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求む、未来の開拓者
北の大地で
100年に一度のまちおこし

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

北海道・厚真町。

かつて荒涼した原野を切り拓き、日本一のハスカップ栽培と豊かな米どころを築き上げた、開拓者の精神が根づくまちです。

2016年には、地域資源を活かして起業する人材を育成する「ローカルベンチャースクール」を立ち上げ、これまで20以上の事業が誕生。

9億円もの経済効果が生まれ、全国から注目されるまちの一つに。

一人ひとりの挑戦が、このまちを形づくってきました。

そんな厚真町で、100年に一度のプロジェクトとして進められているのが、新庁舎を含む9つの公共施設の再整備です。

中核を担うのが、2028年にオープン予定の文化交流施設。

図書館や文化財展示を軸に、さまざまな人が交流し、新しい価値を育むための場所として構想されています。

今回募集するのは、施設の運営計画や体制を整え、オープンまでの道のりをリードするプロジェクトマネージャー。

多様な意見をまとめていくため、まちづくりや公共施設などのプロジェクト経験がある人を求めています。

ただ、厚真町が目指しているのは、誰もが挑戦できるまち。興味が湧いたら、まずは読み進めてみてください。

 

厚真町があるのは、新千歳空港から車で35分ほど南東に進んだところ。

この日はあいにくの空で、道中は土砂降りだけど、野菜や森林にとっては恵みの雨だ。

厚真町役場の裏にある総合福祉センターで、まちづくり推進課の宮下さんに話を聞く。

生粋のサーファーで、厚真町の波に惚れ込み、旭川から移住してきた方。

「はじめは住民課や図書室など、町内に分散していた公共施設を一つに集める予定でした。ただ、どの自治体も先の存続が危ぶまれるなか、機能を集約するだけで本当にいいのかと疑問が湧いて」

「このまちが100年後も続いていくために。次の未来をつくる、まちづくりの拠点施設にしようと。施設を利用する住民のみなさんとの話し合いを重ねてきました」

事業には、役場予算の1年分以上の金額が投資される予定。厚真町がはじまって以来の大規模なプロジェクトになる。

施設のコンセプトは、訪れる人たちの「やりたい」が叶い、厚真町の新たな文化が生まれる場所。

町民が自ら運営する図書館や、テーマに沿ったユニークな選書。 住民のアイデアが形になるイベントに、未来の店主を応援するチャレンジショップなど。

思いがけない発見や、人との出会いを通じて、新たな挑戦が生まれる場所にしていく。

「コンシェルジュが施設にいて、まちの支援制度や活動場所がわかる。何かやってみたい人がいたら、それが形になるまでサポートできる体制を整えていきます」

地域資源を活用した起業家を育成する「ローカルベンチャースクール」もその一つ。

フルーツビネガー製造、4輪バギーのレンタル、スペシャリティコーヒー専門店、馬とともに林業をおこなう馬搬(ばはん)など、これまでに約20事業が誕生。こうした方々も、施設で活躍するプレイヤーになる。

さらに、文化交流施設と新庁舎の間には、広大な広場もできる。

焚き火や水遊びができたり、土に触れてハスカップや米の栽培を体験できたり。厚真町の産業や文化を、五感を通じて感じられるようにする。

まちで育ったお米や野菜、雑貨などが購入できるマルシェ、音楽フェス、馬や羊に触れられるイベントなど。みんなが楽しめる仕掛けも考えていきたい。

「ほかにも厚真町には、280ヘクタールほどの手付かずの天然林があるんです。この規模は全国を探してもどこにもない。馬と歩けるコース、森で過ごせるホテルの構想も動いています」

「厚真町で活躍する人を増やすうえで、施設はまちの入り口という重要な役割を果たします。この施設がハブとなって、たくさんの挑戦が生まれる場所にしたいですね」

これからはアイデアを練るだけでなく、具体的な計画を詰めていくフェーズ。

ただ、文化交流施設のプロジェクトは、宮下さんも含めてどの職員も兼任で関わっている状況。新しく入る人に中心となって推進していってほしい。

「100年後の厚真町のために、力を貸してほしい。まちづくりや、人を育てることに魅力を感じる人に、加わってもらえるとうれしいです」

 

今回の施設では、文化を伝えていくことにも力を入れている。

宮下さんとともにプロジェクトを進めている、小篠(おざさ)さんにも話を聞く。

昨年まで北海道大学で建築を教えていて、施設の運営計画やコンセプトづくりに助言をくれる、心強い存在だ。

「2025年の1月に町民を集めたフリートークを実施したんです。そこで出てきたのは、厚真町に本当に魅力があるのかと聞かれたら、『正直あんまりないと思っている』という声でした」

「でも、このままだと人はどんどん流出していく。どうにかしてそれを食い止めたい、が本音なんじゃないのって話になったんです」

厚真町の魅力を心から実感できていない人がいる。

その意識を変えるきっかけとして期待されているのが、文化交流施設に設置される、アイヌ歴史文化センター。

実は厚真町では、近年の埋蔵文化財調査の結果、これまでのアイヌの歴史を塗り替える貴重な出土品がたくさん見つかった。

博多や京都、愛知のほか、朝鮮半島やロシアのアムール川中流域でつくられたものが厚真町で見つかっており、そのなかには日本国内や北海道ではじめてや最多の資料もあるのだそう。

「どうやら厚真町に住んでいたアイヌの人たちは、かなり広域で交易をしていたそうなんです」

アイヌの人は狩猟採集生活のイメージだったので、貿易をしていたなんてびっくり。

「学校で習う日本史の多くでは、明治時代、和人の入植とともに時代が突然変わったことになっている。でも実は、ずっと前からアイヌと和人が共存していた時代があったんです」

「そういう意味では、日本史が大きく変わる発見になる。その中心地の一つが厚真町だと子どもたちに教えていければ、このまちを誇りに思う人も増えるはず」

こうした歴史を伝えるアイヌ文化ガイドも、町民が主体となって担う予定だ。

ほかにも、これまで受け継がれてきた日本舞踊や書道、和太鼓、生花など、地域の文化活動も施設で行われることになる。こうした方々と何か企画をする機会もあると思う。

着任後は、まずはプロジェクトの打ち合わせに入る。施設の具体化に向けて事業計画や人員計画を立て、設計担当と壁打ちをする。

事業単体でどのくらいの収支が見込めるか。5年後、10年後どのように成長していくか。シミュレーションしながら計画を練っていく。

たとえば、カフェで何かをやってみたい人がいたら、定食だけでなくお菓子をつくれる場所も必要。では菓子製造室をつくろう、と内容を詰めながら設計にフィードバックをする。

ここまで大規模な案件ではなくても、地域やコミュニティづくりに関わるプロジェクトマネージャーの経験があれば、活かせる部分は多いはず。

町の人たちが主役になって、施設を動かしていく。その仕組みのデザインも、役割のひとつ。

図書館では運営サポーターを募集して、「図書館のあり方」を考えたり、コミュニティマネージャーを採用して、施設の楽しみ方を企画したり。

まだかたちのない施設の、はじまりから動き出しまでを、まるっと担当することになる。

「むずかしく感じる人も多いはず。ただ新しく入る人が、必ずしもすべての知見を持っている必要はなくて」と小篠さん。

「施設にかかわる人がどうすれば喜んでくれるか。話を聞いたり、ぼくらのような専門家に相談したり。大切なのは、みんなの意見を聞いて、それが事業として成り立つ絵を描くこと」

「活動をどう組み合わせたら、豊かなつながりや新しい渦が生まれていくか。自分自身ワクワクしながら、仕掛けていってもらえたらと思います」

宮下さん、小篠さんをはじめ、経験豊富な方々が一緒に考えてくれるので、新しく入る人も心強いと思う。

 

「この施設でやりたいことを、既に体現している方がいるんです。施設が完成したあとの生き方、働き方の参考になるはず」

そう紹介してもらったのが、一般社団法人ATSUMANOKI96でディレクターを務める今廣(いまひろ)さん。

大学院で森林生態学を学び、林野庁、北海道庁を経て、厚真町にやってきた。

現在は、役場から委託を受けて、二地域居住の施策を進めている。

「厚真町は面積の約7割が森林で、林業で活躍する方が多いんです。彼らの取り組みをつないで、森で焚き火を囲んで内省するプログラムや、雪板をつくって山を滑るツアーを企画しています」

ローカルベンチャースクールや移住支援の体制を整えたことで、過去には4年連続で人口増加に転じたこともある厚真町。

観光や宿泊、仕事で厚真を訪れる人たちが、はじめに立ち寄るのも文化交流施設。厚真に人を呼んでくるという点では、今廣さんの取り組みは関わりがあると思う。

まちの人と関係を築いて、新たな価値をつくってきた今廣さん。

大切にしていることはありますか?

「外から人を呼んでくる仕事なので、どうしても意識が外に向きがちですが、厚真町のなかに目を向けることが大切だと思っていて。まちには、すでに何年も頑張ってきた人がいるので」

「その方々の活動に参加してみると、こんなことできない?って聞かれることもあって。施設で何ができるのかを知ることで、活躍できる人はたくさんいると思います」

今もすでに、地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちが集まるカフェや料理教室を開いている方が、使い勝手の良いキッチンスペースを探しているのだそう。

ほかにも、1年のうち2〜3週間しか収穫できないハスカップ狩りを体験してみたり、子どもたちが馬と触れあうイベントに参加してみたり。

施設を飛び出して、活動を広げてみるのも面白いかもしれない。

施設のオープン後は、プレイヤーとしてまちに関わるもよし、誰かの活動や起業を応援するもよし。今廣さんのように、さまざまな道が開かれていると思う。

「机の上に座って考えるよりも、まちを歩き回って、厚真を楽しめる人が向いているんじゃないかな」

 

施設が完成したら何がしたいですか、と最後に聞いてみる。

「仕事帰りにビールが飲みたい。飲める場所はあるけど家から遠くて。職場を出てすぐに広場で乾杯したいな」

「広場では焚き火をして、焼き芋を焼く子どもたちや、イベントを開く人がいる。そんな日を過ごせたら最高ですね」と宮下さん。

チャレンジショップから新しいお店が生まれ、町民の文化活動でにぎわっている。子どもたちが厚真町の歴史を誇らしく思っている。

文化交流施設ができるころには、きっと、そんな景色が広がっているはずです。

この施設に可能性を感じたら、まずは話を聞いてみてください。

その一歩が、厚真町の次の100年をつくる原動力になります。

(2025/11/13 取材 櫻井上総)

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