求人 NEW

まちの変化を感じて

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「世の中の変化って、いろんなところに現れると思うんです。道路ができることや、新しい携帯が発明されることも変化ですよね。そのなかで自分が一番変わっているなっていうのを実感できるのが、人と人がコミュニケーションをとって、新しい交流が生まれることなんです」

人と人の関わりから、少しずつ地域の雰囲気が変わり、まちづくりははじまっていく。今回紹介するのは、そんなことを体感できる仕事です。

株式会社花咲爺さんズは、イベントの企画運営を中心にまちづくりに取り組む会社です。特徴的な社名は、“まちに花を咲かせる”“枯れ木に花を咲かせるような奇跡を起こす”という意味を込めてつけられました。

まちに賑わいをつくるため、イベントの企画から関係者との調整まで幅広くディレクションするまちづくりプランナーと、実際のイベント制作を行うイベントプランナー、プランナーを支えるアシスタントを募集します。

品川駅からバスで約10分。川沿いに見えてくる大きな倉庫のなかに花咲爺さんズのオフィスがあります。

貨物を運ぶような業務用の大きなエレベーターで4階へ。リノベーションされたオフィスで、代表の加藤さんが迎えてくれました。

社内には業務委託のスタッフも多く、比較的自由な働き方ができる。事務所に常時いるのは2名ほど。

今は都内の仕事が中心で、全国から声をかけてもらうことがあっても、人が足りなくて受けきれない状況なんだそう。

まだ社員も少なく、設立2年目の若い会社。

今回は加藤さんにじっくりとお話を伺うことにしました。

大学院では社会学を専攻していたという加藤さん。

まちづくりに興味はあったものの、最初の就職先はイベントの制作会社だった。東京モーターショーや大規模なコンサートの運営、街頭でチラシやティッシュを配るような企業の販促プロモーションまで、さまざまな経験を積んだ。

「イベントってやっぱり非日常というか、特別な場所という感じがあるんです。でもまちづくりは日常的に出会いの場や、そこに繋がる機会をつくっていく。その日限りのものではなくて、そういう“場”をつくること自体がおもしろいなと思いました」

その後、まちづくりを手がける株式会社クオルの業務委託社員に。個人事業主として請けていた仕事が軌道に乗り、2016年7月に法人化した。

なかでも品川シーズンテラスのエリアマネジメント事業は、法人化前も後も変わらない仕事の軸になっているという。

品川シーズンテラスは、花咲爺さんズの事務所から歩いて5分ほどのところにある複合施設。

広大な芝生の広場と約1万4000人が働くオフィス、近隣にはおよそ5万人が暮らすタワーマンションが立ち並ぶ。さらに、オリンピックに合わせて2020年には品川と田町の間に新駅が仮オープン、2023年には大規模な道路の再開発の予定もあり、今後大きな変化が予想されるエリアだ。

「いろんなものが変わっていくなかで、どう住みよい形にしていくか、地域の人たちと一緒に同じ方向を目指していく枠組みをつくるか。この施設を基点にできることを考えはじめました」

季節やニーズに合わせて、年間のイベント計画を事業者さんと話し合う。計画が決まると、具体的にイベントの企画・提案を行い、合意を得たら制作に入る。

近隣への聞き取り調査をした結果見えてきたのは、「直行直帰のまち」という少し残念なキーワードだった。

「本当に、“働きにくるだけのまち”という意見が多かったんですよね。夜遊ぶなら別の場所にいくし、アパレルのファッションビルでもあればよかったのにという声もありました」

さらには、ソニーやキヤノン、マイクロソフトなど名だたる企業が集結しているものの、その資源を活かしきれておらず、大量の人が行き来する朝のラッシュ時は、住民との関係もぎくしゃくしていた。

「全てがいきなり変わるとは思っていません。だけど今ある資源を活用したり、交流する場を設けたりすることでまちをポジティブなイメージに変えていきたいと思いました」

加藤さんが担当した企画の一つに、住民とワーカーが一緒になって楽しめるハロウィンイベントがある。

「六本木でやっていたハロウィンイベントをここでやってみたい」「子どもたちが昔から参加していて、その時期になると毎年帰ってくるようなお祭りをつくりたい」

そんな港南口ワーカーの一言から、企業や地域に住んでいる人たちが企画し、実行委員会が立ち上がった。暮らす人と働く人が交流でき、地域を盛り上げていくには何が必要か、夜な夜な打ち合わせをしたという。

当日は企業で働く人がバンド演奏をしてくれたり、仮装した子どもたちがパレードしながらシーズンテラスまで練り歩いたり。

夜には、広場に設置した巨大スクリーンで映画を上映する「品川オープンシアター」と連動した企画も行いました。

「ゆるく個人がつながることに加え、企業の担当者同士が出会って新しいビジネスがはじまるということもありました。何かきっかけがあったときに、地域の人で集まれるような関わり合いがつくれたんじゃないかと思います」

エリアマネジメントという言葉にはスマートな印象を感じていたけれど、ここまで聞いていると地道な調整や準備が大切な仕事だと思う。

大変なこともあれば教えてください。

「イベントもまちづくりもやろうと思えばどこまでもできるので。いろんな人の想いを集めていくといいものができるけど、あまりにも集めすぎるとパンクしそうになることがあります」

ときには、自発的にやりたいことがあがってこない場合もある。まずは流れを生むために、自分から積極的に仕掛けることもあるといいます。

「こんなことできないですか?とひたすら提案してみたり、接点をなんとか探って巻き込むこともしていますね。最終的にはとにかく対面で話をすることを心がけています」

何がその場所に合うのかは、やってみないとわからない。

どんなに可能性がなさそうでも、直接会って一から説明すると、本気度が伝わって協力してくれることもあるそう。

「だめになった企画もたくさんあるんですけどね(笑)。めげずにいくっていうのが大事だと思います」

「はじめた頃はまったくいなかった知り合いが一気に増えたんです。ハロウィンはみんなが納得する形で今も続いているし、あのときいろんな人を巻き込んだからこそ、つながりも早くできていったんじゃないかな」

ここにいる人すべてがお客さんであり、場を一緒に盛り上げる仲間でもある。密な関係で仕事ができるのは、この仕事のやりがいでもあるといいます。

シーズンテラスのエリアマネジメントは今年で3年目。今では企業同士で新たな取り組みも生まれている。

「芝生の広場を活用した、アウトドアオフィスという取り組みも本格化してきました。昼は開放的な広場にテントをはって、そのなかで仕事ができて夜はビアガーデンになる。防災の啓蒙に活用したいという話も出ています」

新しく入る人は、加藤さんに同行しながら仕事を覚えていくことになる。建築や不動産など、まちづくりに関わる経験がなくても大丈夫ですか?

「大丈夫ですよ。ただ、僕は目指すべき方向性は伝えるんですけど、そこに至るまでの細かい指示が足りないってよくスタッフに言われるんです。わからないときは、気兼ねなく言ってほしいなと思います」

品川での経験を活かし、最近では新たな案件もスタートしています。

たとえば品川からも程近い高級住宅地、御殿山や、赤坂・新橋エリアの中でも由緒ある土地柄の紀尾井町など。

これからはじまる案件や、まだはじまったばかりの案件がたくさんある。エリアマネジメントの川上から川下まで関われることは、大きな経験になると思います。

今回は加藤さんと一緒に企画から関わる人と合わせて、もうひとつ募集したい仕事があります。

企画がまとまったら、準備や当日の運営など起こりうる事柄を整理して、イベントを実現可能な形に落とし込む制作の仕事です。

「イベントのマニュアルをつくるのが、制作の主な仕事になります。マニュアルに落とし込むことによって、イベントを誰にでもわかるような形にしていくんです」

マニュアルは、クライアントに向けたイベントの仕様書のようなものであり、当日運営にあたるスタッフからは、それを見ればやるべきことがわかる、文字通りのマニュアルとなる。

たとえば、と加藤さんが説明してくれたのは品川シーズンテラスで夏に行われたイベント。

「このときは、ウォータースライダーを海外から輸入したんですけど、いつまでに届くか管理して、どこの倉庫にしまうのかも考えます。お客さんがどういう動線でまわったら一番楽しめるかを考え、現場のレイアウトもします」

「コンテンツが足りないなと思えば、企画側に投げかけて新たに企画を立ててほしいという話をすることもあります」

そのほか、会場や関わる人のスケジュール調整や当日のスタッフのお昼ごはんの手配。会場までの道を間違えないよう誘導サインを置いたり、近隣のビルの管理事務所とも事前に調整をする。

マニュアルの作成と同時進行で、イベントのPR活動の準備も進められていくので連携が必要だ。さらにイベント当日はディレクターとして現場に立ち、運営スタッフをコントロールする。

やることが本当に多岐にわたるんですね。何か働く上で気をつけるべきことはありますか。

「僕もよく、『そんなに細かく計画を立てても絶対に本番はその通りにならない』と言われるんですけど。几帳面すぎてもよくないんです。すべてを決め切らずに余白を残しておくっていうバランス感覚が必要ですね」

そのためには、想像を巡らせること。

当日、その場所で何が起きるのか、来場した人がどんなふうに感じるか。さまざまな視点からできるだけリアルに当日の様子をイメージして、何が必要かを考えていく力が必要となります。

企画側と制作側、どちらの役割を担うにせよ、最初のうちは企画から運営まで一通り経験してもらうことになるとのこと。一連の流れがわかったら、自分の得意分野に合わせて仕事を選んでいけるそう。

まだまだ小さな会社だから、まちづくりだけでなくイベントの制作を請け負うこともある。仕事に垣根を設けず、柔軟に挑戦していけるとよさそうです。

最後に加藤さんからメッセージを。

「やっていることは小さな一歩だと思います。でも、世の中がいい方向に変わっていったらいいなという思いを根本に持っていると、この仕事って楽しいなと思うし、そんなふうに思っている人がいたらぜひ一緒に仕事がしたいですよね」

自分もまちや人の変化を感じながら働きたいと思ったら、ぜひ応募してみてください。

立ち上がったばかりの花咲爺さんズならきっといろいろな経験も積めるし、いいタイミングだと思いますよ。

(2017/9/14 取材 並木仁美)

おすすめの記事