求人 NEW

お菓子に込めた美しさ
とことん向き合い
誠実に届ける

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

いい仕事ってなんだろう。

世の中のさまざまなことに持続可能性というものさしが加わったことで、あらためて「三方よし」の価値が見直されているように感じます。

目の前の仕事が、上流、下流にどんな影響を及ぼすのか。関わる人のことを真摯に考えながら、自分たちが大切にしたい世界を届けていく。

今回紹介するパドゥドゥは、そんなあり方を体現している会社です。

創業37年。パドゥドゥでは、自然にも人にも優しいものづくりに取り組む生産者から原材料を仕入れ、素材そのものの味を活かした焼菓子やケーキをつくっています。

今回募集するのは、パドゥドゥのECサイトやSNSの企画・運用などを担当する人。

これまで実店舗をベースに、少しずつファンを増やしてきたパドゥドゥ。SNSでお客さんとの接点をつくり、興味をもったお客さんにECサイトを通して商品を手にとってもらうことで、さらにファンを増やしていきたいと考えています。

ECサイトはすでにあるので、どうすれば使いやすいか、どんな商品や企画があれば喜んでもらえるのか、お客さん目線で考え、みずから提案・ディレクションできる人を求めています。サイト運営や販促の経験がある人だと良いかもしれません。

食が好き。ブランドを育て、その魅力を伝えていくことに興味がある。そう思う人にとって、挑戦しがいのある仕事だと思います。

あわせて、販売企画を担う人も募集します。

 

JR東大宮駅を降りて歩くこと5分。角を曲がると、レンガ調の建物が目に入る。

ここがパドゥドゥのファクトリー兼店舗。

中に入ると、木材を基調にした空間に、きれいに包装されたお菓子が並べられている。

「暑いですね!水出しの紅茶です、どうぞ」と、にこにこしながら迎えてくれたのが河合さん。パドゥドゥのブランドディレクターを務めている。

パドゥドゥでは、一般のケーキ屋さんと違って、ショーケースに生ケーキが並んでいない。

店頭で販売しているのは焼菓子のほか、数種類のフローズンケーキ。数時間解凍すれば生のケーキのように楽しめるし、半解凍でアイスのように楽しむこともできる。

「想いを込めてつくられたケーキをきちんと届けきりたいと思って、2年前のリブランディングを機に、生ケーキは原則予約販売に変えたんです」

「一方で、お客さまのなかには『予約なしで当日購入したい』という声もあって。私たちなりにお応えできればと思って、フローズンケーキを開発したり、焼菓子の量り売りや限定のケーキを販売するイベントを月1回開催したりしています」

河合さんたちが大切にしているのは、お客さんが求めていることと、パドゥドゥが大切にしたい価値観のバランス。

パドゥドゥで扱う食材は、風土に根ざし、できる限り持続可能な方法でものづくりに取り組む生産者がつくったもの。一軒一軒を訪ね、顔の見える関係を築いてきた。

素材自身の味が活きるよう、レシピはなるべくシンプルに。どうすれば本来の素材の魅力が伝わるのか。足し算ではなく引き算の発想で、パティシエが一つひとつ手づくりしている。

「お菓子は店内にあるファクトリーでつくっているので、お客さまの声をすぐパティシエに届けることができるんです。お客さまの声も取り入れながらものづくりを考えていけるのは、うちの強みですね」

前回、取材に訪れてから1年。

新たな試みとして東京・清澄白河に2年限定のコンセプトショップ「RURI」をオープンするなど、少しずつ、パドゥドゥの考え方に共感するお客さんと関係性を築いてきた。

「この一年、百貨店さんから催事にお声がけいただくことが増えたんです。お客さまのなかには、出展するたび『ずっと待ってたんです』とお声がけくださる方もいて。自分たちが大事にしてきたことに対して自信を持っていいんだよと、答えをいただいたような気がしています」

さらに、遠方のお客さんにも商品を楽しんでもらえるよう、ギフトをメインにしたオンラインショップもオープン。定番のクッキー缶やカステラ、お茶と合わせた詰め合わせギフトのほか、季節のフローズンケーキも人気だそう。 

ECサイトは実店舗と同じくらい、お客さんとの重要なコミュニケーション手段。ただ、店舗の業務がいそがしく、十分に注力できていない状況だという。

さらに多くのお客さんにパドゥドゥのお菓子を届けていくためにも、新しく加わる人の力を借りつつ、オンラインに力を入れていきたい。

「とはいえ、単純に自分たちだけ儲かればいい、っていう訳ではなくて」

「売上をしっかり立てて、この商売を続けていくことに意味があると思うんです。お客さまがいることで、私たちはお菓子をつくることができる。それが素材を分けていただいている生産者さんの暮らしや土地の風景を守ることにも、微力ながらつながると思っていて」

それは同時に、パドゥドゥで働くスタッフの働く環境を守ることにもつながっている。

「ライフスタイルの変化があっても、寄り添えるような環境をつくっていきたいと思っています」と、河合さん。

「お菓子にかかわる仕事って、長時間労働が当たり前とか、長く続けることがむずかしい世界のように感じてきました。各々がそれぞれのポジションで最大限のパフォーマンスを発揮できれば、さらにいいものがつくれるし、プライベートも充実させられると思うんです」

「そのためにも、企業としてしっかり利益を上げていく仕組みをつくることが大事だと思っています。いいものづくりをするなかで楽しさや喜びを見出せるような、働く人自身の人生の豊かさにもつながればうれしいですね」

 

パドゥドゥが取り組んでいるのは、豊かさを広げていくものづくりなのだと、河合さんの話を聞いていて思う。今回募集するECサイト担当は、その輪を広げる大きな力になる。

「サイトの見せ方一つひとつに、私たちの大事にしているものが繊細に現れると思っていて。だからこそ、根本の考え方に共感してくれる人と一緒に働きたいですね」

そう話に加わってくれたのが、クリエイティブディレクターの小林さん。

河合さんとは大学時代からの付き合い。パドゥドゥではパッケージや宣材写真など、「目に見えるものすべて」のデザインを手がけている。

たとえば、パドゥドゥのSNSやECサイトなどにある商品カットやイメージカットは、すべて小林さんがディレクションし、自社で撮影したもの。

パドゥドゥでは月にひとつ、パティシエが新たな商品を開発し、そのたび撮影がおこなわれている。商品開発のスピードもさることながら、同じ規模の会社でここまで撮影に力を入れているお菓子屋さんもあまりないという。

「どうしたら美しく、おいしそうに、かつお客さまに誠実に届くのかということを意識して毎回取り組んでいます。神経を使う繊細な仕事ですが、売り上げを左右する重要な部分でもあるので、いろんな側面を掘り下げてアウトプットするようにしていますね」

とくに、商品を手に取ることがむずかしいSNSやECサイトでは、見せ方がより重要になる。

新しく加わる人は、パドゥドゥを知る人が多くはないなかで、どうすれば興味をもってもらえるのか、コンテンツを開発するとともに、見せ方も考えていくことになる。

経験豊富な小林さんや、プロのカメラマンとともに仕事をできるのはきっと心強いし、クリエイティブの考え方を身につけていく貴重な経験になると思う。

その一方で、新しく加わる人の目線も新たに取り入れていきたいと考えている。

「たとえばECサイトも、デザインは大切にしているけれど、お客さま目線で見たときに使いやすいものかと言われると、そうじゃない気もしていて。こう改善したら使いやすくなりますよ、って提案をしてくれる人に加わってもらえると、もっと良くしていけるのかなと思っています」

現在のECサイトでも、商品紹介のほか、包装資材や食材をつくる現場に足を運んだレポートなど、コンテンツはたくさんある。

どうすれば効果的に届けることができるのか、ECサイトの売上を拡大していけるのか。新しく加わる人は、まず「何から取り組むか」から、考えていくことになる。

オンラインの入口となるSNSを強化するために、デジタルマーケティングに基づいて運用方法を考えていくことかもしれないし、河合さんやパティシエの力を借りつつ、オンライン限定商品を開発するのもひとつの方法だと思う。

最終的に手を動かす段階では、サイトをつくるプロに力を借りることもできる。大事なのは、パドゥドゥらしさとお客さん目線を行き来しながら、とことん考え抜くこと。そのためにも、新しく加わる人もまずは店頭に立ってみてほしい。

「私も店頭に立ってみて、お客さまに喜んでもらえて、会社としても納得できるものが、いいデザインだなって思うようになったんです。見せ方を妥協するわけではないので、その見極めはむずかしいんですが」

「パドゥドゥは、人として成長していける場所だとも思います。食材ひとつの選択でも、環境だったり、つくり手さんの暮らしだったり、いろんなものを想像できるようになったので。そんな変化を楽しめる人に来てもらえるとうれしいですね」

 

最後に話を聞いたのは、販売企画の飛高さん。

1年前、日本仕事百貨の記事を読んで入社した方。新しく加わる人は、ECサイトの実務や販売企画を立てるなかで、密に連携することになる。

「店頭での販売のほか、ECサイトの商品の受発注、発送業務も担当しています。お客さまからのメールを確認して返信したり、梱包したり。店頭の仕事もしていると、あっという間に一日が終わってしまいますね」

「一日一日の変化はあまりない仕事かもしれないですけど、ちゃんと間違いなく、滞りなく仕事をするのは性格にも合っていて、楽しいです。パートさんのなかには梱包のプロがいるので、頼りまくってます(笑)」

パドゥドゥへは、もともとお客さんとして足を運んでいたという飛高さん。ちょうど転職を考えているときに、求人していることを知ったそう。

「すごく好きなお店だったので、お店側に入るのを相当悩んだんですね。裏側を見ることによって、知りたくない世界まで見えちゃうんじゃないかって」

「悩んでも答えは出なかったので、思い切って応募して、ありがたく採用してもらって。それでまったく印象が変わっていないんです。お店の雰囲気も、素材への向き合い方も、河合や小林の雰囲気もイメージ通りでしたね」

お菓子づくりを通して、どんな世界をつくっていきたいのか。とことん向き合い、考え抜いてきたからこそ、表裏なく伝わるものがあるんだと思う。

食に、伝えることに真摯に向き合いたい。

そう思う人がいたら、一度、パドゥドゥの店舗やWebサイトを訪れてみてください。ぴんとくるものがあれば、きっといい仲間になれると思います。

(2022/7/28取材 阿部夏海)

※撮影時はマスクを外していただきました。

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事