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わたしもあなたも
こころとからだの
やすらぎを取り戻す場所

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

日常生活から離れ、自然のなかの静かな場所で心と身体と向き合い、十分な休息をとる。予定をあれこれ考えず、自分の身体の声に従って過ごしてみる。

そんな過ごし方をリトリートと言います。

今回の舞台は、静岡県伊豆高原にある「やすらぎの里」。

自然のなかで心身をリセットし、メンテナンスするためのリトリート施設です。

1週間滞在する「本館」、1週間と短期の滞在もできる「養生館」、週末の滞在専門の「高原館」があります。

今回は本館で働く調理スタッフとサービススタッフを募集します。

ゲストにとって、1週間の滞在は、忙しい日常から離れて、自分をいたわり、大切にする時間。安心して自分のことだけに専念できるよう、ほっとできる料理とサービスを提供する仕事です。

未経験でも大丈夫、専門的な知識も必要ありません。

一般的なホテルや旅館とは少し違う、心と体を回復させる飲み物や食事をつくったり、提供したり。

伊豆高原の自然の中でリトリート。自分自身が、そんな環境で働いてみたいと感じたなら、読み進めてみてください。

 

東京駅から特急踊り子に乗って2時間ほどで、伊豆高原駅に到着。

ここからは、タクシーで5分ほどなだらかな坂道を登っていく。

緑に囲まれた別荘地で、広々とした土地に宿泊施設やアトリエが建っている。まわりには山の木々が元気よく生えていて、野生のリスも見かけた。ゆったりした空気感が漂っている。

細い路地の先に見えたのは、洋風な建物。ここが、やすらぎの里の本館。近くに2つの別館もある。

中に入ると、広々としたラウンジ。右手には本棚があって、大きな窓ごしに相模湾が見える。滞在している人たちが、各々リラックスしている。

迎えてくれたのは、代表の大沢さん。柔らかい雰囲気で落ち着いて話してくれる方。

目の前に広がる海を眺めながら、やすらぎの里の始まりについて話を聞く。

「若いころ、アジアを放浪していた時期があって。同じ宿に泊まった人たちと毎晩のようにいろんな話をしたんです。さまざまな人が集まって、想いを話せる場、そこがきっかけで新たな人生を歩みだせる。そんな場所が日本にもあったらいいなと感じました」

日常から離れて、自分を見つめ直す場所。そんな場所を探し帰国後、長野の安曇野にあるペンションを訪れる。

「そこでは、自然食も提供していました。初めて玄米ご飯をいただいて、旬の食材を丸ごと使って無駄にしないシンプルな食事が、しみじみ美味しく感じたんです」

「自分の身体にとっても、環境にもいいことが実践できる。自分自身、身体が整っていく感覚があって。こんな場所をつくりたいと、ペンションで働かせてもらうことにしました」

ペンションではヨガ体験のプログラムのほか、ライブラリーもあり、マクロビや農業、医療、哲学など、たくさんの本を読んだ大沢さん。東洋医学にも興味を持ったという。

その後、鍼灸学校に通い、東京の治療院で働きながら、全国の食事療法施設や断食施設を視察。

1995年、八ヶ岳の麓に「ライフスタイル改善センター・フォルス」を開設した。

「フォルスとは、“food & Health”の造語で。食生活やライフスタイルを改善することで、ほんとうの健康を手に入れてもらえる場にしたいと開設しました」

「今では心身のリフレッシュを目的に来る人が多いけれど、当時は、疾患を持たれている方が治療を目的に滞在することも多かったんです」

働くスタッフも効果を実感してもらおうと、一生懸命サポートをする。元気になる人もいる一方で、頑張りきれないで自信を失ってしまう人もいたという。

「あるとき、年配のゲストさんが『幸せって、心のやすらぎだよね』って話してくれて。その言葉で、ライフスタイルの改善だけでなく、その先にある『心のやすらぎ』も感じられるようなサポートが大切なんだと気づきました」

ちょうど伊豆高原へ拠点を広げようと考えていたときだった。拠点を移すタイミングで名称を「やすらぎの里」に変更、新たなスタートを切った。

「ゲストさんがリピーターとして来てくれたり、友人や家族を紹介してくれたり。少しずつ口コミで広がって。高原館や本館と事業を展開することができました。毎週、各館15~24名くらいの方が利用してくれています」

リトリート施設としてのニーズが高まるなか、これからは、スタッフの採用と育成にも力をいれていきたいという。

「やすらぎの里の理念は“心やすらぐ幸せな人生への貢献”です。自然のなかで暮らしながら、人の健康に役立てる仕事ができて、安定した収入が得られる。働くスタッフにも健やかに働いてもらいたいし、スタッフ数も増えているので、組織づくりの専門家からのアドバイスももらいながら整えているところです」

「これから加わってくれる人には、手の込んだ特別な料理ではなく、家族のために愛情を込めてつくる料理。食べた人がホッとするような料理をつくっていただきたいです」

 

調理、配膳を担当しているのが、入社2年目の調理スタッフの野村さん。

はつらつとした笑顔が印象的な方。

地元の仙台を離れ、名古屋、東京、香川、岡山などで働いてきた。飲食店で10年ほど接客を経験後、伊豆高原へ移住。

もともと料理を自分でつくることは少なかったという野村さん。拠点を転々と移している間、自炊を始めたことから料理への興味が強くなったそう。

ここでの調理の仕事も、専門的な知識や経験は少ない状態からスタートした。

「最初は施設でゲストさんがどう過ごすのか、流れを覚えることからでした。提供する食事は、1日2食、1週間の献立もある程度決まっていて。それをつくり、配膳するのが主な仕事です」

本館に滞在するゲストは20〜24人ほど。パートさんも含め8名の調理スタッフがシフト制で担当している。

断食をおこなう施設の食事って、質素なイメージ。実際はどうなんだろう。

「断食コースを選んだゲストの食事は、最初の3日が飲み物だけの断食期間。お味噌汁や野菜や果物のスムージーがメニューです。残りの3日は、休めた胃腸に急に普通食を入れるとびっくりするので、おかゆやリゾットのような回復食に移っていきます」

6日目の夜は、魚や卵などタンパク質をメインにした料理になる。お皿も色とりどりで品数も多く、見た目でも満足感が味わえる。

「先輩の調理スタッフによく言われたことは、『素材の味がわかる味付け』にすること。断食をされている方の味覚って、普段と違っていて敏感なんですよね。なので、素材の味を感じられるような薄味にしています」

「個人的に1番好きなのが、『人参じゃこ炒め』。細切りにした人参とじゃこを、お酒とお塩をちょっと入れて、蒸し焼きにするシンプルな料理です。人参の甘みがすごく引き出されて美味しいんですよね」

楽しそうに話す野村さん。入社したてのころは、大変なこともあったという。

「ゲストさんの顔と名前を覚えるのが大変で。一人ひとりアレルギーがあったりするので。ゲストさんの情報を事前に確認して、最初の食事を出すときに、話した内容や顔の特徴とかをメモして覚えていますね」

「安心感を持って、くつろいで過ごして欲しいという思いがあって、お名前で呼ぶようにしています」

ゲストの名前を最低3回呼ぶことを意識しているという野村さん。メモを見せてもらうと、髪型やどんな話をしたかなど細かに書かれていた。

配膳するとき以外でも、ロビーですれ違うときに何気ない会話をする様子も。ちょっとした声かけが、この場の安心感につながっているんだろうな。

「目の前の人が喜んでくれることが好きなんです。これまで飲食店で接客の経験はあるけれど、やすらぎの里って特殊な気がして。ゲストの方々がここで自分をいたわる時間を過ごし、心身共に元気になり、生まれ変わったくらいの笑顔で帰られる。その瞬間に立ち会えるのはうれしいですし、やりがいのひとつだと思いますよ」

「自分自身、しっくりくる環境なんです。いろんな場所を転々としてきたけれど、この場所がとても好きで。この海と山も毎日見ても飽きないんです。これから加わってくれる人も、この環境を楽しんでもらえたらいいですね」

 

最後に話を聞いたのは、フロントスタッフとして働いて2年目の梅山さん。前職では、コンベンション施設の管理運営をしていた。

フロントの業務は、宿泊の予約管理、チェックイン・チェックアウトの手続きなど、ゲストの要望に対応することが主な仕事。

これからサービススタッフとして加わってくれる人には、よりやすらげるサービスを提供するために、配膳、フロント、清掃など業務を横断的におこなうことになる。

いろんな場面でゲストと関わることができるのは、ゲスト自身の安心感にもつながると思う。

「ゲストが滞在する期間、各部門のスタッフとの連携は欠かせません。お互いが気持ちよく業務ができるよう、スタッフ同士のコミュニケーションも日々大事にしています」

転職を考えていたとき、人ともっと関わる仕事がしたいと思っていた梅山さん。入社のきっかけとなったのは、やすらぎの里で断食コースを体験したことだった。

「前職は27年勤めていました。転職をすることはかなり勇気がいりましたね。やすらぎの里に滞在する前に、たまたま、ホームページを見たらフロントスタッフの求人を見つけて、なんかピンときて、滞在後すぐに履歴書を送りました」

「実際に断食のコースを体験して、生活から離れた安心して過ごせる空間で、いろいろ自分自身について内省することもできて。身体だけではなく、心まで満たされました。実際に働いてみて、ゲストの反応を身近に知れることは、私自身の喜びで。とてもやりがいを感じる瞬間です」

本館での滞在は、日曜日から入所し6泊するのが基本的な流れ。ゲストは全員同じタイミングで入所するので、コミュニケーションも生まれやすい。

「ゲスト同士、悩み事を相談し合っている様子もよく見かけますね。リピーターの方も多く、初めて来るゲストから、『いろんなことを教えてくれるので安心して過ごせた』っていう声も聞きます」

「初めて断食を体験されるゲストは、不安だという方も多いです。フロントにいると、ゲストとお話する機会も多いので、表情をよく見るようにしていて。困ったことがあれば、いつでもサポートできるよう、笑顔での対応を心がけています」

自分自身が、リトリートしながら働ける。環境も職場も風通しがいいから、一つひとつの会話も料理も心地よく届けることができるんだと思う。

 

訪れる人も、働く人も居心地良く。健やかな方へ進み続けている場所。

移住や正社員での仕事にすぐに踏み出せない人は、ワークエクスチェンジ・スタッフとして、3ヶ月程度、短時間の仕事を体験することも可能です。

まずは、自分自身でリトリートを体感してみてください。

(2024/06/08 取材 大津恵理子)

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