コラム

新年のおたより
2020 謹賀新年

みなさま、新年あけましておめでとうございます。

いつもは「日本仕事百貨ニュースレター」として、毎週水曜にお届けしているメールマガジンを、新年バージョンとしてご覧いただくことになりました。

おいしいものを食べて、こたつでゆっくりしながら。はたまた、お仕事の合間のひと時に。

それぞれの時間で、楽しんでいただければ幸いです。

 

新しい年を迎えました。2020年です。世の中は56年ぶりに東京で開催されるオリンピックに向けて、熱を増していきそうです。さて、ぼくらシゴトヒトは…。いくつか新しいことを仕掛けていく年になります。

ひとつは、地域ライターの仕組みづくり。日本仕事百貨の記事を書きつつ、農業をしたり、コーヒーを淹れたり、宿を経営したり。そんな生き方の人を全国に増やしていく試みです。地域ライターが東京にやってきた際には滞在してもらえるよう、リトルトーキョーの5階を改装。編集長・中川、ここに住みます。

そしてもうひとつは、合同説明会。スーツは脱いで、自然のなかで。採用したい企業の人も、新たな一歩を踏み出したい人も、焚き火を囲みながら、そのままの自分で出会えるような場をつくります。こちらは秋ごろの開催になるでしょうか。ほかにも大小あれこれ、仕込んでおります。

本年も、どうぞよろしくお願いします。

(中川晃輔) 

 

もう一年近く前の話になってしまいますが、2月末、富士山麓のホールアース自然学校のみなさんのもとへ遊びに行ってきました。

自然の成り立ちや仕組みを解説するインタープリテーションや、トレッキング、キャンプなど、自然を切り口にさまざまな活動をしているホールアースのみなさん。一昨年の秋にインタビューをさせてもらってからのご縁で、「よければ遊びにきてください」というお言葉に甘えて、スタッフを引き連れておじゃましました。

樹海を歩いたり、洞窟を探索したり。夜ご飯にいただいた鹿肉のジビエも、畑で収穫した野菜を使って焼いたピザも、本当においしかった。自然のなかで遊ぶってこんなにワクワクするんだ!と感じた1泊2日でした。

なにより、これだけ豊かな時間を一緒に過ごしてくれたホールアースのみなさんに心から感謝しています。

写真は洞窟前でのワンショット。隣にいるのは編集長の中川で、見るたびに「本当に楽しかったんだなあ」と笑ってしまいます。

2019年もたくさんのすてきなご縁をいただきました。2020年はどんな出会いがあるか、今から楽しみです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

(遠藤真利奈)

 

こんにちは。リトルトーキョーでイベント担当をしている今井です。

たまたまネットで見つけたのですが、イギリスに「好奇心は猫を殺す」ということわざがあるそうです。

「好奇心のままに行動していては、命がいくつあっても足りないよ」「過度な好奇心は身を滅ぼすよ」という戒めらしく、私にぴったりの言葉すぎてビックリしました。

いろんなことに興味があって、よくいえば愛嬌がいいけど、悪くいえば八方美人になりかねないところとか。なにかに夢中になりすぎて、どっと疲れちゃうところとか。好奇心の強さがあるからこそ、身を滅ぼす方向に突っ走っちゃう感じ……。とてもよくわかります。

好奇心のボリュームをうまくコントロールして、うまく共存できるといいんですけどね。そのバランスが難しい。

もともと「好奇心」は親近感の湧くキーワードの一つでしたが、それにしても、「ことわざ」がこんなに身に染みることがあるなんて。もはや「私は猫だったのかあ」と感情移入すらしています。

余談ですが、先日蕁麻疹が出て皮膚科に行ったところ、蕁麻疹の原因とは関係なく、猫アレルギーが判明しました(笑)。アレルギー検査、たしか6000円くらいで色々見てもらえて、けっこう面白かったですよ!

(今井夕華)

 

新年明けましておめでとうございます。

昨年、スタッフを引き連れて熊手を買いに酉の市へ。

「今年度の熊手はお前さんに決めた!」と、おやっさんに声をかけ順番をまつ。

なんやさっきから隣が騒々しい。(ザワザワ)

なんのこっちゃとふり向くと、真っ黒なスーツに身を包んだ御一行の中に、ちらりと見慣れた顔。

「!!!!」

こちらさんは、かの有名なすしざんまいの木村社長じゃぁないですかい!

テンションが上がるミーハーな我らスタッフ一同。

巨大な熊手の真ん中には、お多福でも、えべっさんでもなく、社長とマグロの写真。(さすがだなぁ~)

こりゃ、あやかって商売繁盛だわいなぁ、なんて話していたら、恐れ多くもすしざんまい御一行の後に、三本締めをしてもらうというミラクルが起きた。

2020年。
こりゃなんともご利益がありそうだ!

(ごはんや今日 高橋 拝)

 

新年といえばおせち料理。ですが、私にはもうひとつ好きな食べものがあります。

七草粥です。

松の内の最終日、1月7日。無病息災を願って食べる、春の七草を入れたおかゆ。

青くささが故にけっこう好き好きありそうですが、私はあの香りが、自然の恵みを食べている感じがしてすごく好きなんですよね。

長野の実家にいた頃は早起きして、祖母と一緒に畑から七草をとってきて、一緒に刻んでつくっていたなあ。 七草囃子をうたいながら、包丁2本でバタバタとたくさんの葉っぱを叩いて刻んで。

〜七草なずな 唐土の鳥が 日本の土地へ 渡らぬ先に あわせてバッタバタ〜

家族6人で食べるようにおおきな土鍋でおかゆを炊いて。

そんな記憶が、より一層おいしく感じさせているのかもしれません。

働きはじめてからはなかなか食べなくなっていましたが、一昨年からは、「ごはんや今日」で年はじめの定食として、毎年七草粥を食べています。

今年はやるのかな、七草粥定食。 2020年もみんな健康で、毎日おいしくごはんが食べられますように。

(黒澤奏恵)

 

あけましておめでとうございます 。日本仕事百貨でバックオフィスを担当している後藤です。

清澄白河のリトルトーキョーで働く私の楽しみのひとつは、日本各地の取材から戻った編集メンバーのみやげ話を聞くこと。

たとえば、粋な先生のような楽器職人、おせっかい焼きのやさしいおばちゃん、子ども心を忘れない自然案内人、一風変わった地方公務員…。記事には載らないこぼれ話にも、それぞれの編集者の「人」に対する視点が感じられて面白いんです。

今回は、その一部をみなさんにもお届けしたいなと思い、編集者たちに2019年の取材で特に心に残った「ことば」について聞いてみました。

声をかけたのは、機転の利いた言葉選びが得意な高橋佑香子と、昨年9月に入社した前向きな努力家の鈴木花菜です。

 

「旅館って楽しいんです。普段は全然縁のない海外の人とかでも、素の顔が見られたりしてね。パーティとか交流の場で会うのとは違うんですよ。たとえば…オレンジの皮の剥き方とか、ゆで卵の割り方とか普段わかんないじゃないですか」
喜代多旅館 / 濱井さん「その人生経験、かいます 生まれ変わる旅館とわたしの時間」より

高橋:濱井さんは3代続く旅館の女将さんで、ご自身も旅館のなかで育ってきた方なんです。旅館の仕事の大変さも知りながら、どうして旅館業を継いだんだろうと思って聞いてみたら、出てきたのがこの言葉。

鈴木:私はその方に会ったことがないけど、人となりが伝わる言葉ですよね。

高橋:「人とのコミュニケーション」みたいな答えを想像していたので、意外で。ちょっとした仕草にも気がつく濱井さんの視点はサービスにも生かされているし、たぶん、人の面白いところを見つけるのも得意な方なんじゃないかと思って。

鈴木:私はまだ一人で取材に行くようになったばかりなので、今は会社や仕事のことを聞くので精一杯だけど、その人となりまで感じ取って、ニュアンスを伝えていきたいなと思います

高橋:編集者の想像では書けないような、正真正銘この人から出た言葉みたいなのってあるよね。

記事ではこのあと、濱井さんが自分の会社のことを「劇団みたいな」って表現する。それ、もはや求人とは全然関係ないけど、絶対記事に入れたいと思って、そこにすごい情熱を…(笑)。

鈴木:その切り取り方も、佑香子さんらしさが表れていますよね。私も、自分なりに面白いと思う部分を見つけるつもりで、取材を楽しんでいきたいな。

高橋:鈴木さんが選んだ次の言葉にも、人となりが表れているよね。

 

「尾崎さんと一緒にキッチンにいたときのことを思い出したら笑ってしまいました(笑)。尾崎さんってすごく面白い人で。冗談ばっかり言うんです」
DO TABELKA/河合さん 「心地いい毎日の おいしいごはん」より

高橋:これ、どういうシチュエーションで出てきた言葉なんだっけ?

鈴木:河合さんは、一汁三菜の定食を提供するお店「DO TABELKA」の料理長で、話に出てくる尾崎さんっていうのは、メニュー監修を担当した料理研究家の方。河合さんに「どんなことを教わったんですか?」って質問したら、突然笑い出して(笑)。

高橋:笑い出す(笑)。和食のテクニックとかじゃなく。

鈴木:私も、料理へのこだわりの話になるのかなと想像していたから、予想外で。でもそういう話が出てくるよりも先に、まず笑っちゃう。その関係性ってすごくいいなと思ったんです。

高橋:一緒にいて楽しかったんだろうな。職場の雰囲気が伝わってくるリアルな反応だね。

鈴木:河合さんに料理について話してもらうと、返ってくる言葉はとてもシンプルで、どう記事にまとめようかって考えていたんだけど、このときは河合さんの人間らしさが引き出せておもしろかったです。

高橋:写真もすごくリラックスした表情だしね。

鈴木:やっぱり、その人らしさとか、働く人たちの仲の良さとか、感じられるとうれしくなります。自分が感じた柔らかい雰囲気を、記事でも伝えられるよう心がけました。仕事のありのままを紹介するって、こういう部分を伝えていくことも大切になるのかなと思うんです。

(鈴木花菜 高橋佑香子 後藤響子)

 

 

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