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いつもワクワク楽しんで仕事に向き合っているのが、loop&loopのみなさん。
何度取材しても、毎回変わらず元気で、なんならパワーアップしている。
はじめは、イスラエル発の革靴ブランド「NAOT」の販売からスタートしました。
自分たちで洋服をつくったり、書籍を出版したり、新しいブランドを立ち上げたり。最近はビルを一棟まるごと借りて、スパイスを使ったドリンクや包子が楽しめるカフェも始めたようです。
ブランドごとにチームが分かれていて、今回は、奈良本店で働くNAOTチームのメンバーを募集します。
店頭での接客・販売はもちろんのこと、全国各地をまわる靴の受注会の企画・運営や、Webコンテンツの作成、SNSでの情報発信など。ブランドにまつわることはなんでもやります。
どうしたらお客さんに喜んでもらえるだろう。
みんなで喋って、突き詰め、形にしていく。自由でいてプロフェッショナルな人たちだと思います。
あわせて、奈良と東京の2店舗で働くアルバイトスタッフも募集します。
向かったのは、東京・蔵前にある「NAOT TOKYO」。
隅田川に面したビルの3階にお店があって、窓からはスカイツリーを贅沢に眺めることができる。ここなら夏の花火大会も大迫力で楽しめそう。
前回の取材は、2年前。
新たなブランド「fuai(ファイ)」と「POSIPOSY(プスプス)」を立ち上げて、奈良のオフィスも移転したばかりのころ。
昨年の9月には、そのオフィスからすぐ近くの場所に、3階建てのビルを1棟まるごと借りたという。1階は洋服ブランド「entwa」のお店、2階はカフェと「fuai」のプロダクト販売や、作家さんの展示もできるギャラリースペース。3階はオープンスペースに。
なんだかモリモリ動いているけれど、どんな2年間だったんだろう。
代表の宮川さんに話を聞く。
「最近、うちの仕事の定義の言語化が進んできて。メールの返事とか商品の発送とか、日々の決まったことをちゃんとやるのは、僕のなかではまだ仕事じゃないなって」
「もっとこんなことをしたら、お客さんが喜んでくれるんじゃないか、感動してもらえるんじゃないか。そこまでやり切る、チャレンジしていくことが大事だなって思っているんです」
たとえば、NAOTがイベントに出展する際の店頭ディスプレイ。
前年と同じものを使えば効率はいいかもしれないけど、毎回考え直しているという。
「『それって楽だけどつまらなくない?』とか、『お客さんも期待して来てくれるだろうから、今年はもっとバージョンアップして驚かせようよ』とか。そんなふうにみんなで喋って、今ベストのものにつくりあげていくんです」
「なぜかと言えば、答えはお客さんにあるから」
「自分の個性を出そうとしてやるだけの仕事なんてつまらない。やっぱりお客さんに喜んでもらえる何かじゃないと意味がないなって。お客さんに向けてどんなことを投げかけられるか。そこを突き詰めていくと、必然的にその人の個性が現れてくる。うちの会社で長く働いてるメンバーもそういう人ばっかりです」
宮川さんの考えの根っこにあるのは、NAOTの販売がきっかけだったそう。
NAOTの特徴は、可愛らしいフォルムや絶妙なカラーリングだけでなく、その履き心地の良さ。人間工学に基づいて設計されたインソールは、クッション性が高く足にフィットする。
履くほどに持ち主の足に馴染んでいくことから、「育てる靴」として愛用しているファンも多い。
「NAOTを履いて、足の悩みがなくなったって感動してくれたお客さんをもう何人も見ました。たくさんのお客さんのうれしい声を聞いて、仕事の本質がそこにしかないってことがわかったんです」
「だからいろいろとやっているけれど、やっぱりNAOTの靴を広めることは大切にしたくて。そのうえで、もっと喜んでもらえることにチャレンジしていきたいなって」
続けて話してくれたのは、NAOTのマネージャーをしている永田さん。
これまでにentwaで洋服の企画をしたり、新ブランドPOSIPOSYを立ち上げたり。クレープが好きで、何度も宮川さんに実演とプレゼンをおこない、NAOT の店頭でクレープ屋さんをしていたこともある。とてもパワフルで明るい方。
「いまは奈良本店、愛知、蔵前すべてのNAOTのお店のマネージャーとして働いています。やりたいことがあるスタッフも多いので、そのまま全部やってしまうと、ブランドとしてわけがわからなくなっちゃう可能性もある。そうならないように、お客さんに届ける前の、最後の確認をしています」
判断の基準はどういうものなんでしょうか。
「宮川も言ってたように、それをすることでお客さんが喜んでくれるか、感動してくれるかってところで最後は決めます。それが想像できなかったらしなくてよいかなと。仕事は増やさない!って感じです(笑)」
長年続けてきた取り組みのひとつが、全国出張型の靴の受注会「NAOTキャラバン」。
普段はお店に来られない遠方のお客さんにも、フィッティングをして、ぴったりのサイズで履いてほしいという気持ちで始めた。
「はじめは毎年いろんなところに行けるのが楽しみだし、お客さんもすごく喜んでくれてたけど、10年以上同じ場所でやっていると、だんだんとそれが当たり前になってしまう」
「それって繰り返すだけになってるかもなと思い直して。今年から新たに自分たちが行きたい場所や、一緒に空間をつくってみたいと思うお店に相談して、新しいお客さんにも会いに行ってみることにしたんです」
たとえば、今年の4月には、はじめて石川県の金沢と新潟県の上越で連続開催。メンバーが昔働いていたお気に入りのパン屋さんと、大好きな作家さんが経営するコーヒーショップに足を運んだ。
「はじめての場所では、ほんとうにお客さん来てくれるかなって不安もありました。でも行ってみたら、『自分たちの住む街に来てくれてうれしい!』と、すごく喜んでもらえて。そういう自分たちのワクワクや熱量は伝わるんだと思って、うれしかったですね」
靴を売ることをゴールにしているのではなく、お客さんに喜んでほしいところを目指す。
「自分たちがNAOTの一番のファンなんです。だから買ってもらえなくても、伝えるだけでも楽しい。そのときのことを思い出して、いつかお客さんが戻って来てくれるかもしれない。そういうのがまた楽しいんだと思います」
奈良本店で働くスタッフは、店頭での接客・販売もする日もあれば、事務所で問い合わせの返信をしたり、イスラエルから届くNAOTの靴の検品をしたり。多いときには2000足検品するというから、体力も必要になる。
商品写真を撮ってSNSの投稿もするし、WEBマガジンの作成では、俳優、芸人、詩人などさまざまな人にインタビューをおこない文章を書き上げる。
それらはすべて、今のお客さんだけでなく、まだ出会っていないお客さんに出会うための仕事だ。
「今日これしたいとか、ひとつでも昨日と違う景色を見たいって意識は、必要だと思います。見えているゴールよりも、見えないほうを選んで挑戦するので、毎回勝負をかけてますね(笑)」
日々のお店づくりについても話を聞いてみる。
教えてくれたのは、NAOT TOKYOで店長を務める坂戸さん。大学生のときからアルバイトとして入り、今は7年目。
「NAOT TOKYOは、わたし以外はみなさんアルバイトスタッフの方なんですね。発送作業とか開店前の掃除とかも率先してやってくれているので、いつも助かってます」
「なので店頭のことでいうと、わたしの役割としては、どうしたらお客さまに喜んでいただけるだろう、ということはもちろん、アルバイトさんがどうしたらもっと楽しんで働けるかなってところも考えています」
たとえば、といって教えてくれたのは、店内のディスプレイについて。
「お店の入り口を入ってすぐの場所に、背の高いテーブルを置いていたんですけど、それだと少し圧迫感があるなと思って。思い切って背の低いテーブルに変えたんですね」
「そしたら今度は天井がスカスカになっちゃって(笑)。天井からカゴをぶらさげたら可愛くない?ってみんなでぶら下げて、そこにPOSIPOSYのハンカチとか商品を置いているんです」
日々過ごす環境をより居心地のいい空間にしようと、ほかにも、キッチンスペースを圧迫していた棚や、窓際に置いていたラックも移動させてより日光が入るようにしてみたことも。
坂戸さんが楽しんで環境をつくっていくことで、それがまわりにも伝播する。アルバイトさんからシフトを増やしたい、といった声も届いている。
ほかにも、靴と靴のあいだに差し色で靴下を置いたり、商品説明のポップも自分たちの言葉で表現したり。自分たちの手で運営しているからこそ、アルバイトさんも主体性を持って働きやすいと思う。
7月には、新店がオープン。
場所は、世田谷区の「HOME/WORK VILLAGE」。
旧池尻中学校跡地を活かした複合施設で、1階には飲食や物販のお店が15店舗ほど。2階と3階はシェアオフィスとして使われる。イベントスペースもあって、毎週音楽ライブも開催される予定だ。
その1階に「NAOT SETAGAYA」のお店が入ることになる。
オープン後は坂戸さんが兼任する形で運営に入るため、東京で働くアルバイトスタッフの方は、蔵前と世田谷の両方行き来できる人だと、なおうれしい。
「このあいだ、すぐ近くの世田谷公園のイベントに出展させてもらって。初めて知ってくださった方も多かったんですよね。そのときに、まだまだやれることはたくさんあるなって思いました」
「お店自体は小さいけど、ほかのテナントさんと横のつながりをつくってイベントしてみるとか。自分たちでアーティストさんにお声がけして、ライブを開くとか。東京の西側の拠点として、もっとNAOTを広めていきたいですね」
坂戸さんは、どんな人と働きたいですか。
「やっぱりうちのアイテムが好きでいてくださる方。好きだからこそ、お客さんに言葉が響くと思う。それから変化も楽しんでくださる方だとうれしいです」
最後に宮川さんが、社訓を教えてくれました。
「POW」
ポウ?
「Passion、Originality、そしてWow。いまも新しいプロジェクトを溜めている最中で。基本的に未来予想図はないんですよ。でもどこまで僕らのワクワクが広がっていくんやろうっていうのがすごく楽しみなんです」
取材中も、ずっとみなさんで楽しく話す姿が印象的でした。決して楽をするわけでも、無理をするわけでもなく、ワクワクし続けることを考えて、とことん行動に移していく。
生き方が働き方に直結しているから、エネルギーが満ち溢れている。いろんな可能性を秘めた会社だと思いました。
(2025/05/22 取材 杉本丞)