求人 NEW

心を込めて

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

子どものころ、友だちの家へ遊びに行くとたくさんの発見があった。

夕飯のおかずの数が多いなあとか、おばあちゃんと一緒に暮らしているんだなあとか。

いろんな家があって、いろんな暮らしがある。

そんな多様なかたちに応えながら、収納家具を通じてよりよい暮らしをデザインする仕事の募集です。

galleryshuno01 大谷産業株式会社は “生活収納家具”専門のメーカー。

和歌山の本社・工場を拠点に、東京・銀座と大阪・御堂筋で直営店『ギャラリー収納』を展開しています。

今回は東京のお店で働く収納プランナーを募集します。ほかにも、法人営業やwebデザイン・編集、リノベーションの担当スタッフも募集するので、気になる方はぜひ読んでみてください。


東銀座駅のA1出口から歩いてすぐの場所。

8階建てビルの1階に『GALLERY収納』銀座店がある。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 扉を開けると、入り口の近くは土間のような空間。奥のほうにはカウンターキッチンがあり、まるで玄関から部屋の中を覗いているような感じだ。

ただ、ちょっと普通の部屋とは違うみたい。

天井につながる壁がほとんどなく、家具だけで空間が分けられている。

galleryshuno03 テレビの前に置かれているのは、畳のソファと机を組み合わせた見たこともないような家具だ。

「お父さんはテレビを見ながらゴロゴロして、お母さんは夕飯の準備をして… どこの家もそんなふうに暮らしていると思うんです」

「従来の型通りの部屋ではなくて、壁ではなく家具で間仕切りするという発想で、その家族ごとにぴったりなプランができる。暮らしにもとづいた家具の提案なんですね」

そう話すのは、代表の大谷さん。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA これは「P-system」といってキッチンコーナーやレストコーナーなど、様々なユニットを生活に合わせて空間に配置できるパネルシステム。

空間を構成するのに家具を置くだけで済むから、たとえ生活が変化しても自由に移動したり、組み合わせたりできる。

大掛かりな工事は必要なく、リノベーション向けに企画した新シリーズ商品だという。

「うちは50~60代のお客さまにいらしていただくことが多いです。郊外の戸建てに住むよりも、インフラが整った都心のマンションで暮らしませんか、と提案できないかなって」

P-systemは今年6月にできたばかりで、大谷さんは自社でリノベーションを受注したり、現在マンションデベロッパーに売り込むことも考えているそう。

「いつか自分たちがデベロッパーになってマンションを建てるところからやってもいいなってね。そうやって家具をベースにして、お客さまが自分に合った暮らしができるようなことをご提案しています」

「日本の暮らしをよくしたい。そう思っているんですよ」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 大谷産業が創業したのは1973年。もともとは学習机や裁縫台といった家具をつくる製造卸メーカーだった。

業界でいち早く最新の生産システムを取り入れると、高品質でありながら価格を抑えた家具を細かい規格で生産できるようになった。

まるで1点もののようにセミオーダーできる家具を打ち出すと、造作家具のように部屋にフィットした仕上がりでありながら、工事が必要なく置き家具のように設置しやすいと大好評に。

さらに東京に直営店を開くことで、お客さんのリアルな声を拾い上げながら商品の改良を進めていった。

そうしてできあがった商品シリーズは現在6種類。ボックスタイプのシステム収納『Fシリーズ』は1988年から続く主力商品で、なんと10万種類以上ものアイテムを36種類の塗装から選ぶことができる。さらに1㎝刻みのオーダーも可能だ。

galleryshuno06 そしてもう一つ、大谷産業の商品には大きな特徴がある。それは実際の暮らしにもとづいてデザインされているということ。

「日本という国は、すごく住環境が特殊だと思うんです」

「時代が変わって西洋に憧れを抱くようになってから、畳だった暮らしから一気に変わっていった。それで衣服も食べものもすごく豊かになっていったのに、住まいだけはずっと貧相なんですね。たとえ1億円のマンションに住んでいても、残念だなあと思うお家がけっこう多いんですよ」

どんなに質やデザインがよくても、超高級な海外ブランドの家具が自分の暮らしに合うのかはまた別の話。

海外の人の大きな体格に合わせて規格されたり、天井が高く広々とした部屋で映えるようにデザインされたりしているので、日本の暮らしにはちょっと不格好かもしれない。

そこで大谷産業ではすべての家具のサイズを見直し、176cmを基準に設計。普通だったら片開きにするような扉も2つに分けて観音扉にしたりと、実際の使いやすさにこだわっている。

またデザインにも力を入れ、置くだけで部屋にアクセントがつくような家具や、大切なものを美しく飾れる家具など、単にものをしまうだけでなく暮らしを豊かにするような家具を提案している。

galleryshuno07 使い勝手だけでなく暮らしのことまで考えた収納家具って、なかなかないのかもしれない。

「なんでここにコンセントがあるんだとか、この壁すごく使いにくいなっていう部屋が世の中にはたくさんあるじゃないですか。家具と建築ってすごく近いのに、どうしてそうなるんだろうって」

「だから逆に、私たちは家具側から建築を考えているというか。“住む”とか“暮らす”という観点からお客さまにご提案差し上げているんです」


単に商品を説明するのではなく、よりよい暮らしができるように提案するのが収納プランナーの役割になる。

今度は門脇さんに話を伺った。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 門脇さんは今年で入社12年目。収納プランナーを経て、現在は法人向けの営業を担当している。

門脇さんに聞くと、お客さんはふらっとお店に寄ったという人や部屋の平面図を持って来る人、以前購入した家具に合わせて追加したいというリピーターなど様々だという。

どんな人でも、まずはじっくりその人の話を聞くことからはじまる。

「子ども部屋のどこにベッドと机を置いたらいいのかとか、買いたい家具が最初から明確に決まっているというよりは、お部屋のレイアウトからご相談いただくお客さまがとても多いですね」

「ただ、レイアウトを決めるには家族構成やご自宅でのお過ごし方を詳細にお聞きする必要があります。お子さまが勉強されるのは毎日何時間くらいなのか、寝る時間はいつなのか、ご夫婦のベッドは一緒なのか。そういったところまでお話しいただくんです」

galleryshuno09 また、お客さんの要望をそのまま鵜呑みにすることはない。

たとえば、ものが多い人はよく「奥行きのある収納がいい」というけれど、長く使うことを考えたら、すぐに出しやすい浅い収納のほうがいいのだとか。

大きなスピーカーを収納したいといっても、それに合わせて家具をつくったら大きくなりすぎて値段も上がってしまう。別の場所に置くことを提案することもあれば、コンパクトかつ高性能な新製品に買い換えてみることを提案する場合もあるという。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA ただ、片付けや家のことって、けっこうプライベートな事柄だと思う。実際に、最初はなかなか素直に話してくれないお客さんもいるそうだ。

ときには、亡くなったばかりのご家族の遺品を片づけたいという相談もやってくる。

どれを残して、何を捨てるのか。お客さんの決心がつくのを待ちながら、2年がかりで家具をつくったこともあったという。

代表の大谷さんは「人生相談みたいだよね」という。

無理に買わせるようなことはせず、ちゃんと納得できるように話を進めていく。たとえ最後は購入に至らなくても、それでいいという。きっとまた必要になったときに思い出してくれるだろうから。

次に来るときは、以前担当した収納プランナーに直接会いに来てくれることが多いそうだ。

そんな瞬間が一番うれしいと、収納プランナーの細羽見(ほそばみ)さんは話す。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 細羽見さんは今年で入社2年目。以前はホテルに新卒から勤めていた。

「そのころは毎日大勢の人と関われるのがよかったんですけど、もうちょっと一人ひとりと向き合えるような接客がしたいなって。インテリア好きな母の影響もあって、家具とかいいなと思っていたときに、ここを見つけました」

入社したら、まずは商品を覚えることから。1週間の研修の後、先輩について回り、お客さんの相談に同席したり、現場の採寸に行ったり。1ヶ月ほどで一通りの流れを覚えていく。

細羽見さんは、採寸のためにお客さんの家に上がるのも最初はすごく緊張していたけど、だんだんと慣れていったそう。今はちょっとした引き出しや扉だったら自分で調整できる。

「私は世帯を持っていないので、最初は子どものいる生活がよくわからなかったです。友だちから話を聞いてみたりして、イメージがつくようにしていましたね」

galleryshuno12 お客さんに寄り添った提案をするためには、いろんな暮らしが想像できるのはもちろん、いろんな話や悩みを受け止められる人のほうがいいという。

お客さんの年齢層も高いため、若すぎる人には向かないかもしれないと、ほかのスタッフの人たちは話していた。

「私はまわりを見れたりとか、気遣いのできる人だといいなと思います。ホテルでの経験がここで活きているなと感じるので」

また、ひとつの家具を納めるまでのすべての工程を自分ひとりが管理することになるため、スケジュールも自分のこともきちんと調整できる能力が求められる。

建築やインテリアの仕事をしていた人なら即戦力になるだろうし、不動産やデベロッパーで働いていた人ならリノベーション向けの新商品『P-system』で活躍できるかもしれない。

galleryshuno13 女性が多い職場だけど、男性でも大丈夫。

ここ最近、出産や旦那さんの転勤などで急にスタッフが減ってしまったため、代表の大谷さんは会社をもっと働きやすい環境にしようと、契約の形や勤務体系も柔軟に考えていくそう。

お客さんに寄り添い、家具を通じてよりよい暮らしを提案する。

それは単に接客して販売することより大変だろうけど、目の前の人にもっと多くのよろこびを届けられる仕事だと思います。

(2017/10/25 森田曜光)

おすすめの記事