取材の寄り道
大阪・森ノ宮編

3月の半ば、自分にとって初の遠方への取材で訪れたのは、大阪の森ノ宮。関西にルーツがある自分にとっては、なんだかうれしい出張。

少しドキドキした気持ちで向かう途中、ある出来事が。新大阪駅のエスカレーターで右側に乗っていると、うしろから慌ただしく上がってきた人にどかっとぶつかられ、あげく舌打ちの置き土産。

これがよく言う関西と関東の「エスカレーター右か左問題」なのか…。でもここ大阪やし右に乗ってたしなんでそうなるん!?と思いつつ、気づいて道をあけなかったのも悪かったかもと思いつつ…。

些細なことで絡まったものが、なかなかほどけない。そんなとき、つい自分の狭量を責めてしまう。旅先でそんな経験をした人もいるのではないでしょうか。

取材を終えてふらっと向かったのが、大阪城公園。お城を眺めながらベンチでぼーっとして、いつもと違う空気と音を贅沢に感じる。

匂いや雰囲気も違うし、歩きたい犬をよそにベンチでしゃべり倒しているおばちゃんたちの関西弁も、なんだか心地良い。

帰りがけに食べたうどんも、だしが澄んでいてめちゃうまい。関東のつゆもそれはそれでいいんだけど、やっぱり自分はだしが沁みる。

些細なことで絡んだものは、意外と些細なことでほどけたりする。それもまた旅先の醍醐味なのかもしれません。

ありがとうおばちゃんとうどん…と思いながら帰路に着く、そんな初ひとり遠方取材なのでした。

(2019年3月に掲載した株式会社長川仁三郎商店の求人取材時の寄り道です)

 

三重県出身。北海道での大学生活と実家の手伝いを経て、5ヶ月ほど前に入社。散歩と銭湯に行くことが好き。はじめての東京暮らしに戸惑いつつも、銭湯がいっぱいあることはうれしかったりする。最近のマイブームは一口羊羹です。