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雑談から生まれるしごと
越境が
TOOLBOXをつくっていく

「それ、しゃべればよくない?」

田中さんがそう言ったとき、思わず笑いそうになりました。

同時に、ああ、たしかにそうだなとも思いました。

会社が大きくなっていくと、役割が分かれる。効率のために、仕事は切り分けられていく。

結果として、切り分けた仕事と仕事のあいだに「これは、自分がやるべき仕事なのだろうか」といった迷いが生まれる場面が増えていく。

必要に応じて分業しながら、壁をつくらずコミュニケーションし続けるために、組織はどうあるべきだろう?

TOOLBOXは今まさに、そんな問いに向き合っています。

TOOLBOXは、建築業界のプロも使う建材をオンラインで販売している会社。

サービスがはじまってから16年目。DIYブームもあり、ビジネスは大きく広がりました。

今回募集するのは、人事総務とシステム企画。

人事総務はその名の通り、人事を中心にバックオフィスを担います。システム企画は、WebサイトのシステムやUIUXの企画・改善、データや業務フローを横断しながら、事業や現場を支える役割です。

あわせて、クリエイティブデザイナーも募集します。

 

東京都豊島区、目白駅から歩いて10分ほどの場所にTOOLBOXの本社兼ショールームはある。

TOOLBOXはこれまで何度か募集記事を担当したことがある。地図を見ずとも、街並みの記憶だけで到着できた。

入り口に、カタログと手書きのPOPを発見。ほどよく力が抜けた温かみがあるのが、TOOLBOXっぽさだなと感じる。

1階は建材が並ぶショールーム。

インターホンを押すと、人事総務担当の田中さんが迎えてくれた。2階の会議室に移動して話を聞く。

「今でこそバックオフィスですけど、最初は設計施工で入ったんですよ」

田中さんは、そう言って少し笑う。

入社したのは9年前。当初は、現場でバリバリ施工をしていた。

今でも、現場スタッフのマネジメント担当として現場に関わることもあるのだとか。

「こんなキャリアは描いていなかったですね(笑)。自分のなかではおもしろいなと思ってます」

もともとは代表の荒川さんが16年前にはじめた事業。

壁の色や床の素材から、ドアノブやシンク、細かな金具などのパーツまで。お客さんが自由に選べたら、本当に満足できる家がつくれるんじゃないか。

そんな想いがきっかけではじまった。

会社はこの数年、順調に成長中。

売り上げは右肩上がりで、ECサイトのリニューアルや、大阪に新たなショールームをつくるなど、事業も拡大している。ここ2年で社員数もぐっと増えた。

ただ、その変化から課題も生まれている。

「今は46人くらいスタッフがいて。組織の『50人の壁』、とか言ったりするじゃないですか。その壁に直面しているんです」

少人数では成り立っていたコミュニケーションの不全や、組織の硬直化が表面化してくるのが、50人の壁。

ベンチャーらしい勢いと、ものづくりをおもしろがる職人の気質があり、社内の風通しもよさそうな印象を受けるTOOLBOXも、例外ではなかった。

「人数が増えたことで、一人ひとりとコミュニケーションしたり、横のつながりをつくったりする機会が減って。お互いのことをよく知らないまま、一緒に仕事をしている、みたいな感じになってしまっているんだと思うんです」

とくに感じているのは、「チーム内で完結してしまう」こと。これまでは、チームをまたいだ相談や協働が当たり前に起きていた。

「組織としてかたちになっていくなかで、スタッフそれぞれがほかのチームに直接相談することなく、マネージャーを通してコミュニケーションすることが増えてきて」

「そうなると、メンバー同士での会話が減ってしまって、いざ相談したいとなったときに相談できなくなってしまったり、相手の立場に立って協業したりすることが減ったんだと思うんです」

たとえば、ショールームでの出来事。

お客さんが来店して、スタッフと話をする。建材を見て、工事の相談まで進む。

以前だったらその場で工事の具体的な話まで進めていたけれど、なぜかそこで話が途切れてしまった。

「工事相談は担当の者から連絡するので、ウェブページからお問い合わせくださいって案内していたんです」

「お客さんにとってはすごく手間じゃないですか。なんで今話したのに、もう一回ウェブで文章打たなきゃいけないんだって。伝えるスタッフ自身も違和感を感じながら伝えていて」

その話を聞いた田中さんは思わず「それ、社内でしゃべればよくない?」と一言。

たしかにその通りですよね。

「こういうことがあちこちで起きているんだと思うんです。採用とか広報とか、外向けに働きかける仕事も大事だけれど、社内の関係を円滑にする内向きの仕事も、これからさらに大事だと感じています」

新しく入る人に期待したいことの一つは、こうした小さな違和感を拾い上げること。

「今、社員はみんな基本リモートワークなんですが、私はなるべくオフィスにいるようにして、みんなの顔色を見ています。なんか体調わるそうとか、ずっと眉間に皺が寄ってるな、とか」

「たとえば残業している若手の人に、最近大丈夫?って聞くと、ちょっと今パンパンでやばいんですよね、みたいなことが返ってきたりするんです」

理由は複数の人から仕事を任されていることだった。その状況を直接見て、先輩たちが情報を共有していれば、もっと早く改善できたんじゃないかと田中さん。

「どこにでも問題は起こり得る。だから、仕組みが必要なんだと思うんです。線引きをしつつ、これまでのように柔軟に境界を横断する。両方の仕組みが必要で」

今は、どちらかといえば境界を横断するきっかけが足りていない。

チーム関係なく雑談ができる場づくりもそのひとつ。

人となりを知らないと、話しかけづらい。すると、仕事のうえでも連携が生まれにくくなる。

好きなことや最近気になるトピックスなど、仕事とは少し離れた話題で交流できる機会をつくるのはいいかもしれない。

「雑談じゃなくてもいいんですよ。味噌づくりしたい人集まりませんか、とかね(笑)。うちで働いている人はそういうことに興味がありそうだから」

大きな会社を真似して仕組みをガチガチにつくるのではなく、小さい規模だからこその柔軟性を活かして働きやすい環境をつくりたい。それが人事総務としてこれから力を入れること。

「よく話しているのが、クリエイティブ総務、クリエイティブバックオフィスでいたいよねって」

クリエイティブ総務、ですか。

「そう。なんでも型にはめて考えるんじゃなく、自分たちらしい在り方ってなんだろう、というところから考える」

「自分たちの頭で考えることを放棄せずに、考えて企画して、解決していく。それがTOOLBOXらしさなのかなと思います」

 

「そう言われると、僕の仕事も似ている気がしますね」

となりで聞いていた、システム企画チームの平山さんも話を続ける。

2021年に日本仕事百貨の記事がきっかけで入社した平山さん。

自宅をDIYしたことがあり、TOOLBOXのことは以前から知っていた。

「ニュアンスっていうのかな。ここのエンジニアの在り方がちょうどいいなと思ったんですね」

当時考えていたのは、「ひたすらコードを書き続けるエンジニアである必要があるのか?」ということ。

「コードを書くのが得意で好きな 人は山ほどいる。僕は多分そうではないんだろうと気づきはじめていたんだと思います」

「だからといって、今まで培った技術や知識をなかったことにするんじゃなく、興味のある事業にどう活かすか。社内だけでなく外の人や業界に対してどうtoolbox的に解決するか。そういう考え方のほうがおもしろそうだなと」

もともとは旅行代理店に勤めていて、エンジニア以外にドライバーの経験も。

いろんな分野の仕事に興味があるそう。

「僕、ほかのチームと話したいというか(笑)、どんどん越境したいタイプなんですよ」

「許可を取ってほかのチームのミーティングに参加したり、施工チームのお客さま相談会に同席して、建材とか建築の知識を勉強したり」

雑談のなかから課題を見つけ、自分ごとにしている。たしかに、田中さんの話にも通じるスタンスだと思う。

「施工チームのミーティングに出たあとに、商品の原価を取得するツールをつくったんですよね。正式に頼まれたかは覚えてないんですけど。それはめっちゃ喜ばれました」

きっかけは、ミーティングやちょっとした雑談のなかでの一言。それを自分なりに解釈し、必要な形でアウトプットする。

人事総務とシステム企画で役割は違っても、求められることは似ている。

「スキルを高めることにはリスペクトがあるんですが、個人的な思いとしては、つくりたいものがないなかでスキルを高めることにあまり興味がもてなくて」

「やりたいのは、技術の先にあること。自分がモチベーション高く、興味を持てる事業に対して力になりたいっていう気持ちですね。TOOLBOXの『自分の空間を編集するための道具箱』ってコンセプトはおもしろいと思ってます」

ECサイトのカート機能をアップデートしたときのことも印象に残っている。

TOOLBOXのサイト機能の肝であるオーダーシステム。商品の長さや素材など、さまざまな要素を選択してからカートに入れる仕組みだけれど、その複雑さゆえにUIや受発注の部分で改善点が多かった。

たとえば、建材のECはサイズなど選定する仕様が多い一方で、見積もり段階ではそれらが確定しておらず、仮でサイズを入れることも珍しくなかったそう。ただ、以前はカートに入れた商品のサイズをあとから変更できず、一度削除して入れ直すしかなかった。

「改良して、カートの中でサイズなどの仕様とかを変更できるようにしました。これはいろんなチームから要望もあったし、個人的にも不便だなと思っていたことだったんですよね」

「これを改善したときは社内だけでなく工務店の人からもめちゃくちゃ反響がありました(笑)。みんなすっごい喜んでくれて」

もう一つ、平山さんが活躍しているのが、オリジナルのZINEづくり。

有志の3人チームで、DIYの記録などをまとめた冊子をつくった。

「中身も書くし、紙も選んで。印刷して裁断してホチキスで綴じるところまで、全部自分たちでやったんです。夕方くらいになったら、ガシャンガシャンって音が社内に響いてました」

「ショールームと、いくつかの書店に置いてもらっています。イベントにも今度出るんですよ」

もちろん会社も許可していること。TOOLBOXには、そういったことを自由に任せる土壌がある。

ほかにも具体的な業務として、人事総務は採用計画の立案や、研修の企画運営、社内環境の整備など。

システム担当は、受発注管理SaaSなどの基幹システムの管理・改善や、KPI分析のためのデータ基盤の作成、オンラインショップへのデータ連携や業務フローの最適化など、多岐にわたる。

近年導入したSaaSを使いながら、よりお客さんに近い接客ができるような仕組みを、戦略部分からつくっていきたい。

それぞれ基本業務もあるなかで、社内の関係性をよりよくしていきたい。

「人と人のあいだに立つ。違う言語を話す人同士をつなぐ。そういう意味では、人事総務とやっていることはおなじなのかもしれません」

 

最後に、田中さんに聞きました。TOOLBOXで長く働く人の共通点はなんでしょうか。

「なんかね、持論をみんな持ってる感じはするかな」

持論?

「自分の関心領域においての深さが、めちゃめちゃ深い。そして、話し合いの場とかでも自分の意見をしっかり言うし、それがあることで、おもしろいね!って思ってもらえるので」

「持論って、型にはまっていなければいないほどいいと思うんです。そのほうがおもしろくなる可能性が高いと思っていて。受け身じゃなく、自分の考えをちゃんと伝えられる人に来てほしいですね」

会社が大きくなると、分業やコミュニケーションの希薄は避けがたくなります。

それでも、ほかのチームのことを知ろうとする。人に興味を持つ。自分だけじゃなく、ほかの人の仕事をおもしろがる。

TOOLBOXは、みんなでつくることを編集し続ける会社だと感じました。

(2026/04/17 取材 稲本琢仙)

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