2023年6月から2025年4月までシゴトヒトで働いていた槌谷さん。
「自分らしさを育てられる会社・チームをつくりたい」という思いを持って入社し、マネジメントについて考えるゼミを企画したり、社内のルールづくりに携わったりと、さまざまな業務を担当しました。
現在は、ワーキング・ホリデー制度を活用して、アイルランドで生活しています。
前回のインタビューから3ヶ月。
あらためて話を聞いてみると、彼女自身の仕事に対する価値観の変化を感じました。
日本での当たり前が、アイルランドでは全然違うということが、日々のなかで起きているそうです。
槌谷はるか:
香川県出身。新卒で入った会社で採用支援に携わり、採用や会社のあり方に疑問を持つ。自分らしさが育つ会社づくりをしたいと考え、2023年にシゴトヒトに入社。FC部でクライアントへの提案や社内制度の設計、新規企画の立案・運用などにかかわる。 2025年に退社し、長年の夢だったワーホリに出発!今はアイルランド生活を楽しんでいます。
ちょっと前まで、結構しんどかったんです。
働いているカフェのヘッドシェフがすごく良い人で。
いつも分からないことがあったりミスをしそうになったりすると助けてくれるのですが、そのシェフが休みを取ることになって。
その間にすごく忙しい日があって、私が英語を聞き取れず迷惑をかけてしまい、少し空気が悪くなったんです。
しばらくは、ちょっと沈んでいましたね。
でも最近、ようやく晴れの日が増えてきて、少しずつ元気になったんです。
そこではじめて、自分が思っていた以上に、天候に影響を受けていたことに気づきました。単純だけど、大事なことだなって。
カフェで働いていて感じるのは、アイルランドの人は雑談が好きだということ。
同僚もお客さんもよく話しかけてくれて、「その服いいね」とか、「今日はラブリーな天気だから外に出なきゃと思ったの」とか、自然に会話が始まります。
でも、この雑談を英語でするのが難しい。
日本語だったらもっといろんな言葉で気持ちを伝えられるのに、今はハッピーとかサンキューでしか伝えられなくて。
ハッピーをもっと噛み砕いて、50通りくらいの表現ができるようになりたいって思います。
心の中ではいろんなことを感じて、考えているのに、それを伝えられないのがもどかしいんです。
もしかすると、周りの人たちは私のことを、なんも考えていないハッピーな人って思っているかもしれないし(笑)
今は言葉に頼れないからこそ、相手の発言の背景を知っておくことが、チームで働くうえですごく大事だなと感じています。
なんでこうしたんだろうと思ったことは、あとで聞くようにしているし、最近は本やポッドキャストを使って、いろいろな国の歴史を勉強しています。
相手の考えや気持ちを知る手がかりが少しでも欲しくて。
特に日本と大きな違いを感じているのが、職場でのコミュニケーションです。
アイルランドでは、忙しいときでも、「これ違うと思う」とか、「こうしたほうがいいんじゃない?」とか、思っていることをはっきりとその場で言う人が多いように感じます。
意見をちゃんと言うことがチームワークだと、みんな思っているんじゃないかな。
日本だと、今はちょっとやめておこうとか、あとでタイミングを見ようって考えることも多いと思うんですけど、そういうのがあまりないんですよね。
この前のクリスマス前も印象的で。
日本の年末年始のような感じで、長いお休みを取る人が多いんです。
私の働いてるカフェはクリスマスイブの前日、23日までオープンしてたんですけど、「なんでこんな日まで働かなきゃいけないんだ。休みにするべきだ!」って、1人のスタッフが言い出して。
すごく忙しかったのに、そんなことお構いなくボスに主張するんです。
そのときは、仕事が落ち着いてから言えばいいのにと思ったけど、それくらい自分の時間や権利を大事にしているということなんですよね。
仕事も大事だけど、それがすべてではないから、納得できないことは伝える。
文句を言っているように聞こえるかもしれないですが、働いているなかで感じるのは、わがままというより、自分の権利を守る感覚に近いということです。
日本にいたときは、関係性ができてからじゃないと意見を言いづらいと感じることもありました。
でもこっちは意見を言うことが前提になっている。
だから、「言っていいかどうか」を考えること自体が、あまりないんですよね。
思ったことは伝えて、議論する。
それが当たり前の価値観としてあるから、職場の人間関係や相手の気持ちを心配しすぎなくていい。
それも、すごく興味深い気づきでした。
こうやって、自分の権利を守りながら、家族や自分の時間を大切にしている人たちに囲まれて生活していると、人生における仕事の優先順位を考えるようになります。
日本のほうが、仕事と人生が一体化しているのかもしれません。
私もそういう考えが強かったんですけど、家族とか友達との時間もたくさんほしいなって、素直に思えるようになりました。
周りの気持ちを勝手に慮りすぎていたことに気づいて、いまは少し肩の力が抜けたように感じます。
(2026/03/23 取材 長島遼大、デザイン 髙橋初香)