コラム

ちゃんと言葉にする。
【働く人たち編】

a-worksの代表・野山さんは「とにかく問うてくる」。一緒に働く人たちもその癖が身について、日々の仕事にも変化が起きています。

このコラムは、「どうありたいか?」という問いを手がかりに、一緒に働く人との信頼関係を強くしてきたa-worksという会社のお話。その後編です。

前編からお読みいただくと、よりストーリーがわかりやすいと思います。


a-works株式会社でアカウントプランナーを務める四角さんは、入社して4年目。以前は大手の証券会社で、資産運用の新規営業をしていたのだそう。

ー まったくの異業種ですね。どうして、この会社に転職したんですか。

資産運用の新規営業って、「損をさせる可能性のある商品も販売しなければならない」ビジネスモデルになっていて。もっと、みんながよくなるような仕事ってないのかなと思っていたときに、この会社に出会いました。

企業のビジョンとして「関わるみんなをゆたかにする」っていうことを掲げているのもマッチしたし、成果報酬型広告っていう仕組みなら、クライアントに損をさせることはない。お客さんと同じ方向を見て仕事ができると思いました。

だけど最初のころは、本当に仕事ができなくて。僕の至らなさが原因で、クライアントさんから契約を切られてしまったことがあるんです。それで、社長と、直属の上司と話し合いの場を持つことになって。

これは、めちゃくちゃ怒られる!と思ってかなり身構えていたんですが、契約終了したっていうことはまったく責めずに「どうやったら、よくなるかな」「あなたは、どうしたい?」って言われて。

ー 状況が状況だけに、泣いちゃいそう。

実際に泣いていました。そのときに、ああ、すごく向きあってくれる人たちなんだなって感じました。

その後は、目的や現状を確認しあって、そのための課題は何か、それをクリアにするためにまずやるべきことってこれだよねっていう実際のアクションまで決めました。

そういうふうに道筋を一緒に考えられるのは、たぶん相互理解があるからだと思うんです。お互いに、何を目指している人かを知らないと、どうしても「あれをしてくれ」っていう指示になってしまう。それだと、それぞれの力を100%発揮するのは難しいと思うんです。

ー 会社から与えられた役割を果たすだけではなくて、個人の考えを尊重する文化があるんですね。

今思えば、当時はそもそも成果報酬型広告って何?っていうところからのスタートだったし、僕自身、ただ広告枠を売るだけの仕事をしていたのかもしれません。a-worksは広告代理店だけど、いまは、広告を売っているわけじゃないと思っています。

大切なのは、商品やブランドのことを本当に必要としているメディアや消費者とつなぐこと。アカウントプランナーの役割は、そのためにクライアントやメディア、それぞれの目的を把握して、関わるすべての人のビジネスをちゃんと成功に導くことなんだと思います。

忙しいとつい、クライアントの言葉をそのままメディアに伝えるだけになって、自分の頭で考えずに仕事をしてしまうんですが、やっぱり「そもそも、何を目的としているんだっけ?」って考える時間は大事。そのための余力が大事だと思っています。

ー 目的と余力。さっき、野山さんからも同じ言葉を聞きました。普段からみんなで確認しあっていることなんですね。

そうですね。今a-worksの体制は、リモートワークでフルフレックスなんですが、それでもすれ違いなく仕事ができている。それは、お互いに信頼があるからだと思います。みんなで会社をよくしようって思っていて、自分のことだけを考えている人はいないと思う。

以前はどちらかというと、自分の能力や専門性を高めたいっていう気持ちが強かったんですが、この会社に入ってから、自分一人でできることはすごく限られているんだなってわかって。

人と助けあう組織のなかで、自分の目的を成し遂げようって思えるようになったのが、一番の変化ですね。

ー 今後は会社としてアフィリエイト広告以外の分野にも挑戦するかもしれないとのことですが、四角さんはどう思いますか?

僕自身は変わっていくことをすごくポジティブに思っています。世の中の変化に合わせて、クライアントやメディアが求めることも変わっていくと思う。それに対応するには、新しい挑戦は欠かせないと思うので。

個人としても会社としても変わらないと生き残れない。そういう危機感や認識は会社のメンバーみんな持っているんじゃないかと思います。そういう雰囲気があるというのも、この会社の好きなところです。


四角さんの言葉には、ちゃんと納得して働いている実感がこもっている。

「ちゃんと言葉にする」という取り組みをはじめてから、2年足らずで、こんなに息が合うようになるってすごいなあ。

だけど、みんな仲が良いからこそ、違う意見を言いにくい場面はないのだろうか?

そんな疑問に答えてくれたのが、続いて紹介する太谷(おおたに)さん。四角さんと同じアカウントプランナーで、入社して間もなく丸3年になるという。

ー 太谷さんは、どうしてこの会社を選んだんですか。

本当に入社するかどうかは内定が出てから決めよう、くらいの気持ちでした。それで最終面接に来て、野山から「内定と一緒に宿題を出します。今の職場に絶対に迷惑がかからない方法で辞めてから、うちに来てください」って言われたんです。

それを聞いて、絶対にこの会社に入ろうって決めました。私がいた会社の事情まで考えてくれるのはすごく誠実だし、自分もそういう環境で働きたいなと思ったんです。

ー かなり深いレベルで、個人個人と向き合うことを大切にしている会社ですよね。「どうありたい?」っていう質問とか。

そう!それ、すごく聞かれるんですよ。私、今まで考えたこともなくて。最初は、答えを探すのが苦痛だった(笑)。

だけど、最近聞かれたときは「一年のうち7月8月まるまる休みを取って、沖縄でずっと過ごしたいです」って答えました。そしたら野山が「ええやん!」って。

ー ええやん…!全肯定ですね(笑)。

そう。野山は、どういう意見を言っても否定しないし、自分の考えを押し付けないんです。それがわかってから、なんでも素直に話せるようになりました。

だからといって、わがままを言うようなメンバーはいないと思います。自分が言ったことには責任が伴うとか、チームや会社全体を考えて意見を言いなさいっていう前提があるから。逆にこちらが「常識的にこうでしょ」って決めつける言い方をすると、「え、なんで?」
って聞かれるので。

ー とにかく問う。その連続なんですね。

社長がすごく問うてくるので(笑)、みんなそれが身についていて。

ー この春からリモートワークがはじまったそうですね。

リモートワークに移行してほしいっていう提案を最初にしたの、私なんです。

コロナの感染拡大があったとき、別に気にしないっていう人も結構いたんですが、私はやっぱりちょっと不安に感じていて。いろいろ世の中の状況を調べた上で、提案をしたら「わかった、じゃあやろう」っていうことで、そこから1週間くらいで実施に至りました。

ー すごいスピード感。やってみてどうでした?

むしろ生産性が上がってきて、今後も継続的にリモート体制でやることになりました。うちの会社には相性が良かったみたいです。人の目がないからってサボったりするメンバーもいないし。

会社からノルマ管理をされるような働き方ではない、というのも関係あるかもしれない。KPIは、クライアントと自分との間で握るものっていう。

たとえば、私はあるアパレルの案件を持っているんですが、プロジェクトがはじまるときに、目的やスケジュール、数量、広告表現で注意しないといけないことなど、細かい質問項目をダーってスプレッドシートにまとめて送るんです。

何かを言われたときに曖昧に「わかりました」って言うんじゃなくて、「それは何のためにやるんですか?」って必ずコミュニケーションをとります。

ー 普段社内で交わされている「どうありたいか?」の問いにも似たスタンスですね。

そうですね。クライアントにとっては「楽じゃない代理店」かもしれません。だけど、そうやって常にお互いに確認しながら動くので、途中ですれ違いは起こりづらい。

a-worksでは「正しく伝えて、正しくわかる」っていうふうに、コミュニケーションを定義していて。同じ用語でも企業によって捉え方が違ったりするので、「この言葉の定義って、これで合っていますか?」って確認します。

調整がうまくいくから、結果が出てくる。私が担当している案件、今は導入時の倍の売り上げが出ているんですよ。

ー アフィリエイトの事業は順調そうですが、今後はそれ以外の分野にも挑戦しようという話もありました。

ああ…。インターネットの領域はどんどん進化していくし、自分たちも変わらないといけないとは思います。頭ではわかっているんですが、私はちょっと保守的なので不安もあります。

不安だっていうことは野山にも正直に言っています。そしたら「どこが不安なん?」とか、「どこが解決できたら、ポジティブに思えるの?」って聞いてくれるんです。「こうやから、こうやねん」って押し付けられることは、まずありません。

野山はおそらく、数字以上に社員の気持ちのことを大事にしているから、それを置き去りにして何かがはじまることはない。納得できるまで、何回でも、何時間でも話してくれると思います。

それに、やりたくないと感じる理由さえ解消できれば、案外、前向きな気持ちになれたりするんですよね。

ー 心配の芽を、小さなうちに摘んでおける。話してみようと思える。それが大きな信頼感につながるのかもしれませんね。

私、一緒に働いている人の口から「この会社が嫌い」っていう話を聞いたことないんです。みんな会社の体制に納得しているから、誰に聞いても、会社のことをポジティブに話すんじゃないかと思います。

だけど、やっぱりベンチャー企業だし、いろんなものをつくっている途中なんですよね。失敗もあるし、人事評価の体制も、何期もかけて改善し続けている。

私は、そういう「答えがない」っていうことを、批判しないようにしようと思っています。すべてが用意されている環境ではないので、これから入社してもらえる方も、試行錯誤してつくりあげることを一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

ー a-worksの新人採用フローには、面接だけじゃなくて、スタッフと食事をするとか、みんなと一緒に働いてみるっていうプロセスがあるんですね。

私は採用の面接官ではないから、私たちに問われているのは、一緒にやっていけるかっていうことだと思います。

「自分の全然あずかり知らぬところで採用された人」ではなくて、「自分も採用のプロセスに携わった新人さん」だから、困っているのを他人事にしておけない。

私は会社の人たちのこと、半分友だちみたいに思っていて。リモートワークをしていて久々に会うと「ああ〜!」って、うれしくなる。社長はすごく忙しそうだけど、隙あらば飲みに誘いたいと思っているんですよ。

ー 本当に、会社のことが好きなんですね。

仕事なので、結果が出なくて苦しいこともあるけど、会社のことは好きです。あとメンバーのことも。今、そう思える環境にいることがうれしいです。


まずは問いかけてみる。言葉にする。

チームの信頼を深める方法論としては、珍しいものではありません。ただ、a-worksの場合は、それをとことんやれるように制度まで変えてきたという点に独自性がある。だからこそ、短期間で会社の雰囲気を変えることができたのだと思います。

a-worksのこと、野山さんのこと。さらに詳しくお伺いした11/19のしごとバーの様子もぜひ映像でご覧ください。

(2020/10/14 取材 高橋佑香子)
※撮影時にはマスクを外していただいております。



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