ゐ処のできるまで
2022/4/18

4月18日 月曜日

開業は秋とはいえ、日に日に暖かくなってゆくのと比例して、じわ〜と焦りのようなものを覚えはじめた頃・・・

やらなくちゃいけないことは色々あるんだけども、まずやってみたのは「なんで店をやるのか」といったことを、もういっぺん根こそぎ掘り返してみること。

昔読んだ本やら綴っていた日記、卒業文集に実家のアルバムまでをもひっぺり出す。はたまた、好きな映画を観返してみたり、くちゃくちゃになったメモ書きなんかも読んでみた。

そうして手元に見えてきたのは、ただ人間らしくいたいということ。

例えば、ゐ処が「お洒落ですね」とばかり言われるような店になったとしたら、ちっとも面白くないなあと思う。

そんなことよりも、なんと言ったらよいか「悪たれ口もたたける店にしたい」と考えている。

つい見てくれを整えたくなるところ。なんでもスマートに穏便に済ませられたらいいけれど、暑ければ汗は出るし、堪えたところで涙や鼻水だって垂れてくる。

嫌いな人はどうにも嫌い。「善い人なんだけどね」とせっかくの美味い酒を薄めるような真似はしないで、そうやって「今は嫌い!」と言ってみるのもいいんじゃないか。

各々、気取らなくても馴染んでゆく場ができていったら、長いことゐ処を続けられるだろうか。

そうなったらもう嬉しいな。

(佐原 真理子ゐ処 Instagram)

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『ゐ処のできるまで』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で飯屋を構えるまでの日常を綴った日記です。