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素直に選べる
自分の仕事
自分の暮らし

自然が豊かな環境で暮らしたい。一度きりの人生、本当に好きな仕事を見つけたい。

環境を変えて新しいことに挑戦したくても、ひとりで1歩を踏み出すのはやっぱり不安。

そんな人に知ってもらいたいのが、京丹後地域づくり協同組合「ほむたん」です。

京都最北端の京丹後市で活動するほむたんは、マルチワーカーを受け入れるために地域の複数の事業者が集まってつくった組合。

仕事や暮らしの相談、将来のことまで、働く人のことを一番に考えてサポートしています。

今回は、ほむたんに所属しマルチワーカーとして働く人を募集します。農業や漁業、酒造や飲食など、自分の興味に応じて複数の仕事を組み合わせながら働くことができます。

将来は、派遣先の事業者に就職してもいいし、京丹後を離れてもいい。

仕事も暮らしも。自分のありたい姿を考えながら、挑戦できる環境だと思います。

 

京都市内から車で1時間半ほど。

日本海に面するこの地域は、海岸線の美しい景色と、豊かな海の幸を楽しむことができる。

取材まで少し時間があったので、地元のスーパーをのぞいてみる。

鮮魚コーナーには、カニ。値段はなんと、1杯298円。

ほかにも、カレイやタイ、岩ガキなど美味しそうな海の幸が驚きの価格で並ぶ。

野菜や果物も、色鮮やかで栄養がたっぷり詰まっていそう。ここでなら、毎日の食生活が充実するだろうな。

スーパーを出てさらに車で数分。住宅街の一角にある、ほむたんの事務所に到着した。

迎えてくれたのは、事務局長の井上さん。

「日当たりもいいし、縁側で話しましょうか」と温かい場所を案内してくれる。

「以前は大阪のIT関連の会社で働いていました。忙しい日々のなかで体調を崩して休職した時期もあって。暮らしを見直したくて8年前に京丹後市に夫婦で移住したんです」

まずは、オーガニック菜園の農家で5年ほど働いた。現在は、ほむたんの事務局長をしながら、別の団体でスポーツイベントを企画したり、コミュニティスペースで働いたりもしている。

「こっちに来て、自分の目指す働き方や、やりたいことを妥協せずに考えられるようになりました。家族との時間も大事にしながら、仕事も楽しめているなと感じます」

「あと、体が強くなりましたね。風邪を引かなくなったし、集中力も上がった。ウルトラマラソンの大会で、100キロを完走したんですよ(笑)」

井上さん自身、移住生活を通じて、自分のありたい姿を見つけてきた人。新しく入る人にとっても、心強い先輩になると思う。

「僕自身もそうだったんですけど、移住って不安じゃないですか。だからマルチワークみたいにいろんな仕事を紹介してもらえて、試せる仕組みがあったらいいだろうなと思ったんです」

「とりあえず移住したいけど、何がしたいか決まってない人とか。いろんなものを見て勉強したい人とか。僕たちは、そういう人たちの受け皿でありたい」

ほむたんは、地域の事業者が集まってできた協同組合。組合としてまとめて人を雇うことで、安定した雇用を提供できるように。地域にとっても、人手不足を解決することにつながっている。

現在は牡蠣の養殖業者や、果物農家、飲食業など12事業者が派遣先として登録。6人のマルチワーカーが働いているんだそう。

新しく入る人は、井上さんと面談をしながら、自分の希望や適正に合わせて派遣先を決定する。季節ごとに仕事を変えたり、仕事を掛け持ちしたり。年間で2つ以上の事業者で働くことになる。

「仕事の内容だけじゃなくて、職場の雰囲気とか人柄とかも含めてその人に合った事業者を紹介したい。だから、事業者を知るために、自分もなるべく1度はその会社の現場で働くようにしているんです」

すごい、そこまでやるんですか。

「話を聞くだけじゃ分からないこともあるんですよね。細かいんですけど、作業場が整理整頓されてるかとか、どんな人が働いてるかとか。そういうところを見た上で、どんな人なら楽しく働けそうかを考えています」

ほかにも、働き始める前に事業者とマルチワーカーの顔合わせの時間をつくるなど。一人ひとりと向き合いながら、その人にとって一番いい選択を一緒に考える。

受け入れ先の事業者を選ぶときも、一番に大事にしているのは働く人のこと。

「事業者の数が多ければいいとは思っていなくて。来てくれた人と向き合って、育てたいと思っているところ以外はお断りするようにしています。あとは、自分たちが仕事を楽しんでいる事業者さんが多いですね」

たとえば、農薬や肥料を極力使わない方法でサツマイモを栽培、全国1位に選ばれた農家さんや、小さい規模ながらも商品の質の高さで海外から注目を集めている酒蔵など。

仕事にやりがいを持ち、楽しんでいる個性的な事業者さんが多いから、新しく入る人にとってもいい刺激になると思う。

「いろんなことを経験して、働きたい事業者を見つけて移住してくれるのはもちろん歓迎です。でも、ほかにやりたいことを見つけたんだったら、京丹後を離れても全然いい」

「ここに来てくれた人が、次に進むための足がかりになれればうれしいですね」

 

事務所をあとにし、次に向かったのは「ミルク工房 そら」。

店内は木の温もりが感じられるおしゃれな空間。

隣接する牧場で採れたミルクをつかったジェラートなども販売していて観光客で賑わっている。

話しをきいたのは、食品加工を担当しているマルチワーカーの松元さん。

「遠くから、わざわざありがとうございます。ええ人が来てくれるように、頑張って話しますね!」と明るい大阪弁で話してくれる。

大阪で料理人をしていた松元さん。パートナーが京丹後にUターンするのをきっかけに、松元さんも移住。果樹園で働く中で、フードロスの問題に関心を持つようになり、いろいろな企業の取り組みが知れるほむたんに加入した。

「将来は、フードロスに関する事業を立ち上げたいんです。ほむたんは、その意図を汲んでくれて。人脈とか経験とか、自分の将来につながりそうな事業者さんを提案してくれるのでありがたいです」

松元さんが働いているミルク工房 そらは、地元で一番大きい牛乳メーカーが運営。牛乳やバターといった商品のほかにも、クッキーやピザ、ジェラートなど幅広く商品展開をしている。

「観光客をターゲットにしているので、食品以外にもハンカチやアイス用のスプーンなど、お土産になるものもつくっていたりして」

「パッケージのつくり方から、販路開拓の考え方まで。普段の食品加工の仕事以外にも、間近でそういうノウハウを知れるのが面白いですね」

もう一つの職場として働いているのは、地元の人に長年愛されている魚屋さん。

ここでは、店舗での販売や魚の加工などを担当している。

「このお店は、観光客ではなくて地元の人のために、京丹後らしい甘い味付けを徹底していて。地元の生活に合わせて、価格も上げないように工夫しているんです。人気があるのは、地道な積み重ねの結果なんだなって」

「普通に就職するとたくさんの会社をみるのは難しいじゃないですか。でも、この働き方ならいろんな会社をみて学ぶことができる。ほんまに儲けもんやなと思います」

 

最後に向かったのは、竹田農園。

さつまいもの袋詰め作業をしていたマルチワーカーの辻さんが迎えてくれた。10ヶ月ほど前に宮崎県から夫婦で移住したばかり。

「やっぱり、収穫が一番楽しいですね。キャベツの収穫のときは、採れたてをその場でむしゃむしゃ食べながら作業したりして。それがびっくりするくらいみずみずしくて美味しい」

「収穫する時間帯によっても味が変わるし、そういう変化を感じられるのも面白いですよ」

夏なんかは、畑にいると暑くて大変なんですけどね、と笑いながら仕事のことを楽しそうに話してくれる辻さん。

2月に第1子も生まれる予定で、ゆくゆくは竹田農園に就職しようと考えている。

「こんなに早くほむたんの卒業を考え始めることに、申し訳なさを感じていました。でも、相談したら『全然いいじゃん』って背中を押してくれて。その上、育休もちゃんと取得した方がいいと言ってもらえたんです」

「『うまく利用してくれたらいいから』と声をかけてくれて。そんなことを言ってくれる職場ってなかなかない。本当に、自分たちのことを一番に考えてくれてるから相談もしやすいし、素直にやりたいことを言える関係だなと思います」

心からやりたいことを応援してくれている。そう思えるからこそ、派遣先のことや、生活のことを信頼して相談できるんだろうな。

移住をして、今まで興味を持っていた狩猟にも挑戦しはじめている。

「教えてくれる人もいないし、僕にはできないだろうなってずっと諦めていたんです。でも、ここにきたら地元の人がすごく親切に教えてくれて。罠の資格はとったので、今は猟銃の免許を取るために勉強しています」

獲った鹿や猪の肉は自分で捌いて食べたり、友人に振る舞ったり。最近では、革や骨の加工にも興味を持っている。

ほかにも、近所の使わない畑を無料で借りて家庭菜園にも挑戦。

「今年は初めてメロンをつくってみました。成長の過程をみるのが楽しいし、天候とかに振り回されながら自分自身が翻弄されるのも楽しい」

「どうにか70個も収穫することができて。先輩たちにも、初めてにしてはいい出来だねって褒めてもらえてうれしかったですね」

仕事も暮らしも。京丹後にきて、やりたいことに近づけている実感が伝わってくる。

「何かやりたいけど動き出せない人っていうのが、ここにくる前の僕でした。いろんな仕事をしてきたけど、どれも自分がやりたいことではなくて。それ以外に選択肢がないという理由で仕事を選んでいた」

「僕みたいに悩んでいる人もいると思うんです。でも、一歩動いてみたら、うまいこと転がって、楽しく生活できるようになる可能性もある。少しでも前向きに将来を考えるきっかけになるのかなって」

 

今の生活を変えてみたい。新しいことにチャレンジしたい。

そんな方は、京丹後にきてみるのはどうでしょう。

気持ちのいい第一歩が、踏み出せる場所だと思います。

(2024/12/13 取材 高井瞳 )

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