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現場で生まれる
2000人分の熱量を
丸ごと受け止め、伝えたい

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

人が心から好きなものの話をしているときの活き活きした顔、なかには、ちょっと照れくさそうにする人もいる。そういう表情が、私は好きだ。

誰かにやらされるのではなく、みずからやりたいと思えること、自分が好きなことを貫く。そんな熱量が、株式会社ウェルカムにはあります。

DEAN & DELUCA、CIBONE、虎ノ門蒸留所やDōngxī(ドンシー)亜細亜香辛料理店など、食とデザインの分野で、個性豊かなお店づくりを続け、現在直営ブランドが12事業部。さらに最近は、虎ノ門横丁やホテルのプロデュースなどの事業も広がり、働く仲間は2000人を数える会社です。

「どれだけ仲間が増えても本当は、メンバーみんな一緒に食卓を囲む時間を持てるといいよね」と、代表の横川さんは言いますが、現実的にはなかなかそうもいかない。

大所帯となった今、ウェルカムではその熱量や感性を共鳴させるために、社内外に向けたコミュニケーションのあり方を見直そうとしています。今回は、そのコーポレートコミュニケーションを担う人を募集します。

企業のヴィジョンをわかりやすく伝えたり、現場の声を拾い上げたり。広報の仕事というと分かりやすいのですが、そのひとことでは括れない奥深さがあるようです。


今回訪ねたのは、虎ノ門ヒルズ。ビジネスタワーにはウェルカムが全体プロデュースを手掛けた虎ノ門横丁と、自社で運営する虎ノ門蒸留所がある。

「オープン前はもちろん今も毎週、よく通っているんです」と代表の横川さんは言う。

2020年に創業20周年の節目を迎えたウェルカム。現在は、次の5年に向けて各プロジェクトが動き出しているところ。

もともとはGEORGE’Sというひとつのライフスタイルブランドからスタートし、その後カフェや食料品、レストランと、業態が広がりブランドも増えてきた。

横川さんは、その過程をまちづくりのようなものだと言う。

「僕は地図を描くのが好きなんですよ。街のなかに、パン屋さんやカフェ、花屋さんを描き込んで、そこに暮らすイメージを広げる。今の仕事もそれと似ていて、ひとつの街をつくるようにお店やブランドが増えてきた。最近はそれを船団って呼んでいるんですけどね」

船団ですか。

「そう。タンカーのようにひとつの司令塔が動かす大きな船ではなくて、大きい船も小さい船も、それぞれ自分で舵をとりながら、同じ方向を目指して一緒に航海をする。普段はそれぞれのペースで進みながら、嵐のときは力を合わせていくようなチームのイメージです」

「以前はそれを“寄せ植え”って呼んでいたこともあったんだけど、鉢の中に植えられている感じが嫌だって(笑)。船団は、ポジティブで自分たちらしくていいねって共感が生まれたのでそっちにしたんです」

まち、寄せ植え、船団。

どれも同じウェルカムという会社を表しているのに、言い方によって、共感が広がったり、伝わらなかったり。言葉って難しい。

横川さんがそのことを痛感したのは2016年。それまでブランドごとに運営してきた会社をウェルカムというひとつのグループにまとめようとしたときだった。

「マネジメントをひとつにすることで、事業の可能性が広がるし、僕自身はこの“統合”にすごくワクワクしていました。『2016年は統合元年だ!』なんて言って。だけど、現場のみんなはそうじゃなかったんです」

ウェルカムのグループには、DEAN & DELUCAのような食のお店から、 CIBONEなどデザインに関わるものまでさまざまなブランドがある。

お互いに興味がないわけではないけれど、仕事の内容が違いすぎて、現場のメンバーはすべてを自分ごととしては捉えきれない部分もあった。

またDEAN & DELUCAのメンバーにとっては、自分たちのブランド名そのままの社名が変わるのは大きなこと。ブランドへの思いの強さゆえに、戸惑う人もいた。

「マネジメントする側は自分の視点で事業を整理したくなるんですけど、現場は自分でやっている視点を尊重してもらえないと、モチベーションが下がるんですよね」

1年かけて悩んだ末、横川さんは統合を撤回。といっても、事業上のグループ化を中止するのではなく、グループのあり方を「結合」という言葉に修正した。

そこからさらに時間をかけ、先ほどの「船団」のイメージを共有しながら、一人ひとりが主体的に舵をとれるグループづくりを目指してきた。

「もし、あのとき統合じゃダメなんだって気づけなかったら、コロナ禍は乗り切れなかったかもしれません」

2020年の春、緊急事態宣言による店舗の全面休業は、飲食や小売りをメインに運営してきたウェルカムにとっても一大事だった。さらに、準備を進めていた新業態のオープンも延期となり、グループ全体に混乱と動揺が広がった。

そのときのことを、コーポレートコミュニケーション担当の山下さんに聞かせてもらった。ちなみに山下さんは、新しく入る人の直属の上司になる人です。

「当時は、収入面だけでなく、体調や環境の変化による孤独感など、メンバーみんなが不安な状況にあって。だからこそ、離れていてもつながりを感じられる仕組みが必要だと思いました」

ウェルカムでは休業が決まった当時、アルバイトを含む全員に休業補償を約束し、スタッフは毎朝、決まった時間までに検温し、上長に報告するというフローを構築。

それもただ事務的な連絡ではなく、挨拶がわりに一言コメントを交わすことも合わせてガイドラインにした。連絡には、社内専用SNSを使った。

実はその前年から、業務連絡や、コミュニケーション活性化のために社内SNSの運用をスタートしたものの、利用の頻度はスタッフによってバラバラだった。

それがコロナ禍によって、全員が利用するようになったことは思いがけない転機だった。

「せっかくログインする習慣がついたなら、もっとコミュニケーションを広げたいと思って、代表の横川が日ごろの気づきや思いを週1回発信している『Mac’s Talk』を、期間中は毎日配信してもらいました」

代表としての言葉だけでなく、ときには家族やプライベート、趣味の話題も交えて。

SNSなので、誰でも気軽に共感を示し、コメントもできる。横川さんのお子さんが迷子になったエピソードの回は、子育て中のメンバーを中心に大きな反響があったそう。

「受け取る側のメンバーは今どんな気持ちで、どんな言葉を届けたらいいか。私も横川と一緒に、トピックやタイミングを考えました。それを続けていくうちに、少しずつ店舗の営業も再開して、その様子を現場から発信したり、メンバーがリアクションしたり。SNSが社内の情報のハブとなってきました」

なかでも、オープンが延期されていた新業態のお店がようやくスタートしたというニュースは、みんなを勇気づけた。

コロナ禍が転じて生まれた、この一体感を維持していくために、山下さんは新しいコンテンツづくりを模索。そのときにつくった動画を見せてもらった。

画面に現れたのは、飲食事業部役員の後藤さん。当時オープンして間もない虎ノ門蒸留所を案内してくれるようだ。

某TV番組の出演者になりきり「さっそく行ってみましょう!」と、少し照れながらも、店内のレポートをしていく後藤さん。そのお茶目な様子に、つられて笑顔になってしまう。

最後は「変化は進化!」という決めゼリフで、3分ほどの動画は終了。

「もともとは、ウェルカムの“行動指針”である『WELCOME SHIPS』をもっと現場に浸透させたくて。動画で楽しく伝えたらわかりやすいんじゃないかと思って、リレー形式で5人の役員に出演をお願いしたんです」

「みなさん前向きに引き受けてくれたんですけど、だんだん、ほかの役員よりおもしろいのをつくりたい!って、競い合うようになって(笑)」

社内のコンテンツでも本気でやる感じ、いいですね。

「今は社内向けですが、同時に、対外的な発信の実験でもあるんです。企業として伝えたいメッセージを、どう表現すればユーザーに受け取ってもらえるか。社内のリアクションは、その改善点を見つけるヒントになるから」

忙しい業務の合間に情報を受け取るメンバーにとって、ちょうどいいコンテンツってどういうものだろう。

動画もPCで編集するだけでなく、メンバーのことを考えてスマホでの見え方も確認しながらSNSのUXをブラッシュアップし続けてきた。

「ただ机に向かっていてもわからないし、普段から現場に足を運ぶのはすごく大事なことだと思います」

「それも『ちょっと時間をつくってくれる?』っていうより、一緒に店舗業務をしながら話すんです。私自身も店舗で働いた経験があるので、お店で10分手を止めるっていうことがどれだけ難しいかよくわかる。その感覚を大切にしたいです」

今回新しく入る人は入社後、すべてのブランドの現場研修する予定。バックオフィスで働くほかのベテランのメンバーも、人手が足りないときは、現場のヘルプに出向く。

現場へのリスペクトがなければ、発信するべきことも見つからない。

ときには現場で一緒に汗を流し、グループ内を縦横無尽に行き来しながら、コミュニケーションのハブとして動いていく。

「コミュニケーションって、便利だけど曖昧な言葉ですよね。よく『そこは現場でコミュニケーションとって、うまくやってよ』って言いますけど、それって何かを発信したり説明することなのか、ヒアリングか、議論か対話か、あるいは飲みに行くことなのか。私たちの役割は、それらをすべて包括したものだと思います」

ライフスタイルを提案する会社であるウェルカムは、仲間と一緒に食卓を囲む場を大切にし続けてきた。なかでも「WELCOME CAMP」と呼ばれる全社総会と懇親会の企画や演出は、山下さんたちの大切な仕事。

普段は別の事業部にいるメンバーと一緒に、開催場所やコンテンツ、BGMなどの演出にいたるまで、一つひとつ話し合って進めていく。

「もともとウェルカムには、『これでいい、よりこれがいい』を目指す雰囲気があるし、みんなも普段の仕事と同じくらい本気で、アイデアをぶつけ合う。その熱量のなかで、目指すミッションがぶれないように取りまとめるのは、まあタフだけど楽しい仕事ですよ(笑)」

コーポレートコミュニケーションは、各事業部リーダーや役員をはじめ、代表の横川さんとも議論や企画をする機会の多いチーム。だからこそ、気をつけてほしいことがあると、山下さんは言う。

「横川の言葉を誰かに伝える場面であっても、『横川さんがそう言っているから』っていう言葉はNGです。きちんと自分で理解し納得した言葉で、現場へのリスペクトをもって、人に伝えていかないと意味がない。失敗しながらでいいから、自分で信頼関係を築いていってほしいですね」

現在は次の5年に向けてグループのヴィジョンを発信するコーポレートサイトのディレクションを進めている山下さん。新しく入る人も、そこに新しい視点やアイデアを提案してほしいという。


感性の共鳴し合う仲間と、先に進んでいくことを目指して。

ウェルカムのコーポレートコミュニケーションの仕事は多岐にわたるため、その幅広さに、最初は驚きや戸惑いが生じるかもしれない。

ただ、すべての仕事は社内外に仲間やファンを増やすことにつながっている。頭で考えるだけでなく、思いっきり体を使って、肌で感じながら、その熱量を伝えてみてください。

(2022/1/6 取材 高橋佑香子)
※撮影時にはマスクを外していただきました。
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