求人 NEW

食べることが大好きな
あなたと一緒に
つくる店

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

仕事を頑張ったから、今度の休みはちょっと高級なフルーツパフェを食べちゃおう。

旬になって売り出していたから、今日は柿を買って帰ろう。

ビタミンを摂りたいから、みかんのスムージーを飲もうかな。

フルーツのある暮らしは、普段の生活に彩りを与えてくれるもの。

堀内果実園は「みんなにもっとくだものを食べてもらいたい」と、生産から加工、くだものが楽しめる飲食店の経営まで、一挙に手がける会社です。

今回は、堀内果実園が奈良県五條市で新しく仕掛ける「食の複合施設」を一緒につくっていく人を募集します。

ポジションは、プロジェクトマネージャー。

食の複合施設に入れたいと考えているのは、地域の旬の食材を使った定食やスイーツを出すカフェ、農産物や加工品を購入できる産直ショップ、堀内果実園の加工品をつくる工場、果実の出荷場など。

施設は来年着工予定で、名前も今まさに考えているところ。観光、体験、教育などを柱に、農業を通じた地域活性化事業をはじめる予定で、スケジュール調整や、予算管理など、さまざまなクリエイターさん、業者さんたちとの調整ができる人を探しています。

たとえば、カフェ巡りが好きで、コーヒーチェーンで働きながら、シフト管理や店舗のフェアを担当している人。美味しいお店を探して食べに行くのが好きで、食品メーカーで商品企画を担当している人など。

「プロマネ」という役職の経験はなかったとしても、その役割ができれば大丈夫。

食にまつわることが大好きで、プロジェクトの管理ができる。ピンときた人は、ぜひ読み進めてみてください。

 

新幹線で新大阪へ。そこから車で2時間ほど走ると、奈良県五條市に着く。

迎えてくれたのは、堀内果実園の6代目、俊孝さん。

「久しぶりですねえ。お元気してましたか?」

前回取材に訪れたのが2016年だったから、お会いするのは6年ぶり。

2017年に、堀内果実園初の直営店を奈良に開いた俊孝さん。規模を拡大させ、今は4店舗を運営している。

どんな6年間を過ごしていたんでしょう?

「奈良にお店を出したあと、2019年には大阪と渋谷、2021年には東京ソラマチにもお店を出しました。お店は10店舗くらいにまで増やして、食の複合施設のようなものもつくりたいと、10年前から計画していたんですよ」

大阪はグランフロント、渋谷はスクランブルスクエア、そして押上の東京ソラマチと、どこも駅直結でアクセスがよい商業施設ばかり。

美味しさと安全性にこだわったパフェやフルーツサンド、スムージーなどは、お客さんの心を掴み、売り上げも着実に上がっていった。

しかしコロナ禍に突入して、駅を利用する人が減ったぶん、売り上げは落ちてしまったという。新店舗の出店も、10ヵ年計画の予定よりゆっくりしたスピードに修正した。

「やっと最近、客足が戻ってきた感じです。商業施設は家賃もばかにならないし、店舗を維持するのは大変ですけど、そのぶんかなりのPRになるのがいいですよね」

とくに広告を打たなくても、4店舗あれば毎日各店舗200〜300人ずつ、合計1000人もの人がお店のことを認知してくれる。確かに、ものすごい宣伝効果になりそうだ。

「うちらの強みは、奈良にしっかりとした農業の拠点がありながら、都心で商売をしているってこと。今企画している食の複合施設は、都心の人らが『今度の休みは、あの堀内果実園がある五條市に行ってみようかな』と思ってもらえるような場所にしたいですね」

建設予定地は今ある会社からもほど近い、金剛山という山のふもと。もともと耕作放棄地になっていた場所だ。

カメラを向けたらお茶目なポーズを取ってくれた。

「空が広くて気持ちのいい場所でしょ。金剛山は、都心から有名人も訪れるようなパワースポットなんですよ」

今回募集するのは、この施設を一緒につくっていくプロジェクトマネージャー。

具体的な仕事としては、地域の食材や文化の魅力を体験できるワークショップの企画・運営や、地域コミュニティーとの関係性づくり、農業などを生かした商品・メニュー開発を目指す方の受け入れなど、業務は多岐にわたる。

さまざまなクリエイターさんや業者さんたちと、スケジュールや予算の調整ができる人に入ってもらいたいと話す俊孝さん。

五條駅近くの古い街並みでは、近年レトロな雰囲気を活かしたおしゃれなカフェや雑貨店もできてきた。地域の環境保全と、観光のさらなる活性化を狙って、近隣の生産者や店舗、行政も巻き込みながら運営していく予定だ。

「果樹農家も近くにたくさんいるし、お米農家や養豚をやっている会社もある。くだものはもちろん、地域の食材を使った食事を提供できる場所にしたいと考えているんです」

女性に人気のくだものを使ったスイーツだけでなく、地域のお米や野菜、お肉を使ったフード類も充実させられれば、子どもからお年寄りの方まで、世代を超えて集ってもらえる場所にできるはず。

「軽トラに乗って、近くの果樹園を巡るツアーをやりたいんですよね。あとは、くだものの加工工場で見学や調理の体験ができたり、子どもたちが遊べる場所があったり。食をいろんな角度から楽しんでもらいたいですね」

どんな場所のどんな木に、どんなふうに実がなっているのか。どんなこだわりで育てられているのか。

知れば知るほど、食べるときの美味しさも変わってくると思う。

続いて話を聞いたのは、俊孝さんの妻、奈穂子さん。

英文学科出身で、カナダに住んでいた期間もあったり、嫁いできた当初には、赤のフォルクスワーゲンで山に入って泥棒と間違えられたりしたという、ユニークなエピソードの持ち主だ。

「私は食べるのは好きですけど、かわいいものとか、おしゃれなもの好きなのは、完全にあっちの趣味。多分こんな山で育ったからか、都会への憧れが半端ないんでしょうね。仕事でもよく突っ走って、みんな振り回されてますよ(笑)」

夫婦で一緒に働く大変さもあるだろうけど、どこか楽しそうに話す奈穂子さん。俊孝さんとの連携はかなり密にとっているよう。

店舗数の拡大に合わせて、会社の規模感も変わってきたため、スタッフとコミュニケーションはとくに大切にしている。

「定期的に顔を出すことで、店舗のようすもわかるし、農園の近況も伝えられるんです。月に2回ずつくらい各店舗に行って、スタッフの悩み相談や面談をしていますね」

「コロナ前は店舗スタッフも農業体験に来ていたんですけど、今はなかなか難しくて。でもまたそのうち再開したいと思っています」

6年前は20人ほどだったスタッフの数は、現在正社員、アルバイト、季節労働のお手伝いさんも含めると100人ほどに。正社員の数も、8名から16名に倍増した。

規模は変わったけれど、計画を立てながら着実に大きくしていったため、そこまでの成長痛はなかったそう。

アルバイトスタッフは学生がメインで、店長は20代後半から30代の女性が多く、コーヒーチェーンや飲食関係で働いていた人が大半だという。

外部講師を招いての人材育成などにも、今年から取り組み始めた。

「うちの商品って、品質にこだわっているぶん、やっぱり高いんですよね。でも決してハイブランドを売っているわけではなくて、母体はあくまでも農業。魚市場のような、元気で活発なアクションとお声かけをしてもらいたいって、お店の子たちにはいつも話しています」

「親しくなったらとことん仲いい、魚屋さんのおっちゃんみたいなね。お客さんとも『この人くだもののこと話し出したらうるさいからやめとこ(笑)』みたいな関係性がつくれると理想です」

お高くとまるのではなく、『日常にあるくだもの』というのが堀内果実園の目指すところ。

お店に行ったときには、奈穂子さん自身もお客さんに積極的に話しかけている。

「メニューを見てはるお客さんがいたら、『何か気になるのありますか?』って声をかけています。『うちのパフェはスポンジとかフレークを入れていなくて。果実由来のジュレや、コンポート、アイスクリームなど全部自社でつくっているんですよ』ってお話ししていて」

「お客さんも『それはすごいですね』って、いい反応をくれます。だから私も『そうなんです。でもここまで至るのに、土づくりをするのも大変で! 木を砕いて、ふかふかの土をつくっているんですよ』って、お伝えしています」

店頭で実際の反応を見られるからこそ、農園にいるメンバーに持ち帰る喜びも大きい。

お客さんも、まさか駅直結の商業施設でパフェを食べようと思ったら、土づくりの大変さを聞くとは思わないだろう。

生産者が直接運営する、堀内果実園ならではの温かさがある。

 

次に話を聞いたのは、入社2年目でデザイン兼事務担当の中上(なかがみ)さん。大学ではグラフィックデザインの勉強をしていて、農業にもずっと興味を持っていた。

「絵を描くことと、植物を育てること、どちらも好きだったので就活はかなり迷っていたのですが、農業関係の就職サイトで偶然『Illustrator使える人を募集しています』という文字を見つけて、ここに入りました」

実際に入ってみて、どうでしたか?

「社長も奈穂子さんも話しやすいですし、短期のお手伝いさんを普段から受け入れているからなのか、初めての人にも好意的に接してくれて。アットホームな雰囲気だなと思いました」

今担当しているのは、直営店で使用するPOPやWEBショップのバナー、商品ラベルのデザインなど。

堀内果実園では、外部のデザイナーさんやアートディレクターさんに依頼をすることも多いため、メールのやりとりを中上さんが担当することもある。

「外部にデザイナーさんが何人もいるので、トンマナが崩れないように気を付けています。今はありがたいことに忙しくて、事務仕事の量も多いんですが、今後はデザインの割合を増やしていきたいですね」

印象的だったお仕事はありましたか?

「ホテルのビュッフェで堀内果実園の果物を大々的に使ってもらったことがあって、そのときの割引チケットですかね。私がチケットをデザインして、奈穂子さんがいい感じに写真を撮ってSNSに投稿してくれました」

「私のデザインが関係あったかはちょっと微妙なところですし、奈穂子さんの写真がよかったのかなとも思うんですけど(笑)。ビュッフェの反響が結構あったみたいで、とてもうれしかったです」

コラボや取材の引き合いも多い堀内果実園。新しくつくる複合施設でも、さまざまなクリエイターさんや業者さんと調整を重ねて行くことになるだろう。

一緒に働くには、どんな人が向いているでしょう。

「そうですね。はっきりと自分の意見を言える人のほうが合っているだろうなと思います。社長と奈穂子さんがブレインではあるけれど、その相談がちゃんと下まで降りてくるので、私たちも提案をできる環境なんですよね」

「もちろん、後からの報告になることもありますが、きちんと報告はしてくれる。自分の意見をしっかり持って、積極的に取り組める人が合っていると思います」

くだものを生産して、加工して、販売する。そこまではなんとか今いるメンバーでできた。ここから複合施設をつくるにあたっては、スケジュールを立てたり、関係している人たちとの調整ができる人が必要になってくる。

堀内果実園は農業がベースになっているからこそ、朝早いし休日も少なめ。新規事業の立ち上げともなると、もちろん大変なことだらけだと思う。

でも食べるのが好きで、生産者と消費者の間を、顔を見ながら丁寧につなぎたい。そんな人なら、きっと楽しく働けると思います。

(2023/3/21 取材 今井夕華)

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事