山のサハラさん2020/5/6
5月6日 水曜日
山小屋で休暇を過ごす。
下山するにも、緊張感を携えながらの移動となるし、東京の実家へはまだ帰るには早い。
小屋番は普段から、月のほとんどを山の中で過ごします。おいしい珈琲が飲みたくなってもカフェには行けないし、仕事上がりに一杯やろうと酒場に寄るなんてのは、まずできないこと。
だから、楽しみの自給。この頃は、そればかりを考えている。例えば、まかない飯は何がいいだろう?三度ある食事は、常なるテーマです。
小屋番それぞれに得意なことがあって、時折お互いにもてなすような時間が生まれる。
歩荷をする者に、道中で食べてもらえるようにと、おにぎりを握って持たせたり。誰かがパンを焼いたなら、それはちょっとしたニュースになる。
今晩は、山小屋の厨房がカクテルバーに。ここは酒好きな小屋番の出番です。
水はないけど、酒はあるね。そう笑って、むずかしいことから離れてみる。
けれどもどうだろう。それは、いいのか、わるいのか。
明日になってみないと分かりません。
「山のサハラさん」は、日本仕事百貨のメールマガジンから生まれたコンテンツ。全国を旅するように働く佐原真理子さんが綴る日記です。