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酒蔵が手がける
郷愁とやすらぎの
「変わり続ける」場所づくり

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新潟県南魚沼市で創業102年を誇る八海醸造。

日本酒「八海山」と「麹だけでつくった あまさけ」が特に有名で、ブームになるよりずっと前からクラフトビールづくりにも着手。

日本酒の酒粕からつくられた焼酎や、梅酒、さらには発酵にちなんだ食品や化粧品まで、幅広く手がけているメーカーです。

そんな八海醸造が魚沼で運営しているのが、複合施設「魚沼の里」。

日本酒「八海山」が生まれる背景を伝え、地域の魅力を五感で堪能してもらおうと、2013年に誕生しました。

広大な敷地には、大小15ほどの建物が点在していて、その規模感はまさに里。

「八海山」をつくる酒蔵を中心に、雪中貯蔵庫、食堂やギフトショップ、四季折々の変化を堪能できるガーデンなどがあり、見学や飲食、買い物などで1日中楽しめるようになっています。

今回募集するのは、魚沼の里の企画運営担当。

裁量権が大きく、自由度高く動ける仕事です。

もちろん責任は伴うけれど、そのぶん達成感も大きいはず。

飲むことと食べることが大好きな人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

魚沼の里があるのは、新潟県南魚沼市。新幹線が停まる浦佐駅で降りて、車で15分ほど行くと、霊峰八海山のふもとに八海醸造の本社がある。

そこからさらに車で5分ほどで、魚沼の里エリアに到着。

一帯は建物が点在していて、車でぐるっと回るのがおすすめ。歩くには少し遠い距離だけど、道はひらけていて、山が見渡せるので、晴れているととても気持ちがいい。

日本の原風景のような里山が郷愁を誘いつつ、建物や看板のデザインはスタイリッシュにまとめられている。

取材日も、地域内外からのお客さんで賑わっていた。

最初に話を聞くのは、副社長の南雲真仁さん。

「お酒はそこまで強くないと思いますが、好きでいろいろ飲んでいますね。自社の製品では、八海山の『特別本醸造』がお気に入り。冷酒はもちろん、だんだん寒くなってきたので、熱燗や常温でもいいですし、鍋や秋刀魚ともよく合いますよ」

ごはんを食べながらゆっくり飲むの、良さそうですね。

「新潟県南魚沼市は日本屈指の豪雪地帯です。春になるとその雪解け水が、おいしいコシヒカリや野菜、山菜、きのこの恵みになる。季節の移り変わりを感じながら生きていく暮らしを、今も大切に受け継いでいる地域なんです」

魚沼の肥沃な大地と食文化は、すべて雪の恩恵といえるもの。日本酒「八海山」の味わいも、この豊かな風土によって育まれている。

真仁さんは、八海醸造が実家。大学卒業後の2018年に入社した。

「幼少期から蔵人や会社の人たちにはよく会っていたので、身近な存在でした。イギリス留学を経て、新潟・苗場での八海醸造の飲食店立ち上げを手伝ったことがきっかけで、そのままの流れで入社させてもらうことに。ちゃんと履歴書も書きましたよ」

留学中はたくさん飲んで、たくさん遊んでいたそう。そのとき取得した英語力は今も仕事で生きている。

現社長であるお父さまと一緒に飲むこともあるんですか?

「父と飲むことはほとんどないですけどね。まれに一緒に飲むときは、仕事の話ばっかり。だいたい最後は怒られて終わります(笑)」

八海醸造は、2024年で創業102年になる老舗。でも歴史の長い日本酒メーカーの世界では、まだまだなのだとか。

「なかには数百年という歴史を持った会社もあります。八海醸造は歴史が浅いからこそ、時代に合わせて変化し続けてきた。うちはその軽やかさが良いところだと思います」

日本酒メーカーの枠を超えた幅広い商品展開をはじめ、店舗の立ち上げ、運営まで、すべては挑戦と変化の連続。

「コロナ禍では多くの飲食店が休業していたので、打撃はかなり受けました。でも今期は無事に売り上げ目標を達成。昨日は会社のみんなで祝賀会をしたんですよ。今は『日本酒を世界飲料にする』という目標に向かって、ブルックリンの酒蔵でのお酒づくりに挑戦中です」

 

続いて話を聞いたのは、まさに新しいことに挑戦し続けている人。魚沼の里で企画室室長を務める矢野さんだ。

「入社初日、社長に挨拶に行ったら『あそこ7万坪あるけど、任せるからよろしくね』って。最初は戸惑いましたけど、やりがいは大きいですよ」

矢野さんの具体的な仕事内容は、言うなれば魚沼の里にまつわること全般。

建築会社との打ち合わせから、新規出店のテナント探し、お土産物屋さんの商品セレクト、POPのデザインまで、マルチに担当している。

「もともと大学では建築を専攻していて、卒業後は岐阜県の多治見で、陶磁器デザインを教える講師をやっていました」

どうして八海醸造を転職先に選んだのでしょうか?

「日本酒のことは全然詳しくなかったけれど、『八海山』ってなんか聞いたことあるし、飲むのも食べるのも好き。ウェブサイトを見るとデザインを大切にしている印象だったので、受けてみることにしたんです」

実際に入ってみてどうでしたか?

「12年飽きずに続けられているってことは、楽しいんだと思います。毎年毎年新しい建物ができている状況なので、常に何かしら準備をしていて。めまぐるしく毎日過ごしています」

昨年は、レジを通った人だけでも魚沼の里全体で30万人を集客。来年何をしているか想像できないし、逆にいうと12年前に今の魚沼の里の姿は思い描けなかった。

「社長やスタッフとコミュニケーションを取りながら、自分の裁量で思っていることをどんどん形にしていく。恵まれた環境だなと思いますね」

130人ほどの社員数がいる会社のなかで、魚沼の里企画室は社長直属の部署。コンパクトな人数で意思決定が進められる。

「たとえば『もうすぐ新米が出るから、新米のイベントをやりたい』と思ったら、すぐにできる。誰かにお伺いを立てずに細やかに動けるというのが、わたしの性格にはとても合っていました」

進化していくことを求める社風のため、変化がみられないと指摘されることも。

「蔵人たちが長年培ってきた情熱は大切にしながら、それを伝えるための手段は日々進化させていかないといけない。わたし自身同じことをしていたら飽きてしまうので、常に新しいことに目を向けていますね」

魚沼の里の一番のゴールは、来た人が八海醸造にも魚沼にも、良い印象を持って帰ってくれること。

「商品やテナントのセレクトは、自分が『お金を出して欲しいと思えるか』を大切にしています。魚沼や新潟のものを中心に選んではいますが、一方で貴重なウイスキーを置いたり、本格的なハンバーガーを提供したり。あえて地元にはないものを揃えるということも意識的にしていて」

都会の人にとっても楽しいし、地元の人が来たくなる理由もある。どちらにも満足してもらえるバランスをとることが大切だ。

一緒に働く人は、どんな人が合っていると思いますか?

「楽観的で、ポジティブな人がいいですね。もし嫌なことがあっても、お酒を飲んだら次の日には忘れられる。『もう最悪!』って笑いに変えられるくらいの気楽さがないとしんどいかもしれません」

デザインや料理など、何か専門的なスキルがあるとうれしいけれど、それよりも大切なのは情熱。

たとえば、塩が好きな人だったら「おにぎりの塩を変えたらこんなにおいしくなる」「お酒の試飲にはこんな塩が合う」と提案できる。好きを店舗でどう活かせるかまで考えられるといいと思う。

「波紋のように広がっていく『思考の柔軟性』があればバッチリです。自分がわからないことなら『じゃあいろんなお店に行ってリサーチしてみよう』『うちならどうする?』って考えて動ける人がいいですね」

進化し続けるためには、柔軟性と行動力が大切なんだな。

 

矢野さんと同じく、企画室でパワフルに働いているのが、室長補佐の関さん。

広い複合施設ながら、企画室のメンバーはこの二人だけ。新しく入る人は、矢野さん、関さんと一緒に企画運営に携わってもらう。

「前職は大手リゾート会社で、料理長と調理マネージャーをやっていました。今は魚沼の里のサービス面を見たり、メニュー開発や調理工程の管理を担当しています」

もともと南魚沼出身で、食に対しては幼少期から興味を持っていたそう。

「祖父は、かんぴょうや梅干しを手づくりする人でした。それを近くで見ていたから、そのときの味や食感、香り、肌触りを知っている。食の知識や経験が、ほかの人より少し多かったのかなと思います」

仕事の状況と子どものことを考え、このタイミングで地元に帰ろうと決意。

「当初は甘酒の生産に携わりたいと思っていたのですが、社長との面談の結果、魚沼の里の担当に。せっかくやるなら、もっと魅力的な場所にしたいと思って、日々テコ入れをしています」

調整をする際には、現場の人とのコミュニケーションに特に力を入れている。

「関わってくるのは、魚沼の里のスタッフ全員。なるべく丁寧に会話を重ねるようにしています」

最近、施設内にあるそば屋さんで提供する天ぷらの揚げ方を改善したそう。

「天ぷらって、衣の硬さ、油の温度によって仕上がりが変わってしまう。常に同じクオリティで提供するにはどうしたら良いかというと、数値化なんですよね。衣は水と粉を何グラムずつで混ぜて、仕上がりは何センチ、揚げ時間はこの音になるまで、それらを調理師たちと一緒に確認していくんです」

水はリットルだと見る角度によって変わってしまうから、必ずグラムで計測する。

冬に積もる雪を利用した天然の冷蔵庫「雪中貯蔵庫」も、以前はただあるという状況だったけれど、事前予約サービスを整備。

1日10回もの見学ツアーを開催できるよう調整した結果、今では大人気のコンテンツへと成長した。

「口を出されたくない現場の人の気持ちもよく分かるので、『こうしたらよくなるから』と上から目線でいうのではなく、必ず下手に入って『こうしてみたらどうかな?』と提案する形にしています。お客さまからのうれしい反響があれば、モチベーションにつながるので、すぐに共有していますね」

100年以上の歴史と蔵人たちの酒づくりへの情熱をベースに、柔軟に考え、日々進化し、行動し続ける。

気になった方は、まず魚沼の里へ足を運んでみてください。

おいしいお酒と食事、豊かな大自然が、あなたのチャレンジを待っています。

(2024/9/6 取材 今井夕華)

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