ゐ処をひらく
2023/12/25
12月25日 月曜日
ふうと胸を落ち着かせながら綴る。
ゐ処の一年を振り返ることは、うんと前からこの先までを憶う(おもう)ようなものだから。
此処でコラムを書き始めたのは、およそ4年前。
その頃はまだ店をやろうと具体的に考えてもおらず、その間にも八ヶ岳、京都、小笠原諸島、岐阜と仕事も居所も転々としてきた。
そう考えたら、そんな自分が一つの事、土地に留まり、鶏が飼えるくらいには落ち着いたこと自体がびっくりだと思う。

秋にはゐ処は一周年を迎え、店主として商っていくことにも馴染んできた。
今日まで試行錯誤は絶えず、取捨しながら変えたことが沢山ある。
けれども、ゐ処のコンセプト「日常でよろしい. 」という根は曲げなかった。

温かい茶すら啜ることも出来ないほどに追われ、健康や衣食住を無下にすること。誰の為にしているのか、わざわざやりがいをこしらえないと身体が動かないようなことはしたくない。
なんでも限りがあるものだし、あまりいっぺんに得ようとしなければ、時に涙が出ちゃうような日があっても最後はきっと面白い。
日常でよろしい. に、そんな考えを込めている。

ゐ処をはじめてから、ようやく色んなことの辻褄が合ってきたように感じる。
たとえ姿形は変わっても、今居る場所で今やれることを続けていけたなら、それが一番だなあと思う。
『ゐ処をひらく』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で開業した飯屋『ゐ処』をいとなむ日常を綴った日記です。
現在はメールマガジンの一時配信休止に伴い、おやすみ中。新しい形でお届けしていけるように準備しています。楽しみにお待ちいただけたら幸いです。