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経営のプロが持つ
意識と知識が浸透する
バックオフィスの仕事

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日本に存在するおよそ380万の企業のうち、99%を占めている中小企業。

中小企業全体で約3,200万人が雇用されていて、これは働く人の約7割が中小企業で勤めている計算になります。

埼玉県狭山市にある、狭山市ビジネスサポートセンター Saya-Biz(サヤビズ)。2019年4月に開設されました。

中小企業や個人事業主として独立したばかりの人など、訪れる人の悩みや強みを専任の相談員が丁寧にヒアリング。

マーケティングやデザイン、販路開拓やプロモーションなど、さまざまな角度から成果につながる具体的な提案をします。

相談は無料で、1回1時間。

この方式は「Bizモデル」と呼ばれ、今では全国で約20カ所にまで広がっているほど。

今回はSaya-Bizで、バックオフィスを担う業務コーディネーターを募集します。

受付や電話対応、SNSやブログを通じた広報など、Saya-Bizの顔となる仕事から、相談案件の進捗管理やデータベース化、セミナーの運営まで、仕事は多岐にわたります。

経験は問いませんが、センター長の小林さんを支える重要な役割です。小林さん曰く、「裏のセンター長」とのこと。

誰かが頑張っている姿に刺激を受ける。学ぶことが好き。そんな人はやりがいを感じられると思います。

 

都内から西武新宿線に乗り、45分ほど。Saya-Bizのある狭山市は、所沢と川越の中継地にあたる。

狭山市駅の改札から西口を出ると、右手に商業施設、左手に市民交流センター。

図書館や飲食店の案内板も出ていて、必要なものが揃っていて住みやすそう。

セブンイレブンの隣の通路を進んだ先、Saya-Bizに到着。

入り口にはショーケースがあって、狭山市に工場を持つ企業とその看板商品が展示されている。

キッコーマンソイフーズ、小岩井乳業…。知っている社名もあるけれど、ビリヤードのキューを製造している会社など、はじめて知る名前もたくさん。

受付でセンター長の小林さんが迎えてくれた。奥の相談ブースでは、相談者と相談員が話している。

オープンと同時にセンター長として赴任した小林さん。

以前は、大企業向けに組織マネジメントの視点からアドバイスをするコンサルタント業と、スタートアップ向けの創業支援をしていた。

「ビリヤードのキューをつくる会社さん、こんなのあるんだ! って驚きますよね。ビリヤードの世界では大変有名で。海外からの受注が何十年待ちと言われるくらいの会社さんなんですよ」

「狭山市は狭山茶の産地として知られていますが、工業が栄えているまちでもあるんです」

さらに狭山市は圏央道も通っていて物流の利便性も良く、大手製造業の工場や倉庫がたくさんある。

工業地帯の近くに団地などの住宅が増えるにつれて、人の流入が進み商業圏も拡がった。

「ただ、観光や買い物は隣接する川越や所沢に流れてしまうこともある。市外から狭山を目指してきてくれる方を増やすことも必要ですが、市内の住民の方に魅力を感じてもらうことも必要で」

「結局のところ、企業それぞれが、誰に向かってどんな製品やサービスを提供していくべきかをちゃんと考えることが大切なんです。その相談口として、Saya-Bizの需要があると感じていますね」

前回の記事はコロナ禍に入る前の取材。この4年間、なにか変化はありましたか。

「ご相談の件数は変わらずです。1ヶ月に110〜120件のご相談をいただいています。ただ、ご相談の内容が変わりましたね」

地域に根ざしている企業ほど、取引先が固定化していて、新規営業のノウハウがなかったり、ホームページやSNSを十分に活用できていなかったりするケースが多かったという。

飲食店では、時短営業の対応策としてテイクアウトを取り入れたり、大手製造業の下請けを担う工場では、新規取引先を獲得するための広報をしたり。イレギュラーな状況への対応が迫られるなか、Saya-Bizの需要も高まった。

相談に訪れた企業や個人事業主の数は、サービスや飲食、小売、製造業を中心に800社を超えた。5年間での累計相談数は、7000件以上。

1回1時間、一緒に考える姿勢でじっくり話を聞く。本人は気づいていない「その会社、その人らしい強み」を見つけていく。

「たとえば業務用で冷凍スイーツをつくっている会社さんだと、コロナ禍で卸先のホテルやカフェの需要がぐんと下がってしまったんです」

「でも工場で定期的に直売会を開いていて、地域の方からの評判が良かったそうで。商品力と、中ロットで多品種生産が出来るという強みを活かして、BtoCへの参入を本格的に進めるべきだと考えました」

おうち時間を親子で楽しめるよう出来上がったのが「おうちdeクレープ」

もともとクレープの皮やクリームも冷凍でつくっていたことから、一般向けに1箱にパッケージ化。

ホイップクリームを泡立てたり、クレープの皮を焼いたりする必要はなく、好きなフルーツを乗せるだけで手軽にたのしくつくることができる。スーパーでの取り扱いとECでの販売をしたところ、話題を呼び売り上げの向上につながった。

あわせて取り組んだのが、SNSでのブランディング。情報発信に関わるITアドバイザーも加えて、SNS上での広報をはじめた。

「もとはBtoB向けの会社さんなので、アカウントは稼働していなくて、フォロワーも1桁でした」

「3年ほど経ったいまではInstagramは2700人、X(旧Twitter)は約50000人にまで増えたんです」

次第に、Saya-Bizのサポートがなくても、自力で商品企画からプロモーションまでできるようになった。

「Bizモデルの特徴は、成果が出るまで徹底的に伴走するだけでなく、そのあと自走できるまでお手伝いをすることなんです」

「その会社、その人にしかできないことって必ずある。目の前の相手に好奇心を持って、それを探して引き出してあげたいと強く思いながら、日々相談者さんとお話をしています」

お金をかけず、手元にある材料とアイデアを使う。中小企業に対する持続可能な支援として理想的な方法に見える。

 

今回募集する業務コーディネーターは、相談員を支えるバックオフィス的な立ち位置。

現在業務コーディネーターとして働いている古市さんは3月で退職される予定なので、後任として仕事を引き継ぐことになる。

4月以降も月に数回顔を出してくれるとのことで、そのときにアドバイスなどをもらうことはできそうだ。

もともと古市さんは、海外を拠点に留学生を語学学校へ紹介する仲介事業をしていた。

しかし、コロナ禍で海外への渡航ができなくなったことで事業をたたむことに。

地元の埼玉に戻り、商工会議所でパートタイマーとして働いていたときに紹介されたのがSaya-Bizだった。

「自分が事業をダメにした過去があったので、学びになる特別な機会だと思ったんです」

「センター長の小林も、大手のコンサルティング会社で経験がある。それにアドバイザーも、経営に関するプロフェッショナルが集まっている。働きながら学べる環境はほかに無いと思いました」

普段の仕事内容は、受付や予約管理、広報向けのチラシやポスターの作成。ほかにも、定期的に主催するセミナーの管理から運営など、相談員と相談者のあいだを取り持つ上で必要な業務はすべて、という認識。

「『それは私の仕事じゃありません』って言葉は基本的に通用しないんです」

「直接の相談対応はしないものの、すべての案件を把握する必要がある。指示待ちでは絶対ダメで、大きなことから小さなことまで、目の前の仕事をとことんやり切ろうと思える人が向いていますね」

取材中も、受付や電話対応、相談が終わった机の消毒や、相談ブースの足元にあるストーブを点けるなど。テキパキと仕事をこなしている古市さんの姿が印象的だった。

「受付の場所が目につきやすいので、Saya-Bizには用事がないけど、ふらっと施設に訪れた方の対応も多いです。トイレの場所や、道を聞かれることもありますね」

業務的に休みづらい立場なので、仕事に追われる毎日を送りそうだけれど、残業は1ヶ月に3時間ほどだそう。

古市さんの能力が高いのでは? とも、思ってしまいます。

「いえいえ、そんなことなくて。一つひとつの業務自体はシンプルです。やればできる簡単なことばかりですよ」

「チラシやポスターをつくるための知識もまったくありませんでしたが、ITやデザインのアドバイザーにいつでも相談できます。何を聞いても、無限の知識を駆使してサポートしてくれる。まるで、ドラえもんみたいな存在です」

ドラえもん(笑)。

「Saya-Bizにいると、日々学ぶことばっかりです。学びって、終わらないんだな…って常に思うというか。それがすごく楽しいんです」

創業者や事業を大きくしようとしている人、そしてそれを支えるプロフェッショナルがいる。毎日さまざまな人が相談にやってきて、その成長を見守ることができる。刺激的な環境だと思う。

古市さんは、どんな人と働きたいですか。

「なにか能力が秀でている! というより、業務の幅を決めずに一つひとつ取り組める人ですね」

「あとは、相手を尊敬できるのが大事です」

尊敬、ですか。

「たとえば、先日Saya-Biz主催でSNSや広報に役立つ写真撮影講座を開いたんです。そこに、狭山市でいちご農家を営む28歳の若い方が参加してくれて。これこれ…、彼が撮ったんです。すごくないですか!?」

「農家をしながら、写真撮影について学んだりして、成長できる機会を逃さない。前向きで、素晴らしい方だなって。そんな姿を見ると、応援したくなりますね」

目を輝かせて話してくれる古市さん。

ほかにも、相談者さんが地域で行うイベントへ自主的に行くこともあるそう。

頑張っている姿を見て、素直にこころが動く。その気持ちが古市さんにとっての原動力なんだな。

 

最後に話を聞いたのは、ITアドバイザーの磯部さん。

自身でアロマサロンの経営をしていて、そのノウハウを活かし、業務委託で複数のコンサルタントの仕事をしている。Saya-Bizもその一つで、出勤は週に1回。

センター長の小林さんが話していた、クレープの会社さんのSNS広報をお手伝いした方だ。

相談案件を管理する業務コーディネーターは、アドバイザーにとって大きな存在。

「相談者さんは、先が見えず不安な状態で来られることが多いんです。1日に何件もご相談が入っていると、私たちアドバイザーが一人ひとりに対応できる時間が限られてしまう。そんなとき、業務コーディネーターの古市さんの存在が大きくて」

「相談の前後に、古市さんと雑談される相談者さんが多いんですよ。『最近どうですか』『次もまた来てくださいね』とか。相手を気遣った言葉をかけてくださるので、リラックスして相談に臨めるんです」

相談者さんの表情がゆるみ、緊張がほどければ、より踏み込んだ話ができてまた来たいと思える場所になる。

「笑顔が素敵だったり、気遣いができたり。相談者さんが安心して話せるような人が来てくれたら、私たちアドバイザーもうれしいですね」

 

Saya-Bizの顔であり、要でもある。広い視野と細かな気配りが求められる仕事です。

心強いプロフェッショナルたちとチームになって、中小企業を元気にする。その過程で得た気づきや経験を、自分の成長へと活かせる場所だと思います。

(2024/02/02 取材 田辺宏太)

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