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自分アンテナ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

PROKITCHEN(プロキッチン)は、食器と料理道具などを専門に扱うネットショップです。運営しているのは株式会社常陸屋。

実際にサイトを覗くと感じるのは、商品を買わなくてもついつい覗きたくなってしまう魅力があること。

それぞれの商品にはスタッフが実際に使ってみて感じたことが、コメントとして添えられている。だから言葉には説得力があるし、書いている人の暮らしや人となりが伝わってくる。

そんなサイトをつくり出しているのは、毎日の暮らしを気にかけている人たち。

「どうしたらもっと夕飯の下準備を手軽にできる?」「私、これ使ってみたい」「このお皿にケーキを並べたら、かわいくならない?」「運動会で子どもたちが喜びそう!」

使う人のことを考えるのはもちろん、自分のことのように考えて働いている人たちが常陸屋の仕事を支えている。お話を聞いていると、そんなふうに感じました。

今回はマーケティング担当のスタッフと、お客さんの問い合わせに対応したりサービスの向上を考えていく、カスタマーエンゲージメントスタッフを募集します。



常陸屋のオフィスは、勝どき駅を出てすぐの場所にある。扉を開けると、笑い声や話し声が絶えない、賑やかな空間。

ソファに腰掛け、「どうぞ」と出してもらったお茶が注がれていたのは、フィンランドのブランド、アラビアのカップ。味気ない紙コップで飲むよりもぱっと気持ちが華やぐ。

ほっと一息ついたところで、まずはスタッフの見目さんにお話を伺う。

マーケティングや広報、人事などさまざまな役割を担い、社内では何でも屋さんのようなポジションだ。

「プロキッチンで扱っている商品は、売れるか売れないかという基準では選んでいません。自分たちが一ユーザーとして使ってみたい、使いたいって思えるものかどうか。それはずっと変わらないことですね」

ちなみに常陸屋で働く15名は、代表の廣田さんを除いて全員女性。

それぞれが自身の経験を生かして、実際に料理をするシーンや使いたい道具を常に頭に描いている。

たとえ世の中で人気のお皿であっても、使いにくいと感じたらおすすめしないし、まだ知られていない商品でも、すごく便利だと思えばその良さをしっかりと伝える。

たとえば、私がサイトを見ていて気になったコメントの一例をご紹介すると、こんな感じ。

「餃子はいつも多めに作り冷凍保存。水餃子や中華スープに入れたりして、今日は作る時間がない!っていうときに便利です。野田琺瑯のバッドに並べて蓋をして冷凍庫へ。くっつかずにきれいに冷凍できます。間にラップを一枚かませておくと餃子が取りやすいですよ」

「この器は自然と中央に高さがでる盛り付けになります。煮物やメイン料理がきれいに盛り付けられますよ。横から見た三つ足もスタイリッシュに藍色の縞模様はさらに料理を際立たせてくるので料理上手になった気持ちになれる器です」

どれも「わかる!」と納得してしまうものや、そんな使い方もできるんだ、と暮らしに取り入れやすいものばかり。

さらに、商品がどうやってつくられているのか、つくっている会社は何を大切にしているのか。サイトでは商品の背景にも触れられている。

「社長以下は役職があるわけではないので、常にみんなで物事を決めるための意見を言う場も聞く場もあることも、この会社の特徴なのかなと思います。ごはんを食べながら話したり、最近ではざっくばらんに話す月に1回のお茶会をはじめました」

ちょうどこんな感じ、と後ろの机に注目する見目さん。

そちらに目を向けてみると、夏に向けての商品検討会が行われている。

夏休みのごはんといえば素麺。

ということで、みんなで素麺をすすりながら、どういう食器が欲しいか、普段どんな食べ方をしているのか話をしていた。

「私は水気があると麺がふやけそうな感じがするから、ざるに入れてる」「この質感だと、麺がくっついちゃいますね」「素麺だけじゃなくて、フルーツポンチとかも入れられるような、大きめなガラスのボウルがあるとうれしいかも」

食器や調理器具は見た目がよくても、実際に使ってみないとわからないことが多い。それぞれが使ってみた感想を共有することで新しいアイデアが生まれることも多いのだとか。

一方で、社内の半分以上が時短で働いているスタッフ。働く時間が限られてしまうぶん、情報共有や仕事の分担など大変ではないですか?

「時短とかフルタイムという線引きはとても薄くなっていると感じます。いろんなライフスタイルで働いている人がいて、それぞれに合った働き方ができるんじゃないかな」

たとえば見目さんはフルタイムで働きながら、通勤に往復3時間かけているそう。

それでも会社にはフレックス制や在宅ワークが導入されているし、ChatWorkのようなツールもあるから柔軟に働くことができる。

「この前は、気になっていたパン屋さんに寄ってから会社に来たんですよ」

「みんなにもいる?って声をかけたら、8千円分もパンを買うことになって大変でした(笑)それだけみんな、食に興味があるってことなんでしょうね」

働く女性たちが楽しく仕事ができる環境を目指して、常陸屋では自分たちで意見を出し合いながら働き方を改善している。

「みんな誰かが元気なかったら『大丈夫?』『手伝おうか?』って自然と声を掛け合える。仕事だけじゃなく、ちゃんと横にも後ろにもアンテナを張っている人たちなんです。お互いの思いやりが働きやすさにつながっていると思います」



誰がどこまでと線引きするのではなく、自分にできることを見つけて働く姿勢は、日々の関わり合いも仕事の進め方も同じこと。それは国内外に向けた商品の発注担当として入社した幸塚さんの話からも感じられた。

彼女は、日本仕事百貨の記事を見て常陸屋を知った方。

「前の職場でも同じように通販の仕事をしていたんですけど、仕事のやり方は今とは全然違っていました」

以前は、とにかく売れるものをできるだけたくさん売るというスタンスだった。

もちろん自分なりにこだわって商品をセレクトしていたものの、売上や取り扱い数が伸びるとともに、一つひとつの商品やつくり手を丁寧に紹介できなくなっていく。

幸塚さんは、そこにジレンマを感じていたそう。

「売上規模は大きかったものの、その売り方がずっと続くとは私には思えませんでした。ここでは、一点一点の商品に対してみんなすごく愛情を持っていると感じています」

たしかに、それはサイトにも滲み出ているような気がします。一方でギャップを感じることなどはなかったですか。

「前職でも、結構いろんなことを担当しているなと思っていたんです。でもこちらに入ったら、さらに細かくいろんなことをやっていてちょっと驚きました」

「たとえば、商品の検品やお客様に届けるメールを送ることも。昨日は発注担当の私が、お客様からの入金確認をしました。全部自分たちでやっているので、すべての工程に関わることができる。それがすごく面白いなって思っています」

記事を読んだときには、それぞれに裁量が任せられていて、とても自由でゆるやかな会社に見えたそう。けれども自分たちがやりたいことを実現していくために、きちんと稼ぐことも大切にしている。

今回の記事では、ちゃんとそのことも伝えてほしい、ということだった。

現在はプロキッチンで扱う商品を、国内外のメーカーに発注する仕事を主に担当している。

「売り切れたら仕入れるではなくて、年間を通してお客様が欲しいものを予測するように日々考えています。仕入れの数が少ないメーカーさんには、もう少し仕入れられないか交渉するのも仕事ですね」

「ちょっと営業とか、マーケティングっぽい要素もあるかもしれません。お客様がストレスを感じないよう補充することがサービスになると思うし、マーケティングの方と連携して、商品が売れる施策を考えることも必要なことです」

なんと、幸塚さんは入社してまだ1ヶ月なのだそう。そんなことは感じさせないくらい、先を見据えて今の自分にできることを考えている。きっと新しく入る人にも、こんな姿勢が必要なんじゃないかな。

見目さんも幸塚さんの話に頷き、言葉を続ける。

「何か問題が起きたときには、全員で協力する姿勢がすごいなと私は思っていて。昨日も商品の発送先を間違えるということがあったんですが、責任追及をするのではなくて、各チームがその対応で自分がお客様だったら満足するか?と考えながら、動いていました」

結果、その日のうちにお客さんに対応策までご連絡できたそう。スピード感のある対応は、それぞれが責任感を持って仕事に取り組んでいるからこそ可能なのだと思う。



お二人の話を「うんうん」と横で聞いていたのが代表の廣田さん。

「今の話を、僕は今日初めて知りました。会社によっては対応方法を毎回上に報告して、審議してからっていうところもあると思うけど、うちではどうするべきかということはなるべく聞かないで考えてほしいです」

自身も、若干20歳でIT会社を設立したという方。その後プロキッチンを開設したときも、未経験だった商品の輸入を手探りで始めた。

何事も自分でやってみる常陸屋のスタンスは、廣田さんからきているんだなぁとあらためて感じる。

新しく入る人も、仕事内容に線引きはなく幅広い内容を担当していくことになる。

たとえばマーケティング担当なら、市場調査やサイトの特集を組むこと、自社商品の開発も進めてほしい。カスタマーエンゲージメントは、お客さんの微妙な変化に気づきながら、ラッピングやメールの文面などの改善につなげてほしい。

「そのためにも、入社後は部署をまわってすべての業務を一度は担当してもらおうと思っています。だから線引きする働き方に慣れていると、難しいかもしれませんね」

「これまで、日本にはすぐに名前が浮かぶようなキッチン用品専門店がなかったんです。うちは屋号も“プロキッチン”ですし、良いものをしっかり選んで揃えています。とにかく台所周りで困ったら、一番最初にアクセスしてもらえるお店にしたい。今後はそこに力を入れていきたいです」

現在は商品ラインナップの充実や、自社商品の開発も進めているところ。さらにネットを通してだけではなく、直接お客さんと接する機会も増やしていきたいとのこと。

これからどんどん、活躍の幅が広がっていきそうです。



常陸屋のみなさんは、働いている間も自分の時間が続いているような気がします。

なぜそんなふうに働けるのか考えると、この仕事と一緒に働く人たちのことがみんな好きなんだと思う。だから自分のこととして働ける。

それは大変なことも多いでしょうけど、私は常陸屋の空気が心地よくって、大好きになりましたよ。

(2017/12/14 取材 並木仁美)

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