山のサハラさん
2020/6/1

6月1日 月曜日

しばらく休業していた山小屋。いよいよ、本日より営業再開です。

夏季、あの富士山にある山小屋の十数軒が、一斉休業をするという驚きのニュースがありました。そんな中、一部ではあるけれど、いち早く開山となった八ヶ岳。

その八ヶ岳で、自分が小屋番をしていること。今日はなんだか、特別に思います。

標高2,000m超えの山岳地という特殊な環境で、どのようなコロナ対策をとっていくか。ガイドラインなどの情報を元に、手探りの状態が続いています。

水や電気が限られ、消毒用のアルコールなどの物資をヘリコプターや歩荷で運ぶとコストも掛かる。部屋が個室となっているホテルや民宿とは違って、山小屋では個室は珍しい。大部屋に布団を並べて休んでもらうことが一般的なため、三密になりやすいこともネックです。

まずは、マスクの着用や消毒の徹底から、宿泊人数を減らして人と人との距離を保てるようにするなど、ありとありゆることを見直しています。

自粛が解除され、つい先日は1ヶ月ぶりに山を下りた。
家族や友人とも、やっと再会することができ、それはそれは嬉しかった・・

一方で、別の離れた場所に居て、まだしばらく会えない人もいる。本当は一番に会いに行きたい、私にとって大切な人です。

今日も仕事中、会いたいなあ、とつい悲しい顔をしてしまう。すると、同じ小屋で働く仲間が、同じように悲しい顔でこちらを見ていた。

小屋の仲間とは、出会ってからまだ2ヶ月足らず。それなのになぜか、彼らには家族や友人にも言わないような心の内を話すこともあるのが不思議です。

新たにスタートを切ったこの八ヶ岳に身を置けていること、笑ったり怒ったりしあえる山小屋の小屋番たちと仕事と暮らしを共にしていることに、感謝したい。

会えない時間にモヤモヤしたり、コロナが心配される中での営業再開に不安を抱いたり。そんな気持ちになっていたけれど、小屋番仲間たちのおかげで、おーしとまた起き上がることができました。

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「山のサハラさん」は、日本仕事百貨のメールマガジンから生まれたコンテンツ。全国を旅するように働く佐原真理子さんが綴る日記です。