求人 NEW

北海道のまんなかで
誰かの背中を押したくて
分かちあうおいしい空間

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「田植えの時期は、まちに広がる田んぼに水が張るので、気温が少し下がるんです」

「田植えと稲刈りの作業のお供には、居酒屋さんなどがお昼にお弁当をつくってくれて。作業が終わったらご褒美にケーキを買ったり、お酒を飲みに行ったりするんです」

北海道・深川は、農とともに暮らしがあるまち。

音江連山(おとえれんざん)が穏やかに見守り、流れる大きな石狩川と雨竜川。

肥沃な土地を活かし、北海道屈指のお米の産地として知られています。ほかにも、全国で生産量が第2位のソバ、小麦、サクランボやリンゴなども栽培され、四季折々の食が楽しめます。

このまちに新たな地域交流の場として、来年の秋には、駅前に複合施設がオープンします。

今回は、1階にできるシェアカフェを運営するマネージャーを募集します。

シェアカフェでは、挑戦してみたい想いを持った人がオーナーとなり、日替わり店長としてお店に立っていきます。マネージャーは、一緒にメニューを考えたり、イベントを企画してみたり。人と食と地域のハブとなる存在。

自らもお店に立って飲食を提供できるため、さまざまな人とコラボして地域の食材を活かした商品を開発できるかもしれません。

サポート体制が充実しているので飲食店での調理経験が1年以上あれば大丈夫。

食を軸に誰かの背中を押したり、地域コミュニティをつくったりすることに興味がある人は、ぜひ読み進めてほしいです。

 

深川市は、旭川駅から特急電車に乗り20分ほどのところにある。札幌も電車や車で1時間半あれば着くアクセスのよさ。

旭川駅を出発してすぐに広がる田園風景。田植えが終わり、水面に空の色が映って涼やかだ。

ほどなくして、深川駅へ到着。駅の隣は、新しい複合施設の建設の真っ只中。

ここからは市役所職員の方に送迎してもらい、まずは深川市役所へ向かう。

見晴らしの良い4階のスペースで話を聞いたのは、職員の野中さん。

複合施設やシェアカフェの構想・設計などに大きく関わってきた方。個人でも仲間を募り、「農道音楽祭」を企画するなどまちづくりのプレイヤーでもある。

テーブルいっぱいの複合施設の模型を見ながら、施設の説明をしてくれる。

「深川市は人口が1万8000人ほどのまち。ここ数年で1000人減少して、短大は学生の募集を停止する予定なんです。だんだんと若者の姿が減っているんですよね」

「公民館も老朽化が進み、建て替えが決定して。せっかく新しくするならどんな施設が良いのか、学生や市民と一緒にワークショップをして、『誰でも気軽に使えて、集まれる場所がほしい』っていう意見が多く出たんです。そこから複合施設の構想が動き出しました」

新しい複合施設は3階建て、交流の場・交通の結節点・学びの拠点という大きく3つの機能を持つ。

「内装は、緩やかに人のつながりを感じられるよう基本的にガラスで仕切っていて。『あの人いるね』って、いろいろな世代が自然と交わるような空間を意識しました」

「ただ新しい施設をつくればいいとは思っていなくて」と野中さん。

どんなスペースがあれば使いやすいか。どこに何を置いたら、過ごしやすいか。それぞれのスペースの役割やつながり方を、一つひとつ丁寧に間取りも考えたという。

たとえば、キッズスペースはあえて静かに過ごせる空間に。絵本を読んだり、穏やかに遊んだりする子どもたちの様子を、カフェで過ごす親が見守れるように、視線の抜けにも工夫した。

ほかにも、学生が気軽に話しながら学べるゾーンを設置。夕日が美しく見えるテラスや、ペレットストーブで火の揺らぎを眺めながらくつろげるラウンジなど。

市内には図書館もあるし、隣町には動物園など子どもが遊べる場所もある。だからこそ、地元の人が来てみたいと思える機能を複合施設に込めていった。

今回募集するのは、その中核を担うシェアカフェのマネージャー。

そもそもどうして「シェアカフェ」なんでしょう。

「深川市は、もともとふらっと滞在できる喫茶店やカフェが少なく、高齢によりお店を閉める方も多くなっていて。だから『あったらうれしい』って声も多く聞いていました」

「でも公的な施設である以上、利益ばかりを追い求める場にしたくない。調べていくうちにシェアカフェの存在を知ったんです。まちづくりとしての公共性を保ちながら、誰かの挑戦を後押しできるような場所にできるのは、魅力的だと思いました」

実際に300人ほどの市民に需要調査を実施。10代〜60代までの10人に1人がシェアカフェの日替わり店長としての意欲があったそう。

シェアカフェは、バスを待つ人や勉強をしに来る学生など、さまざまな人が行き交う1階に設置される。

誰かの挑戦している姿を見て、ほかの誰かが触発される。そんな循環が生まれる場所にしていきたい。

「未経験だけど挑戦してみたいと答えてくれた地域の方がいるからこそ、一緒に頑張れる体制にするために、マネージャーさんの存在は欠かせないと思っています」

「石田(いした)さんも二人三脚で複合施設の構想から関わっていて。移住者の先輩としても頼りになると思いますよ」

 

隣で話を聞いていたのが、地域おこし協力隊3年目の石田さん。

今は移住・定住のサポートをしていて、卒業したあとはそのまま複合施設の運営に携わる予定。施設のことから地域の声まで、迷ったときは壁打ち相手になってくれる。

青森・弘前出身で、前職は東京で建設コンサルタントとして働いていた。地域に貢献する仕事がしたいと偶然見つけたのが深川だった。

「深川の好きなところは、田んぼの色から季節の話が生まれるところ。初夏から秋にかけては、さくらんぼやりんごの赤い実がなったり、冬は真っ白な雪が一面に広がっていたり。風情を感じられるんです」

「立地も北海道の四方八方にアクセスしやすいし、すぐに貸し出せる住居もたくさんあるので、住まい探しもほとんど困らないですよ」

複合施設の完成は、来年の秋ごろ。新しくマネージャーになる人はまず石田さんと打ち合わせしながら、日替わり店長を募ったり、運営のオペレーションを整えたり準備していく。

「マネージャーさんに大きく担ってもらいたいのは、気軽にチャレンジできる雰囲気づくりと、美味しくて安全な食を提供すること」

「たとえば衛生管理のことを学べる勉強会を開いたり、価格設定の相談に乗ったり。そういう場づくりもマネージャーさんの役割で。オープン前に実践できるよう、深川市内のお祭りやイベントで日替わり店長さんと一緒に出店してシミュレーションできるようにしたいと思っています」

シェアカフェのメンバーは、今回募集するマネージャーに加え、日替わり店長とアドバイザー。

日替わり店長には地元の高校生や、料理好きな主婦、夜だけ飲食店を経営していてお昼の隙間時間を活用したい人、などが想定されている。

アドバイザーは、メニューづくりや衛生管理など、困ったときに相談できる存在。運営の主体はマネージャーだけれど、まちのニーズや経営についても学ぶことができる。

「シェアカフェは、気軽に挑戦することができる場所。マネージャーさんもどんどんチャレンジできるようにしたいです。深川には、おいしいお米もリンゴもサクランボも野菜も… たくさんあるので、食を存分に楽しんでほしいですね」

調理設備も必要なものは完備されているし、石田さんや野中さんをはじめアドバイザーなど、サポート体制も整っている。マネージャーにとっても新しいジャンルの料理に挑戦できる。

日替わり店長と一緒に季節限定のメニューをつくっても面白そうだし、深川の新しい名物も生まれるかもしれない。

ここで育った店長が独立して、まちで活躍する。マネージャーは一人ひとりの背中を押す大事な存在だと思う。

「これぐらいの人口規模のまちって行政主体になりがちなんですけど、やってみたいんだったら、一旦やってみたらいいじゃんってすごい思っていて」

「複合施設の構想も、野中さんと一緒にどんどんチャレンジしてきました。深川はそれができるまちだと思うので、まずは気軽にやってみる選択ができる人が来てくれたらうれしいです」

 

最後に向かったのは、複合施設のすぐ近くにある「洋菓子工房北いち輪」というお店。

名物はバームクーヘン。お店のなかに入ると、ふわりとバターの香りが漂う。

「ちょうど田植えが終わったみたいで、今日のケーキはほとんど売れてしまったんですよ」と迎えてくれたのは、店主の佐藤さん。シェアカフェに関わってくれる予定のアドバイザーのひとり。

もともとは大阪でシステムエンジニアとして働いていたものの、「形に残るものづくりがしたい」と、お義父さんの洋菓子店で未経験からパティシエの道へ。

洋菓子店は、老朽化に伴い閉店。その後、奥さんの祖母が住んでいた深川に移住してきた。この土地にお店を出して13年目になる。

「北海道は、農産素材の王国のような場所。いい食材が身近にあるのは、やっぱりうずうずしますね。小麦粉も卵もバターも砂糖も、すべて北海道産を使っています」

「ここ周辺の地域は『北空知(きたそらち)』と言って農作物が盛んなエリア。使えるものは地のものを使いたいと思い、商品も開発しました」

「これ、よかったら」と渡してくれたのは、「北のバターもち」という北空知産のもち粉を使用したお菓子。

持つとふっくらと弾力があって、小麦粉のお菓子とは違った感触。バームクーヘンに次いで人気商品だそう。

「これから来てくれるマネージャーさんは、土地勘もない状態で不安な部分もあると思います。自分ができることとしては、商品開発や衛生管理のサポート、知り合いの仕入れ先を紹介もできますよ」

「あくまで運営はマネージャーさんだと思うので、自分が教えるというより、できることがあればその都度関わりたいと思っています」

プロの食の技術者としても、移住者としても、地元目線でもアドバイスしてくれるのは心強い。

佐藤さんは、どんな人に来てほしいですか?

「少し前まで通っていた近所の喫茶店やお蕎麦屋さんは、ご高齢でお店を畳んでしまって。ふらっと外食する場所が限られているんですよね。深川にはそういう空き店舗が多い。新しいシェアカフェで日替わり店長さんが独立して、2、3軒でもお店が増えたら、すごくまちの印象も変わると思います」

「マネージャーさんになる人には、そういう循環が生まれるように、提供するものもチャレンジする人も日々アップデートしていくことを大切にしてほしい。一緒にチームとしてやっていけたらうれしいです」

誰かの一歩を応援すると、まちの風景もだんだんと変わっていく。

北海道のまんなかで、背中を押す存在を待っています。

希望があれば、応募前に野中さんや石田さんがオンラインで事前相談に乗ってくれるようです。少しでも気になる方はぜひ声をかけてみてください。

(2025/05/28 取材 大津恵理子)

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