まちを歩いていると、なんだか素敵な建築を発見して足を止める。
この看板って、いつからあるんだろう。
窓の形、かわいいな。
あの植物、なんて名前だっけ…。
「ちょっと気になる」をきっかけに、知りたい気持ちがどんどんつながる。
知れば知るほど好きになる。
まちって、だから面白いんですよね。

合同会社まいまいは、そんな知的好奇心旺盛な人にぴったりの会社。
さまざまな専門家と一緒にまち歩きをするツアー「まいまい京都」「まいまい東京」や、建築公開イベント「京都モダン建築祭」「神戸建築祭」「東京建築祭」の企画・運営をしています。
今回は、まち歩きツアーと建築祭の事務局スタッフを募集するほか、京都で新しく準備しているプロジェクト「京都建築センター」で働くスタッフの募集も。
地理や歴史、建築、グルメ、植物、サブカルチャーなどが好きで、興味の幅が広い方。
ワクワク、ドキドキする気持ちを、仕事に活かしてみませんか?
京都駅からバスで20分ほどのビルに、まいまいの京都オフィスは入っている。
代表の以倉さんとは約1年半ぶり。お元気でしたか?
「おかげさまで、事業の拡大に合わせて仲間が増えていき、2023年に6名だったメンバーは30名ほどに。『建築祭』という名前も、だんだんと浸透してきた感覚がありますね」

「各部署で少しずつ増員しているので、そこまで急成長した実感はありません。たとえば東京建築祭のチームは、5名で大変な仕事量をこなしてくれています。これからも、じわじわ増えていきそうです」
まち歩きツアーを企画・実施する事業者として、2011年に「まいまい京都」を、2018年には「まいまい東京」をスタートさせた以倉さん。
まいまいツアーの魅力は、多種多様なジャンルの愛に溢れる専門家が、独自の視点でガイドをしていること。NHKの人気番組「ブラタモリ」にも、以倉さんが企画協力や出演で関わっていたので、まち歩き好きなら知っている人も多いかもしれない。
建築に特化したイベントとして、2022年からは「京都モダン建築祭」を開催。2023年からは「神戸モダン建築祭」が、2024年には「東京建築祭」がはじまり、建築好きを中心に話題を呼んでいる。
2025年の「京都モダン建築祭」では、7.1万人もの人が来場し、普段見られない貴重な建築物の公開や、ガイドツアーを楽しんだ。

「建築祭から派生して、オランダとイギリスでおこなわれている建築公開イベントと、アメリカにある『シカゴ建築センター』の視察に行ってきました。特にシカゴ建築センターはものすごいインパクトで。京都でもやらねば! と強く感じたんです」
シカゴ建築センターは、ガイドブックでも大々的に取り上げられている観光名所。近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエが設計したビルで、川沿いの一等地にある。
「建築を巡るウォーキングツアーやリバークルーズが人気で、ガイドのみなさんは、ここで活動することが誇りだと胸を張っていました。建築センターを拠点に、シカゴのまち全体で建築を楽しむ文化が醸成されていたんです」

シカゴでの感動は、以倉さんを突き動かした。
「日本でも建築文化の拠点になる場所をつくりたいと思いました。帰ってすぐに物件を探しはじめて、先日やっと契約が完了したんですよ」
借りたのは、京都・木屋町にある「TIME’S」。
シカゴ建築センターにも似たロケーションの、川沿いの一等地で、世界的な建築家である安藤忠雄さんが1984年に設計した。
「『京都で建築センターをやるなら、ここしかない!』と思っていたので、入居できてうれしいです」

かっこいいビルですね!
「コンクリートの端正な質感と、光の演出が特徴的な、安藤忠雄さんらしい建築です。部屋同士が細い路地のような空間でつながっていて、入り組んだ構造がおもしろいんですよ」
借りたのは、もともとTシャツ屋さんが入っていた路面フロア。目の前に商店街があり、海外の観光客もたくさん通る。
長らく閉鎖されていたこともあり、現在は空室が多い。
「本当はいくつも借りて、いろんなことをやりたいという夢があります。でもメンバーのみんなから『まずはここを成功させてから』と、しっかり止められてますね(笑)」
「テラスフロアは、安藤忠雄さんのこだわりで水面までの距離がものすごく近いんです。川沿いでカフェを開くとか、桜を望む安藤建築に宿泊できるとか、素敵だと思うんですけどね」

続いては、神戸建築祭・事務局の得能(とくのう)さんに話を聞く。
幼少期から地図帳を見て現地を想像するのが大好きで、旅行会社やガイドブックの編集の仕事をしたのち、2年前に入社した。
「まいまいのメンバーは、みんな多趣味でキャラクターが立っている人ばかりです。ダンスを始めたとか、こんな展示に行ったとか。私の知らない世界をたくさん教えてもらえます」

得能さんの趣味は、お蕎麦屋さん巡り。「全然マニアックじゃなくてすみません」と笑いながら、いろいろと食べ比べている話をしてくれる。
「蕎麦好きだと言っていたら、みんなが各地のおすすめ店を教えてくれるようになりました。本当にしっかりしているメンバーで、大変でも和気あいあいとやっていて。出社するだけですごく元気になれるんです」
事務局スタッフとして、広報、制作、ツアーの企画など幅広い業務を担当している。
「これまで非公開だった貴重な建築を公開していただくなど、前例のないことに挑戦することが多いので、道なき道を進んでいるような感覚ですね」
「準備はすっごく大変でしたけど、関わってくださる皆さんがイベント当日に楽しんでくれている様子を目にしたとき、本当に感動したんですよね」
自分が制作したパンフレットを持って、大勢のお客さんがまちを歩いたり、建築を見学して写真を撮ったり。ボランティアスタッフも笑顔でおもてなしをしてくれて、建築の所有者さんまで笑顔になる。
頑張りが報われる瞬間なのだろうな。

神戸というまちへの、大切な想いも教えてくれた。
「大阪に住んでいたのですが、神戸で建築士をしていた父に連れられ、10歳のときに阪神大震災の現場を見に行ったんです。煙が上がっていたり、建物が潰れていたり。まだ生々しい状態でした」
「今、仕事で神戸に通うようになって『ああ、あの状態からここまで復興したんだな』と。神戸に呼ばれた、というか。根底に流れている神戸愛みたいなものは、当時の体験から来ているのかもしれません」
メンバーはそれぞれ業務委託で関わっているため、基本的には各自で仕事を進めて、リモートでやりとり。関西のメンバーは週に1度、京都オフィスに集まっている。

「困ったことがあれば、早めにヘルプを出すのが大事です。自分のタスクだけじゃなく、周りはどんな状況だろう、この先どうなるだろうと考えて助け合う。木も森も、どちらも見られる人は合っていると思います」
基本的なPC操作はもちろん、こまめに報告・連絡・相談をすることが大切。自分で考えて動ける人でないと難しそうだ。
「午前中は広報の仕事をして、午後は建築の担当者に企画説明をするなど。仕事によって頭の使い方がまるで違うため、切り替えるときは、ベランダに出たりチョコレートを食べたりして気分転換しています」
最後にオンラインで話を聞いたのは、まいまい東京でまち歩きツアーの企画・運営を担当している鈴木さん。
アウトドアやカルチャー系雑誌の編集者・インタビューライターの仕事を経て、まいまいに入社した。
「当時転職する気はそこまでなかったのですが、偶然日本仕事百貨の記事を読んで。現場で誰かの知見に触れられるのってやっぱりいいなと」

「コロナ禍を経て、直接現地へ足を運ぶことの大切さを実感していたタイミングでした。いろんな人といろんな場所に行きたかったんですよね」
フリーランスの時期と会社員だった時期、どちらもあるので、フリーランス同士が集まる業務委託での働き方に違和感はなかったそう。
1年前に入社して以降、まち歩きツアーの企画や運営で、いろんな場所を訪れている。
「昨年リリースした吉原遊郭の跡を辿るコースは、ちょうど大河ドラマの舞台だったこともあり人気で、すでにリピート開催しています。噺家さんがガイドとなって、貴重な元料亭を見学。落語も楽しめるんですよ」

「いつか行ってみたいなあと憧れていたり、少し興味があっても、きっかけがないと行けない場所って、たくさんあると思うんですよ。そこに行って、参加者さんとともに新たな発見やおもしろさを分かち合えるのが、この仕事の一番のよろこびですね」
実際の仕事はどんな感じでしょう?
「現在まいまい東京では年間700本ほどのツアーを開催しています。人気で何度も開催している定番コースもあれば、新しくガイドになっていただきたい方とツアー企画を相談をして新規で立ち上がるコースもたくさんあります」
「連載があったり、季節に合わせた特集を組んだりと、雑誌編集にも似たイメージです」
各専門家と打ち合わせして、当日のガイド内容を考える。どうしたら魅力的なコースになるか、どのようなタイトルや写真が参加者さんにとって魅力的に感じてもらえるか検討する。
それはまさに、編集者のような仕事。
「実際に編集の仕事を経てまいまいに入ったメンバーも何人かいますし、異業種からの転職も大歓迎。どんなスキルであっても活かせると思います」
「逆に言うと、どんなスキルでも掛け合わせてフル活用せざるを得ないくらい、やることの多さは未知数で、容易なものではないかも(笑)」
ガイドさんたちは、庭師や考古学者、廃線マニア、芸人さんに地元の主婦など、ユニークなメンバーばかり。
「ガイドさんの個性に合わせた柔軟な対応も大事です。ツアーに帯同するときは、さまざまなお話が聞けるのですごく勉強になりますよ」

まち歩きも建築も、知れば知るほど楽しくなる。
「好き」という気持ちが、貴重な文化や歴史をつなぐ力になる。
あなたのドキドキやワクワクを、この場所で活かしてみませんか?
個性豊かなメンバーがお待ちしています。
(2026/02/27、03/13 取材 今井夕華)


