました」

ほかにも、お風呂の数と種類を増やしたり、インテリアを見直したり。お客さんに喜んでもらうために、いろんなことを提案して形にしていった嶋田さん。

利用者からの評判もあがり、大手旅行会社からも安定して送客してもらえるようになった。

「一時期は利用者の数もグーンと伸びたんですけど、昨今のコロナ禍で団体のお客さんが激減してしまって。一方で、個人旅行のお客さんは少しずつ増えてきたんです。それに合わせて、ホテルもリニューアルしていこうと考えているところです」

今年の7月にはクラブ施設を宿泊者向けのコワーキングスペースとしてオープン。来年の4月からは、団体向けの宴会部屋を個室風の食事処にリニューアルする工事も計画している。

「時代に合わせて、ホテルの形を変化させてきました。さらに今、新しいチャンレンジも動き始めているところで。そのプロジェクトを私たちは“ミヂカル(mizi-cul)”って呼んでおります」

ミヂカル?

「“身近なカルチャー”の略ですね。宿泊者はもちろん、地域の方も参加できるようなカルチャースクールをつくろうと考えているんです。宿泊者もホテルでの時間をより楽しむことができるし、地域の方が集まることで人の交流も生まれるんじゃないかなと」

たとえば、健康・美容に、伊豆ならではの食やものづくりをテーマとした講座など。

継続して地元の人が学べる講座や、宿泊者が熱川の文化を身近に感じられる講座が毎日ホテルで開催されていたら、いろんな人がつながるきっかけになる。

新しく入る人には、講座の企画・運営、講師の発掘やスケジュール調整、ミヂカルの情報発信を担当していってほしい。

「講師は、地域で活躍している人や、仕事ではないけど長年やってきた趣味がある、みたいな人でも面白いんじゃないかなと。いろんな人が出会い、お互いに学び合うような場所にしていきたいと思っています」

「人に楽しんでもらえると、自分もパワーがもらえるというか。お客さまの喜んでいる姿が、自分の原動力なんだと思うんです。これからはミヂカルを通じて、地域の人にも楽しんでもらえる場所にしていけたらうれしいですね」



プロジェクトを進めているのは、嶋田さんを中心とした4人のチーム。みなさん、業務委託で関わっているとのこと。

実際にどんな活動をしているのか、今年の7月からプロジェクトに関わっている望月さんに聞いてみる。

以前は静岡で映像編集の仕事をしたという望月さん。

昨年からはフリーランスとして活動しており、これまでのスキルを活かして地元に貢献したいと思っていたときに、嶋田さんと出会った。

「ホテルの魅力を発信していきたいと、お声がけいただいて。今は熱川プリンスホテルのアンバサダーとして、ホテルの魅力をSNSで発信しつつ、イベントの企画もしています」

ミヂカルを立ち上げるにあたり、まずはお試し的に、いくつかのイベントを企画・運営してきたそう。

たとえば、と教えてくれたのは、今年の11月に行われた「着物でStay」というイベント。

「着物を着て熱川温泉の街を楽しく散策してもらおうという企画で。ハクビさんという着物の会社さんに着付けをお願いして、メイクアップはPOLAさんに来ていただいたんです」

「日本の文化を体験してもらいつつ、イベント当日は熱川のお祭りもあったので、打ち上げ花火も楽しんでもらえるような内容にしました」

着物や化粧品の会社さんに来てもらうというのは、すごく本格的ですね。

「POLAさんとは、以前から仕事でお付き合いがあったんです。そこで、ミヂカルのお話をしたら、ハクビさんを紹介してくださって。もともとのご縁がうまくつながって、いいイベントができたんじゃないかなと思います」

新しく入る人も、望月さんのように自分の興味ある分野や気になる人を巻き込んで、熱川でどんなことをしたら面白いか、という視点から企画を考えていってほしいとのこと。

来てくれる人自身がもともと持っていたつながりを活用することもできるだろうし、嶋田さんが地域とのつながりをたくさん持っているので、まずはそこから人を知っていきつつ、講師になってくれる人を探していくのもいいと思う。

「ミヂカルを通じて、自分の好きな伊豆熱川の良さや面白さを広めるお手伝いができたらと思っています。すごい!と思ったものを、多くの人に知ってもらえることが、楽しいんです」



少しずつ新しい企画が動きはじめている一方で、社内での認知度はまだ低いそう。今回新しく入る人には、社内の人をもっと巻き込んでいくような役割もしてほしい。

最後に話を聞いた池嶋さんは、まさにその役割をしている方。予約課に席を置きながらプロジェクトに関わっている。

今回新しく入る人も、池嶋さんとおなじく予約課に席を置きながらプロジェクトにかかわることになる。

「前職では旅館・ホテルさんの集客を手伝う広告業に携わっていました。当時は、お客さんが喜んでくれたらと思って企画を提案しても、直接売り上げにつながらないことは受け入れられづらい環境で。モヤモヤしていたところもありました」

「嶋田さんは、短期的な利益よりも長期的に見てお客さんが満足してくれることを大切にしている。その姿勢や行動が素敵だなと思っていたんです。それで、新しいプロジェクトのお話を伺ったときに、ぜひ私にやらせてください!と即答したんです(笑)」

プロジェクトに関わるようになって、まだ1ヶ月ほどだという池嶋さん。

予約課に席を置き、まずはホテルで働くスタッフと信頼関係を築くために、コミュニケーションを重ねている。

「カルチャースクールが始まったら、講師の方との打ち合わせや、使う備品の手配、当日の進行や写真撮影とか。いろいろ現場仕事が多くなると思います。その合間で、予約課のお仕事を手伝わせてもらうような感じですね」

「予約を受けるっていう基本的な業務はもちろんですが、ここで得られる情報を活かすことも大事だと思っていて。最近だと、お客さまからみかん狩りについての問い合わせをよくいただくと、まわりのスタッフさんに教えてもらいました。そういった情報を、ミヂカルの企画や情報発信に活かせたらいいなと思っています」

たとえば、自分で採ってきたみかんを使って、お菓子やアロマオイルなどをつくる講座を企画しても面白そう。

ミヂカルが軌道に乗るまでは、ホテル業務に携わる時間が多いかもしれない。その間に現場メンバーと関係性を築けたら、その後、よりお客さんの声を反映した企画を一緒に考えていくこともできるはず。

まずは自分自身が楽しんでミヂカルに取り組んでいきながら、少しずつ今いる現場メンバーにもプロジェクトを広げていってほしい。

「私はダイビングが好きで、見習いインストラクターをやっていたこともあるんです。自分の好きなダイビングをみんなに楽しんでほしくて盛り上げ役をやっていたら、自然と自分が一番楽しんじゃって」

「自分の心が動かされたことを、相手にも楽しんでもらおうとする。そんなふうに行動するのが好きな人なら、楽しい仕事だと思います」

最後に、今後ミヂカルでどんなことをやってみたいか聞いてみる。

「前職ではパソコン仕事が多かったから、ヨガに興味を持つようになって。あるとき、YouTubeでバリ島からヨガの配信をしている動画を見つけたんですね。背景はプライベートプールで、バナナの木が生えている南国の感じで」

「そこで、ピン!ときたんです。伊豆ならではのビーチ・朝日、そして大自然を感じながらできるヨガ講座を開催したい!って。参加者の方はもちろん、講師の方も楽しめる素敵な体験になると思うんです。そんなことを想像すると、とてもワクワクして、エネルギーやアイディアが湧いてきます」



取材後、ホテルに宿泊させてもらいました。

朝一番で屋上に登ると、水平線から登る朝日が見える。

太陽の光が海面に反射しながら、真っ直ぐと自分の方に向かって伸びる様子は神秘的。

この光景を誰かと共有したい。そう思える気持ちが、そのまま力になる仕事だと思います。

(2021/11/25取材 杉本丞)
※撮影時は、マスクを外していただきました。

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