山のサハラさん2021/7/12
7月12日 月曜日
雨が降ったり霧がかかったり、ぱっとしない天気が続いている。
さらには、今年も開山祭やイベントは中止。登山者もまばらな中、それでもただ小屋番たちに会おうと山道を歩いて来てくれる人がいます。
それは、昔からの常連さんだったり、山以外で知り合った人や、友人だったり。自分たちは山小屋に居るだけなのに、色んな人と再会できることの有り難さ。
今週は、冬に小笠原で一緒に働いていた会社の仲間が遊びに来る。わざわざ小笠原から来てくれるなんて、もはや奇跡かよと思ったりする。
だから、嬉しい気持ちを料理にして、一緒に食べようと楽しみにしています。
けれどもこの間、そんなもてなし料理をめぐって小屋番仲間と一悶着あった。
その名も「一枚のモモ肉事件」
こちらが問題となったモモ肉です・・
この前、滋賀から会いに来てくれた人たちがいました。旨いものを食べてもらいたくて、スペシャルメニューでこしらえたメイン料理に、一人一枚の鶏モモ肉を使ったのです、が。
小屋番仲間に「歩荷してる貴重な肉、しかもムネ肉じゃなくてモモ肉!丸々一枚使うなんて!」と怒られてしまった。
す、すみません・・・
その夜悶々と考えてみたけれど、たしかにモモ肉はムネ肉の倍くらいの値段だし、歩荷は体力も時間も使う。
あとは商売である以上、売上も考えないといけない。
だけど、数字に表せるものや効率だけで全部測れるのかなあ。結局、その夜は眠れませんでした。
鶏モモ肉一枚で、こんなに考えることがあるとは。
まだまだ自分にとっては未解決事件です。
「山のサハラさん」は、日本仕事百貨のメールマガジンから生まれたコンテンツ。全国を旅するように働く佐原真理子さんが綴る日記です。