※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
噛むほどに優しい甘さが広がる柿。目が覚めるくらいに甘酸っぱいすもも。今までに食べたことがないような、果物のおいしさそのままのドライフルーツは、完熟・国産・無添加でつくられたこだわりの逸品。
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ほかにもゴロゴロとした食感が楽しめるジャムや、シロップ、ゼリーなど、食べるとしあわせな気持ちになる商品ばかり。
今回は、堀内果実園でくだものの喜びを伝える人を募集します。
土を触るような園地での仕事から、皮をむいたり乾燥させたりといった加工、製品にラベルや紐をつけるパッケージング、催事などでの販売。そして事務。一般的な会社の事務では学べないようなこともたくさんありそうです。
さらには今後つくろうとしている「果物が気軽に楽しめるお店」の運営など。
幅広い業務内容ですが、少ない人数の会社なので、臨機応変に対応できるよう一通り出来るようになってもらうそう。
経験や肩書きは一切問いません。すぐに働きはじめられるような社会人経験のある方とありがたいけれど、学生さんならインターンからでも大丈夫。
とにかく、くだものが大好きな人。ぜひ最後まで読んでみてください。
京都から電車を乗り継ぎ約2時間。奈良県吉野の下市口駅で降りる。
電車は1時間に1本ほどの、のんびりとした駅で待っていると、堀内果実園の奈穂子さんが車で迎えに来てくれた。
気さくで話しやすく、しなやかな中にもしっかりとした強さを感じます。
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「鹿やイノシシなんかもよく出るんですよ。トンビもしょっちゅう飛んで来はるし」
見渡す限り、山、山、山。
取材の予習として食べたドライフルーツのすももが、びっくりするくらい酸っぱくておいしかったと伝えると、楽しそうに次々と活用レシピを教えてくれました。
「そのままでももちろん良いんだけど、紅茶に入れて飲まはったりね」
「一緒にドライのブルーベリーもすりつぶして、塩と混ぜて。それを蒸かしたジャガイモに合わせて食べたりするのもおいしいんですよ」
30分ほどで堀内果実園に着いた。
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「今日は朝5時から仕事でね、もう腹減ってフラフラですよ」
そう笑うのは、奈穂子さんの旦那さんで、堀内果実園の6代目の俊孝さん。
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周囲にある他の農家も、この日は揃って消毒作業です。取材中にも、消毒液を噴霧する機械の音が山の至るところから聞こえてきました。
まずは堀内果実園の経緯から伺います。
「もともとは普通の果物農家で、名産である柿や梅をつくって出荷していたんです」
軽トラックで大阪城まで行って販売したり、「ピンポン営業」といって個人の家を訪ねてまわる。これからの事業として、広がりを感じられなかったといいます。
「いうたら世の中が、パソコンや携帯電話でガラッと変わったでしょ」
自分たちも、変わっていかないといけないのではないか。
奈穂子さんと結婚して、農業をやったことがない人の視点も加わったことから、生での出荷も続けつつ、果物の加工品をつくるようになっていきました。
最初に挑戦したのは「あんぽ柿」。とっても甘くて柔らかい、柿のドライフルーツです。
堀内果実園のある五条市は「柿博物館」という施設もあるくらい、日本一の柿のまち。130年も前から栽培されていた、歴史のある場所です。
取材に伺ったころはまだ青かった柿畑は、秋の収穫に備えてすくすくと成長している真っ最中。
「愛情かけるのも大事なんやと思って、話しかけたりね(笑)」
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そしてパッケージングし、出荷する。催事で直接販売することもあります。
全工程の一つひとつが、人の手によって丁寧におこなわれているんです。
![06柿加工](https://shigoto100.com/wp-content/uploads/2016/08/76eca6c29c720bb9014de0130cecc835.jpg)
日によって温度や湿度が変化するのはもちろん、採ってきた柿の状態もさまざま。
「皮をむいて干す」とひとことに言っても、機械をそのつど調整しないといけません。
そんな「あんぽ柿」からはじまった加工品は柿以外にも、すももやブルーベリーなど果物の種類も増やし、ドライフルーツ・ジャム・シロップ・ゼリーなどへと展開していきました。
5年ほど前からはじめたブランディングには、同じ奈良同士の、日本仕事百貨でもたびたびご紹介している「中川政七商店」がプロデュースに入り、「しあわせのくだもの」というキャッチコピーで、次第にお店に並ぶようになります。
食べてくれる人に直接農園の声を伝えたいと、百貨店などでおこなわれる催事にも積極的に参加しているそうです。
![07催事](https://shigoto100.com/wp-content/uploads/2016/08/4cf4ca3323d253959fab527f1b09b510.jpg)
製品化にあたっては、社員の意見も反映しているそう。
最近完成したばかりの、ジンジャーシロップについて教えてくれました。
![08ジンジャーシロップ](https://shigoto100.com/wp-content/uploads/2016/08/0181056e8bc1ccaef791b7dc0d2d59c2.jpg)
だけど、辛いものが苦手な社員さんから、「ピリ」と聞いただけで自分は手が出ないかも、という意見が出ます。
では、辛さを謳いながら抵抗感のないことば、「ぴりり」にしたらどうだろう。それはカタカナなのか、ひらがななのか。
「『ラベルの色が濃かったら、シロップの色と似て目立たないからこっちの案にしよう』『もう少し渋みを抑えたいね』『この金額までだったら出せるよ』とかね。そんな風に話し合っています」
比較的女性社員が多いそうで、買う人の気持ちに寄り添うことができるみたい。
「最近な、俺の知らん間に決まっとんねん(笑)」
続いて、奈穂子さんに加工場を案内していただきます。
来年の発売に向けて、桃のドライフルーツを試作している最中でした。
商品提案をする際には在庫がないといけないため、1年から1年半前から準備を進めるそう。
ナイフで皮をむき、ひとくちサイズにカット。乾燥機に入れるためのかごに乗せていきます。
傷んでいるところは瞬時に判断して切り落としているのですが、速いスピード感で高い精度を保てるのは手作業だからこそ。
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まさに食べごろでそのままでも十分おいしいのに、ドライフルーツにしてしまうのってなんだかもったいない気がします。
形や色が悪かったり、熟しすぎてしまったり。そのままでは出荷できないけれど、食べるには問題のないようなものが加工品に回る。そんなイメージがありました。
だけど堀内果実園の加工品は、すべて食べごろの果物をつかっているそう。
「果物の消費って、年々減り続けているんですよ。自分たちで皮をむいたりするのが面倒なんでしょうね。そこで、果物をとにかく手軽に、1年中楽しんでもらいたい。だから一番おいしいタイミングで加工するんです」
1年かけて育て、1度しか収穫できない果物。おいしく食べられる時期は長くても1ヶ月ほどです。その期間だけで全国に流通させ、みんながおいしく食べきる、というのはなかなか難しい話。
そう思うと、ドライフルーツは手も汚さずにポイっと口に運べるし、ジャムなら瓶を開けるだけで果物のゴロゴロとした食感が楽しめる。シロップは水や炭酸水で割るだけ。
食べるまでに手間のかかるフレッシュフルーツより、果物を気軽に楽しめます。
「サードウェーブコーヒーの登場でコーヒーを楽しむ人が増えたように、果物を楽しむ人がもっともっと増えたらええなと思ってね」
そんな想いから、今後果物を気軽に楽しめるお店を開きたいと考えているそう。
「あくまでメーカーではないので、単独勝ちしたってしゃあないと思うんですよ。偉そうにいうたら、一産業を盛り上げるっちゅうんか。果物全体の消費をもっと増やしたいんです」
直営店だったら、ドライフルーツなど日持ちのするものに加えて、フレッシュな状態でも提供できる。
「たとえば生ジュースだったり、かき氷でもいいかもしれない。お店で食べて、これだったら家でもできるかも、って思ってもらえればいいな」
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作業スタッフは果物を栽培、収穫する段階から、加工、催事での販売など一通り経験してから、このお店の立ち上げにも関わることになります。
メニューの開発、調理、広報、さらには店長としてお店を運営したり、ということもあるかもしれません。
「スイーツを食べるのが大好きで、食べ歩いているような子って『あそこのあれと、ここのこれを合わせたら絶対においしい!』っていうのが、きっとわかるじゃないですか。経験なんかなくても、好きでやる気さえあったら大丈夫です」
お店は奈良市内からはじめて、いずれは全国へ展開していきたいと考えているそうだけど、まずは社内でしっかりと仕事を覚えるところから。
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「やっぱり都会に戻るって言われてしまうと、数年間働いてそれまで教えてきたものがなくなってしまうのでね」
「車や免許を持ってへんくても誰かが乗り合わせて送迎してくれるし、まちに出ればスーパーなんかもあるので、住むのに苦労はないですよ」
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だけど、好きこそものの上手なれ。時間はかかったとしても、続けていれば必ず結果はついてくるはずです。
堀内果実園から愛を込めて、くだものの喜びを届ける。気になった方は、ぜひ応募してみてください。
(2016/08/02 今井夕華)