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服づくりの
すべてに携わる
下町・墨田から世界へ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

一枚の服ができるまでに、どんな工程があり、どんな人たちが関わっているのか。

着て楽しむだけでなく、そこに込められた技術や素材のこだわり、つくり手の想いまで理解し、たくさんの人に伝えていきたい。

そんな仕事に共感できる人に、知ってほしい会社があります。

精巧(せいこう)株式会社は、東京・墨田区で75年間続く、カットソーメーカー。OEMを中心に、大手アパレルやセレクトショップの商品を長年手掛けてきました。

2011年にスタートしたのが、自社のファクトリーブランド「IKIJI(イキジ)」。日本の下町発のブランドとして、海外を中心に販売しています。

さらに昨年からは、最先端のプリント技術を導入した新ブランド「SITOM」を展開。歴史を受け継ぎながらも、新たな挑戦を続けてきました。

今回募集するのは、この2つの自社ブランド運営に関わる人。

販売戦略の立案や、それをもとにしたSNS・Webサイトの運営、海外の展示会への出展、店舗での接客、さらには商品企画など。PR業務を中心に、ブランドすべてに関わると言っても過言ではありません。

経験は求めませんが、新しいことでも自分で調べながら進めていく力や、幅広い仕事に対応できる柔軟性は必要です。力仕事が多いので体力があることも大切。

洋服が好きで、それを仕事にしたいと思うなら、川上から川下まで携わるおもしろさを感じられる環境です。

 

精巧の本社があるのは、両国駅から歩いて10分弱の場所。大通りから一本入った、静かな通りにある。

周囲には住宅が多く、向かいには小学校、そして同じ通りにはIKIJIのショップがある。

出迎えてくれたのは、取締役の近江さん。

IKIJIのプロジェクトマネージャーで、新しく入る人は近江さんと一緒に働いていく。さっぱりした口調で、裏表なくいろんな話を教えてくれる方。

「14年前、社内でIKIJIのプロジェクトが立ち上がるタイミングで働きはじめました。もともと家業に入るつもりはなかったんですが、成り行きで今ここにいますね」

精巧は近江さんの祖父と祖母が1950年に立ち上げた会社。今は父である誠さんが社長を担っている。

「創業以来、カットソーの専業メーカーとして、OEMを中心に商品の企画開発をおこなってきました。実はここ墨田区は、日本のニット産業の発祥の地なんですよ」

もともとはすべて墨田で製造していたものの、規模拡大にともない、50年ほど前から千葉県に工場を構えている。

オペレーターが複数の工程を担うことで、効率よくものづくりをおこなう「T.S.S(トヨタソーイングシステム)」という手法を、カットソーメーカーでは日本で初めて導入。

現在は、国際的な認証制度であるGOTSとB Corpの取得に向けて動くなど、常に新たな取り組みを続けてきた。

「先代はもともと化学者で、全社をあげて研究開発に力を注ぐ文化がありました。それをブラッシュアップして、新しいものをどんどん取り入れてきたのが現社長です」

そのひとつが、オリジナルブランド「IKIJI」の立ち上げ。

「ここのあたりは、かつて江戸の中心地でした。私たちはずっとこの地で仕事を続けてきたので、江戸の粋な文化や職人の心意気を取り入れたブランドをつくりたいと。IKIJIを通じて、墨田の文化を伝えていければと思っています」

ヨーロッパの著名なメゾンブランドは、メーカーからスタートしているところが多い。そんなふうに自分たちも、オリジナルのブランドを生み出したい。

墨田区のブランド力向上のための取り組みに参画したことをきっかけに、シャツやバッグや靴など、ほかの専業メーカーと協業して、IKIJIが生まれた。

卸販売先はすべて海外で、実店舗に訪れるお客さんも外国人観光客が多いそう。フランスとイタリアの展示会にも毎年出向き、近江さんはその魅力を自ら伝えている。

「IKIJIは、精巧が持てる技術のすべてを込めたブランド」と話す近江さん。

代表的なものが「成型ニット」。

精巧のカットソーの立体パターン通りにニットを編み上げて組み合わせることで、ニットでありながら立体的で軽く、ストレスを感じないつくりになっている。

縫製に使用するのは、縫い代が生まれないという、特許ミシンの「TPS」。

一枚の布を纏っているかのような着心地のよさがあり、着崩れもしない。世界で精巧にしかできない技術だという。

 

「いろんな会社の話を聞くと思うけれど、ちょっと変わってますよ、この会社」

そう話を続けるのは、商品の企画開発を技術面からサポートしている佐藤さん。IKIJIのモデルも務めている。

精巧一筋40年。新しく入る人は、商品開発の過程で相談する機会が多いと思う。

「社内で『ものづくりプロジェクト』っていう取り組みがあって、商品の改良を繰り返したり、新たな技術に挑戦したりしています」

「Tシャツの研究のときは、一流メゾンの商品から、安価なものまで買い揃えて、違いを一つひとつ分析して。じゃあ、自分たちならどんなTシャツに落とし込むかを考えていく。そんな細かいことばっかりやってます」

今回募集する人が担うことになる、新ブランドの「SITOM」にも関わっている佐藤さん。

SITOMは、高いプリント技術を用いて、表現を追求しているブランド。

服として組み上がった立体的な状態を計算してデザインし、パーツごとに印刷してから縫い合わせる。

そうすることで、前から横、そして後ろへと、途切れることなく柄がつながり、まるで服の形のまま丸ごとプリントしたような、不思議な立体感が生まれる。

「ほかにも、インクを厚く盛って刺繍っぽく見せる技術だったり、いろんな挑戦ができる。社内にプリンターがあるので、専門の会社に依頼するのと比べると、圧倒的に仕上がりも早いです。強みを活かして差別化していきたいですね」

SITOMでの表現がPRにもなり、新たなOEMの依頼にもつながりはじめているそう。

ものづくりの過程も、製品も、売り先も。常識にとらわれず、挑戦を続けるのが、精巧のDNAと言えるかもしれない。

「ちょっと変わってる。だから、まだ会社が生き残れているんだと思います。ほかと同じことをやっていたら、長く続けていくのはむずかしいと思うので」

「自社ブランドの商品って、本当に少ない枚数でも販売するんです。それが大きいアパレルとは違う。企画から携わって、納品して、それが実際売れたかどうかまで見ていく。その一枚の服を売る大変さをわかってくれる人が来てくれたらいいですね」

一枚の服を売る大変さ。

「うちには一人だけでやる仕事ってないんですよ。一着の商品に全員の手で関わって、ゴールまで持っていく。それが、うちの会社らしさだと思います」

「自分の領域を決めずに、一連の流れを楽しめる人と働きたい。欲張りなことばかり言っているかもしれないけどね」

 

最後に話を聞いたのは、鈴木さん。

近江さんと二人三脚でIKIJIを、社内の若手スタッフ2人とともにSITOMを運営している。

新卒から10年働き、もうすぐ卒業予定。今回入る人は、鈴木さんの後任となる。

学生時代、テレビ番組「ガイアの夜明け」でIKIJIの紹介を観て、お店を訪れたのが入社のきっかけ。

「もともと洋服が好きで。ずっと洋服に関わる仕事がしたいと思っていました」

「大手企業で一部の業務だけ担うよりは、いろいろなことに挑戦できる会社がいいなって。当時はブランドがはじまったばかりだったし、日本のものづくりを海外に伝えていくという姿勢に魅力を感じて入社しました」

主な仕事は、各ブランドのWebサイトやSNS、メールマガジンの運営など。そのほか、ドラマや映画の衣装に貸し出す際の対応や、店舗での接客やディプレイの変更、海外の展示会出展にも対応する。

店舗イベントとして、落語やまち歩きなどを開催したり、独学でYouTubeの動画制作に取り組んだり、佐藤さんたちと商品を開発したり。

すべて伝えるのがむずかしいほど、仕事はブランド運営全般にわたっている。

「どの仕事も経験はなかったんですが、一つひとつ調べれば、ちゃんとできるようになる。洋服が好き、ファッションが好き。その気持ちさえあれば、こなしていけるのかなって」

「アパレル業界の一連の流れを学べる環境ですし、自分から提案もできるので、やりがいがあります。経験がないからって動けずにいるよりは、積極的にいろんなことに取り組んでいける人が向いていると思います」

数ある仕事のなかでとくに重要なのは、情報発信と、販売戦略を立てそれを実行していくMDの仕事。

1年間のうち、週ごとにどんな商品、企画を打ち出していくかを近江さんと話し合い、発信内容を考え、手を動かしていく。

「商品の販売時期が決まったら、ブログで説明するのか、それに加えて動画もつくるのか。SNSでも、年齢層の高い人に響きそうならFacebookを中心に発信するとか、アプローチを考えていきます」

光沢のある商品だから、色をきれいに見せるために日光の下で撮影しよう。スタイリングはどんな組み合わせにしよう。

投稿ひとつにしても、写真を撮影して、文章を書いてアップするまで。近江さんの最終確認はあるものの、そこに至るまでの一つひとつは自分で考えていくことになる。

「でも、これまでの蓄積が残っているので、0から生み出すよりはハードルは高くないはずです。あるものをうまくつかって、より伝わりやすくなるアイデアがあれば取り入れていくイメージで大丈夫だと思います」

仕事で大変なところはありますか?

「ずっと同じ仕事をやらないのが、おもしろさでもあり、大変なところ。変化に富んだことをやりたい人が向いているでしょうね」

「あと、体力は必要です。出荷のダンボールは十何キロもあるし、展示会のときは見本の入ったスーツケースを3、4個抱えての海外出張なので。それをこなせないと、本人がつらくなってしまうかな」

ここでの経験を活かし、次のステップに進むという鈴木さん。

10年間続けてきたモチベーションはなんだったのだろう。

「知ってもらいたいっていう気持ちは大きいですね。すごく細かなところまでこだわってものづくりをしているけれど、どんなにいいものをつくっても、知られなければ売れていかない。海外の人にも日本の人にも、もっと伝わってほしいと思っています」

「イタリアのブランドの方で、すごくIKIJIを気に入ってくれている方がいて、展示会で会うたびに褒めていただけるんです。そんなふうに、業界の人にも一般のお客さんにも、国内外問わず、精巧のものづくりを広めていきたい。それが一番の原動力なのかなって思いますね」



ものをつくるところから、それがお客さんの手に渡るまで、一連の流れをすべて見られる仕事。

一枚の服の背景にあるストーリーまで含めて、たくさんの人に伝えていくことができます。

自分の成長と、ブランドの成長が重なりそうだと感じられたら、ぜひ挑戦してみてください。まずはお店を訪れて、IKIJIの商品に触れてみるのもいいと思います。

(2026/11/13 取材 増田早紀)

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