求人 NEW

東北発、
日常と非日常が
調和するホテル

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

旅先で、その土地の日常を味わってみるのは楽しい。

地元の人が集まるカフェや居酒屋に行ってみたり、まちの商店街を歩いてみたり。

「他所の人」であるわたしたちは、一歩踏み込むことで、画面上で得る情報よりも豊かにその土地のことを理解できるように思います。

OF HOTELは、2022年7月に東北や仙台への思いを持った人たちがはじめたライフスタイルホテルです。

若い観光客やビジネスマン、クリエイターなど、さまざまな年代・職業の方が利用する55部屋の客室があり、2階のカフェや地下1階の飲食店、パブリックスペースのイベントには地元の人もやってくる。みんなで同じ空間を共有し、日常と非日常がゆるやかに混じりあう。

今回は、ホテルのフロントを中心とする運営業務にとどまらず、イベント企画やSNSを通じたプロモーションなど、地域活性化にもつながる業務を担うゼネラルコンシェルジュと、日々の業務に加えて経営にも携わるマネージャーを募集します。

開業してまだ日が浅く、これからつくっていくことも多い。宿泊業の経験はなくても、さまざまな社会経験が活きる環境だと思います。とくにマネージャー職は、他業界でもいいので実務経験があるとよさそうです。

東北や仙台で何かしたい、何かは決まっていなくてもこの場所が面白そうだから関わってみたいという、好奇心あふれる人を待っています。

 

東京駅から新幹線で1時間半。車窓からの風景や車内誌を眺めているうちに、あっという間に仙台駅に到着した。

ここで写真を撮っている人はきっと観光に来た人だろうな。そんなことを思いながら、私も仙台駅の写真を撮る。

にぎわう駅前を通りぬけ、6分ほど歩くと、ビルや建物が立ち並ぶなかに、すっとのびる白く細長い建物が見えてくる。打ちっぱなしのコンクリートには「OF HOTEL」のサインがはいっている。

入口の階段を上がると、足元にデジタルアートが投影される。エントランスの床には5つの丸石が配置され、人が通るたびに風景や自然をモチーフにした映像が流れる。

面白い演出にワクワクしながら、ホテルの中へ。

落ち着いた雰囲気のカフェでOF HOTELを運営する株式会社COMMONS.の事業部長の高橋さんが出迎えてくれた。

「エントランスのデジタルアートは、仙台に拠点があるビジュアルデザインスタジオが手がけています。映像を投射する床面の丸石も、宮城県の秋保石(あきういし)、秋田県の十和田石などを使っていて。採石現場まで買い付けにも行ったんですよ」

宮城県産の白石和紙を取り入れた照明や岩手県産の栗の木を使った床材、山形県の天童木工の家具など。OF HOTELでは、利用する人が何気なく「東北のもの」に触れられるようになっている。

フロントの天板に使われているのも、秋田県産の杉材なのだとか。

「もちろん東北のものだからって無理に置いているわけじゃありません。ホテルの雰囲気とか、お客さまにとっての心地よさを大事にしながら選んでいます」

土地に暮らす人たちが長年積み重ねてきた暮らしのものだからこそ、この風土にあう心地よさを感じるのかもしれない。

「OF HOTELのコンセプトは『LOCAL SESSION』。食べ物であろうと、アートであろうと、事業やイベントであろうと、何かものをつくる人はみなクリエイターです。それこそ伝統工芸からデジタルアートのようなものまで、さまざまなクリエイションがあります」

「東北は土地が広大なこともあって、クリエイター同士の横のつながりがより大切で。この場所は、そういった方が一緒に手を組み発信していく場にしたいんです」

高橋さんは建物のリノベーション・不動産事業を生業とする「N’s Create.」の執行役員として、営業の責任者を兼務していた。

5年ほど前、ビジネスホテルとして運営していたビルを利活用してほしい、と依頼を受けて出会ったのが、今のOF HOTEL。ホテル開発時はOF HOTELのブランディング、プロジェクトマネジメントの仕事もしていた。

大学を卒業後、外資系の製薬企業などで全国で働き、地元仙台に戻ってきた高橋さん。全国に出たからこそわかる東北の良さを、もっと発信できる場所をつくりたい。そんな思いから、社内や地域のプレーヤーたちと何度も話し、みんなでこの場所を形にしていった。

ホテルにしようと考えたのはなぜでしょう?

「消費者として仙台を見たときに、あまりホテルの選択肢がないことに気づいて。昔からある、寝るだけのホテルや県外の企業が運営しているホテルが多いんです」

「仙台って、いいお店が結構あって。仙台の人に聞けば、飲食店とか服屋さんとか、地元の面白いお店にアクセスできる。外から来るお客さまと直接関われるホテルならば、じっくりと滞在してもらいつつ、予期せぬ人やものとの出会いや東北に暮らす人の日常の面白さに触れてもらえると思ったんです」

旅は非日常だけれど、あとになってふと思い出すのは、そのなかに日常を感じるふとした瞬間だったりしますよね。

「そうですね。その土地の人と同じように、気兼ねなく過ごせる時間があるといい」

「パッと感じる魅力もあれば、じっくり感じる魅力もあると思っていて。私たちは、その両方を伝えることで、東北全体のツーリズムや広く言えば東北の経済や雇用を良くすることにも貢献できると思うんです」

 

取材時は、まだオープンして半年ほど。地域の人も立ち寄る場所になりつつも、旅人と地域の人が一緒に過ごす風景が日常になっていくには、まだまだ時間がかかると思う。

そんな新たな環境で働きはじめた人たちは、どう感じているのか。開業にあわせて仙台に引っ越し、オープニングスタッフとして入った津志田(つしだ)さんにも話を聞いた。

新卒で世界1周をする客船の乗組員を経験し、広島のホテルのショップ担当をへて、OF HOTELに入社した津志田さん。今はゼネラルマネージャーとして働いている。

「客船に乗っていたときに、国内外のいろいろなところを訪れました。初めて行く場所の景色や食べものの味に、なぜか懐かしさを感じることがあって」

「なんでだろう?と思って考えてみると、東北で過ごした時間や体験とリンクするところがあるって気づいたんです。自分のアイデンティティのなかに、東北がある。そう気づいてから、自然と戻ってきたいなと考えるようになりました」

ただ、やりたいことやこれまでの経験が活かせる仕事は、東北エリアではなかなか見つからなかった。そんななか、たまたま見かけた日本仕事百貨の求人から、この仕事を知ったそう。

マネージャーはどんな仕事なんだろう。

「ホテルのフロント業務をしつつ、売上や部屋の稼働率を加味して単価を決めるなど、経営的な側面から全体を見ています。今はショップのオープンに向けて取り組んでいるところです」

「ショップの役割って、すごく大きいんじゃないかと思っていて。お土産を通して、お客さまが東北のことを話して広めてくれることもあります。東北での体験を持ち帰り、伝えてもらうきっかけになるんです」

セレクトの軸は、東北の魅力が伝わるものかどうか。

たとえば、山形の酒造がつくる甘酒と地域の野菜や果物を使ったスムージー、地域の魚を活かした缶詰など。駅のお土産コーナーには並ばないような、東北各地のローカルに特化したものが並ぶショップを目指している。

「自分にとって入社の一番の動機が、ショップの担当がやりたい、ということでした。ほかのスタッフを見ていても、何がしたいか、自分だったらどういうことができるかを考えている人が多いと思います」

「イベントの企画やオペレーションの改善、ブランディングなど、みんなで取り組んでいくことが多いですね。マネージャーだからこうしなきゃではなく、ほかのスタッフの声を拾いながら、自分や高橋さんも混ざって進めていくようにしています」

目指す方向性さえ合っていれば、役職に関係なく、自ら提案したプロジェクトの責任者になることができる。それぞれのやりたいことを応援する風土は、この会社の大きな特徴かもしれない。

 

最後に話を聞いたのは、ちょうどパブリックスペースで開催中のイベントを企画したマネージャーでありゼネラルコンシェルジュの市川さん。

OF HOTELでは毎月1つイベントを企画している。社内で募集がかかり、広報のスタッフやマネージャー、高橋さんで検討し実施される。今までには、アーティストやイラストレーターの展示、大学生のバーイベント、マルシェなどがOF HOTELで行われていた。

今回市川さんが企画したのは、東北大学学友会写真部による写真展。

「何年か前、東北大学の学祭に遊びに行って。そこで写真部のブースが目に入ったんです。普段写真展を見にいく趣味はないんですが、なんか感動しちゃって。初めて写真展を見たし、学生さんたちの視点が面白かったな、と思ったことを、ふと思い出して」

「企画のことを写真部の代表の方に相談して、『大学生がみた仙台』をテーマにしました。SNSで発信すると、コメントをいただいたり、展示場所に置いた交流ノートに感想を寄せていただいたり、思っていた以上の反応がありました」

ゼネラルコンシェルジュは、市川さんを含めて社員が6名と、アルバイトが5名ほど。今回の企画は市川さん一人で担当した。

「先輩と呼べるスタッフがまだいないので、手探りで企画を進めてきました。外部のギャラリーにも協力いただき、キャプションや搬入の相談をして。準備期間は夜勤のシフトが多くて、時間のやりくりは大変でしたが、こうして形になると担当できてよかったなと思います」

OF HOTELは、一般的なホテル業とは異なる部分も多い。

制服のジャケットを羽織る以外、服装は髪型やネイルも含めて自由。ホテルや接客の常識にとらわれず、OF HOTELらしい価値を発揮できるスタッフの在り方を考え続けている。

「前職でもホテルに勤めていましたが、そのときは『正しい接客とは』とか、『今の話し方でよかったのかな』とか、固まったルールに沿えているかばかり考えていました」

「今は、服装や髪の色など見た目が自由なことや、スタッフ同士の空気感やOF HOTELの雰囲気から、自分らしく接客していいんだって思えるようになったんです。お客さまとの会話を楽しめたり、そうしたらお客さまもちょっと朗らかになったり、そんな変化が実感できました」

ビジネスホテルと違い、お客さんもOF HOTEL目がけて訪れる人がほとんど。そういった人たちが何を求めているか、よく見極めて関わる必要もある。

「ハロウィンのイベントで、チェックインのときに飴をお客さまにお渡ししたんです。普段の流れに1つ違うことを入れると、そこから空気が変わって、会話につながることもありました」

「大袈裟かもしれないけど、心が通じたみたいな気持ちになって。そういう人間味が垣間見える瞬間が好きだし、これからの接客でも大事にしたいなと思います」

 

「ライフスタイルホテル」は、宿泊にとどまらない価値やサービスを提供し、訪れる人の暮らしや価値観も豊かにすることを目指すホテルのこと。それにはスタッフ自身が健やかで、提供するものやことに誠実であることも重要です。

まだあまり耳馴染みのない言葉ですが、今回取材をしていて、OF HOTELのみなさんの姿勢はまさにこの言葉に表れているように感じました。

旅という非日常と、この地域で続いていく日常。それらが調和するこのホテルから、東北らしい暮らしの豊かさも見えてくるのかもしれません。

(2022/12/9 取材 荻谷有花 2024/1/9 更新 槌谷はるか)

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事