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続くデザイン

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

デザイナーの宿命として、どんなに思い入れのある仕事でも、依頼がなければいつかは終わるときがやってくる。

でも、インハウスデザイナーならずっとデザインに関われるし、この会社ならあらゆる領域を横断しながら広げいくことができると思います。

どんな会社なのかと言えば、北海道を中心に全国で約200店舗を展開しているドラッグストア「サツドラ」です。

「え、ドラッグストア?」って思いましたか?

でも、このドラッグストアのすべてを任される仕事なんです。

最初はPOPや商品パッケージ、それにポスターなどのグラフィックデザインからはじまり、ゆくゆくは店舗やWebサイトまで。さらに力がつけば、グループ会社が手がける新サービスのブランディングなどを任される可能性も。

多様な経験ができるし、その行く末を見ながら働くことができると思います。

しかも、ブランディング会社エイトブランディングデザインや建築家の谷尻誠さんたちも関わるから、一人で黙々と働くわけでもなくて、質の高いコミュニケーションもできると思います。

いつか終わりを迎える案件をやるよりも、ひとつの会社のことをじっくり続けていきたいなら、いい仕事かもしれません。



札幌駅から電車に乗って15分ほど。

太平駅を降りて住宅街の中を進むと、国道沿いの一画にサツドラの本社を見つけた。

ここで最初に話を伺ったのは、代表の富山さん。

サツドラは富山さんのお父さんが今から45年前に立ち上げた会社。もともとはスーパーの中にある小さな薬屋さんだったそう。

アメリカではじまったドラッグストアという新業態をいち早く取り入れ、医薬品だけでなく生活用品全般を取り揃えながら、店舗数を拡大してきた。

2代目の富山さんは、脈々と受け継がれてきたお店のリブランディングを決意し、より多くの人たちに愛されるお店づくりを目指した。

「ドラッグストアは今まで零細の企業が多い業界でしたが、だんだんと中堅の会社も増え、大手も生まれました。ただ全国でドラッグストアの同質化が進んでいて、アメリカでは大手2社しか残っていません」

「日本でも遅かれ早かれそうなっていくだろうと思ったとき、我々が個のブランドとして認められなければこれからの成長はないだろうと。デザインやブランディングをしっかりやらないと、お客さまへ伝わるものも伝わらないと思ったんです」

そこで全国のいろいろなデザイン事務所を訪ねてみたものの、なかなかしっくりくるところがなかった。

「デザインって単純に形をつくるだけじゃないと思っていて。まず経営の構造の整理があって、マネジメントやディレクションが考えられる。そうしてはじめて目に見える形へ落としこむといった過程があるんじゃないだろうか、と」

そんなとき出会ったのが、クラフトビール「COEDO」やキリン「生茶」など数多くのブランディングデザインを手がける、エイトブランディングデザインの西澤さんだった。

「西澤さんの話を聞いていると、ブランディングの流れが非常にクリアでした。西澤さんから宿題をもらって、それを社員みんなで考えて、自然と答えを導き出してくれる。そんなやりとりがとても建設的でした」

リブランディングによって、どんなお店・会社を目指していくのか。

社員みんなで話し合いを進めた結果、意外にも「北海道」「日常」「楽しい」というキーワードが共通していたそう。

「普通、ドラッグストアなら『健康』とかのワードが挙がってくるはずなんですけどね(笑)ただ、それだけ我々は地域に根ざして北海道の日常生活を広く支えているんだということに気づくことができました。ブラッシュアップを重ねていくことで、“北海道の『いつも』を楽しく”というブランドコンセプトが生まれたんです」

北海道の「いつも」を楽しくするために。ロゴはもちろん、自社商品の見直しも行った。

これまでは別個に開発され、見た目もバラバラだった商品たちを、サツドラのPBブランドとして統一。

意識したことは、買い物をするときも、家に置いたり使うときも、ちょっぴり楽しくなるようなデザイン。

「どこでも売っているものかもしれないけど、どうせならサツドラで買いたい」と、お客さんから積極的に選ばれるような商品づくりを目指した。

たとえば、サツドラ全店の日用消耗品の中で販売個数1位だった『ソフトパックティッシュ』。

このパッケージリニューアルは、サツドラのリブランディングの発表と同じタイミングに合わせたため、サツドラの新しいコンセプトをより多くのお客さんに伝えるという課題があったそう。

そこで、「北海道」や「楽しい」をキーワードに様々なデザイン案を協議。北海道らしいモチーフのノルディック柄で、ティッシュパックそれぞれに違う柄を楽しめるデザインを採用し、手に取りやすい価格で提供するために色数を抑え、かつそれを感じさせないデザインに調整していった。

「たかがティッシュかもしれないですけど、こういうちょっと楽しいものがお店に散りばめられていると、ある日お客さまが“北海道の『いつも」を楽しく”という言葉を聞いたときに、『ああ、サツドラってそうだよね』と思ってもらえるというか」

「ブランディングって押し付けがましくやるのではなく、そういうふうに自然と伝わっていくことだと思うんですよね」

このほかにも店舗デザインや広告の打ち出し方も一新。ショップスタッフの制服は現在企画中だという。

さらにサツドラはドラッグストアの域を超えて、ライフスタイルショップ『北海道くらし百貨店』を立ち上げた。

お客さんの日常生活に密接し、地域に根ざして展開してきたサツドラだからこそできた事業だという。

その強みはサツドラグループ会社の事業展開においても活かされ、リージョナルマーケティングというマーケティング会社では北海道限定の地域ポイントカード『EZOCA』をスタート。エゾデンという電力会社も誕生した。

「リブランディングは2016年に発表しましたけど、まだまだだと思っています。発表して終わりじゃなく、やっぱり続けて育てていかないと。社内でも、サツドラらしさをつくっていこうってよく言ってるんです」

サツドラらしさ。

「ええ。昨年からサツドラアワードというのをはじめまして、スタッフそれぞれに『サツドラらしく輝いていると思う人』を推薦してもらったら、チームワークを大事にしているとか、自分ごととして考えているとか、いろんな言葉が出てきました」

「これからも続けていくことで、サツドラらしさがより明確に見えてくると思います。デザイナーの人には、そのサツドラらしさを汲み取って表現してほしいんです」

富山さんにどんな人に来てほしいか聞くと、「聴くことができるデザイナー」だという。

商品づくりではエイトブランディングデザインが、お店づくりでは建築家の谷尻誠さんと吉田愛さんがパートナーとして関わることもある。そういった外部のプロフェッショナルたちはもちろん、社内の商品部や広報部とも連携して何度も打ち合わせを重ねながらデザインをまとめ上げていく必要があるからだ。

外部と内部の間に立って情報をスムーズに伝えたり、そもそもどうしてその商品をつくるのかを掘り下げたり。ディレクションの力もつけられる環境だと思う。

「自分が得意な分野以外はやりたくないっていう人は難しいと思います。それよりも面白がってチャレンジしてくれる人がいい」

「エイトブランディングさんのような最先端で活躍されている方々と一緒に仕事ができるし、自分の色を出すこともできると思う。キャリアアップしたいと思っている人にとっても、やりがいはすごくあると思うんですよね」



実は、これまでサツドラで長年働いていたデザイナーの方が次のステップへ向けて転職することになり、そこで今回の新たにデザイナーを募集することになった。

前任の方は編集やWeb、建築など多様な経験を活かして非常に幅広いデザインを担当していたけれど、今回募集する人には最初からたくさんのことは求めていないという。

まずはグラフィック系を起点に、少しずつできる領域を増やしていってもらいたい。

「DTPを動かしてデザインするだけではない関わり方を、すごく期待したいなと思ってます」

そう話すのは、ブランディングデザイン推進グループでマネージャーを務める満留さん。

満留さんは今回募集する人の上司であり、パートナーでもある。

満留さんが各部署や代表の富山さんからデザイン案件を拾い上げ、デザイナーが形にしていくというのが、仕事の基本的な流れになるそう。

「いま社内にはブランディングデザイングループというチームがあります。ここで僕が考えているのは、ブランディングによる差異化。つまり、お客さまから選ばれ続けるための仕組みや文化をつくって根付かせることです」

「そこを目指すには、商品部からオーダーがきたからと受け身でデザインをするんじゃなくて、会社としてどこを目指すのか、サツドラらしさをお客さまに感じ取ってもらうためにはどうしたらいいのか、といったところまで自ら課題設定して、デザインに落とし込んでほしいんです」

満留さんは川崎の出身。「伝える」という仕事が好きで、以前は東京の大手出版会社で広告ディレクターとして働いていたそう。

10年近くが経ち、今度はクライアントワークとしてではなく、自社や自分を「伝える」仕事に携わりたい。そう考えたときに出会ったのが、日本仕事百貨での前回の募集記事だったという。

「転職して思ったのは、環境が変わると評価されるポイントが変わるんだなって。前の会社だったら別に褒められもしなかったようなことが、うちの会社ではすごく重宝されるんです」

「ただ、それでは自分にできることを引き続きやっているだけなので、僕自身が成長していることにはなりませんよね。けど、ここでは自分の“当たり前”を評価してもらうことで、これまでになかった新しい打席が回ってきたりします」

新しい打席。

「たとえばサツドラアワードの設計と運営は、僕が務めたんですね。そういうことは、前の仕事ではなかなかできなかったこと。働くフィールドを変えたことで、結果として業務や経験の幅が広がっているっていうのがすごくあるんです」

「デザイナーの方も縦横の広がりを間違いなく体験していただけると思っています」

サツドラのグループ会社は年々と事業が多角化していて、インバウンドのマーケティング会社や人工知能を活用したプロダクトの研究開発をする会社など、新しい会社が次々と生まれています。

力がつけば、そういった新しい事業のブランディングにも携わってもらいたいと、代表の富山さんは話していました。

まずは一つひとつのデザインを形にしていってください。

じっくり続けていくことで、会社やブランドの成長とともに、デザイナーとしての可能性も広がっていくのだと思います。

(2018/1/22 取材 森田曜光)

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