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心地いい毎日の
おいしいごはん

「なんとなく、居心地がいいんです」

今回は、そんな言葉によく出会う取材でした。

日々多くの時間をすごす職場。自然体でいられる、居心地のいい場所であるというのは、ふわっとしているようで、実はすごく大切なことのような気がする。

日本人が古くから大切にしてきた「一汁三菜」の考えをもとに定食を提供している、カフェ&キッチン DO TABELKA(ドータベルカ)

ライフスタイルショップの、CLASKA Gallery & Shop "DO"が手がける「食」のお店です。今回はここで働くキッチンスタッフと、ホールスタッフを募集します。

どう食べるか、どう働くか。

そんな問いに、やわらかく向き合っている人たちだと思います。


東京・日本橋。

東京メトロ三越前駅の改札を出て、地下階から直結している商業施設「コレド室町3」へ。

2階に上がると、エスカレーターのそばにCLASKA Gallery & Shop "DO"のお店が見えてきた。

産地の器や洋服など、生活雑貨を扱うショップの奥にあるのが、今回取材させてもらう、DO TABELKA。入り口には、食堂らしい白いのれんがかかっている。

平日の15時すぎ。店内には、遅めのランチをゆっくりと楽しむ人の姿がちらほらと見える。


端の席を借りて最初に話を聞いたのは、料理長の河合さん。

チキン南蛮に、鯖の干物、野菜をたくさん使った二十四節気定食。どのメニューにも野菜がたっぷりと使われているよう。

栄養バランスや無添加の食材、酵素玄米など、体にいいものにこだわってつくられているんですか。

「定食スタイルの、ご飯に合う食事。それ以外は自由ですね。体にいいもの、という意識はありつつ、あんまりとらわれないようにしています。体質は人それぞれだと思うから、美味しいことが一番です」

「からだが喜ぶ、ちょっと贅沢な定食」をテーマに、2014年にオープンしたこのお店。

メニュー監修を担当したのは、精進料理やケータリングなどを多く手がけてきた料理研究家の尾崎史江さん。

オープン当初から働いている河合さんは、はじめて尾崎さんの料理を食べたときのことをこんなふうに話してくれた。

「お膳のなかに、かぼちゃの煮物があったんですよ。ぼくはそれまでかぼちゃがあんまり好きじゃなかったんですけど、一口食べてみて『かぼちゃってこんな味だったっけ』と驚いて」

「素材の味が濃いんです。砂糖と塩だけで煮ていて、余計な調味料を入れていない。シンプルな家庭料理で、ここまで美味しさを追求できるのは面白いなあと思って」

もともとはイタリアンの料理人だった河合さん。醤油など、日本の調味料で味を整える定食を本格的につくるのはここが初めてだったという。

「だから枠にはまらずメニューを考えられるのかもしれません。和食の基礎を大切にしながらも、お客様に美味しいと思っていただけるように工夫やアレンジをしていいと思っています」

たとえば、2年前から始めた二十四節気定食は河合さんの考案によるもの。

二十四節気というのは、「立春」や「冬至」など、四季よりも細かく季節を表している暦のこと。

「あまり意識したことはなかったけど、和食をやるのなら、日本人の感覚を大切にしたいなと思って。二十四節気を料理に取り入れられないかと考えたんです」

この日のメニューは、「秋野菜のビビンバ」。二十四節気でいうと今は「秋分」にあたるらしい。

キノコなど秋を感じられる食材も使いながら、夏の名残を抱えた体調に合わせて、生野菜もたくさん入れたんだとか。

「昔の人が考えた暦なので、今の季節と少しずれてるところもあって。だから、二十四節気を指標にしながら、現代の季節の感じ方に合わせたメニューをつくっていきたいなと思っているんです」

クリスマスが近づくと、なんとなく洋食が食べたくなる。それなら、12月の後半にはハンバーグを出してみよう。

旬の美味しい食材を使ったメニューがある一方、そんなふうに、気分に合わせてメニューを考えることもある。

プライベートで参加した食のイベントや、人からの紹介で出会った食材をお店で使わせてもらうことも。「越田商店の鯖」や「甚五右ヱ門芋」など、こだわっておいしいものを作っている生産者さんとの繋がりを大切にしている。


お店をオープンして5年。

これまでは河合さんが中心となってメニューを考え、お店を育ててきた。CLASKA Gallery & Shop “DO”とDO TABELKA のディレクターを務める大熊健郎さんや、料理家の尾崎さんから今も受け継いでいることはありますか。

「受け継いだこと…」

しばらく考え込んだ後、突然笑い出す河合さん。

「ごめんなさい、尾崎さんと一緒にキッチンにいたときのことを思い出したら笑ってしまいました(笑)。尾崎さんってすごく面白い人で。冗談ばっかり言うんです」

「そのキッチンの雰囲気は、今でも受け継いでいるところかもしれない」

仕込みの時間も、黙々と手を動かしていくより、たびたび笑いが起きるような雰囲気なのだそう。

「たまに、笑い声が大きすぎてホールの人に注意されます(笑)。ぼく自身、楽しく仕事したいし、居心地のいいところが好きなんですよね。ストレスもできるだけないほうがいい」

河合さんは、どんな人と一緒に働きたいですか。

「こういう人じゃなきゃ、っていうのはあまりなくて。たとえば家族って、性格は結構違う人の集まりだったりするけど、なんだかんだ一緒にいて居心地がいいですよね。そんなふうに、いろいろな人がいていいと思っています」

居心地のいい雰囲気の中でつくられた料理。DO TABELKAの美味しさは、働いている人たちの笑顔も、味付けのひとつになっているのかも。


ホールで働いている人たちはどんなふうに感じているんだろう。続いて話を聞いたのは、ここで働きはじめて4年目になる金沢さん。

みなさんお揃いの洋服なんですねと伝えると、「これはショップでも売っている『ヂェン先生の日常着』という台湾のデザイナーさんの服で、一枚ずつ手染めされているんですよ」と、立ち上がって見せてくれた。

まずはホールスタッフの1日の流れについて聞いてみる。

「ホールの仕事は、シフトにもよりますがお店がオープンする2時間前からはじまります。店内の掃除など、お客さんを迎える準備をして、ランチの時間帯に備えて。日によっては、14時過ぎまでお客さんが並ぶこともあります」

「そういうときこそ『何名さまお待ちです』とか意識的に声を出して、盛り上げるようにしています。誰かがミスをしても、私やるねってフォローし合うとか」

キッチンもホールも、みなさん明るく働いている印象があります。

「そうですね。忙しいときにミスをしてもピリピリとした空気になることはありません。私がお茶をこぼしても、誰かが『もう〜』って明るく拭き直してくれたり」

もともとアルバイトからスタートした金沢さん。3年前からは、正社員として勤務日数を増やして働いている。

金沢さんのようにアルバイトから正社員にキャリアアップしたり、ライフステージに合わせて勤務日数を調整したり、働き方は柔軟に相談できるそう。

今働いているスタッフの方も、バイトを掛け持ちしていたり、フリーターや主婦の方がいたりと、年齢や働き方はさまざまなんだとか。

キッチンとホール、どちらが自分に合っているのか、悩んでいても構わないとのこと。両方の現場に入ってみて、自分に合った働き方を選んでいくこともできる。

「正社員になってからは、発注や事務作業などいろいろ業務を任せてもらえるようになって。後輩に仕事を教えるようになって、今まで気づかなかったことが見えてくるようになりました」

「DO TABELKAは大きなチェーン店ではないということもあって、細かなマニュアルはないんです。だから、新人さんからの何気ない質問が、一つひとつの業務をみんなで再確認するきっかけになることも」

これから入る人も、どんな接客がいいのか先輩を見て自分から学んだり、疑問に思ったことをどんどん質問したりできる人がいいのかもしれない。

「分からないことを伝えてくれると、私も勉強になります。季節に合わせたドリンクのメニューを考えるのもホールの仕事なので、一緒にアイデアを出してもらえたら嬉しいですね」

話を聞いているうちに、お茶やスイーツを楽しむ人に加えて、ちらほらとディナータイムのお客さんがやってくる時間に。


すると、「これ、賄いのようなものですけどよかったら」と料理長の河合さん。

料理の話が出るたびに、思わず美味しそう…と言っていたのを聞いて、野菜をたっぷり使った副菜の盛り合わせを用意してくれた。

プレートの説明をしてくれたのは、ホールスタッフの西村さん。

「緑色の葉っぱはパクチー。こっちの黄色い野菜は、かぼちゃの仲間で、生でも食べられるコリンキーです」

独特な香りが苦手という人も多いパクチー。私も少し構えながらいただいてみると…、美味しい!

パクチーの香りが、別の野菜と組み合わさることでマイルドになっている。これ、大葉が入っているんですか?

「そうですね。パクチーをほかのものと和えると、こんな味わいになるって驚きですよね。この野菜同士を組み合わせると美味しいんだって、お店で覚えたことを夕飯の参考にすることもよくあるんです」

一汁三菜という家庭料理の基本から生まれたメニューには、普段の暮らしでも活かせることがたくさんある。

もともと健康や美容に興味があり、DO TABELKAの食事に魅力を感じて働き始めたという西村さん。店内では、お茶の淹れかたや味噌づくり、盆栽などさまざまなテーマのワークショップを定期的に開催していて、その運営を通じて学ぶことも多いという。

これから入る人も、自分の興味関心をもとにワークショップを企画運営していくこともできるそうだ。

「お店で人気のある、『飛龍頭』を家でつくったこともあるんです。がんもどきを自分でつくろうなんて、きっとここで働いていなかったら思いつきもしなかったな」

働く人にとっても、いろいろなことが吸収できそうですね。

「刺激をもらっています。プライベートでもシェアキッチンを借りてご飯会を開くようになりました。コミュニティの場をつくることにも興味が出てきて、いつかカフェをやってみたいっていう夢もできたんです」


こんなことやってみたいな。

その思いを受け止めてくれる環境があるから、安心して自分の気持ちを言葉にできる。一人ひとりの考えを大切にすることで、より心地いい職場がつくられていく。

そんな空気感はお店全体にも広がって、お客さんにとっても居心地のいい空間が生まれているのかもしれません。

どう食べるか。そんな問いに対して、素直に美味しいと感じるものを、心地いい空間で食べませんか?というひとつの答えを提案するような仕事だと思いました。

(2019/10/03 取材 鈴木花菜)

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