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「人生の余白と一緒で、なくてもいいけど、必要なものってあるんです。機能的なものだけじゃ生きていけないんですよ、人間は。あるだけでホッとしたり、部屋の雰囲気が変わったり。その家具があることで、生活や人生が豊かになることを目指していきたい」
福岡・博多から生まれた、家具ブランド「Ritzwell(リッツウェル)」。
海外ブランドのような名前ではありますが、一つひとつ職人の手でつくり上げる純日本産。木や革など自然由来の素材を用いて、細部までこだわった家具を展開しています。

今回は、東京と大阪のショールームを起点に、リッツウェルの家具を提案していく営業スタッフを募集します。
住宅メーカーや設計事務所などの得意先をまわったり、ショールームを訪れるエンドユーザーを接客したり。リッツウェルの家具を選んでくれる人が増えるよう、働きかけていく役割です。
一点一点が高価なため、効率的に売ることよりも、お客さん一人ひとりへの丁寧な提案が求められます。
長く残っていくものを扱いたい。自分が本当にいいと思えるものを広めていきたい。そんな人に知ってほしい仕事です。
青山一丁目駅と外苑前駅の真ん中あたり。
多くのインテリアブランドが店舗やショールームを構えるこのエリアに、リッツウェルの東京ショールームもある。
一歩足を踏み入れると、ガラッと空気が変わるような、トータルコーディネートされた空間だ。

一角にある打ち合わせスペースで話を聞いたのが、代表の宮本さん。リッツウェルの家具のほぼすべてをデザインしている、クリエイティブディレクターでもある。
「ものづくりが昔から好きで、仕事でも一番楽しいのはデザインなんです。経営は父から引き継いで、苦労しながらだいぶ慣れてきました。ありがたいですよね、今の環境があるということは」

もともと家具の販売をしていた宮本さんのお父さんが、1992年に立ち上げたリッツウェル。
飛騨高山や、イタリアの家具産業の中心地として知られるブリアンツァ地方で家具製作を学んだ宮本さんは、7年前に跡を継いだ。
「父の根底には『自分がつくりたいものをつくる』というのがまずあって。当時から海外展開も視野に入れていたと思います」
本社は福岡市で、お隣の糸島市にファクトリーを構える。今は、東京と大阪のショールームのほか、イタリア・ミラノにもオフィスを構えてヨーロッパ各国へ家具を卸している。
リッツウェルの家具づくりの軸のひとつは、長く愛着を持って使えるものであること。
「今って、壊れていなくても飽きたら捨ててしまう時代でしょう。大事なのは、捨てられないものをつくっていくことだと思うんです」
「新品のときが一番じゃなくて、どんどん愛着が湧いて、長くそばに置いておきたくなるものをつくる。そのための形や素材を選ぶことも必要です」
いっときの流行に合わせたデザインではなく、まず自分たちが「本当にいい」と思えるかどうかを吟味しながら、丁寧にかたちにしていく。
そうして出来上がった家具は、住居に限らずホテルや商業施設など、国内外問わずさまざまな空間に馴染むものになっている。

特に思い入れのある商品を尋ねてみると、「子どもが何人かいたとして、一番なんて選べないでしょう?」と笑顔の宮本さん。
そう言いつつも、例として教えてくれたのは、「JABARA SIDEBOARD (ジャバラ サイドボード)」。
2018年に発売され、イタリア、ドイツ、アメリカのデザインアワードを受賞した。

名前の通りジャバラの引き戸が印象的なデザインで、同じ幅に細く切り分けられた無垢材が連なる、とても繊細なつくり。上部の引き出しには厚革を用いている。
「工場の人と何度も話して、どんどんそぎ落としていきました。脚もすごく細いでしょう。工場側からの提案なんですけど、僕が逆に心配になるくらいこだわってくれました」
「引き戸を開くときの感覚は、和室で襖をスッと開けるときと近い。こうやって素材に触れると、ちょっと神秘的な気持ちになるでしょう」

今の時代の収納は、備え付けのクローゼットが主流。こういったつくり込まれた家具は、年々需要が落ちているという。
「その流れのなかでも、僕はサイドボードはいると思ったんです。いらないけど、いるものだと思って企画しました」
いらないけど、いるもの。
「機能的には必要ない家具でも、空間を変える力がある。買ったらきっと使いたくなるし、使ってみたら気持ちが豊かになるはずです」
「便利ななかで失われてしまった、温かみのある家具がつくりたいんだと思います。だから、手間をかけて、面倒なことをやるのが、すごく大切。それはものづくりにも接客にも、通じることだと思います」

今回募集する提案営業は、社内ではどんなポジションなんでしょう。
「商品に加えて、うちは営業が大きな強みだと思っていて。お客さまにアンケートをとると、『◯◯支店のあの人の対応がすごく良かった』とか、名指しで手書きのメッセージを書いてくれるんです」
「一生懸命向き合ってくれているって話せばわかるじゃないですか。人としての誠実さ、温かみがちゃんと伝わっているんだと思います。そんなスタッフたちがどうすれば生き生き働けるか、いつも考えていますよ」
「スタッフはみんな誠実すぎるくらい。もう少し遊びがあってもいいかな」と話す、宮本さん。
続いて話を聞いた長瀬さんは、その言葉通り、宮本さんの話を手元のメモ帳に書き込む姿が印象的だった。
入社13年目で、東京を拠点に働く人の直属の上司になる。

「前職は家電量販店向けの営業でした。インテリアが好きで家具を自作したこともあったので、1年間CADを学んで、家具や建築の業界で転職先をのんびり探していました」
「リッツウェルの家具には派手さはないものの、詳しくない自分でもこだわりが感じ取れて。家具だけでなく、それが置かれた空間全体が素敵だったことにも惹かれました」
製作に関わる仕事でなくてよかったのですか?
「つくることに興味はあったんですが、人と接するのもすごく好きなんです。自分は口数は多くないけれど、接しているうちに何か伝わったらいいなと思ってやっています」
長瀬さんの主なクライアントは、ハウスメーカーなどに所属し、施主向けにインテリアを提案するコーディネーターさん。
自分の担当得意先をどんなスケジュールでまわるかは、すべて個々の営業が決めている。
訪問するときは、どんなコミュニケーションをとっていくのだろう。
「よくお会いする方だと最近の業界の話をしたり、今だとカタログの新作が出たので紹介したり。あとは、まず何かお礼を伝えることがないかをいつも考えます」
お礼?
「『先日はお客さまをご紹介いただいて、ありがとうございました』とかですね。あとは素材のサンプル依頼には郵送ではなく直接持って行くとか。些細なことでもきっかけがあると訪問しやすいです」

「相手はインテリアのプロなので、頼ってもらうにはそれ相応の知識が必要。僕は業界未経験だったので、最初は苦労しましたね。もともと好きなものだったので、覚えていくことができました」
プロダクトでは差別化できているので、担当者がいい関係性を築くことができれば、よりエンドユーザーにも紹介してもらいやすくなる。
相手の雰囲気や求められるものにあわせて、対応していく力が必要になる。
「でも、要領は良くなくていいと思うんです。苦労をいとわず、誠実に取り組んでいける人と一緒に働きたい。自分が本当に自社のものをいいと思っているなら、その気持ちはきっと相手にも伝わるはずです」
コーディネーターの方から紹介を受けてショールームを訪れる、エンドユーザーへの接客も提案営業の仕事のひとつ。
担当の得意先経由のお客さんには、基本的に営業担当が自ら接客し、商品の魅力を伝えていく。
詳しく教えてくれたのは、扇さん。部長として営業全体を取りまとめている。

「うちの家具は、国内ブランドだとハイエンドな価格帯なので、経営者のような富裕層のユーザーさまも多いです。実際に家具を選ぶ際は、コーディネーターさんや営業担当、設計担当など、みなさんご一緒にいらっしゃるケースもありますね」
エンドユーザーのリピート率は年々上がっているそう。
自宅で使っている方が、会社にも取り入れてくれたり、セカンドハウスや別荘に置いたり、友人に紹介してくれたり。
実際に使って評価してもらい、次につながっていくことは自信にもなる。
「本場イタリアの家具と比較されることも増えてきました。そのなかでもリッツウェルは、特に使い心地を重視するお客さまに選ばれています」
基本的には受注生産で、納品までは約2ヶ月。細かな部分をオーダーメイドすることもできる。
「たとえばこのソファ『VELAR(ヴェラール)』は、今年の新作です。前回のミラノサローネで発表し、国内外から高い評価をいただきました」

見た目は柔らかそうな印象。でも触ると意外としっかりしていて、長い時間でも身体を包み込むように支えてくれそう。
座面の奥行きや肘置きの幅まで、考え抜かれたデザインだという。
「生地はもちろん、エッジに施されたパイピングの色も好みに合わせてカスタマイズできるんです」
「マニアックな部分やこだわりは、画像だけではわかりにくいもの。やっぱり実際にものに触れて、説明を聞くことで共感してもらえると思っています」

現在スタッフは、東京支店に15人、大阪支店に6人。
新しく入る人は、まずはショールームでの接客から。知識を身につけながら、数ヶ月かけて一人でエンドユーザー向けの接客ができることを目指す。
ハウスメーカーに加えて、設計事務所や卸先の百貨店など。どの取引先を担当するかによって働き方や必要な知識が変わるので、先輩に同行して商流を学びながら、自分の担当を決めていく。
糸島の工場研修もあるので、実際の家具づくりを体験することでお客さんへの提案内容も深まっていくはず。

「自信を持って提案できるようになるまでは、時間がかかるかもしれません。ときには高級車や高級アパレルの接客と比較されることもある」
「最初はプレッシャーも大きいかもしれませんが、目の前のお客さま一人ひとりと丁寧に向き合っていくことに尽きます。人としての成長の機会だと捉えられると、きっと伸びていくんじゃないかな」
販売して終わりではなく、完成した家具の納品に立ち会ったり、アフターフォローにも対応したり。搬入や搬出で重い家具を動かすなど、力仕事が必要になる場面も多い。
担当したお客さんとの関係はずっと続いていくので、販売してからがはじまりと言っても過言ではない。
「家具ブランドって数えきれないほどあって。そのなかでリッツウェルを選んでもらえる確率って奇跡に近いですよね」
「そうそう買い替えることはないぶん、一生の買いものとして選んでもらえる。そういうものを売っていけることは、大きなやりがいになっているなと思います」
リッツウェルの家具を使いたい、勧めたい。そう思ってもらうためには、窓口として日々接する「人」の存在は大きいはず。
働くみなさんの穏やかで誠実な雰囲気が、これまで多くの人に評価されてきた理由のひとつなのだと感じました。
いい家具、いい人たちと働く毎日は、きっと自分自身を人として成長させてくれるものだと思います。
(2025/08/04取材 増田早紀)


