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いい道具から
医療を変える

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人のためになっている、と信じられる仕事だから、楽しくて仕方がない。

昔、営業の仕事をしていたときに先輩から聞いた言葉がいまも記憶に残っています。

がむしゃらに売上を追うのではなく、心から良いと思えることで全力を尽くしたい。今回紹介するのは、そう思ったことのある人にこそ知ってほしい会社です。

千葉県八千代市にある株式会社名優。医療関係者向けに医療機器を紹介し、販売する会社です。

主に扱っているのは、欧米の医療機器。

空気圧を使って寝たきりの患者さんを安全に一人で移動させられるマットや、医療器材が確実に滅菌されたかどうかを検証する機器など。

今回は、日本ではまだ普及していない製品を広めていく営業と、営業サポートを募集します。

大切にしているのは、「売れるから取り扱う」ことではなく、患者さんと医療者、双方にとって本質的に良い製品であるかどうか。

メンバー自身が「良いもの」と信じられているから、自信を持って提案することができる。自ずと紹介したくなる製品が揃っているからこそ、営業目標はなくとも、会社が続いてきたそうです。

医療業界ははじめてという人でも大丈夫。一緒に働くみなさんの考え方に共感できる人なら、どんどんのめり込んでいける仕事だと思います。

 

東京都内から電車で1時間、東西線の八千代中央駅で降りる。10分ほど歩くと、名優の事務所兼倉庫が見えてくる。

敷地に入って周囲を見回すと、建物の裏手に大きな蓮池を見つけた。

すぐ裏手は公園になっていて、オフィスにかかるように桜の木が植えられている。この日はとくに暑い日だったけれど、なんだか涼やかな心地になる。

事務所へ入り、2階の会議室で迎えてくれたのは代表の山根さん。

「よければうちのマスクを使ってみませんか」

話を始める前に、手渡されたのは不織布のマスク。なにがあるのか、とドキドキしつつ付けてみる。

あれ、なんだか息がしやすい気がします。

「そうなんです。市販のマスクより通気性が高いうえに、マスクに付着したウィルスを5分ほどで不活化できる優れものなんです。耳紐も柔らかいから疲れづらい。その心地をぜひ体験してほしくて」

「マスクを一日中着用する医療従事者にこそ使ってほしい、と取り扱いを始めました。こういった、日本では普及していない優れた医療機器を紹介するのが私たちの仕事なんです」

名優は山根さんが30年ほど前に立ち上げた会社。山根さん自ら海外の学会や展示会に出向いて目利きした、こだわりの医療機器を販売している。

たとえば、ヨーロッパ発祥のオトヴェントという器具。滲出性中耳炎に悩まされる子どもが、風船を膨らませる要領で簡単に症状を改善することができる。

服薬による治療効果が十分でない場合、鼓膜切開することが多かったという滲出性中耳炎。オトヴェントを使い続けると、半数以上の患者さんが切開することなく症状改善に至るそう。いまでは日本の耳鼻咽喉科医師で知らない方はいない道具になったのだとか。

「うちが扱っている製品って、基本的には売れないものなんですよ」

売れないもの?

「欧米では当たり前でも、日本にはない先進的な医療機器ってたくさんあるんです。それをただ買ってください、と言うだけでは買ってもらえない。なぜ必要なのか、どうやって使えば良いのか。ドクターたちと一緒に講演したり本を出したりして、土壌をつくるところからやらないと」

「それにはお金も時間もかかる。でも良い製品っていうのはちゃんと魅力が伝われば自ずと売れ続けると思っていて。どうしたらこの製品の魅力が伝わるだろう?って粘り強く考えて、行動し続けることが大事ですね」

最近も、取り扱いをはじめて7年越しに日の目を見た製品があるという。

「ホバーマットと言って、ベッドやストレッチャーに横たわる患者さんの下に敷きこむことで、患者さんを看護師さん一人で簡単に移動させることができるものです。なによりこれを使うと患者さんが楽で」

「私たちが扱いたいのはまさにこんな、患者さんと医療者がともに良いと感じられる製品。当時アメリカでは当たり前に使われていたこともあって、日本でもぜひ普及させたいと取り扱うことになりました」

ところが「今までのやり方でも十分対応できる」「新たなオペレーションをつくることを考えると、導入までのハードルが高い」と、なかなか受注に至らなかった。

「いまの医療現場って、どうしても診療報酬が何点つくかどうかで判断される仕組みになっていて。ホバーマットを導入しても、医療収入に直接関係があるわけではないんですよね。あとは『医療=しんどくて当たり前』みたいな文化が根深くあるような気もしています」

 

「すぐ売れるとは思わなかったけれど、こんなに売れないとは思わなかったな(笑)」と山根さん。

転機はコロナ禍。それまではストレッチャーからベッドへの移動等を中心に使用されていたホバーマットを、患者さんの体位変換に応用したことが打開のきっかけになった。

その提案をしたのが、入社4年目で営業の佐藤さん。

「日々ニュースを見たり、現場の声を聞いたりするなかで、新型コロナの重症患者さんの治療にホバーマットが使えるんじゃないかと思ったんです」

コロナの治療には、うつ伏せのような伏臥位(ふくがい)という体位が有効とされる。体位を変える際には7〜8人で作業する必要があり、看護師の負担が大きかった。

「僕ら営業の仕事は、製品のポテンシャルを引き出すことだと思っていて」

「体位変換に対応できることは製造元から聞いていたんですが、具体的な使い方は想定されていなかったんです。現場ですぐに落とし込めるよう、製造元に相談をしながらオペレーションをつくって学会で実演したり、動画をつくったりして医療機関へ提案していきました」

深刻な人員不足を解消する手立てになりえると反響があり、複数の病院で導入されることに。

「半分の人数で作業できるようになったとか、スタッフの身体的ストレスを軽減できて、医療の質を上げることができたとか。導入いただいた病院からそんなお話を聞くと、本当にやっていて良かったなと思いますね」

幼い頃から医療に興味を持っていたという佐藤さん。「医術は1:1でしか命を救えないが、薬学は1つの開発でたくさんの人を救える」という言葉に動かされ、大学では薬学を専攻。

同じように、1:nの構造で医療に関われる、医療機器業界で就職活動をすることに。

「ほかに受けた会社は売上至上主義というか、売れさえすれば患者さんのためにならなくてもいいという姿勢で。名優に来てびっくりしました。メンバーから、扱う製品が患者さんのためになる自負を感じるというか、愛があるというか」

「うちの製品は社長がすべて選んでいるんですけど、一貫して患者さんのことを一番に思って選んだ製品だってことが伝わってくるんですね。それらを広めることで世の中を良くしていきたいと、想いをともにしたメンバーがここに集まっている。こんな人たちと一緒に働きたいと思って入社しました」

入社後、学会や展示会の仕事でも、佐藤さんはその熱を感じたそう。「うちのブースって変わっていて」と見せてくれたのは、ある展示会での写真。

「ぶら下がっているのはカラフルな着圧ソックスです。医療従事者の方って一日十何時間も立ちっぱなしで足への負担が大きくて。少しでも明るい気持ちで快適に仕事ができるように、と。こうやって飾ることで目を引くし、楽しい雰囲気になりますよね」

たしかに。医療機器の展示ブースってもっと堅いイメージがありました。

「そうなんですよね。それに接客の仕方もちょっと変わってて。普通は顔馴染みのドクターを見かけたら挨拶をするくらいだと思うんですけど、うちはちょっと違います。最近のヒットは『あ、いま目が合いましたね』って声かけで」

ナンパじゃないですか!(笑)

「社長がやっていたのを真似したんですよ。それでブースの20m先にいる人も連れてくる(笑)。製品の魅力を知ってもらうためにも、まずは少しでも興味を持ってもらうきっかけづくりが大事だと思うんです」

紹介した製品に興味を持ってもらえなかったとしても、積極的にほかの製品も提案していくと佐藤さん。

提案がうまくいくまでの時間はもどかしいこともあると思う。諦めずアプローチできるのは、名優で扱う製品に対して「医療のためになる」と自負を持てているからなのだろうな。

 

最後に話を聞いたのは、営業サポートの野口さん。山根さんと佐藤さんの話を隣で聞きながら、何度もうなずいていた。

「佐藤があの手この手で提案できるのは、何度もサンプル品を自分で触っているからだと思いますね。仕組みを理解してこそ提案できることも増える。私はサポートの立場ですが、もっと知識をつけないと、と思うことばかりです」

営業サポートの仕事は、医療機器のサンプルの送付、見積書の作成など。電話やメールで卸業者とやりとりすることも多い。

長年、コールセンターで働いてきたという野口さん。「誰かの役に立っていると実感できる仕事がしたい」と名優へ。

これまでの経験を活かしつつ、単なる窓口業務にとどまらない仕事に取り組んでいる。

「うちで取り扱いのない製品への問合せがあったときに、『ごめんなさい、ありません』で終わりたくなくて。その場で目的をヒアリングして、ほかの製品を提案することもあるし、他社の製品を紹介することもあります」

「どんな問い合わせもチャンスになりえますよね。本当に良い製品を広めようと、社長や営業メンバーが可能性を模索している姿を見て、私も刺激を受けています。展示会でも営業でも電話1本でも、同じ姿勢でありたいですね」

同時に、会社を運営していくうえでは、日々の細かな業務を確実に実行することも大切。

名優で扱う製品が医療現場にとって本当に良いものであるために、「お客さまの一秒を無駄にしない心配り」ができる人だと良い。

「本当に小さなことですけど、カタログを開きやすい方向に揃えるとか、段ボールに貼り付ける布テープの端を折っておくとか。受け取る人を意識した動きが大事だと思っていて」

「日々の発送業務は主にパートさんが担当しているんですけど、指示待ちというよりは能動的に動いてくださる方が多くて。とてもありがたいし、気持ちがいいですね。チームで働くのが好きな人には、働きがいのある場所だと思います」

 

最後に、代表の山根さんの言葉を紹介します。

「うちの営業には製品の担当制度はなくて、全員がすべてのものを扱っているんです。それを『こんなにやらなくちゃいけないんですか?』と思うか、『世の中をより良くしていくのに、こんなに手段があるんですか!』と思うかなんだよね」

「ただ、うちの製品は簡単に売れるものじゃないです。だからいろんな提案を考えてどんどん行動に移してほしいし、それで失敗したことは誰も責めません。人を喜ばせたい、挑戦し続けたい人にとっては、楽しくて仕方ないと思います」

夢中になれる仕事を通して、社会をより良くしたい。

名優のみなさんは、その想いとともに走っていく人たちだと思いました。

(2022/6/27取材 阿部夏海)

※取材時はマスクを外していただきました。

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