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“やりたい”を形にしよう

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「何より好きなんで、やっていても苦じゃないんです。面倒くさいんだけど、やりたいことはやらないと」

これは、Tree to Greenの村上さんが、自分の仕事について話してくれたこと。

Tree to Greenは、東京に創業して5年目のベンチャー企業。

日本各地の木をつかった“ものづくり”や建物の内装をつくる“まづくり”、体験を企画する“ことづくり”をしながら、世の中によりよい環境や文化を残すことを目指している会社です。

メンバーそれぞれの得意分野を活かしながら次々と新しい仕事を生み出しているから、Tree to Greenの事業をひと言で説明するのは正直ちょっと難しい。

「日本の木」に触れ、知ってもらうことで、自然環境や地域をよりよいものにできたら。その想いで働くみなさんは、自分たちの仕事を「木育」とまとめます。

今回募集するのは、日本の木を活かして建物の内装や家具をつくる、まづくり担当のスタッフ。

内装ディレクターと現場監督。インテリアデザイナーに大工さんと職種は分かれているものの、職種の枠に捉われない柔軟な働き方ができそうです。

日本の木や森林に興味がある方はもちろん、自分の個性を活かしながら働きたいという方におすすめしたい仕事です。


原宿駅から歩くこと10分ほど。駅前の人混みが落ち着いたころ、大きな通り沿いにタイル張りのマンションが見えてきた。

この中に、Tree to Greenのオフィスが入っている。

お宅にお邪魔するように靴を脱いで部屋にあがる。自社で製作した木のアイテムが並ぶオフィスで、取締役の小瀬木さんが迎えてくれた。

「お久しぶりです。お元気でしたか。見てください、これ。最近うちでつくった木曽ひのきの照明です」

小瀬木さんを取材するのは、これで2回目。前回の取材に比べてにぎやかになったオフィスには、スタッフの明るい笑い声が響いている。

Tree to Greenは、長野県木曽の木工職人を父に持つ小瀬木さんと、日本の林業再生に関心のあった代表の青野さんが出会い生まれた会社。

紹介してくれた照明のような木製品の企画営業や、新規事業のプロデュースを得意としているのが小瀬木さん。担当する“木曽生活研究所”という木工ブランドは高級ホテルや有名なセレクトショップでも取り扱われる看板商品だ。

ほかにも、木育を取り入れる保育施設の立ち上げコンサルタントを行っているスタッフもいれば、さまざまな場所で木工のワークショップを行っているスタッフもいる。最近は長野の工場で、木工文化の担い手となる自社の職人まで育てようとしている。

スタッフは13人。「木育」をキーワードに、全国でさまざまな仕事をつくってきた。

「ちょうど今日は目黒の保育園で、担当がワークショップをしています。ヒノキを削ってお箸をつくるんですよ」

「日本の木を使ったものづくりや、まづくりをしている会社はあると思うけど、ワークショップやコンサルティングといった、“ことづくり”までできるところはあまりないんじゃないかな」

さまざまな事業があるなかでも、今回募集する“まづくり”は、会社の柱となっている事業らしい。

Tree to Greenの空間づくりというのは、一体どういうものなのだろう。

まづくり事業全体をまとめている、内装ディレクターの村上さんにも話を伺った。

「できるだけその地域の業者さんと協力して、地元の木を使う空間づくりをしているので、地域経済にも深く関わっているという観点からも面白い仕事だと思いますね」

現在、主に手がけているのは、保育施設の内装や遊具、そして家具の製作。

去年は北海道から九州まで10の保育園を請け負った。オフィスも主軸業態の一つで、飲食店や個人宅を手がけることもある。

「そのなかで僕の仕事は、案件ごとにスタッフを集めて、時間・人・モノ・お金を調整しながら空間をつくっていくというものです」

Tree to Greenに入社する前のことを尋ねると、特注家具づくりの職人として工場長を任されていたらしい。さらに、同じ会社のなかにあった内装施工の部門で内装監理も一任されるという珍しい存在だった。

転機は、東日本大震災。

エネルギー問題が報道されるなか、木材価格が安いために貧困国の森林ばかり破壊が進む一方で、日本の森林が放置されて荒廃していることを知った。

これからは日本の森を活かした仕事をしたい。ぼんやりそんなことを考えていたあるとき、同じ志を持つTree to Greenの青野さんと小瀬木さんに出会う。

とはいえ、当時のTree to Greenは立ち上げ直後。確実な仕事はひとつもなかったし、大手企業からスカウトもされていた村上さんが、まさか一緒に働いてくれるとは、青野さんも小瀬木さんも思っていなかったそう。

どうしてTree to Greenに入社することにしたのでしょうか?

「すでに仕組みが決まっている大手企業で、歯車の一部になっちゃうのは嫌だったし、成功したいという打算もありました(笑)」

「なにより、自分が本当にやりたいと思うことをやるなら、”牛後”よりも”鶏口”のほうがいいと思ったんですよ」

「Tree to Greenのまづくりがどういうものかよくわかると思う」と言って、村上さんが長野県木曽郡の図書館を手がけたときのことを話してくれた。

きっかけは、木曽で木工製品の企画やイベントを行っていたTree to Greenに、地元に新しい図書館をつくるという話が舞い込んだこと。

まずは外部のデザイナーに入ってもらいつつ、小瀬木さんが「木工文化が残る、木曽らしさを活かした図書館」というテーマでラフプランを考えた。

テーマをもとに企画と見積もりの補佐を行いながら、実際にかたちにしていくのが内装ディレクターの仕事。施主の細かな要望を吸い上げながら実施設計に落とし込み、地元の木曽ひのきと職人の手配をして、すべての工程の管理をしていった。

それは、よく聞く施工監理の仕事のような気がするなぁ。そう思っていたら、村上さんの口から意外な言葉が出てきた。

「僕は映画をつくるような感覚で仕事をしているんですよ」

映画ですか?

「そうそう。コンセプトを考えるところから、自分の好きな人たちをキャスティングして」

「デザイナーや職人が働きやすくなるよう舞台を整えながら、クオリティを落とさずアイデアや技術を詰め込んでいくんです」

木曽ひのきを使ったものづくりが盛んだった地域なので、その技術を活かした巨大な風呂いすをモチーフにしたテーブルや風呂桶のニュアンスを取り入れた本棚を企画。

ほかにも、木の良さを引き立てるために、知り合いの暖簾屋さんの暖簾を取り入れてみたり、和傘屋さんの和傘を置いてみたり。視察で訪れた際に見つけた廃校の椅子をリメイクして使う、なんてこともやってみる。

「日本には素晴らしい木工の文化や技術があります。みんなの目につく空間のなかにそれを活かすことで、もっと知ってもらいたいし、経済を回すことで地域を活性化させたい」

企画から携わっているから、やってみたいと思うアイデアがあれば、どんな立場の人でも提案していい空気がある。

「デザインにしても僕が考えようが、デザイナーが考えようがとくにこだわっていなくて。営業の小瀬木がラフデザインをするときもありますよ」

たとえば、大工さんに家具をつくってもらうのもいいかもしれないし、伝統技術をインテリアに活かすこともできるかもしれない。

施工後も地域に愛される施設になるよう、まづくり担当が地元の子どもたち向けのワークショップを運営することだってあるそう。

枠に捉われず、自由に働いているように感じる。

でも、映画と同じで、しっかりと軸を決めていないと作品がブレてしまうようにも思えます。

「混乱はしませんね。僕はいい空間ができれば、それでいいと思ってるんです」

村上さんの言う“いい空間”って、どういうものでしょう。

「その場所にいる人にとっても、空間がつくられる背景にある人やモノにとっても幸せな空間」

「貧困国の森をいじめないで、日本の環境もよくできる。しかも地方に残る文化と最新のテクノロジーやデザインがうまく組み合わさってできる。そんな空間はきっといいものだと思うんです」

静かに考えたあとで、一つひとつの言葉を噛みしめるようにそう話してくれた村上さん。

専門的なことを易しい言葉に言い換えて、丁寧に話してくれる様子から、さまざまな視点で考えを巡らせている人なのだろうと想像ができる。

現在まづくりを担当しているのはたったの2人。ようやく保育施設の内装デザインをパッケージ化できてきたけれど、もっと数を増やしていきたいし、自由にやりたいことをするには、人が足りない。

そんな忙しいなかでも、村上さんは地方まで出向いて製材屋さんに木材を見に行くし、自らアポイントを取って業者に協力をお願いしに行くこともある。

そんなふうにしていると、施工中の物件の近くにあった工場で、次の仕事に使えそうな木材に出会えたなんてこともあったそう。

「やりたいと思うことをやるというのは、めちゃくちゃ手間だし、面倒くさいですよ。でも、そうすることで地域の問題をより理解できるようになるし、地域に眠っている技術や文化を発見できることもあって。一つひとつが僕たちの武器になって財産になっていく」

動けば動くほど、新しい発見がある。のびのびと仕事の幅を拡げていくことがTree to Greenらしさになっていく。

今回はTree to Greenとしてはじめての試みで、現場で働く大工や現場監督を募集する。いずれ都内の案件は、自社大工でこなせるようになりたいという展望があるそう。

「お客さんの求めているクオリティにするために、僕らは一歩引いて指摘する側になっていかないといけないと思っていて。そのためには現場が心身を消耗するようなことがないよう、実際に手を動かしている人たちの心や技術を知る必要があります」

施工現場というと、昼夜がなく大変な仕事、というイメージを持つ人もいるかもしれない。けれど、村上さんはそうならないよう調整することがディレクターの仕事だと話す。

すべてのまづくりスタッフは、自分たちでスケジュールを管理する。一人ひとりが仕事の量や時間をコントロールしながら、自分らしく仕事を進めていく。

「僕は現場で働く人の気持ちも分かるから、図面ひとつとっても美しくまとめて渡すようにしています。いい空間にするためにすべてのコントロールをしていくんです」

村上さんは、どんな人と働きたいですか?

「たとえば照明にむちゃくちゃ強いとか、空調設備や水回りに強いとかでも面白いと思います。何かとがったものを持っていたら、会社の武器になれると思う」

「一番は空間作りが好きな人。経験はそんなになくても、デザインや空間が好きな気持ちがあって僕らの空間づくりに共感してもらえるなら大丈夫」

経験値に合わせて、柔軟にフォローしていくとのこと。

「わからないことがあれば解決策を教えます。でも、次に活かせてなかったら厳しく言うこともありますよ。そうすることで、きっと楽になると思うから」

正直、Tree to Greenは人を選ぶ会社だと思います。

ここでは、用意されたことをこなすだけではきっとつまらない。日本の木や空間への好奇心を持ち続けて、ぜひ自分のやりたいことを仕事にしてください。

(2018/2/9 取材 遠藤沙紀)

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