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根っこから業界を変える
建築家のマッチング

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

青山芸術は2020年に創業した会社です。

「日本の建築家がより輝けるプラットフォームを創る」をミッションに、2つのサービスを提供しています。

ひとつは、建築家と建て主を結ぶ「titel(タイテル)」。もうひとつは建築家と建築家を結ぶ「アーキタッグ」。

「あんまりベンチャー感を出したくなくて。業界課題は解決したいけれど、僕らが目立つのではなくて、あくまで縁の下で建築家さんたちを支えていきたい」

「だから親しみやすくてちょっと古いような、“青山芸術”という名前にしたんです」

そう話すのは、代表の桂さん。

今回は、営業と建築アドバイザーを募集します。

営業は2つのサービスに登録する建築家数・企業数を増やし、登録後のサポートを建築アドバイザーがおこないます。

根っこにあるのは、建築家への敬意。

建築の仕事に興味がある人はもちろん、将来は自分で独立したいと考えている人にとっても、刺激的な環境だと思います。

あわせてコーポレートスタッフも募集します。

 

目黒駅の改札を抜ける。

大きなオフィスビルが辺りを囲み、通りはカフェやレストランなどが並ぶ。駅から歩いて5分ほど、ベージュ色のビルを見つけた。

エレベーターでビルの8階へ。

中に入ると、緑あふれるリビングのような空間が広がっている。

フロア全体がコワーキングスペースになっていて、仕事をする人もいたり、コーヒー片手にちょっとした相談をする人もいたり。

青山芸術もここを拠点にしているとのこと。受付で待っていると、皆さんがやってきた。

ミーティングルームに移動して、まずは代表の桂さんに話を聞く。

「昔から建築家さんのファンでした。父親も弟も建築畑で」

複雑な構造を見つけたり、納まりの良さに気づいたりすると気持ちが上がったけれど、まわりの人があまり建築に関心のないことにギャップを感じていた。

大学を卒業後、外資系投資銀行に入社しM&Aアドバイザリーを経験。その後はメルカリに転職して、越境EC事業の事業責任者とプロダクトマネージャーを兼任していた桂さん。

働きはじめて3年目のとき、コロナ禍に突入する。

「コロナ前だと、通勤のしやすさが家選びの軸になっていたので、空間よりも立地を重視する人がほとんどだったと思うんです」

「それがリモートでも仕事ができることが世の中に浸透すると、ニーズも多様になってきました」

家で過ごす時間が長くなったことで、仕事部屋が欲しい、子供部屋も広くしたいなど、それぞれの家庭に応じた空間が必要になってきた。

その場合、デベロッパーの分譲マンションやハウスメーカーの規格住宅では、施主の要望を完全に満たすのはむずかしい。

「それぞれの家をゼロからデザインするには、建築家さんに依頼することが一番であることはわかっていました。でも、実際にお客さんが建築家さんに相談することは少ない」

「世の中の考え方が変わってきたタイミングで、建築家さんのことをもっと知ってもらえる機会をつくりたいと思いました」

まずはじめたのが、「titel(タイテル)」というサービス。

titelは、こだわりの家をつくりたい人やデザインを依頼したい企業と、建築家をつなげるプラットフォーム。

建築アドバイザーも加わりながら、土地探しから住宅ローン、資金計画の相談まで、家づくりに関するすべてをワンストップでサポートしていく。

施主にとっては一から自由度の高い家づくりを実現しやすくなる。建築家にとっても、titelを利用することで集客しやすくなる利点があった。

「ただ、サービスを提供しているうちに、多くの建築家さんは集客よりも仕事の波が激しいことに悩んでいることを知りました」

「依頼がたくさんあるときは人手不足で忙しいけれど、仕事がないときは知人に相談して仕事をもらうような人もいて、繁閑のギャップが大きい」

その差を埋めるため、桂さんは「アーキタッグ」というサービスを生み出す。

アーキタッグは、建築家と建築家をつなぐプラットフォーム。人手を必要としている建築家や設計会社がパートナーを集い、案件を受注したい設計事務所が手をあげてタッグを組むというもの。

「既存のクラウドソーシングは、どちらかというと低単価で単純な作業が多いと思うんです。それに対してアーキタッグでは、図面のサポートといったピンポイントの依頼だけでなく、アドバイザーのようなポジションで関わることもある。建築家さんにしかできないプロの仕事のマッチングだと考えています」

「また、受注者と発注者が入れ替わる可能性もあるのが特徴です。忙しいときは手伝ってもらい、余裕があるときは仕事を増やす。柔軟に使い分けることで“波が激しい”という経営課題を解消される方が多いです」

「日本の建築家がより輝けるプラットフォームを創る」をミッションにはじまった2つのサービス。今はアーキタッグが主軸の事業になりつつある。

登録者が増加しているなかで、マッチング案件を増やすためにも、新たに建築アドバイザーと営業を募集したい。どちらの職種も、アーキタッグを中心に担当することになる。

営業を担う人は、新規開拓が主なミッション。

設計事務所のほか、ゼネコンやハウスメーカー、デベロッパーなど、大企業に売り込むこともある。現在は桂さんが営業を担っており、新しく入る人と一緒に進めていきたいとのこと。

「建築家さんへのリスペクトがあって、支えたいと思ってくださる方。建築やアートが好きで、業界の構造的課題の解決に携わりたい方だとうれしいですね」

 

次に話を聞いたのは、建築アドバイザーの藤木さん。新しく入る人の上司になる方。

「建築アドバイザーの仕事は、プラットフォームのなかですべての建築プロジェクトが円滑に進むように、建築家の方々やクライアントのサポートをすることです」

仕事のベースは建築家や設計会社との面談で、一日に4〜5件ほどを担当する。

人手が足りなくて困っている設計事務所の要望をヒアリングしたり、パートナーを紹介してマッチングする前に三者面談を設けたり、内容はさまざま。

「登録をする前段階で興味を持ってくれた方にサービスの説明をすることもあります。条件が明確でないときは、それを引き出してあげるのが仕事の肝ですね」

たとえば、と言って教えてくれたのはアーキタッグに興味を持ってくれたアトリエ系事務所。

「その事務所さんも人手が足りていなくて。本当はスタッフを雇いたいけれど、相性の良い人を探すには時間もお金もかかる。ほかの方法を模索するなかで、アーキタッグに問い合わせてくださったんです」

はじめは外部の事務所と一緒に仕事をした経験がなかったため、本当にうまくいくのか、漠然とした不安を抱えていたそう。

「丁寧に話を聞いていくうちに、単純に図面を描く人が足りていないことがわかりました。加えて、先回りして図面の整合性についても確認できるような方。そんな人がいると心強いよねとなって」

要望が明確になれば、登録している事務所から適切な候補者を紹介できる。

結果、その方はアーキタッグに登録。アトリエ事務所で10年以上経験を積んだパートナーとのタッグにつながった。

「目に見えてお客さんの役に立てる実感が持てるのは、この仕事のうれしいところですね」

仕事のバランスは、おおよそ8割がアーキタッグで、残り2割がtitelになる予定。

titelは、建て主と建築家をつなぐ役割。クライアントとなる建主は、個人から企業までさまざま。

どうしてその建築家をお客さんに紹介するのか。普段は言葉になっていなかったり、専門用語で理解がむずかしかったりする建築家の設計意図を噛み砕き、その魅力が伝わるように言語化する必要がある。

一級建築士の資格を持っている藤木さん。前職は設計事務所で、住宅や店舗などの設計を4年半ほど担当していた。

「漠然と転職を考えていたときに青山芸術のことを知って。自分が設計する立場じゃなくても、建築家さんに携われる機会がある。一歩引いたところで見ることで、視野が広がるんじゃないかと思って入社しました」

「いろんなスタイルで働かれている設計事務所さんの多様さは、すごく感じます」

たとえば、バックパック1個で生活をしている建築家さん。

「図面を描くのは好きじゃないし得意でもないから、全体のデザインコントロールはするけど、図面は全部ほかの人に任せている方で」

「だからパソコンも持っていないんですよ。『iPadだけで生活できます』、みたいな。一つの事務所にいたら知り合えなかったような方々とコミュニーケーションできるのは面白いですね」

将来は独立して仕事をしてみたい、と藤木さん。

同じように独立を考えていたり、建築業界での働き方を模索したりしている人にとって、働きながら学べる環境は魅力的だと思う。

藤木さんのように設計の経験があって今後も続けたい人は、勤務時間の20%まで自社サービスを利用して設計の仕事を受けることができるとのこと。

会社の応援があるのも心強い。

 

「ビジネスではあるんですけど、皆さんお金を第一にするのではなく、あくまで施主さんを第一にして、オリジナルのデザインとか設計とかを進めていく。それがすごいなって思います」

建築家さんについてそう話すのは、共同創業者兼CTOの久野(くの)さん。

「たとえば普通の住宅だと『坪単価×広さ』で売上は変わっていきます。そうなると当然広い家の仕事を受け続けたほうがビジネス的にいいと思うんです」

「でもビジネスに関係なく、広くなくてもそこに自分が建てる価値を見つけたり、難しいほうが燃えたりするっていうのは、建築家さんならではだと思います」

桂さんとはメルカリ時代からの同僚だった久野さん。一緒に事業を立ち上げようと思ったのは、どうしてだったのでしょうか?

「自分はエンジニアであり、プログラミングそのものも好きですが、それ以上に自分がつくったもので、一人でもいいから誰かが楽になる。そういうことをしたいんですよね」

現在はサービスの開発や人員採用、また社内の業務効率化も担っている。

「建築家さん向けにも色々つくっていて。設計料の計算ツールも無料で公開しています。建築家さんが仕事を依頼されたときに、設計料を見積もるのって意外と大変で」

「面積とか難易度とかいろんな項目があるんですけど、わかりやすく算出できるサービスがなかったので、それを昨年公開しました。これからも建築家さんの助けになるサービスをつくっていきたいと思っています」

 

これまでになかったサービスを生み出し、建築業界を変えようとしている青山芸術。

話を聞いていて、どの方も建築家への敬意と、仕事へ真摯に向き合う姿勢が特徴的だと思いました。

自分の仕事が世のためになる。さまざまな建築家と接点を持てる。ここで働くことで得られる経験はとても大きいと思います。

(2023/08/29 取材 杉本丞)

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