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どんな個性もどんと来い!
楽しく、健やかに
あるがままを愛する宿

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

ごきげんは、人に伝わる。

人とかかわる仕事だからこそ、好きなものをしっかり愛して、健康に働いて。いつでもごきげんな自分でいたい。

SOKI ATAMIは、そう思う人に知ってほしい場所です。

海を一望できる山の上に位置するSOKI ATAMI。「素の器」からとったその名の通り、飾らずに、あるがままに過ごす時間を受け入れる宿です。

手がけるのは、「ホテル アンテルーム 京都」などを企画運営しているUDS株式会社。ホテルのほかにも、シェアレジデンスやコーポラティブハウスなど、多様な暮らしや住まいをつくり、まちの魅力を高める事業に取り組んでいます。

今回募集するのは、ここで働くスタッフ。フロントもレストランも、おもてなし係として、協力しながら業務に臨みます。

自分の思いに正直に、得意を活かしあいながら、心身ともに健康で働こう。

そんな想いで仕事に向き合う人たちを紹介します。

 

東京から熱海は新幹線で40分。春休みだろうか、この日の駅は大学生と思わしき人であふれかえっていた。

駅からバスに乗ること15分ほど。山をぐんぐんと登っていくにつれ、にぎやかだった市街地は閑静な住宅街に。最寄りのバス停で降りると、近くから川のせせらぎが聞こえてくる。

少し歩くと、炭のような色合いの建物を見つけた。ここがSOKI ATAMI。

中に入り、レストランに案内してもらう。

木材をふんだんに使った空間に、ガラスの壁からやさしく光が差し込む。外には畑と庭が広がっていて、奥には山も見える。

室内だけど、山のなかにいるみたい。

「ここで過ごしてると、春の息吹を感じます。光とか、植物の感じとか。晴れの日もいいけど、雨上がりもすごく綺麗なんですよ」

そう話してくれたのは、SOKI ATAMIでマネージャーを務める稲毛さん。

「あるがままの自分を取り戻す、無為自然に過ごす宿」をコンセプトに掲げ、2020年11月に開業したSOKI ATAMI。全54室で、すべての部屋に温泉が備え付けられている。

「部屋は、木のぬくもりが感じられるシンプルな空間です。食事も、陰陽五行の考え方を取り入れていますが、考え方を押し付けたいわけじゃなくて。なんだかいいなと感じてもらえる、ほどよいご案内の仕方を大事にしています」

レストランの外には「里庭」と呼ばれる庭が広がっていて、ハーブや野菜が植えられている。稲毛さんやスタッフが耕して、少しずつ種類を増やしてきたそう。

「ちょうどこの前収穫したレモングラスは、お茶にしようと乾燥させているところです。夏は野菜がなるし、秋は柿がなる。料理に使うことあるし、お客さまに収穫体験をしていただくこともありますね」

静かで、ゆったりとした空気が流れる館内。滞在中は、部屋や最上階のサロンで景色を眺めてゆっくり過ごすお客さんも多いそう。

SOKI ATAMIには、華美な設備やコンテンツがあるわけではない。

日常ではつい疎かにしてしまう暮らしや食を慈しむ。そんな空間が、あるがままを取り戻すきっかけをつくっているのかもしれない。

SOKI ATAMIへは、今年1月に異動したばかりだという稲毛さん。

地元・鎌倉のホテルで15年働いたのち、UDSへ。沖縄、東京のホテルでそれぞれ働き、熱海へやってきた。

「鎌倉のホテルで働いていたころは、人と人がどんどんつながっていく感じが面白くて。お寺さんとイベントを企画したり、地元の農家さんや漁師さんと朝市を企画したり。朝市はもう12年続いていて、ライフワークとして今も手伝いに行ってます」

アイデアひとつで、まちが活気づいていく。働くことが楽しくて仕方なかった。

地元にもっと貢献できるようになりたい、という想いでUDSに入社したあとも、積極的に企画にチャレンジしてきた。

「体を壊すこともあったけれど、それでも楽しいからと走ってきた20年でした。でも、もしかしたら大切なものを犠牲にしてきたんじゃないかとも思うようになって」

「お客さまをもてなすスタッフだからこそ、やはり自分の心身の健康ってすごく重要だし、誰よりも遊んで、興味を深めていってほしい。元気がないスタッフがいたら、お客さまも心配になってしまいますよね」

まずは、スタッフが気持ちよく働けるように。外からの視点やこれまでの経験を活かしながら、働きやすい環境づくりに力を入れている。

「事業をもっと加速させていくために、月1回、企画・設計メンバーから運営スタッフまで、全員で集まって話し合う時間を設けています。『しっかり儲けてしっかり遊ぶ』という私たちのモットーを実現するにはどうしたらいいだろう?と、全員で考えているところです」

今回募集する人にも、SOKI ATAMIを再びつくっていくような気持ちで加わってほしい。

「未経験の方も大歓迎です。ほかの業種で養った知識や経験を仕事に活かしてほしいですし、一人ひとりに個性を持ってもらいたいですね」

個性を。

「フロントやレストランの仕事って、努力しなくてもある程度まではできるんです。その先に努力できることって、やっぱり好きなことだと思うんですよ。お酒が好きとか、里庭をとことんつくりたいとか。好きや興味を伸ばしていけば、それが宿の魅力になると思うんです」

「多種多様な個性を活かすのが、マネジメントの仕事です。苦手はカバーしあい、得意を伸ばし合えるチームにしていきたいですね」

 

まさに未経験から宿の仕事をはじめたのが、昨年入社した村松さん。

現在は「新しい出会いがあり、夢が見つかった」とのことで退職しているものの、いい関係性は続いている。

取材時、じっくり自分の言葉を探しながら、話してくれた姿が印象に残っている。

「海外の方と話すのが好きで、以前は羽田空港のインフォメーションで働いていました。ただ、コロナ禍で観光客も減って、思うような働き方ができなくて。ホテルにはもともと興味があったので、ここで働きはじめました」

SOKI ATAMIで働くスタッフは、みな「おもてなし係」と呼ばれる。

レストランとフロントで仕事が明確に分かれておらず、チェックインをしたスタッフが夕食のサービスをすることもあるし、その逆もある。旅館のイメージが近いと思う。

「空港では、カウンターへ来られた方とお話をしたらすぐお別れだったけれど、宿ではチェックインからチェックアウトまでたくさん接点がある。お客さまと深い話もできたらいいなと思っていたので、それを実現できているのはすごくいいなと思います」

館内を巡っているお客さんに、どこから来たのかたずねるなかで、観光地を案内したり。里庭を眺めている人がいたら、どんな植物が植わっているのか、さりげなく話してみたり。

カップルでの宿泊も多い。最上階のサロンでは、スタッフのいない時間帯をつくるなど、ほどよい距離感を意識している。

「スタッフの目があると、なかなかくつろげないのかなと思うんです。最上階からは熱海の海を一望できるんですけど、時間によって景色がまったく違う。二度、三度足を運んでほしい場所です」

「ゆっくり景色を眺めるなかで、日常を忘れられるんじゃないかな」

 

押し付けがましくなく、話してみるとウェルカム。そして、スタッフ一人ひとりにやりたいことがあり、静かに想いを燃やしているのが、SOKI ATAMIのおもしろいところだと思う。

2020年に新卒入社して以来、SOKI ATAMIでずっと働いてきた竹村さんもそんな方。

地元の人とつながりたいと、熱海銀座や御殿場からゲストを呼んでイベントを開いたり。最近はマルシェを開こうと、休みの時間を使って、つくり手のもとを巡っているそう。

「SOKI ATAMIには静岡の木材でつくった丸太のベンチや、近くの真鶴で採掘される本小松石でつくった看板など、地元にゆかりのある素材がたくさんあって。私たちスタッフもつくり手さんのもとを訪れて、話を聞かせてもらうことがよくあります」

「丸太のベンチを手がけた職人さんはすごく気さくな方で。最初は、素材の魅力をどう伝えればいいんだろう?と悩むこともあったけれど、職人さんの人柄や、自分が感じたことをそのまま伝えればいいんだと気づいてから、楽しみながら紹介できるようになりました」

竹村さんがメインで担当しているのは、レストランサービス。

「滞在中、お客さまと過ごす時間が一番長い仕事なんですよ。夕食なら2時間、朝食だけでも1時間ほど。もちろん、お客さまがくつろげるような空気をつくることに徹していますが、声をかけてくださる方とはサービスのときにお話したりして」

SOKI ATAMIの夕食は、8品ほどのコース料理。メニューには品目とともに、生産者や食材に込められた想いがさりげなく綴られている。

興味深そうにメニューを見ているお客さんには、食材の背景を説明したり、地酒に興味があるお客さんには、料理とあわせたお酒を提案したり。

先日も、海外のお客さんから帰国したあと、お礼のメールが届いたという。「こんなにうれしいことはないです」と話す。

「この前、はじめて両親とここに泊まったんです。ここからこんなに海が見えるんだとか、お風呂で窓を開けたらこんなに気持ちいいんだとか。いっぱい発見はあったけれど、とくに印象に残っているのが夕食の時間で」

「どのメンバーも、すごく明るい表情でお客さまに接していて。間の取り方もすごくよくて、頼もしく見えたし、いいチームで仕事をしているんだなって自信にもなりました」

じつは、両親からはホテルの仕事を心配されていた。夜勤もあるし、長くは続けられないんじゃないかと、たびたび言われていたという。

「それが、『こんなにいい仕事はないね』と言ってくれて。うれしいですね。頑張れるところまで頑張ってみようと思う力になっています」

ここで働くなら、どんな人がいいでしょう?

「一番は、目の前のゲストに対してあれをしたい、これをしたい!ってアイデアがたくさんあって、一生懸命になれる人かなと思います」

宿の仕事をするイメージがなかった人でも、目の前の人に関心をもって接することができる人なら、きっと輝けるはず。

「一つひとつ話し合いながらサービスをつくっているので、みんなの居場所がちゃんとある会社だなと思います。やりたいことが今はなくても、チームで一緒に見つけていくこともできる。安心して飛び込んできてほしいです」

 

話を聞いているこちらも、自分の言葉できちんと話したい、と心から感じる時間でした。一つひとつの言葉や行動に込められた想いは、相手にも伝わるのだと思います。

一歩を踏み出したい。そう思ったら、ぜひ応募してください。

(2023/3/16 取材 阿部夏海、2023/11/28更新 増田早紀)

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