山のサハラさん
2021/9/20

9月20日 月曜日

久しぶりに書く日記。変わらず、ぼちぼち小屋番やってます。

季節は巡り、八ヶ岳はもうすっかり秋。ここ2ヶ月は、海の日だ山の日だとお客さんで賑わっていたのだけど、わたしはせっかく山に居るのに悩み多き日々でなんだか勿体なかった。

悩みというのは、職場でのことだったり、これから先の自分自身のことだったり。

11月頭の小屋閉めと共に、わたしは5シーズン勤務してきた山小屋を退職するのです。

そんなこんなで、転職どうしよう、暮らしはどうしようと毎日考えていた。最初は、今年も美山で茅葺きと、小笠原では無人島料理人をしたいと思ったり。

他にもずっとやってみたいことの一つだった、青ヶ島で塩づくりの仕事ができないかと検索したりしていました。

そんな中、福岡で船の中で暮らしながら船員達の賄いをつくるという、これまた面白そうな仕事を新たに見つけ、履歴書を送って面接を受けようとしていたところに、待った!と別の話が舞い込んだ。

それは、ひっそりと同時進行で探していた、飲食を主とした店を開業するための空き家を人から紹介してもらったことです。

その空き家は滋賀にある古民家で、もともとは酒蔵だった場所だそう。だから、屋号も酒屋という。

自分が想像していた店の雰囲気とは違ったけれど、すでに厨房設備が揃ういわゆる居抜き物件でスタートが切りやすい。

美山も、小笠原も、青ヶ島も、福岡も、全部行きたいし、やりたい仕事です。
けれども、まだ自分には力が足りないとビビって遠ざけていたことが、本当は一番やりたいことでした。

よし、自分で賄い屋さんをやってみよう。

もうすぐ山のサハラさんではなくなってしまう寂しさはありつつも、決めたことで様々なことが動き始めた。

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「山のサハラさん」は、日本仕事百貨のメールマガジンから生まれたコンテンツ。全国を旅するように働く佐原真理子さんが綴る日記です。