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だったらいいね、
想いをカタチにする
まちづくり

駅前でバスを待つ広場がステキな場所になったら…。

写真は、神戸のシンボル六甲山の麓にある、駅前広場のリノベーションに向けた公園でのミーティング。人気の遊具で子どもを遊ばせているお母さんに見守られながら話し合いが行われています。

身近なご近所づきあいや商店街の活性化、小学校の統廃合、外国人の日本での暮らしを支えるしくみづくりなど。

日常の暮らしのなかでふと考える「だっらたいいのに」という想いをカタチにして解決する。それがまちづくりコンサルタントという仕事です。

街角企画は、大阪を拠点とするまちづくりコンサルティング会社。さまざまな都市、地域でのまちづくりを支えています。

今回は、ここでまちづくりコンサルタントとして働く人を募集します。中途採用希望者や2025年3月期新卒者向けの定期採用です。

経験者のほか、まちづくりや地域活動に関わった経験がある方、大学や大学院等で学んだ方で、現場にどっぷりと関わりたいという方なら、未経験でも活躍できる職場だと思います。

 

街角企画のオフィスは、大阪・中之島の東端、天神橋筋商店街の南端にある。天満橋、大阪天満宮駅から歩いて10分ほどのビルの4階。

目の前には大川が流れていて、川岸には公園が広がっている、きもちのいい場所。

エレベーターで4階へ。

代表の山本さんが迎えてくれた。

学生時代に阪神淡路大震災の復興支援でお世話になったまちづくり会社に就職。さまざまなプロジェクトを経験したのち、独立して2004年に街角企画を立ち上げた。今年の3月で20周年を迎えるそう。

仕事は、自治体からの委託業務が多く、京阪神での仕事が多い。

「僕らの仕事は社会課題を解決すること。そのため、社会のトレンドに左右されます。景気がわるくなるとまちを活性化するプロジェクトが増えるし、大きな災害のあとは防災関係の仕事が増えます。市民の関心の高いときにこそ、社会を変えるチャンスなんです」

「僕たちが一貫しているのは、市民と一緒にまちに関わっていくスタンスです。そこはこだわりでもあり、街角企画というネーミングの所以ですね」

世の中のトレンドに左右されるということですが、現在はどんなお仕事が多いんでしょう?

「たとえば、昨年12月の東京での報告会。人口減少でどこもかしも人手が足りない今、地域社会や地域経済を担う外国人と共に暮らし、支え合う地域社会づくりに取り組んでいます」

「直近だと、能登半島地震のこともあり、避難所運営や観光客の避難誘導など防災に関する取組みは今後も欠かせません」

もっと身近な問題だと、と話してくれたのは、現在大きなボリュームを占めている大阪市でのまちづくりセンターの運営業務にも通じている、豊中市の地域コミュニティ改革。

毎日通る道の街灯が切れていて、ゴミも落ちている。夏休みのイベントもなければ、歳末の餅つきもない。そんなさみしい地域にならず、居心地のよい地域であってほしい。

「はじめて訪れたまちで、居心地のよさを感じることありませんか? 一方で、温かみがなくつまらなそうって思うまちもあったりする」

「そこで働いてるのは『コミュニティの力』なんです。地域コミュニティ改革とは、コミュニティの持つ力を高め、つくる力、つまり『まちづくり』を育み、再構築する。それが僕たちの仕事なんです」

「あなたのまちでご近所付き合いはありますか?」「地域活動は活発ですか?」と市民に問いかけるパンフレットの作成からスタート。

その後、行政側のしくみづくりと地域側の組織づくりや計画づくりを並行してサポートした。

「だれもが、自分のまちをよくしたいという想いは少なからず持っています。その想いをもう一歩踏み出してもらうための、しくみづくりのプロジェクトでした」

現在は、大阪市内2区のまちづくりセンターを運営して、計34の地域団体の活動をお手伝いしている。今回の採用者も、まずはこの業務を担当してもらうことになるとのこと。

そのねらいはなんなんでしょう。

「まちづくりセンターは、行政からの補助金を活用しながら活動に取り組む地域役員をサポートすることが業務になります。日々地域をめぐり、課題を見極め、住民との対話を重ね、補助金の執行を管理しながらアドバイスをする。大切なのは対話です」

「なので、まちづくりの基本が詰まっている業務なんですよ」

長年さまざまな地域でまちづくりをサポートしてきた街角企画。最近のプロジェクトの増加もあり、即戦力を求めている。

ただ、これまでの求人では、入ってからのミスマッチも少なくなかったのだとか。

「仕事柄、夜や休日に会合やイベントが多くなるのは仕方ない部分もあって。そのぶん、平日に代休をとってもらいます。ただ、自分でうまくスケジュール管理できないとしんどいですよね」

「あとは、コミュニケーションスキルの問題です。公務員、住民、商店街の店主もいれば、製造業の社長さんもいます。年代では、お年寄り、ファミリー世代の方、子どもさん。まちに関わる人には、やさしい人もいれば、ちょっと怖い人もいたりする(笑)。とにかくいろいろな立場の方と話すので、自身の考えやスキルをしっかり持った上で、丁寧に耳を傾け、気さくに話しあえないと仕事が進みません」

とはいえそれは、特別なスキルというわけではない。

たとえば自治会の清掃活動をしたことがあるとか、子ども会のソフトボールに参加していたとか、盆踊りに毎年行っていたとか。一市民としてまちのコミュニティ活動に関わってきた経験があれば、すっと馴染みやすい仕事だと思う。

「最近でいうと『エリアマネージメント』という言葉を、自身の言葉として説明できる人だといいかもしれないですね」と、山本さん。

 

つづいて話を聞いた原田さんは、地元・岡山への想いが原点となってまちづくりに携わるようになった方。

「東日本大震災が起こったあと、高校生のとき、地元の商店街で募金活動をしたんです。そのときに閑散としたシャッター商店街をあらためて見たら、なんだか寂しくなって…。そこからまちづくりに関心を持つようになりました」

大学でまちづくりを学んだ原田さん。さまざまな地域で幅広い仕事を経験したいという想いから、7年前に街角企画へ入社した。

ある小学校の統廃合プロジェクトが印象に残っているという。

「新しく建てる学校をどんな場所にしたいか、小学校の先生や地域住民の方、そして建築設計の方とワークショップで話し合う時間をつくることになって。そのとき入ってまだ数ヶ月だったんですけど、ひとつのテーブルのファシリテーションを任されて」

「地域の人のなかには、そもそも統廃合に反対の人もいて、ひとりでその場を担当するのはすごく緊張しましたけど、いい経験になりました。小学校って、もしかしたら地域で一番思い入れの強い場所ですよね。そんな大切な場所のあり方について、熱心に携わる人たちとの本気の話し合いの場を乗り越えたから、ほかの業務でファシリテーターを任されても、自信を持って取り組めるようになりましたね」

すると、隣で話を聞いていた山本さん。

「話し合いをしていると、前提をひっくり返す意見が出ることもよくあるんです。でも、そういう意見も言ってもらった上でどうしていこうか? と考えていくことで、本質的な議論ができるんです。ファシリテーションで一番心がけているのは、関係者に本気になってもらうことですね」

「不満や文句を言える場面をつくるのは、ワークショップを運営するコツだったりします。まちづくりのワークショップでは、プロセスデザイン、プログラムデザイン、場のデザインを企画して進めていくんですが、本音で意見が言える場を丁寧に組み立てないと、どこかで大きな対立が生まれ、プロジェクトは空中分解してしまいます」

会議やワークショップをうまく進めるためのテクニックも、もちろんある。

ただ、話を聞いていると、それ以上に会話の流れや意図を察知する力が必要な気がする。

原田さんは、仕事のなかでどんなことを意識していますか。

「わたしの場合は、そこがどんな地域で、なにが課題なのか、事前準備を経てしっかり把握することでしょうか。初めての会合での最初の一言って、すごく見られていると思うんです」

試されている、みたいな感じでしょうか。

「そうそう。最初の一言で、なにをどんなふうに話すか。なんなら、あいさつのところから、コミュニケーションは始まっていて」

「重たい話のときも、表情は明るく、最初のあいさつは元気よくっていうことを大切にしています。いい印象を持ってもらって、この人たちとなら一緒にできるかなって思ってもらう、それがすごく大切だと思っているので」

スタッフは今春からのメンバーも加えて6人と少人数。日常の些細なことから大きな困りごとまで、相談し合える関係だそう。

「山本とも雑談や相談を気軽にしています。あとはうちの看板猫のリーチくんですね。行き詰まって仕事にならないときは猫と遊びます(笑)。それに現場はひとつじゃないので、別の現場で地域の人としゃべって息抜きしたり、そういう切り替えはしやすいのかなと思います」

原田さんは、どんな人に来てもらいたいですか?

「探究心がある人。いろんな地域でいろんなテーマや課題に向き合うことでわかってくることも多いので、最初の一年目はなんでもやってみる気持ちが大切なのかなと」

「自分から関心を持ってくれる人がいいですね。簡単な仕事ではありませんが、わたしたちがフォローするので前向きに取り組める人に来てもらいたいです」

 

最後に話を聞いたのは、3年前に入社した林さん。まちづくりセンターの運営にも慣れてきて、現在は行政が仕掛けているコワーキングスペースの企画、運営のチーフを勤めている。持ち前のネットワークを活かした業務とのこと。

「もともと、地元の和歌山で働いていて。まちづくりのボランティアに参加してました。自分たちがおもしろいと思うことを、フットワーク軽く形にしようっていう雰囲気があったんです」

キャリアを重ねながら、まちづくりへの興味を温めていた林さん。そんなときに見つけたのが、街角企画の募集だった。

「ここに入ってからは、補助金関係の書類をチェックするとか、議事録をとるとか。一つひとつ、筋道を立てて積み上げていく地味な仕事がまちづくりを支えていて、プロジェクトを形にしていくために必要なことなんだって気づかされましたね」

まちづくりセンターの業務では、新人の大島さんを見守り、自身の経験を伝えている林さん。

「まちづくりセンターの仕事って地域との距離感が近くて、地域の人たちのやさしさや地域活動の実際のところを知るきっかけにもなるんです。子どもたちの餅つき大会があったり、寄席を企画したり、手づくりのお料理を食べていただきながら交流を深めてもらったり」

「子どもからお年寄りまで楽しめるいろんな催しがあって、暮らす人たちが生き生きとしている。そんな様子を見ていると、地域でがんばっている人たちを応援したいと自然に思えるんですよね。緊張気味だった大島さんも、最近では、地域の人と一緒に楽しめるようになってきたかな」

「街角で考え、街角からはじめよう」

街角企画というネーミングにはそんな姿勢が表れているんだと、山本さんは話してくれました。

地域に伴走して、よりよい暮らしづくりをサポートする。仕事を通じて思い入れのある“街角”が増えていくのも、ここで働くおもしろさかもしれません。

(2022/6/6 取材、2024/1/17 更新 稲本琢仙)

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